回答一覧 - 不育症・流産・子宮外妊娠・陽性判定後 No.6 -
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:2回 人工授精:0回 体外受精:0回
 不妊症のスクリーニング検査は一通り行い、卵管造影検査では子宮の右側が盛り上がっていましたが、子宮鏡検査で癒着はないため問題なしとされています。生理は不順で、38〜45日周期です。甲状腺の値が若干低いものの、妊娠には問題ない程度で、特に治療は行わず、タイミング治療のみをしています。タイミング療法にて3周期目ですが、まだ結果は出ていません。
  私は、22歳で不全流産(9週)、24歳で心拍停止(8週)、手術をして初めて胞状奇胎であったことがわかり、半年間治療をしました。その後、26歳で切迫流産しましたが、その後は無事出産(出産時の出血が1200ccを超えました)に至りました。29歳で、ようやく2人目を妊娠しましたが、4週目から出血、胎児が確認できず流産(切迫流産)しました。流産物の病理解剖結果は正常で、医師からは核のない枯死卵だったのではないかといわれました。
  現在も、医師が予想する排卵日には排卵せず、卵胞が大きくなっても1週間ほど遅れます。誘発剤を服用し、量を増やしても、注射をしても周期20日目ぐらいに排卵するのは変わらないようです。タイミングも完璧なのですが、まったく妊娠しないため不安になっています。私と夫の染色体異常の検査については、判明したところで治療法がないので受ける気はありません。
  このままタイミング療法だけで妊娠できるのか、甲状腺の治療は本当に不要なのか疑問に思っています。また、不妊治療を始めてから、月経前症候群が起こり始めました。めまいやだるさ、眠さが毎月起こるようになり、大変辛い思いをしています。神経過敏になり、毎月、想像妊娠のような状態になってしまっているのでしょうか。人工授精(AIH)にステップアップすべきか、その前に、他の検査や治療をすべきか、アドバイスをお願いします。

 甲状腺機能の治療については専門医の先生にお任せしてよいと思います。定期的に受診することが大事ですし、妊娠した後は甲状腺の値も変化することがあり、流産の原因になるともいわれています。流産を繰り返しているので、不育症のスクリーニング検査をお勧めします。
   月経前症候群は自律神経系や精神的なストレスから来ることも多く、心療内科や漢方治療なども選択肢の1つとなりうるかもしれません。タイミングでなかなか妊娠しなくなったのであれば、不妊治療のステップアップを考えることも必要かもしれません。場合によっては、妊娠しにくくなったことは、流産の影響によるかもしれません。
  卵管造影検査や腹腔鏡検査を行なったり、体外受精(IVF)の必要性についても主治医と相談してみてはいかがでしょうか。[2007年9月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:0回 体外受精:0回
 昨年、自然妊娠をしましたが、8週目で繋留流産をしてしまいました。その後1年が経ちますが、妊娠しないので不妊専門病院で検査したところ、FSHが18.3もあり、40代の卵巣機能しかないので自然妊娠は難しいと言われてしまいました。
排卵はしていて、月経は25〜27周期で規則的にきています。先生は、この1年が勝負だと言い、秋頃から体外受精(IVF)をしてみてはどうかといいます。私はなるべく自然妊娠を考えたいのですが、あと1年と言われると体外受精をした方がよいのか悩んでいます。FSHが18.3もあると、排卵をしていても自然妊娠は諦めたほうがよいのでしょうか?

