回答一覧 - 不育症・流産・子宮外妊娠・陽性判定後 No.4 -
年齢:28 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 前回、妊娠8ヶ月で胎盤早期剥離になり、残念ながら赤ちゃんは助かりませんでした。緊急で帝王切開をうけた病院で、次回妊娠したら7ヶ月ごろから管理入院したほうがいいといわれました。胎盤剥離は繰り返すのでしょうか?セントマザーでも管理入院をすすめられていますか?

 胎盤早期剥離は、ふつう妊娠中毒症が原因になっている事が多いのです。また、打撲等、物理的刺激で起こる事もありますし、原因不明のこともあります。妊娠中毒症が基礎になっているのであれば、繰り返すことも考えられますし、妊娠中毒症の発症予防のためにも、管理入院が必要です。
 胎盤早期剥離は突発的に起こることもあり、その場合は予防不可能ですが、徐々に起こることもあります。その場合は、陣痛曲線と胎児心拍数図に異常を認めることもあり、エコー検査とも照らし合わせた注意深い観察で、早期発見が可能となることもあります。もちろん、その時に緊急の帝王切開を選択せねばなりません。
 いずれにしろ、はやめの管理入院を行う事が次回、安全に出産を行う上で大切なことだと思います。[2006年11月1日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 8ヶ月ほど前から妊娠を望んでいるのですが、なかなか妊娠しませんでした。8月末に始まった生理(出血)が10日以上続きましたので、診察を受けると、尿検査で妊娠陽性、その2日後には陰性となり、流産だと言われました。海外在住で、言葉の壁があり、細かいことは理解できなかったのですが、実際のところお腹にいたのは1週間で、私に問題は何もなく(ホルモン異常、子宮感染なし)よくあることだと言われました。
 今回のようなことはよくあることなのでしょうか?また、原因は男性にあるのでしょうか?(50歳の彼には前妻との間に子供がいます。)今後も自然妊娠は望めるでしょうか?

 本人も知らないうちに流産していることも時々あります。一般に、全く健康なカップルでも、約15%の流産は起こるといわれています。その大半は胎児側の異常であり、避けることのできないものです。必ずしもご夫婦に原因があったとはいえません。今回の流産もその可能性があります。
 妊娠まではできたわけですから、今後も十分期待できると思います。ただし、流産を繰り返すならば、不育症の検査や治療が必要になるかもしれません。
 女性の年齢が高くなると卵子に染色体の異常が起こる率が上昇するため、流産やダウン症なども徐々に増えていきます。[2006年11月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:4回
 いつもお世話になっています。気になる事があり、先生からご助言頂けましたら幸いです。
 昨日、移植後2週間たって妊娠判定をし、陽性の判断を頂きました。昨日の基礎体温は37℃を越えていたのですが、今朝、基礎体温を測ったら、36.7℃に低下していました。昨日のHCGホルモン検査の結果は(177.0)で通常(100)を上回っておりました。
 そこで質問をさせてください。よろしくお願いします
 1. 昨日陽性判定で、1日にして、流産の可能性はありますか?
 2. 妊娠検査薬がまだ残っているので、使用したいと思うのですが、これが日々線が薄くなったら流産、濃いままなら、妊娠継続ということでしょうか?(今朝、妊娠検査薬をするとすぐに陽性反応が出ました。)
 3. 妊娠していても、基礎体温が下がることはありますか?
 4. HCGの値が177だったので、血中にはホルモンが発生していると思うのですが、基礎体温はあまり考えない方が良いのでしょうか?それとも、重要な判断要素なんでしょうか?

