回答一覧 - 不育症・流産・子宮外妊娠・陽性判定後 No.8 -
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:7回
 前回、双子を9週で流産した後、不育症の検査で「同種免疫異常」と診断され、半年に一度リンパ球移植を受けています。
 このたび、顕微授精(ICSI)で再び双子を妊娠し、現在6週に入ったところです。妊娠が分かった段階で早めにリンパ球移植を追加するようにと言われ、追加免疫の1回目を行いました。
 私のような同種免疫異常でリンパ球移植を受ける必要のある者が妊娠した場合、何週数までくると安心できるのか・・・と毎日感じています。目安で結構なので、教えて下さい。
 現在は、まだ、心拍が確認できていませんが、悪阻が日々ひどくなり、妊娠は継続できているのかなとは感じられています。しかし、前のようにいきなり胎児の心拍が止まる恐怖は常に頭から離れません。安心して妊娠生活を送られるようになるのは、いつくらいでしょうか・・・

 「同種免疫異常」の考え方、あるいは「夫リンパ球移植」の効果とその副作用については、賛否両論です。
 アメリカでは「夫リンパ球移植」による治療は、その効果と安全性が確立されていないとの理由で、現在は許可されていません。
 理論的には、母体側(子宮)と胎児側(胎のう)との拒絶反応が起こるかどうか(胎児を「非自己」として認識して「遮断抗体」を産生するメカニズムが働いてないため)ですから、妊娠初期の流産が多いと思います。しかし、もし今回「同種免疫異常」に対する治療の効果があったとしても、一般に12週くらいまでは流産の可能性は高いと思いますし、加齢による胎児の染色体異常の上昇も考慮する必要があります。[2008年9月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:23 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:1回 人工授精:0回 体外受精:0回
 1人目は、自然妊娠で、出産後は1年間母乳で育てました。現在は、母乳も止まり、1年以上経つのに、まだ生理が1度もありません。病院にて、ホルモン検査を受けましたが、特に心配ないといわれています。2人目が欲しいと思っていますが、どのようにすればよいのでしょうか?もう、自然に生理がくることはないのでしょうか?

 産後月経が発来しない原因には、以下のようなことが考えられます。
 1. 授乳やその他の原因によってプロラクチンの値が高い場合
 2. 「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」による排卵障害
 3. 卵巣の機能低下による卵巣性排卵障害
 4. 早発閉経
 5. 出産後、子宮内腔や子宮口が癒着によって閉鎖したために、月経血が排出しない
 主治医の先生とよくご相談され、必要な検査を行ってみてください。また、一度ホルモン剤で消退出血を起こしてみてはいかがでしょうか。[2008年9月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:24 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 2008年に自然妊娠後、5週で切迫流産して即入院し、24時間点滴(止血剤等)を3日間しましたが出血が続き、子宮内を確認すると流産寸前でしたので、手術をしました。
 その後、血液検査をしたところ、以下の結果でした。
 ・抗核抗体:40(+)  ・TSH=1.29  ・FT4=1.2  ・FT3=2.9  ・抗カルジオン抗体=8以下
 ・ループス抗凝固因子=1.28 (中和前=45.7秒 、 中和後=35.6秒)
結果をみて、主治医は「抗核抗体とループス抗凝固因子が少し高い。赤ちゃんを異物だと捉えて、流産してしまうというだよ。抗リン脂質抗体症候群ということですが、出産されている方もいるので、あなたも大丈夫だよ。次回妊娠したら、アスピリン等を安定期まで飲んでもらうね。」と、仰っていました。
 帰宅後、インターネットで検索したところ、抗核抗体とループス抗凝固因子も、異常値ではないと書いてありました。なんだか納得いくような、いかないような、複雑な気持ちです。
 抗リン脂質抗体症候群の一歩手前・・という状態なのでしょうか?セカンドオピニオンをお願いいたします。