 FSHは何日測定の値でしょうか。また、その他のホルモン(エストロゲン、LH、プロゲステロン、プロラクチンなど)はどうだったでしょうか。ホルモン値は、日々変化するものですから、どういった時期(月経周期の何日目)に測ったかも重要です。基礎体温が二相性で、月経周期も規則的ということですから、超音波で卵胞が成長し、排卵も起きていることが確認できれば、自然妊娠は可能だと思います。FSHが18.3ということですが、それに対して治療して、低下するのであれば、問題はないように思いますよ。今一度担当医と相談をされてはいかがでしょうか。[2007年8月2日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:27 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 以前の事ですが、ずっと気になったままですので、お話を聞かせてください。
 4年前、突然の下腹部痛があり、その後1週間おきに2回不正出血がありました。帯下異常も見られ、右下腹部に鈍痛がありましたので、婦人科へ行き、検査入院しました。腹エコー、血液検査、膣内帯下検査、細胞診を施行しました。腹エコーの結果、右卵巣が腫れ、子宮の裏には腹水が溜まっていました。血液検査では炎症反応の値が高く、CA125も高値でした。3日間安静にし、癌検査異常なし、妊娠反応なし、病名はクラミジア感染症であると告げられました。しかし、子宮の裏の腹水が原因不明で、3週間後に腹部のMRI検査をしました。その際には、腹水の量も以前と比べ減っているので、自然に体内に吸収されるだろうとのことで、問題なしとなりました。
 しかし、その後の生理の際、2cmほどの物体がレバー状のものと一緒に出てきました。色は茶色でしたが、生物の教科書で見たことのある胎児(胚芽状)の姿の様な形をしていました。へその緒らしき長いヒモ(3cm程)も真ん中から伸びていました。同婦人科のドクターに物体を見ていただいたのですが、子宮内の外壁、レバー状のものだと言われたので、その時には納得して今に至る訳です。しかし、もしかして気づかないうちに妊娠し、クラミジアのせいで流産してしまったのかもしれない、検査の段階で流産していたら妊娠反応は陰性になるのでは..と思ってしまいます。勝手な思い込みだとは思いますが、そのような可能性はありますか?

 一般的にクラミジア感染が初期流産の原因になるかどうかは、意見が分かれており、その確認はされていません。ご自身のお話についてお答えいたしますが、もし、流産時に明らかな胎児や繊毛組織(胎盤の初期のもの)が、ご本人が確認できるほどの大きさであれば、少なくとも1ヶ月間は月経が遅れているはずです。ましてや、臍帯が肉眼的に確認できるのには、さらに1ヶ月が必要です。基礎体温をつけている月経周期が正常な方が、知らないうちにそのような週数まで妊娠していることは考えにくいと思いますし、基礎体温をみて、いつもと違っていれば、まず、自ら妊娠反応をされるはずだと思います。また、たとえ、結果的に流産となっても、流産後も日数は妊娠反応が陽性になります。常識的に考えても、妊娠はしていなかったと思いますよ。[2007年8月17日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:28 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 私は流産を2回経験しています。詳しい検査をした結果、凝固異常第12因子低下症(42.8)という結果が出ました。現在通っている病院では「この程度の数値であればアスピリンのみの治療で大丈夫でしょう」とのことでしたが、ヘパリンとの併用の方が出産率が上回ると聞いたことがあります。もう2度と流産を繰り返したくないので、アスピリンのみの治療で本当に大丈夫なのか不安です。
 セントマザーでは、アスピリン治療のみで元気な赤ちゃんを出産された方はいらっしゃいますか?私の数値であればどのような治療が適しているのか、ぜひ教えてください。それと、アスピリンとサイレイトウを併用しても良いのかも教えて欲しいです。よろしくお願いいたします。

 不育症の治療については、それぞれの医療施設で様々な対応をしているのが現状です。流産を繰り返すカップルは多いのですが、必ずしも原因は毎回同じとは限りませんし、原因を特定することが困難な場合の方が多いと思います。ただ、当事者のご夫婦にしてみれば、「もう2度と流産・死産はしたくない」という切実な思いで来院されているわけで、何の治療もしないで妊娠経過をみていくことは耐え難いかもしれません。また、何らかの治療をしているということが、多少の安心感など、精神的安定につながることも否定できません。
 当院では、抗リン脂質抗体症候群が疑われる症例に対しては、アスピリン40〜80mg/日を処方していますが、強く疑われる場合には、ヘパリン(カプロシン)皮下注(連日)を併用することも時々あります。出血傾向についての定期的な管理が必要でしょう。
 また、アスピリンに加えて、柴芩湯を処方することもありますよ。当院でも、アスピリンの処方のみ(35週まで)で出産された方は多数いらっしゃいます。[2007年7月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 何度も流産を繰り返すため、セントマザーで検査を受け、抗フォスファチジルエタノールアミンIgG抗体 キニ添加群0.517 非添加群0.233で原因がわかりました。
  染色体には異常がないので、妊娠したかもしれないと思ったらお薬を処方するから、すぐに病院に来るように指示されましたが、診察時にたずねることができなかったので、教えてください。
  私の場合、お薬はどのようなものなのか、また胎児への影響はないでしょうか。また、お薬を飲むことで流産しなくなる確率はどのくらいなのか教えていただけたらと思います。
 よろしくお願いいたします。

 「抗リン脂質抗体症候群による不育症」の診断となりますが、当院では低用量アスピリン療法とヘパリン療法を併用しています。すべての薬剤において、100%安全ということはいえませんが、胎児への影響はほとんど心配する必要はないと思います。
  さまざまな症例があり、またいつも同じ原因で流産するとは限らないので、流産を妨げる確率については単純にはお答えできませんが、50%以上は期待できるのではないでしょうか。
  ただ、不育症ではない人でも流産率は約15%あるということと、女性の年齢で流産率が上昇することもご理解下さい。[2007年7月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 腰痛がひどかったので、病院へ行ったところ坐骨神経痛と診断され、腰に注射を打ちました。その後、すぐに妊娠が判明したのですが、胎児には注射の影響はありませんか?