 1に関してですが、1日にして流産の可能性はあります。
 2に関しては、検査薬は、妊娠中のHCGホルモン値を反映して、薄く出たり、濃く出たりします。薄い状態が長く続けば、流産の可能性が高くなりますが、妊娠は経過を見ていかないとわからないので、検査薬だけで妊娠の正常かどうかは判定できません。
 3・4に関してですが、妊娠していても基礎体温は一時的に下がることもあります。基礎体温は妊娠の経過を見るうえで1つの経過の補助であって、重要な判断基準ではありません。超音波で子宮内膜の厚さ、胞のうの有無、胎児の有無などの経過を見ていただき、妊娠の経過を追ってください。[2006年10月16日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:6回 体外受精:1回
 セントマザーにて治療しています。今回初めて体外受精(IVF)を行ない、無事妊娠に至り、現在15週となりました。本当にありがとうございます。
 高齢な事もあり羊水検査を行う事にしましたが、Webサイト等で羊水検査の詳細を調べてみると、局所麻酔をした後に検査に入る方が多いようですが、この検査は麻酔が必要な程痛みを伴うものなのでしょうか?
 セントマザーでは麻酔なしで行っているとのことなので、痛みはあっても耐えられる程度のものと理解しておりますが、私自身痛みに対して弱く、恐怖感がとても大きいので、アドバイスを頂ければと思い、メールさせて頂きました。どうぞ宜しくお願い致します。

 御心配とは思いますが、痛みは一瞬ですので、あえて局所麻酔は必要ないと思います。
 穿刺は超音波の画面を見ながら、胎児や胎盤を避けて行います。刺すときは前もって合図をしますので大丈夫です。みなさんスムーズに終えられています。
 羊水検査の手技は、術者の経験とテクニックによる部分が大きいと思います。当院では、毎年50〜80件の羊水検査を行っておりますが、局所麻酔は全く使用しておりません。なぜかというと、皮膚表面に局所麻酔を行うときに痛みを伴いますし、皮下脂肪の下には筋肉があり、さらにその下には痛みに対してとても敏感な「腹膜」が存在しているからです。表皮の麻酔を行っても、術者の手技によって、痛みを強く感じることも充分ありえますし、腹膜まで麻酔をすること自体が痛みを伴います。それと比較するならば、当院では明らかに、今のやり方の方が患者様への負担が少ないと考えています。
 不安が強い場合には「局所麻酔をした」ということで安心感は期待できるのかもしれません。御本人が「どうしてもしてほしい」という場合には、行うこともできますから申し出てください。[2006年10月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:35 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 自然妊娠で、心拍確認後、7週目に稽留流産をしました。その後、軽度の子宮腺筋症ということがわかりましたが、流産の原因は、この腺筋症なのでしょうか。腺筋症があると胎児が育たないということがありますか?
 次の妊娠を考える前に、やるべき治療や検査があれば教えて下さい。お願い致します。

 子宮腺筋症が原因で流産となった可能性も否定はできません。子宮腺筋症があったために、将来「胎盤」になる「繊毛」が深く根付きにくかったり、血流が乏しかったりしたためかもしれませんが、確証があるわけではありません。子宮腺筋症は子宮内膜症にしばしば合併し、月経痛や過多月経の原因となります。また、子宮は正常よりも大きく腫れたようになります。子宮を温存しなければならないので、根本的な治療法はありません。
 あなたの場合は、軽度の腺筋症ということなので、他の原因で流産した可能性も高いと思います。1回目の流産であれば、胎児側の染色体の異常による、一般的によくあるタイプのものかもしれません。[2006年10月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:7回 体外受精:1回
 現在通っている病院では、ホルモン補充周期で凍結胚を移植して妊娠反応が陽性になった場合、10週までホルモン剤を服用継続する方針と聞いています。しかし、知人の話やインターネットで調べてみたところ、服用期間に幅があるようです。セントマザーでは原則何週まで服用継続していますか?

 ホルモン補充をいつまで続けるかというのは、施設によってかなり異なりますが、一般的には心拍確認で服用を中止する方が良いのではないでしょうか。すなわち、妊娠7週ぐらいです。8週以降になりますと、胎児の発育にも影響してくる場合がございます。[2006年10月15日]
(院長:田中温)
年齢:42 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:8回 体外受精:0回
 27歳の時に、高プロラクチン血症と診断されました。主人は精子減少症と診断され、人工授精(AIH)を8回行いましたが、妊娠にはいたりませんでした。
 今回新しいパートナーと出会い(私は42歳、主人は43歳)、2005年4月に自然妊娠をしましたが、子宮外妊娠で、左卵巣、卵管摘出手術を受けました。摘出手術後、右卵管造影で結果は問題ありません。
 今年、また自然妊娠をしましたが、2006年9月に9週目で稽流流産を経験いたしました。自然妊娠はできないものだと思っていたのに2度の自然妊娠をしましたが、今後は、年齢の問題もあり、自然妊娠を待つよりも、不妊治療をしたいと思っておりますが、不妊治療を選択する必要性はどれくらいあるのでしょうか?また、治療をする場合、どのような治療方法があるのでしょうか?

