回答一覧 - 不育症・流産・子宮外妊娠・陽性判定後 No.1 -
 2人目を希望し、治療を再開して、先日セントマザーにて戻しをしました。今週には、妊娠判定がでるのですが、気になることがひとつあります。インフルエンザの予防接種です。1歳児が家にいるので、予防接種が確実に安全(関係がない)のであれば、接種したいのですが、妊娠初期にはよくないと聞いたことがあり、気になっております。
 もし妊娠していたとしたら受けない方がよいでしょうか?また、妊娠していない場合は、予防接種を受けてから、治療までどの位間隔をあけたら良いでしょうか?

 インフルエンザの予防接種はその年のインフルエンザ流行予測に基づいて作られている「不活化ワクチン」を使用しており安全性も高いものです。インフルエンザワクチンと妊娠との関係ですが、国際的には妊娠中もインフルエンザワクチンは安全だと認識されているようです。しかし、予防接種のワクチンによっては妊娠に不適当なものもありますし、日本ではインフルエンザワクチンが完全に妊娠への安全性が証明されていないとして妊婦への接種には慎重な姿勢です。
 上記を考え合わせると妊娠初期、胎児が薬剤やウィルスに対して感受性の高い時期を避けた妊娠中期以降(16週以降)であれば安全性はより高まり心配ないものと思われます。また不妊治療中の方で妊娠の可能性はあっても、現時点で妊娠していなければ予防接種は心配ないと思われます。従って接種後、治療まで間隔を空ける必要もないと思われます。
 このように妊婦や不妊治療中のインフルエンザ予防接種に関しては国や学会レベルの方針は決まっていないのが現状です。また逆にインフルエンザの羅患が妊娠に及ぼす影響もわかっておりません。インフルエンザの羅患は38℃を超える発熱、薬を服用せず自然治療を選ぶ人もいますし、抗ウィルス薬を服用する人もいます。この場合も副作用の危険がないわけではありません。このように選択にまかされている状況です。インフルエンザが悪化し易い合併症を持つ方(心臓病、喘息、糖尿病など)は別として普通の健康人であれば予防接種に頼らず、感染を防禦するといったことも考えてみて下さい。それにはできれば人混みを避け手洗い・うがいの防行、十分な睡眠と規則正しい生活と運動や食事で体力をつける、家族でインフルエンザにかからないようにするといった予防方法も大切なことです。
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
 初めて質問をします。現在、人工授精IVFで治療を行っていますが、妊娠反応は出るものの、2度も化学流産になってしまいました。原因はどういった事が考えられるのでしょうか?

 2回の化学的流産の原因としては、夫婦に特別な原因は無くて、たまたま起こった卵子や受精胚の異常によって流産が繰り返された可能性もあります。夫婦の染色体が正常でも、胚の染色体に異常が起こることはしばしばあります。女性の年齢が高いことは、流産率の増加につながります。その場合には、特別な治療はありません。次回は正常妊娠となる可能性も充分期待できます。
 不育症の原因としては、抗リン脂質抗体症候群、同種免疫異常、黄体機能不全、子宮内膜の異常(着床障害)、夫婦いずれかの染色体異常、甲状腺機能異常、糖尿病、クラミジアなどによる子宮内膜炎、頚管炎、等が挙げられます。
(産婦人科医:粟田松一郎)
 7年間に5回妊娠しましたが、いずれも8〜9週あたりで流産してしまいました。いつも妊娠がわかると同時にずっと出血が続きます。その都度、バファリンなどの薬を処方されましたが効果はありませんでした。
 妊娠の喜びとともに、また流産してしまうのではないかという不安があります。有効的な治療法はありますか?