 使用される注射としては、リドカインという麻酔注射がありますが、これらは歯科で殺菌等に使用する麻酔薬と同じものです。この系統の薬は胎児には全く影響ありませんので、ご心配には及びません。[2007年6月16日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:6回 体外受精:4回
 36歳初産で、クワトロテストの検査結果が8200分の1でした。36歳の高齢なのに、この確率があまりにも低すぎて疑問です。インターネットで調べてみても、こんなに低い確率は見当たらないので不安です。
 20代後半の方であっても、3000分の1などの確率です。36歳の年齢で、こんなに低い確率は出るものなのですか。信頼してもよい検査なのでしょうか?

 現在、当院では症例によっては、「羊水検査」をすすめることはあっても、「クワトロテスト」を患者さんにすすめることはしていません。厚労省の方針としても、「あえて奨励はしないが、もし患者様よりご希望があった場合には検査の拒否はしないように」という対応です。ご質問につきましては、くわしいことは検査会社へお問い合わせ下さい。
 お答えにはなっておらず、申し訳ございません。クワトロテストに関しての当院の見解および詳細を下記に示しますので、参考にされてください。[2007年6月16日]
クワトロテスト http://www.stmother.com/databook/maternity_02.html#12
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:1回 体外受精:回
 34歳の時に自然妊娠しましたが完全流産、35歳で人工授精(AIH)1回目で妊娠したものの、8週で繋留流産しました。2度の流産が続いたので、大学病院で不育症の検査をしたところ、夫の染色体に「逆位」という異常が発見されました。6番染色体とのことです。結果を聞いた時には、パニックに陥り、ほとんど質問ができないまま帰ってきてしまいました。落ち着いてから、色々と調べてみると、一般的には9番染色体であれば正常範囲とされているようですが、夫は6番だったので、心配をしています。今後の妊娠継続の可能性はあるのでしょうか。

 6番染色体の逆位は、染色体異常の原因となります。しかしながら、その頻度は決して高いものではありませんので、まずは一般的な習慣流産のスクリーニング検査をお受けになられてください。その結果、すべての検査で異常が認められない場合には、染色体異常が原因と考えられるかもしれません。
 流産物の染色体検査の検査はされていますか。その検査を行えば、因果関係が更にはっきりすると思います。もしも、染色体異常が原因であれば、着床前診断が可能となりますので、正常なお子様をご出産される可能性は十分あると思いますよ。諦めないで下さい。[2007年6月16日]
(院長:田中温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:7回 体外受精:2回
 はじめまして。人工授精(AIH)にて妊娠後7ヶ月で早期胎盤剥離、死産をしました。その後治療を再開し、この度、凍結胚移植にて陽性反応が出て、5週目に入るとことです。
 インターネットなどで調べると、次の分娩施設は周産期センターのある施設が良いという声があったのですが、リスクがある出産は、そういった専門施設でした方がよいでしょうか。主治医に聞けばいいことなのかもしれないのですがご相談できる雰囲気ではなくて・・・不安です。大変お忙しいこととは存じますが宜しくお願いいたします。

 他の妊婦さんと比べて、早期剥離になりやすい原因や体質があるのかもしれません。ですから、比較的近くにそのような専門施設があるのであれば、その方がよいと思います。専門の医師から必要な検査の指示を出してもらえると思います。また、今後の妊娠管理においても、その前兆をより早く的確にとらえて、適切な対応をしてもらえると思います。また、NICUがあれば、万が一早産でうまれることになったとしても安心です。[2007年6月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:38 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:4回
 長い不妊治療をして、やっと4回目の顕微授精(ICSI)で陽性反応がでて、心拍確認ができ、セントマザーでいただいていたホルモン剤を飲むのを止めました。すると、茶色い出血があり、地元の婦人科でみてもらうと心拍確認ができませんといわれました。
 その婦人科で、甲状腺機能亢進の既往歴があることを話すと血液検査され、「FT3・FT4は正常だが、TSHが高い。これが流産の原因ではないか」といわれました。甲状腺専門医にかかるとFT3・FT4が正常なら、TSHが高くても薬は飲まなくてよいといわれます。このままで5回目にチャレンジしていいのでしょうか?