 左の卵巣・卵管を摘出しておられるので、片側の卵巣・卵管での妊娠が必要となります。年齢が42歳とのことなので、その影響(卵子の質の低下による妊娠率の低下、流産率の上昇)は少なくありません。しかし、加齢によるハンディは薬剤などの治療では改善させることはできません。左の卵巣がありませんので、月経周期が順調ならば、毎月右側の卵巣から排卵しています。しばらくは自然妊娠を努力してみてはいかがでしょうか。
 不妊治療は、妊娠させるまでの治療であり、流産を防ぐ効果はさほど期待できません。自然妊娠でもうしばらく妊娠しないようであれば不妊治療に入り、また、流産を反復するのであれば、「不育症」の検査や治療をおすすめします。治療方法としては、「タイミング法」「人工授精法(AIH)」「体外受精法(IVF)(顕微授精法(ICSI)を含む)」などがありますが、検査を行った上で主治医と御相談してください。[2006年10月2日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:27 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:10回 人工授精:0回 体外受精:0回
 はじめまして。今まで私はクロミッドの使用で、逆に頸管粘液が減少して、妊娠に至ることができませんでした。
 今回、転院をして、基礎体温を測ったら、排卵していないことがわかり、生理がくるようにとデュファストン7日分を処方されました。飲み始めて3日目くらいから、高温期に入りましたが、生理の予定日になっても生理がきませんでした。胸のはりもありましたので、市販の妊娠検査薬で検査したら、陽性反応のところに薄く線がでました。
 もし、これが妊娠だとしたら、受精した頃も飲んでいたデュファストンの副作用として、胎児には影響が出ないのでしょうか?いろんな本やネットを調べては見たのですが、自分では見つけることができませんでした。
 やっと、妊娠しても、もし影響があるとしたら、とても不安で....先生教えてください。お願いします。

 デュファストンは、不妊治療の分野では、長年にわたって使用されてきている薬剤で、もしそのような傾向があると疑われるならば、すでに「使用禁止」となっているはずです。御心配の点につきましては、大丈夫だと思います。
 妊娠検査薬は支持された時間よりも長く経つと、妊娠していない人でも反応が薄く出ることがしばしばあります。尿中HCG判定量や、血中β-HCGの検査のほうがより確かです。[2006年10月2日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:22 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 16週のときに出血原因がわからないまま入院25週3日で早産になりました。
 次の妊娠は1〜2年あけたほうがいいといわれました。どうしても妊娠したいのですが、次回も早産になってしまうのではないかと不安です。早産が繰り返し起こるということはありませんか?

 早産の原因には色々なことが考えられます。原因によっては繰り返すこともあります。特に子宮頚管無力症といって、子宮の入り口が開き易い、保持能力が低い場合、早い時期に破水したり、出血したりして胎児に危険が生じてきます。また、胎盤の付着部位が低い位置の場合も、不正出血が起こり易いです。子宮頚管無力症であれば、中期に子宮頚管縫縮術(シロッカー氏手術)を行う必要があります。また、他の原因でも、次回は妊娠初期より、注意深い診察が必要です。診察の状態によって、自宅安静や頻回の検診や、早期からの安静管理入院も必要でしょう。
 十分担当医とご相談されて、できる限りの最大限の対策を取られてください。[2006年9月15日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:4回
 セントマザーに転院を考えております。私は結婚以前お付き合いしていた方の子供を子宮外妊娠で失い、左卵管の切除をし、体にも傷跡が残っています。主人は私の体の傷については承知しているのですが、傷になった原因については、未だ話していません。これから先も、話すつもりは、ありません。
 主人にこれ以上、ショックを与えたくないし、私自身の罪を主人には背負わせたくないのです。この事を主人には内密にして頂けるのでしょうか?内密にしていただくためには、どうすればよいでしょうか?