 不育症(習慣流産)の原因は、抗リン脂質抗体症候群・同種免疫異常・夫婦いずれかの染色体異常・子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜ポリープ・黄体機能不全・甲状腺機能異常・糖尿病・子宮頚管無力症・子宮頚管炎・クラミジア感染症など、色々と考えられ、原因によって治療方法が異なります。
 あなたの場合は、抗リン脂質抗体症候群の原因を考えて「低用量アスピリン療法」として「バファリン」の内服治療をされていたのだと思いますが、検査では抗リン脂質抗体症候群の診断は確定しているのでしょうか。そのほかの治療方法としては、「柴苓湯」「プレドニゾロン」「ヘパリン療法(連日投与)」などがあります。確定診断がついていない患者でも、「疑い」のレベルで「バファリン(81r)」を処方することは、多くの医療施設でしばしばあります。
 他の原因による流産では、同種免疫異常の原因に対して、「夫リンパ球移植」を行っている医療施設も多くあります。夫婦の体質の相性で、流産が起こるというもので、まだまだこれからも医学的な解明が必要な治療法です。副作用の可能性についても充分な説明が必要です。同種免疫異常の確定診断を行うための信頼できる検査方法は、まだ確立していません。また、効果について否定的な意見もありますが、当院ではその治療後の妊娠継続率は70〜80%です。
(産婦人科医:粟田松一郎)
 私はこれまで体外受精を5回したのですが、そのうち4回は着床せず、1回は妊娠したのですが、化学流産という結果に終わっています。受精卵の質はほとんどがG2で、内膜は10mm程です。
 体外受精を5回もして着床しないということは、抗核抗体検査や染色体検査などの対象にはならないのでしょうか?また、検査をした方がよいのであれば、検査費用やスケジュールも教えてください。

 体外受精を5回して着床しないのは、抗核抗体や染色体の問題ではなく、受精卵の質ないしは着床の状態に問題があると思います。まずは良好な卵子の採れる排卵誘発法をしているかどうか、採取した精子と卵子がきちんと正常に受精し、発育しているかどうかを調べて下さい。次は胚を移植する際の内膜の状態が十分であるかどうかを確認します。内膜、着床状態があまり良くない時には、採卵周期には戻さず、一旦凍結し、自然周期にこの凍結胚を融解して戻すと、着床率は間違いなく高くなりますよ。
(院長:田中温)
 こんにちは。私は36歳で、6歳の子供(自然妊娠)がいます。2人目は自然には授からず、病院にて、タイミング法、人工授精、ART分割胚移植(2回)を受けましたが、妊娠しませんでした。転院して、今年の7月初旬に胚盤胞移植で妊娠しましたが、1ヶ月後に流産(HCG値が最高210mIU/mlと低かった)しました。
 9月下旬に再度、胚盤胞移植を行い、陽性反応(HCG値4.1mIU/ml)が出て、HCG値が21.7 mIU/ml(10月6日)、77.3 mIU/ml(10月11日)、324 mIU/ml(10月15日:5W1D)でした。
 前回よりもHCG値は高いのですが、一般的な値よりも低く、子宮外妊娠の可能性または、流産率は80%と言われました。白黒はっきりする前に掻爬をしたほうがいいかもしれないとも言われています。
 掻爬をすると、今後の妊娠にも影響が出ると思いますし、現在の病院の施設にも不安があります。
 できれば掻爬は避けたいのですが、掻爬以外どうすることもできないのでしょうか?私のような症状は不育症でしょうか?染色体異常も考えられますか?主人の精子は奇形率が80%と高いのですが、関係があるのでしょうか?

 5週1日のHCGの結果は、324mIU/mlという低い値ですが、徐々に上昇してきておりますので、7週まで様子をみて下さい。子宮外妊娠であっても、7週までに破裂することはまずないと思います。
 7週の時点でHCGの値が下がらず、子宮内に胎嚢を認めない場合は、子宮内掻爬をされて下さい。その後、HCGの値が下がらなければ、子宮外妊娠の可能性がありますので、腹腔鏡を是非されて下さい。
 前回の流産が初めてならば、不育症とはいいません。染色体検査は、流産を2回以上された場合にしましょう。精子の奇形とは関係ありません。
(院長:田中温)
 長い治療を経て、今回やっと妊娠しましたが、まだ赤ちゃんの入った袋が見えてきません。主治医からは「おそらく流産でしょう。もう少し様子をみましょう。」と言われましたが子宮外妊娠なのではと心配です。様子を見るばかりでなく、早く確認することはできないのでしょうか?