 甲状腺機能については、専門医の指導にしたがわれて良いと思います。甲状腺の状態によっては、流産の原因になるのですが、その率は、未治療であったり、コントロール不良の方に多いと言われています。専門医が内服不要といわれているので、このまま顕微授精(ICSI)の治療に入られてもよいと思います。尚、御心配でしたら、他の不育症の検査もしていただいたらいかがでしょうか。[2007年6月1日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:2回 体外受精:0回
 妊娠を希望して、検査のために病院に行ったところ異常はないということでした。タイミング療法で3周期目に妊娠しましたが、7週で繋留流産しました。流産後、卵胞が大きくならないまま排卵してしまうことがあり、クロミッドを服用しました。そのおかげで、いつも16日目くらいの排卵日が13日になり、卵胞の大きさも適切でしたが、卵胞の成長スピードに内膜がついていかず、内膜が薄くなってしまいます。(11日目で4mm、排卵1週間後で7mm ※流産前は10mmでした)。それで、2回の人工授精(AIH)に失敗しました。そこで今回は自然排卵にしてみましたが、18日目に排卵し、担当医が予測した排卵日より3日早くなってしまいました。
 このような場合は、どうすればよいのでしょうか。年齢のことがあるので、必要であれば、体外受精(IVF)も考えなければいけないのかと思ってはいるのですが・・・

 卵胞の成長は、治療や周期によって、早かったり遅かったりすることがあります。御質問からは、卵の質はわかりませんが、むしろ流産後に内膜がうすくなったことが問題のように思います。黄体期を維持するために、排卵後に黄体ホルモンを補充した方がよいように思います。今の状態であれば、人工授精(AIH)をあと2〜3回行って結果が出ないようであれば、体外受精(IVF)を視野に入れる必要があるかもしれません。体外受精では、卵の質もわかるのでよい方向に進むかもしれません。[2007年6月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:28 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:3回 体外受精:0回
 子宮外妊娠になったら、どうしても諦めなければならないのでしょうか?出産することは無理なのですか?また、子宮外妊娠の時には、どういう処置をするのか教えて下さい。

 子宮外妊娠の場合、90%は卵管で妊娠しますし、他の部位でもそこで妊娠継続することは不可能です。したがって、子宮外妊娠であれば、出産することは無理なので、諦めねばなりません。卵管で妊娠した場合は、回復手術となり、患側の卵管を切除いたします。[2007年6月1日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 今年で結婚4年目です。2年前に流産をしてから、排卵日を狙って性行為をしても妊娠にいたりません。もう妊娠できないのではないかと不安でたまりません。検査を受けたほうがいいのでしょうか?検査はどういったものを受ければよいでしょうか?

 基礎体温(BBT)を1〜2ヶ月つけて、産婦人科を受診してみてください。
  通常は、BBTの表から、排卵の有無や、黄体期(高温の部分)の長さ、月経周期や期間などのチェックをします。また、子宮・卵巣などのチェックを超音波で行います。
  次に、卵管が流産後つまっていないかどうか、子宮卵管造影検査を受けられてみてください。また、男性側では、精液検査をされて、精子数・運動率などを調べましょう。更に、きちんと排卵しているか、ホルモン値の問題はないかどうかもチェックしてもらってください。[2007年5月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:1回 人工授精:0回 体外受精:0回
 子宮外妊娠のため、右卵管を切除しました。妊娠前に検査を受け、子宮卵管造影・クラミジア共に異常はありませんでした。生理不順のため、クロミッドを処方してもらい、1度目で妊娠しましたが、子宮外妊娠という予想外のことでショックでした。
 私は8年前に中絶手術を受けていて、それが原因しているのではないかと悩んでいます。中絶手術が原因で卵管炎になり癒着することがあるとは聞いたことがありますが、私の場合は卵管に癒着はありません。中絶手術による後遺症はどのようなことがあるのか教えて下さい。また、子宮卵管造影・クラミジアの他に受けておくべき検査がありましたら教えて下さい。宜しくお願い致します。