 長い人生には色々なことが起こり、触れられたくない過去を誰も持っているものです。医師には患者の秘密を守る義務があり、例え御主人でも、あなたが秘密にして欲しいと願えば、話すことは絶対にありません。受診された際、その旨を担当医に再度お願いしておいてください。また、腹部の傷跡を、他の病気として御主人に説明されているならば、そのことも担当医にお話しください。話に矛盾が生じないようにしておく必要があります。
 子宮外妊娠を乗り越えて、元気な子供を得た方もたくさんいらっしゃいます。希望を持って治療を頑張ってください。[2006年9月15日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:4回 体外受精:3回
 この度、3度目の体外受精(IVF)にて陽性判定がでました。まだ、5W0日なのですが、体外受精で妊娠した場合は、通常の妊娠とは異なって、安静が特に必要なのでしょうか?もしも、安静にする必要があるのであれば、その期間はどのくらいでしょうか?
 仕事上、とにかく出張が多くて悩んでいます。心拍確認までは、安静を保つため、出張も減らしてはいるのですが、減らすだけではだめなのでしょうか?オフィス勤務だけにすべきでしょうか?

 妊娠初期は流産の危険がありますので、事前妊娠であっても、体外受精(IVF)であっても、安静は必要です。特に体外受精の方は、多大の努力の結果で妊娠に至ったわけですから、そういった意味で、より安静をとるにこしたことはありません。単胎であれば、胎児の元気な発育を確認できる妊娠10週まで、安静にされるといいと思います。
 出張は仕事の加減ができないと思いますので、オフィス勤務だけにされると安全だと思います。職場で相談されて勤務の軽減をはかってください。[2006年9月15日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:3回
 顕微授精(ICSI)の1回目で初めての妊娠をしましたが、19週で子宮内感染のため死産しました。凍結卵で2回目の妊娠をし、無事女児を出産できました。
 この度、第2子が欲しくて、治療を再開し、2回目の顕微授精で妊娠しましたが、11週でNT(胎児の後頸部の皮下に抜けた隙間:nuchal translucency)が4mmで、次の日には5mmと、だんだん厚みが増してきたので、胎児の染色体異常の可能性が高いということで中絶手術を受けました。
 凍結卵が残っており、移植を希望していますが、33歳という年齢で、またNTが発見されるのではないかと不安です。一度NTが発見されると、次回も起こりやすくなるということはありませんか?また、今までマクドナルド・シロッカーと流産の処置も2回受けています。体への負担は大丈夫なのでしょうか?

 同一周期の卵の移植ということで、NTが繰り返されるのではないかと心配されているようですが、卵1個1個は別物ですから、基本的には問題はないかと思います。中絶手術以前に、染色体異常を疑い、羊水検査や繊毛検査によって染色体検査をされておられますか?もしも、されておらず、心配が続くようであれば、次回の妊娠時に、NTの有無にかかわらず、羊水検査を受けてみてはいかがでしょうか。現在、体調的に問題なければ、次の妊娠は可能だと思いますよ。[2006年9月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:8回 人工授精:1回 体外受精:0回
 昨年末に7週(心音の確認はできませんでした)で流産を経験しました。12週までは、染色体など胎児側に問題があった場合には、流産が起こると聞いていますが、主人は、甥っ子(3歳)を抱きあげたり、車の振動が良くなかったのでは・・・と考えているようです。
 ちょうど、その頃妹の出産があって、甥っ子を幼稚園に送り迎えするために、普段より出かける事が増えていましたが、そのような事も原因になりますか?
 妊娠している可能性がある時期に、軽い運動や幼い子を抱きかかえたり、遠出をしたりするのは避けたほうが良いのでしょうか?