 妊娠反応が(+)に出て、子宮内に妊娠を確認できる赤ちゃんの入った袋(胎のう)がエコーで見えるまで、一週間必要です。またそれが見えても、赤ちゃんが見えるまでに更に一週間必要です。この様に胎児の発育を観察してゆく為には、ある程度の時間が必要なので、その間HCG値という妊娠性ホルモンの検査や出血や下腹部痛などの症状に注意して慎重に経過観察することが必要です。更に子宮外妊娠の疑いが強ければ、腹腔鏡検査(ラパロスコピー)で確認検査も行います。
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
 2年前にクロミッドによる誘発で4分割を戻し、子宮外妊娠しました。このときは、アルコールを使って処置をしました。(片方の卵管はおそらく通っておりません。)
 子宮外妊娠を経験してからは、胚盤胞移植を勧められましたが、なかなか胚盤胞にならず移植できず、その治療法に限界を感じて転院をしました。
 転院後のクリニックではクロミッドではなくロング法での体外受精を勧められました。今回も、胚盤胞での移植だと思っておりましたが、その先生は4分割を戻すということでした。
 以前の病院で4分割を戻すと、再度子宮外妊娠をするリスクが高いという説明を受けたのですが、今回は大丈夫と言われて困惑しております。先生はいかが思われますか?また、先日新聞に掲載されていた桑実胚戻しは、子宮外妊娠を経験していてもリスクを抑えることが可能なのでしょうか。

 子宮外妊娠を一回起こした方は、その後、再度子宮外妊娠となる率は少し高くなりますので、ご注意下さい。特に保存的治療をしている方は、要注意です。
 どのステージで子宮に戻せば子宮外妊娠になる率が低いかということに関しては、はっきりとしたデータはありませんが、どのステージでも多分変わらないと思います。但し、一個あたりの胚の着床率は高くなりますので、もし良好な胚であるならば、長期培養の方が良いと思います。
 胚盤胞移植に関しては、当院では胚盤胞よりも桑実期胚移植をおすすめしております。それは、妊娠率には差はないのですが、一卵性双胎の率が低いこと、凍結をした場合には桑実期の方が胚盤胞よりも成功率が高いメリットがあるからです。
 妊娠後は、なるべく早い時期から子宮外妊娠かどうかのフォローが必要だと思います。尿中HCG濃度の測定、妊娠7週の時点で、子宮内に胎のうが見えない場合には腹腔鏡検査が必要だと思います。
(院長:田中温)
 体外受精で子宮外妊娠を生じる危険性は、自然妊娠に比べ高くなります。当院の過去5年間のデータでは、体外受精で子宮外妊娠を生じる危険性は0.6%で、戻した胚は4分割卵から桑実胚、胚盤胞までさまざまです。桑実胚、胚盤胞は4分割卵に比べ、子宮外妊娠の数は少ないことは確かです。しかし、胚移植は4〜8分割が圧倒的に多いので、桑実胚、胚盤胞が子宮外妊娠になりにくいという印象はあっても、統計学的に差があるかは疑問です。従って現在のところはなんとも言えません。むしろ卵管の状態、子宮の状態が子宮外妊娠を引き起こす因子として大きいものがあることは確かです。
 以上のことより、桑実胚、胚盤胞が完全に子宮外妊娠を防止できるとはいえないので、分割の状態よりも、卵のでき方、受精や着床の状態を考えて治療を進めていくべきだと考えます。
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
 もう少しで初めての出産を迎えます。来月、出産で入院する予定ですが、入院費の支払方法はどのようになっているのでしょうか。

 入院時に35万円の預り金を受付でしております。残りは退院時に精算していただきます。大体35万円です。帝王切開の場合は35万円、双胎の場合は45〜46万円です。(尚、双胎の場合は、管理入院の費用は別になります。)
(事務主任)
 長い治療の末、ようやく妊娠できました。以前1度流産したことがあるので、心配をしていましたが、先日心拍の確認ができました。心拍確認後の流産率は少ないと聞きましたが、やはりまだ心配です。不育症の検査などをしなくても大丈夫でしょうか。

 心拍確認後の流産は、約5%あります。もし、心拍確認後の流産を2回繰り返した場合には、不育症の検査をする必要があります。今回が、初めての流産であるならば、次回も流産をする確率は高くなりませんので、検査はしなくてもよいでしょう。
(院長:田中温)
 長い期間の不妊治療の末、ようやく妊娠したにも関わらず、早産してしまいました。諦めようかと思っていた矢先の妊娠だったので、もう一度だけチャレンジをしてみようと思います。治療を再開するには、どのくらいの期間をおけばよいのでしょうか?