 中絶手術での後遺症はあまりないと思いますが、もともと、炎症や癒着をおこしやすい体質の方は、手術後に卵管周囲に炎症や癒着をおこす可能性はあると思います。子宮卵管造影検査やクラジミア検査のほかには、子宮内膜症の検査を受けておくとよいでしょう。可能であれば、腹腔鏡検査で、直接卵管周囲を調べてもらうと良いと思います。その上で、卵管周囲に異常があれば、体外受精(IVF)なども考えるべきかもしれません。[2007年5月1日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:0回 体外受精:0回
 1度目の流産は妊娠6週にて繋留流産、2度目に続き、今回も妊娠8週にて繋留流産してしまいました。
 原因を調べるつもりではいますが、主治医からは原因を追究しても7割の方が原因不明だと説明を受けました。やはり3度の流産を繰り返していると4度目も流産する確率は高いのでしょうか。
 年齢的に今後のことを考えると、セントマザーで確実に妊娠継続できる手段があるのなら、転院をと考えています。しかし、転院する事でまた一からやり直しだと思うと多少の不安もあります。もしそちらの病院に転院した場合、どのような治療法があるのかを教えてください。

 あらゆる流産を「確実に」防ぐことは不可能です。たとえば胎児(受精胚)の染色体異常については、ダウン症(23トリソミー)など一部を除いて、大半は流産にならざるを得ない異常です。健康で若く、不妊症や不育症ではなく、染色体も正常なカップルが自然妊娠しても、10〜15%前後は流産するといわれています。その場合には、特に次回妊娠時においての流産を予防する方法は必要ありません。自然の経過をみるだけになります。
 3回流産をくり返している方の中には、不育症の原因をもった人の占める割合も多くなるので、当然4回目の流産の起きる確率はやや高くなります。
 「不育症」の原因はいくつも考えられ、それぞれ治療法、対応方法は異なります。当院の不育症のページも参考にされてください。
 たしかに原因をつきとめることのできないケースも多くありますが、主なスクリーニング検査だけでもされてみてはいかがでしょうか。ご夫婦の染色体検査や抗リン脂質抗体症候群や自己免疫異常の検査、甲状腺や糖尿病、黄体機能不全など、原因が不明でも、何らかの予防的方法を行うことは可能です(低用量アスピリン療法、夫リンパ球移植など)。まだあきらめるのは早いと思いますよ。[2007年5月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:3回 人工授精:3回 体外受精:0回
 黄体機能不全で、初めてデュファストンを服用した周期に妊娠できました。黄体機能不全は、流産の原因にもなると聞きましたが、妊娠後も黄体ホルモンの薬を服用した方が良いのでしょうか?
 服用する場合、期間はいつ頃まで、又、同じくデュファストンで良いのでしょうか?

 黄体機能不全がある場合、排卵後にエストロゲン+プロゲステロンもしくはプロゲステロンを投与し、改善しなければなりません。
 黄体機能不全は流産の一因になる可能性がありますので、妊娠後もデュファストンを児心拍の確認ができるまで、もしくは6〜7週まで、内服されてはどうでしょうか。それ以上の長期投与となると、胎児の外性器へ影響がみられることもありますので、心拍が確認できた時点で中止するとよいでしょう。[2007年5月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 昨年7月に稽流流産を経験し、その後、基礎体温や排卵検査薬でタイミングをみていますが妊娠しません。
 通常は高温期が2週間ぐらいですが、その間にガクンと下がる日があり高温が持続しません。月によっては、高温期が10日間しかなく、体温もバラバラの時(0.2℃ほど前後します)があります。基礎体温からみて、どのような原因が考えられますか?病院に行った方がいいか迷っています。