 期待していた結果が「流産」となった場合、一般的に、その原因を過去の自らの行動から探そうとするものです。特殊な職業・職場環境によっては流産の原因になる可能性もありうると言われています。しかし、御本人のケースについては、現在の産科学の考え方からいえば、通常の日常生活の範囲であれば、ほとんど影響はないだろうと思います。[2006年9月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:27 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 この1年の間に3回の化学的流産(4〜5w)をしました。不育症検査を行い、若干の高プロラクチンと抗核抗体強度(640倍)と言われました。
 3度とも市販の妊娠薬で反応するのですが、必ず薄い反応で、くっきりとした陽性になった事がありません。染色体検査では、主人も私も異常はありませんでした。
 専門の先生に「不育症」と診断されているのですが、「不妊症」も疑った方が良いのでしょうか?今後、どのような検査や治療を行えばよいでしょうか?

 もし、ごく初期の流産ということであれば、1つ目に「抗リン脂質抗体症候群」、2つ目に「異常免疫異常」による不育症の可能性が考えられます。
 抗核抗体が強陽性ですが、1つ目については抗フォスファチジルエタノールアミン抗体(自費検査)なども検査されたのでしょうか。
 2つ目はいわば、夫との体質的な相性(あいしょう)のようなもので、着床してまもなく拒絶反応が起こるという考え方で、「夫リンパ球移植」という方法を行っている施設も多くあります。しかし、確定診断を行う方法はなく、その理論や効果を否定する研究者もいます。また、他人(夫)の血液の一部を注射することに対する副作用についても注意が必要です。
 「不育症」のスクリーニング検査はしておかれた方がよいでしょう。[2006年9月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 今までに初期流産を3回して、そのうち2回の掻爬(そうは)手術をしました。その2回とも、夜も眠れないくたらい、外陰部が腫れ上がって痛く、かゆみがおさまるまでに時間を要しました。その都度、細菌の検査や血液検査をしましたが、問題はありませんでしたので原因不明のままです。
 先日、手術をしていただいた先生に相談したところ、アレルギーが原因ではないかと言われ、アレルギー反応の検査をすすめられています。私は甲殻類にアレルギーがありますが、不育症の原因のひとつにアレルギー体質というものも考えられるのでしょうか?また、アレルギー検査をする必要はあるでしょうか?

 初期流産を3回されたとのことで、大変残念でお気の毒なことだと思います。
 外陰部腫れや痒みがアレルギーに関係していることが疑わしいのであれば、アレルギーの検査も必要です。
 不育症の原因は様々なものがあり、子宮の形態異常検査や染色体検査や凝固機能検査や免疫系の機能検査などがあります。アレルギーも免疫系の機能の一部ですので、この検査も含めて、一般的な不育症検査を行ってみてください。[2006年9月1日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:2回
 2度目の顕微授精(ICSI)で妊娠することができたのですが、10W5dの検診でNT(胎児の後頸部の皮下に抜けた隙間)が3.2〜3.9mmあり、染色体異常の可能性かあるかもしれないと言われました。
 胚移植の時に、既にハッチングが始まっている胚盤胞を戻したのですが、なにか関係があるのでしょうか?
 また、今後、羊水検査をするつもりですが、染色体異常がなかったとしてもNTがある場合は他の異常がある確率も高くなるのでしょうか?NTが3.9mmという数値はよくないでしょうか?毎日心配でなりません。

 NTの厚さが3mmを超えると、染色体異常の可能性が高いといわれている場合もありますが、当院では、12週でNTが7mmで、繊毛検査で染色体検査を行った結果は正常で、5週で5mm、18週で不明になった例があります。NTが厚いことは必ずしもダウン症などの染色体異常があることと結びつかず、正常のこともありますが、念のために羊水検査は受けておいたほうがいいと思います。又、染色体異常があっても、週数とともに消失したという報告もあります。NTの状態によっては、1週間おきに厚さと胎児の発育のモニタリングは大切だと思いますので、担当医に御相談されてください。胚盤胞移植がNTに直接関係しているかは現在のところ、はっきりとした報告がありませんので、不明です。[2006年9月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:27 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:0回 体外受精:0回
 私は結婚4年目で 子づくりを始めたのは2年前です。子づくりを始めて、すぐに妊娠したのですが心拍を確認できないまま流産しました。流産後、半年経ってからまた子づくりを開始したのですが、なかなか妊娠しないので、不妊症治療を始めました。
 排卵誘発剤を服用して、今回はHGCと着床を助ける注射をしたので、かなりの期待を抱いていたのですが、残念な結果となりました。卵管造影検査では異常はありませんでした。旦那の検査はまだ行っていません。一度妊娠していますし、私の排卵状態に問題があったので、精子は大丈夫だと思っているのですが、その考えは間違っていますでしょうか?旦那は検査を嫌がっているのですが、旦那も検査しないと、もう子どもは授かれないのでしょうか?