 『赤ちゃんを異物ととらえて』というのは、『同種免疫異常』による流産の場合であり、『抗リン油脂質抗体症候群』の流産のメカニズムとは異なります。『同種免疫異常』を起こす場合には、『夫リンパ球移植』を行っている施設もあります。
 『抗リン油脂質抗体症候群』は自己免疫異常によるもので、胎児の血液が流れる多数の微小血管内で血液が凝固して血栓が形成されるために、流産や胎児の発育不全、死産が起こると言われています。『抗リン油脂質抗体症候群』の検査として、抗フォスファチジルエタノールアミン抗体(IgG、IgM)、抗フォスファチジルセリン後退(LgG,LgM)などの検査はしていただいたのでしょうか(検査は自費になります)。
 『抗核抗体』が40倍で、ギリギリ陽性とのことで、不育症の原因に自己免疫異常が関与している可能性はあると思います。
 全ての検査で陽性に出ることの方が稀ですので、主治医の対応も決して間違ってはいないと思います。不育症の方の検査では原因が断定できる場合の方が圧倒的に少ないのです。なにも治療しないで、次の妊娠の経過を見守るのか、あるいは、負担の少ない範囲で疑われる何らかの治療を行うかは、主治医と患者の間での話し合いで決めることもしばしばあります。[2008年8月20日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:1回 体外受精:0回
 初めての人工授精(AIH)にて妊娠が判明しました。ただいま5週目です。
 高プロラクチンとのことで、2ヶ月ほど前から、パーロデルを服用しています。流産予防のため、8週目まではパーロデルを毎晩半錠ずつ服用するように指示されています。
 一度流産経験があり、もう流産はしたくないので指示通りに服用していますが、この薬による胎児への影響はないのでしょうか?

 不妊治療で高プロラクチンのパーロデルは使用されていますので、妊娠するまでは大丈夫です。パーロデルは、特に人における催奇形性の報告はないと思いますが、当院では妊娠したら中止するようにしています。
 それぞれの医師で、対応は異なる部分があるかもしれません。[2008年8月20日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:30 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:4回
 過去2年間で、採卵を4回、移植を5回してきました。5回目の移植で陽性反応が出て心拍まで確認できましたが、10週で繋留流産となり、掻爬(そうは)手術を行いました。
 今回で最後と思ってたのですが、「妊娠できた」ことが証明でき、治療を継続しようと思っているのですが、流産後はホルモンバランスや卵の質が悪いのではと心配です。どのぐらい時期を空けて採卵をするのがベストなのか教えてください。

 流産後は排卵障害により月経が遅れる場合もあるので、基礎体温表をつけておくとよいでしょう。
 2〜3ヶ月後から不妊治療を再開してもよいと思います。1回の流産ではありますが、心拍が確認できてからの流産ですし、念のため不育症の可能性を考えて、次回の流産を予防できる方法が見つかるかもしれないので、「抗リン脂質抗体症候群」に対する、スクリーニング検査を行ってはいかがでしょう。[2008年7月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:0回 体外受精:6回
 タイミング法および体外受精(IVF)で、着床流産を2回経験しています。どちらも7週での流産です。
 染色体検査をしたところ、胎児の染色体が原因でした。主人の染色体が9番逆位と言われています。やはり逆位があると、これからも流産しやすいのでしょうか。どうすればよいのか、方法があれば教えて下さい。

 一般的に9番逆位は正常変異であり、流産の原因にはならないと言われております。胎児の染色体検査結果を是非教えてください。その検査をすれば、ご主人の染色体との因果関係がはっきりすると思います。また、その他のスクリーン検査は異常なかったのでしょうか。[2008年7月1日]
(院長:田中温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:0回 体外受精:0回
 33歳の時に関節リウマチと診断されました。35歳で結婚をして、子どもを希望しておりましたので、結婚と同時に主治医に相談をしてリウマチの治療薬を止めて、現在はプレドニンを1日5mg飲んでいます。リウマチの痛みも、腫れもなく元気に過ごしております。
 36歳の時に、妊娠しましたが、8週で切迫流産となりました。(この時は、何も処置は致しませんでした。
 38歳の現在、やはり子どもが欲しいと思い、今春から婦人科に通院しております。クロミッド、プレマリンを今月から飲んでおりますが、もし、妊娠してもリウマチがあると、流産しやすいのでしょうか?
 現在は、リウマチの症状も殆どありませんが、リウマチが流産と関係あり、繰り返してしまうようで妊娠を諦めた方がいいのかと考える毎日です。リウマチ患者も出産できるのでしょうか?