 早産した場合には、半年くらいあけて子宮の回復を待つと同時に、母乳をしっかり止めることが大事です。 今回は、残念な結果となり、精神的にも大変な苦労をされたことと思います。
気持ちの持ち方は、生殖機能に大きく影響しますので、過去をひきずったままでは、いい卵子は育ってきません。ご夫婦で、勇気を出してまたもう一度がんばるという気持ちになれるまで待たれてから治療に臨まれて下さい。
(院長:田中温)
 初期流産をしてしまいました。次の治療を再開するのはいつくらいがいいのでしょうか?どのくらい期間をおけば大丈夫でしょうか?

 初期流産の場合には、子宮内容清掃術などをされてなければ、1ヶ月でいいと思います。子宮内容清掃術をされた場合には、2,3ヶ月あけたほうがいいでしょう。
 開始の目安としては、基礎体温が規則正しく二相性になることです。もちろん、精神的にも立ち直っていなければなりません。
(院長:田中温)
 はじめまして。これまでに流産を2度経験していますが、その原因は何なのでしょうか?わたしは、高血圧で、肥満体質なのですが、それが流産の原因になるのでしょうか?

 習慣性流産の原因は、いろいろありますので、一般的な精密検査をまず受けてください。肥満や高血圧が流産の直接の原因になるということは、あまりないと思います。しかしながら、良好な卵子を発育する上において、肥満や高血圧が大きな阻害因子となる可能性がありますので、不妊治療を始める前に、理想体重に落とし、血圧をコントロールすることをお勧めします。
(院長:田中温)
 妊娠反応が陽性で喜んでいたのですが、超初期流産をしてしましました。次回は凍結胚を戻す予定になっているのですが、どのくらい期間をおけばいいのでしょうか?すぐにしてもよいのでしょうか?

 妊娠判定は、尿中(または血中)hCGを対象として行います。尿中妊娠キットはhCGが25IU/L以上で要請となりますが。血中hCGは、1IU/Lより測定が可能となります。ですから、血中hCGで判定する場合には、25IU/L以下でも陽性となりますので、実は妊娠していないにも関わらず、超初期流産と診断されしまう場合がありますので、判定には注意が必要です。妊娠と判定後、直ちに月経様の出血が始まり、超初期流産と診断された場合には、妊娠していなかったと判断される場合も含まれています。その場合には、1ヶ月休み、基礎体温が二相性になっているのであれば、治療を再開されても構いません。
(院長:田中温)
 習慣性流産の疑いがあるといわれました。リンパ球移植を試したいと思っていますが、私の通っている病院では、効果が薄いといわれました。どうでしょうか?

 リンパ球移植は、習慣性流産を2回以上経験した方で、その原因が見つからなかった場合の最終的な治療として行われてきた方法です。しかしながら、現在、日本産婦人科学会は、リンパ球移植を行わないように警告を出しております。それは、リンパ球の投与後のGVHDというアレルギー反応が報告されているからです。このGVHDというアレルギー反応は、発病後の死亡率が高く、重篤であるといわれております。
 アレルギー反応の発生を抑えるために、放射線を照射する方法が一般的ですが、放射線を照射することによって、リンパ球移植の効果が半減してしまうという報告もあります。また、放射線照射を行わずに、リンパ球移植をしたほうが成功率が高くなるという報告もあります。
 これらの情報は、学会のガイドライン等もありますので、担当の先生とよく相談されて使用するほうがいいでしょう。少なくても、着床を助けるためだけの目的では、リンパ球移植はお勧めできないと思います。
 現在では、リンパ球移殖と同様の働きのあるピシバニールの投与も同等の価値があると言われております。
(院長:田中温)
 妊娠判定の血液検査で、化学的流産と2回診断されました。2回以上の流産をすると不育症だと聞きましたが、不育症の検査をしたほうがいいでしょうか?

 現在、臨床的には、化学的流産はあまり認められていません。妊娠したかどうかはもちろんHCGの判定で決まりますが、この血中の検査は非常に鋭敏な判定となります。ですから、ごく少量の上昇でも陽性反応が出た場合には、化学的流産の頻度は非常に多くなってしまいます。このようなことを避けるために、現在では、超音波上の胎児の入っている袋(胎嚢)を確認できるかどうかが妊娠の最終的な判定となっております。ですから、まず化学的流産がどのような方法で診断されたかを知る必要があります。血中HCGベータ反応が陽性に出た後、すぐに出血があった場合には、現在では、妊娠とは判定しない場合が多くなっております。この方法で化学的流産と診断されている場合には、不育症の検査はする必要はありません。
(院長:田中温)
 残念ながら、前回のIVFで化学流産と診断されました。少しでも早く赤ちゃんがほしいので、続けて治療をしたいのですが、すぐに体外受精(IVF)をしても大丈夫でしょうか?