 もちろん、精子(精液検査)が正常であるという可能性は十分期待できると思いますが、中には、「前回はたまたま妊娠したけれども、実は精液所見はあまり良くない」という場合もありますし、「その後、悪くなってきている」ということもありえます。
 様々な可能性を考慮して、スクリーニング検査を行う姿勢は、不妊治療においても、大切だと思います。また、様々な検査をしたとしても、異常が見つからないまま、40歳を超えても妊娠に至らない方もいらっしゃいます。単純に、必ずしも「検査をすれば異常は見つかり、それを治療すれば妊娠できる」というわけにはいかないのが現実です。段階を踏んで、治療のレベルを上げていくことも必要かもしれません。[2006年9月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:6回
 これまでに、体外受精を6回受けました。そのうち3回は妊娠しましたが、流産をしました。2回流産をした時に、検査を受けたのですが、原因がわかりませんでした。それから、リンパ球移植を受けて、3回目の妊娠に望みをかけたのですが、それでも流産をしました。薬も低用量のアスピリンを飲みました。
 リンパ球移植を受けても流産した場合の治療法はありますか? 3回も偶然に流産は起きないと思います。今までと同じだと4回目を望んでもまた流産しそうで怖いです。どうか違う治療法を教えて下さい。

 流産の原因は多く、まだ十分な解明がされていないのが現実です。夫リンパ球移植についても、その効果を疑問視する研究者もいるのは事実です。様々な検査をしても、その8割以上は原因が確定できないとも言われています。
 「抗リン脂質抗体症候群」の検査で明らかに陽性となっているのであれば、連日のヘパリン注射という方法があります。
 不育症の原因は様々で、甲状腺異常や糖尿病も不妊症の原因となります。また、染色体異常も不育症の原因となります。御夫婦の染色体検査はされていないようなら、検査をしてみてはいかがでしょうか?[2006年9月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:25 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 先月、妊娠24週で子宮内胎児死亡になりました。原因がわからず、中期は判断も珍しいので、次は大丈夫だろうし、1度だけではあまり検査しないものだと病院でいわれました。
 あまり胎児も育ってなかったので、不育症ではないかと心配でたまりません。抗リン脂質抗体症候群には、なにか自覚症状はないのでしょうか。検査を受けた方がよいでしょうか。

 可能性は全く否定できるわけではないので、念のため「抗リン脂質抗体症候群」の血液検査を早く行ってください。
 「抗リン脂質抗体症候群」の自覚症状としては、「反復流産」だけのこともあります。胎児の発育経過(推定体重など)は順調だったのでしょうか。臍帯の捻れや胎盤辺縁付着などが原因となることもありますし、胎児そのものに異常があった可能性もあります。[2006年8月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:34 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:7回
 近県の不妊治療専門の病院に通院しています。今回、凍結胚移植で妊娠し、心拍確認できたのですが、7週目で流産してしまい、1週間後に子宮内清掃術をしました。
 術後、1週間が経ったので、内診してもらい、次回の治療再開について尋ねると、「基礎体温が二相性になっていれば、排卵しているはずだから次の生理がきたら治療再開してもいいよ。」といわれました。
 まだ、凍結胚が残っているので、次回の治療もプレマリンなどで子宮内膜を厚くして凍結胚移植になりますが、こちらのQ&Aを拝見していると、2〜3ヶ月は休んだ方がいいと書かれているので、どうしたらよいか迷っています。やはり2〜3ヶ月はお休みをする方がよいでしょうか?

 排卵が不順だったり、子宮内膜の状態が完全に回復していない可能性もあるということで、念のために「2〜3ヶ月」としています。もし、御本人が希望であれば、1ヶ月後からでもできないわけではありません。[2006年8月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
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