 「関節リウマチ」でも出産は可能ですが、「膠原病」という病気の分類に入っていて、自己免疫異常との関係が深いので、中には流産しやすい体質の人もいると思われます。「抗リン脂質抗体症候群」という不育症になりやすい状態かどうか血液検査をしてはいかがでしょうか。低用量アスピリン療法、漢方療法(紫苓湯)、ヘパリン療法などがあります。[2008年6月2日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 結婚して3年ですが、これまでに3回の初期流産をしています。全て心拍確認できないまま出血が始まりました(最後の流産では胎芽は確認できました)。3回目の流産後、抗核抗体が若干高めということがわかりました。今年に入って甲状腺機能亢進症にもかかりましたが、3ヶ月ほどで完治しました。
 次回の妊娠時には、高温期からアスピリン81を服用するのと、妊娠確定後からプロゲステロンの膣座薬を行う予定ですが、アスピリンだけで十分かということと、服用は妊娠確定前からではなくて良いのかということが不安に思っています。先生なら、私のような状態の場合には、どのような治療をお考えになりますか。セカンドオピニオンとして、参考にさせてください。

 甲状腺機能亢進症や低下症は不育症の原因となりえますが、正常値にコントロールできているのであれば大丈夫でしょう。抗核抗体が陽性とのことで、「抗リン脂質抗体症候群」を疑っているのだろうと思いますが、他にも様々な検査項目がありますが、正常範囲内だったのでしょうか。ご夫婦の染色体検査も正常だったのでしょうか。そうであれば、主治医の先生の対応も1つの方法だろうと思います。当院でも患者さんと相談の上、そのような対応をする事もあります。不育症には様々な原因があり、検査を行っても原因が判明しない事も少なくありません。そのような場合には、
 1.「何も治療をしない」
 2.お互いの同意のもとに母体にも胎児にも、経済的にも負担の少ない何らかの治療を行う。
 3.インフォームドコンセントを行った後に夫リンパ球移植を試してみる。
 などが挙げられると思います。
 また、抗核抗体の件で、念のためにご自身に「膠原病」がないことも確認しておいて下さい。[2008年5月15日]
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(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:0回 体外受精:5回
 体外受精(IVF)の結果、双子を妊娠しました。8週で心拍が確認できて順調でしたが、10週で1人の成長が止まっていて、バニシングツインだといわれました。心拍が確認されたら流産率が下がると聞いていたので、とても残念ですが、これはどのぐらいの確率で起こるのでしょうか?また原因や、もう1人の胎児への影響を教えてください。

 10週で成長が止まった際、それまでのサイズは2人とも同じ大きさでしたか。それとも心拍の止まった1人が小さめで、心拍がゆっくり(徐脈など)していましたか。
 妊娠初期でのバニングツインは、決してまれではありません。双子で両方の心拍が止まってしまうということは、少ないように思います。当院において、2卵性の場合で、初期バニングツインが見られた症例に関しては、出産まで経過でもう1人への影響が出たことはありません。ですから、2卵性のツインであれば、初期ならまず問題ないと思います。バニングツインは双胎の10〜15%といわれています。[2008年5月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 2004年、2005年と続けて初期流産しました。不育症かもしれないといわれましたが、検査をしても原因が分からないことの方が多いということで、検査はしませんでした。
 3回目の妊娠時には、血栓予防の薬として、バファリンを服用するか選択をすることになり、どうしても妊娠を継続したかったので、服用することにしました。無事に出産することができましたが、大動脈縮窄症という先天性疾患をもって生まれてきてしまいました。
 インターネットでいろいろ調べていると、バファリン服用で縮窄の子が生まれる報告があり、ショックをうけています。服用は妊娠予定日の12週以内と記してありますが、私は出産する少し前まで服用していたので、それが原因になったのではと気になっています。バファリンの服用期間は通常、妊娠何週までなのでしょうか?また、第2子をそろそろ考えているのですが、やはり薬が必要のでしょうか。