 高温期が黄体期ともよばれ、黄体ホルモンが支配する時期です。そのホルモンの力が弱く、黄体機能不全とよばれる状態になっているかもしれません。また、排卵が行なわれているかどうかの検査も必要でしょう。
病院に行って、上記のことを確認してもらい、内服や注射などでホルモン補充などの治療を行なった方が妊娠しやすいと思いますよ。[2007年5月1日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:0回 体外受精:0回
 1人目は、タイミング療法で妊娠・出産しました。2人目がほしいと思い、産後初めての性交渉で妊娠しましたが、心拍の確認ができずに流産という結果になりました。
 1年後に不妊治療に通い、タイミング療法で妊娠しましたが、また、心拍が確認できずに流産しました。どうしても2人目をあきらめられません。
 主人が単身赴任ですので、タイミング療法で排卵日をねらってのみの性交渉で、2回とも流産しています。普段、性交渉が少ないということが原因になるのでしょうか?それとも、不育症の可能性が高いのでしょうか?
 性交渉が少ないことは、不妊症の原因にはなり得ますが、不育症の原因にはなりません。1回の出産後の反復流産ですが、年齢のことも考慮して、早めのスクリーニング検査をおすすめします。[2007年4月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:4回
 これまでに、子宮外妊娠(卵管温存)、初期流産1回(5週目)、繋留流産(8週目、多胎で2人とも流産)を経験しています。繋留流産の時の胎児における染色体検査を行ったところ、2人の内1人は正常妊娠であったため、現在不育症の検査を受けております。これまでの検査結果では、プロラクチンがわずかに高い程度(現在、カバサールを服用中)で、他の検査は異常がありません。
 残っている検査は、NK細胞活性の検査(免疫系の検査)ですが、もしそれで異常が見られた場合は、リンパ球の移植を受ける事になると聞いています。
 実は、昨年11月に、主人が梅毒の検査が陽性だった(私は陰性です)ので、泌尿器科で抗生物質の治療を受けました。今回NK活性の検査を受けると同時に、再度、主人の梅毒検査を行う事になっていますが、もし梅毒検査が陽性だった場合は、リンパ球移植は見送りになるのでしょうか?また、陰性の場合でも、リンパ球移植をしても大丈夫でしょうか?
 また、NK活性の検査に異常がなかった場合、これまでの2回の流産は、たまたま起こった流産だったと考えてもよいでしょうか?また同じ事が起こるのではないか・・と不安がいっぱいです。2点について、教えて頂けるとありがたいです。
 梅毒は、今までのところ薬剤耐性の報告はなく、ペニシリンによる治療が効きます。日本では、ペニシリン系の内服薬を使用しますが、ペニシリンアレルギーに対しては、テトラサイクリン系やエリスロマイシン系(妊婦)を用います。早期梅毒(1年以内)とそれよりも長期間の感染に対しては、治療期間が異なります。しかるべき治療を完了したのであれば、大丈夫だと思いますが、再検査の値を確認してください。長期梅毒の場合には、たとえ完治しても検査値が「0」まで下がらないこともしばしばあります。
 「NK活性」の値が夫リンパ球治療の適否の判断に、どの程度有効かは疑問です。基礎的な理論に基づいた理屈であったとしても、それが必ずしも常に正しいものとはいえません。とりわけ、この「不育症」に関しては、今後もさらに解明しなければならない部分があまりにも多く、現在はまだ手探り状態の治療の域を脱してはいないと思います。ある面では、患者が臨床医からメリット・デメリットをよく相談を受けた上で、自己責任において治療法を受け入れるかどうするか選択しなければいけない部分もあると思います。ご期待に添えるお答えにはなっていないと思います。申し訳ございません。[2007年4月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:4回
 初めてメールします。両卵管閉塞にて体外受精(ICSI)を4回行い、2回妊娠しましたが、いずれも流産しています。1度目の流産後、リン脂質抗体陽性とわかり、アスピリンを内服して2度目の妊娠をしましたが、4胎妊娠し、流産しました。
 その後、FT(卵管鏡下卵管形成術)を行い、転居のために転院して、現在はタイミング法を行っています。流産予防、アスピリンの代わりにと、(中性脂肪も高め)エパデール内服中ですが、リン脂質抗体や流産予防に対するエパデールの効果はどうでしょうか?今後、体外受精も考えているのですが、もう流産はしたくないし、心配でたまりません。アドバイスをお願いいたします。

 FT(卵管鏡下卵管形成術)後、現在も卵管の通過状態は良好に保たれていますでしょうか。確認のために、再度、子宮卵管造影検査を行うか、腹腔鏡下卵管通色素検査を行ってみるのもよいと思います。
 流産の原因が、「抗リン脂質抗体症候群」であるという診断がついているでしょうか。もしも、その診断がついていない場合は、不育症に対する治療効果はあまり期待できないかもしれません。
 もし抗リン脂質抗体症候群の確定診断がついているのであれば、「低用量アスピリン」に加えて、「ヘパリン皮下注射」を併用すべきとの報告も多くあります。抗リン脂質抗体症候群に対して、エパデールの単独使用にどれだけの治療効果を期待できるかについては、データが手元にはありませんし、経験もありませんので、申し訳ございませんが、正確なお答えができないのが現状です。[2007年4月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
質問一覧に戻る   |    このページの最初へ   |    TOPページに戻る