 化学流産の場合は、それが本当の流産かどうかが問題です。血中のHCGベータが陽性ですぐに月経の出血がある場合には、妊娠していない可能性が高く、次の周期ですぐに体外受精にはいられても結構だと思います。一般的な化学流産の場合には、1ヶ月ぐらいあけた方がよいかもしれません。
(院長:田中温)
 体外受精(IVF)の後、血液検査で妊娠判定に陽性反応が出ました。とても喜んでいたのですが、まもなく通常の生理と変わらない出血が始まり、化学流産と診断されました。友達に相談をしたところ、同じような経験をしている人が多いように感じます。こういうことはよくあることなのでしょうか?

 血中のHCGベータを測定することにより、妊娠を判定する方法がありますが、血中の測定は、非常に鋭敏な方法です。微量なHCGベータを拾ってしまう(1pg/ml以上)ので、血液検査で妊娠判定は陽性となりますが、すぐに化学流産と診断される率は高くなります。現在では、こういったことを避けるために、尿中HCGで陽性をもって、妊娠陽性と判定し、さらに超音波検査にて、胎児のはいっている袋(胎嚢)が確認された時点で臨床的妊娠と判定することが一般的です。
(院長:田中温)
 不妊治療の結果、ようやく妊娠したのに、流産してしまいました。1ヶ月ぐらいで生理が来るといわれたのに、ぜんぜんその気配がありません。病院に行って診てもらったほうがいいでしょうか?

 流産をしますと、その次の月経は、かなり不順となりますので、1ヶ月程度であれば、もう少し様子をみてもいいと思います。2ヶ月ない場合は異常ですので、必ず病院へ行ってください。基礎体温をつけられた方がいいでしょう。
(院長:田中温)
 40歳前半です。最近、繋留流産をしてしまいました。その後、不妊治療を続け、自然周期で採卵を幾度も試みていますが、卵子がまったくとれません。高齢なので、流産後のホルモンの回復が遅いのでは・・といわれました。薬をできるだけ使わずに治療したいと考えているのですが、このような状態では、薬を使わず治療するのは、無理なのでしょうか?

 卵巣機能は、加齢と共に低下していくのは、自然現象で、それを避けることはできません。体外受精の妊娠率は、採卵数と相関しますが、卵巣機能が低下して原始卵胞が減少してしまった場合には、強い排卵誘発はかえって卵子の発育を障害する場合があります。まずは、従来の排卵誘発を行い、反応が悪い場合には、自然周期(クロミフェン周期)がベターだと思います。月経初期に左右卵巣内の胞状卵胞(未成熟の卵胞)の数、大きさ、位置などを観察することにより、卵巣の反応をある程度予想することが可能です。この胞状卵胞の数が1-2個と少なくなっている場合には、クロミフェンのみの方がいい結果につながると思います。
(院長:田中温)
 初期流産をしました。生理が来るのを待って、治療を再開しましたが、卵がまるっきり育ちません。また、内膜も以前に比べて非常に薄くなってきてしまいました。流産の影響でしょうか?このまま回復しないのでは?と、とても不安です。

 流産は、視床下部・下垂体・卵巣のホルモン調節機構に大きく影響を与えます。また、流産処置をすることによって、内膜が薄くなるということもあります。ですから、流産後は、2,3ヶ月は、卵巣機能が正常にならなくても、それほど心配することではありません。ただし、3ヶ月以上も月経が不規則、もしくは無月経となる場合には、ホルモン剤を用いて、卵巣機能を元に戻す必要があると思います。
内膜は、子宮内容清掃術を繰り返すことによって、あきらかに薄くなっていきます。ですから、最近は、流産の状態によっては、この子宮内容清掃術を行わずに、自然に様子をみるということも一般的になっております。この処置をするか否かは胎児の大きさで決まります。もし、胎児が大きく育っている状態であれば、やはり、子宮内容清掃術が必要でしょう。ただし、胎嚢がはっきりしないごく初期の場合には、そのまま様子を見られたほうがいいと思います。
(院長:田中温)
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