 「NSAID」といわれる解熱鎮痛剤群で妊娠後期に動脈管の狭窄や閉鎖を誘発する事はありますが、それが原因となるためには、それなりの用量が必要です。低用量アスピリン療法として用いられる1日あたりの量はかなり少なく、経験上、そのような副作用を起こす可能性は少ないと思います。ただし、出血傾向が懸念されるため、出産の1週間以上前には投薬を中止するよう勧められており、当院でも妊娠36週前には終了するようにしています。
 血栓予防に用いる程度の量のアルピリンが原因となって「大動脈縮窄症」が起こりやすくなるという報告は知りません。私の勉強不足かもしれませんが、もしも、この治療によってそのような異常が起こる率が明らかに高くなるのであれば、世界中で問題になるはずであり、このような治療は中止になるのではないかと思われます。一般に先天異常全体についていうならば、妊娠中に使用した薬剤が原因ではないものの方が圧倒的に多いと考えられます。[2008年5月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:8回
 排便時というよりも、便が腸を下りてくる時(排便の5〜10分前)に、子宮の辺りに毎回、切られるような痛みがあります。
 これは、子宮が腸に圧迫されているからなのでしょうか?もしもそうだとすると、この痛みが着床を妨げているのではないかと、とても不安に思っています。
 また、2年前に子宮外妊娠の手術を経験しており、その際に、最大4cmの筋腫を数個摘出しました。子宮後屈と言われたのも、痛み出したのも、この手術の後からなのですが、何か関係あるのでしょうか?

 子宮外妊娠手術の際、子宮筋腫摘出術も行っていますので、子宮周辺の卵巣、卵管、腸管等の炎症性の癒着も考えられます。しかし、これらの癒着があったとしても、痛みとの関係は診察してみないとわかりませんので、担当の先生に診ていただいてください。ただ、それが着床を妨げる事はないと思います。子宮後屈についても、診察を受けて、担当の先生のご意見を聞かれてみて下さい。[2008年5月1日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:3回 体外受精:1回
 体外受精(IVF)をして、妊娠の判定をもらいました。判定の数値がギリギリ陽性ということで、それから週に2回プロゲストンを注射しています。
 プロゲストンについて色々と調べてみると、「黄体ホルモン剤の使用と先天異常児出産との因果関係は未だ確立されたものではないが、心臓や四肢等の先天異常児を出産した母親では、対照群に比して妊娠初期に黄体ホルモン剤又は黄体・卵胞ホルモン剤を使用していた率には有意差があるとする疫学調査の結果が報告されている。」という気になることが書いてありました。次回の診察で主治医にも聞いてみようと思っていますが、大丈夫なのでしょうか?

 色々と治療をされて、体外受精(IVF)でやっと妊娠判定が出た方の中には、もともと黄体機能不全といって、黄体機能の弱い方がおられます。黄体機能が弱いと、着床不全におちいり、妊娠初期流産を起こす頻度も多くなります。
 あなたが調べられたような報告については周知しております。しかしながら、薬剤には長所と短所、利益と不利益と二面性があることも事実です。何とか妊娠を維持させていくか、妊娠しても異常児が心配だから、それらの薬を使わないかについては、患者様ひとりひとりの選択になってくると思います。ただ、今回、あなたが見つけられた記事は、そのような報告があったという事だけで、科学的に証明されたものではないと思います。このような場合の医師の判断としては、治療上の有益性が危険性を上回ると判断して処方しております。担当医からご説明をうけて、しっかり相談された上で納得のいく治療を続けてくださいね。[2008年4月15日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:32 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 昨年12月初旬に31週目で死産しました。12月末の検診で双隔子宮の手術を行う検査のため、2回生理がきたら不妊科を受診するよう言われましたが、その後3ヶ月たっても生理がきません。体重は妊娠時にくらべて10キロ減ってしまっています。おりものもありません。今月末に、生理が来ないことで受診しようと思っていますが、治療で生理が始まったとして、受診後の治療や双隔子宮の手術などを含めて、いつ頃から子作りを再開できるものでしょうか?どのくらいの期間がかかるのか教えていただきたいです。

 今回の「死産」は子宮内胎児死亡だったのでしょうか。それとも早産が原因のものでしょうか。死産の原因と「多角子宮(中隔子宮)」が関係あるのかは不明ですし、手術の必要があるかどうかも何ともいえません。手術をするのであれば、手術の内容にもよりますので、いつから治療可能かは、執刀医の先生とご相談下さい。
 むしろ体重の減少と無月経の方が心配です。かなりストレスが強かったのでしょか。排卵障害の原因について精査して下さい。[2008年4月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:32 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:3回
 体外受精(IVF)を1回、多精子受精があるとの事で顕微授精(ICSI)を2回経験していますが、いい結果には結びつきません。血液検査の結果、抗核抗体が2560倍、抗フォスファチジルセリンIgM抗体が1.7、抗フォスファチジルセリンIgG抗体が1.8でした。これらの基準値や何に関係するものなのかを教えてください。もしも、これらの結果が基準値からかけ離れている場合、治療を再開する前に、何かできることはありませんでしょうか。

 このような検査結果の方で、流産を繰り返す場合があります。当院のホームページにおいて、不育症、抗リン脂質抗体症候群をご参照ください。
 ■不育症のページ   http://www.stmother.com/art.html#5
 治療方法としては低用量アスピリン療法やヘパリン療法などがあります。[2008年3月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:45 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 順調だった生理が3〜4ヶ月こないので、産婦人科で検査したところ、妊娠判定はプラスマイナスで、どちらとも言えないとのことでした。最後の月経日・性交渉日の記憶があいまいなので、このような返答なのでしょうか?間違いなく3ヶ月は生理がないのですが、妊娠の陽性・陰性がはっきりしないということが、あるのか不思議でいいます。どうすればよいのでしょうか。

 妊娠初期には妊娠判定がプラスマイナスという判定になることもありますが、時が経つにつれて、それが、プラス(+)、プラスプラス(++)と濃く変化してゆきます。その時期は、受精によって変わります。また、妊娠が正常妊娠の状態でなければ、プラス(+)、プラスプラス(++)と濃くならずに、終わる事もあります。1回のみの判定で結論は出せないので、定期的に診察を受けて判断して頂いて下さい。
 3ヶ月間生理が無いというのは、妊娠状態に入って生理がないということもありますが、月経不順で生理が無いだけという事もあります。また、初めの2ヶ月間は月経不順で、あとの1ヶ月は妊娠初期状態であるといった場合も考えられます。妊娠判定は妊娠判定薬だけで判定するのではなくて、エコー検査や内診を行ない、基礎体温よりも確実にするために採血や尿の定量検査を行う事もあります。妊娠判定薬は、色々な条件に左右される事もあり、ある程度大まかな検査ともいえますので、妊娠を確実に判定するためには、医師の経日的な診療が是非とも必要です。それだけ妊娠判定は、簡単なようで難しい判定が存在する事もあります。[2008年3月15日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:0回 体外受精:0回
 過去に3回の流産を経験し、「不育症」と診断され、詳しく検査をしたところ「自己抗体異常」だということがわかりました。担当医には、高温期7日目からバイアスピリンと柴苓湯を服用するという治療法があると言われました。
 私は年齢的にも焦っていて、毎月病院にてタイミング療法をしたいと思っているのですが、主人は妊娠までは自然にまかせて、妊娠判明してからお医者様の力を借りようと意見が分かれています。そこで質問なのですが、妊娠判明後にお薬を服用しても遅いということはないでしょうか?

 今まではどんな時期で「流産」と診断されたのでしょうか。(「胎嚢」の出現前、「胎嚢」のみ、胎児心拍の停止など) また、「自己抗体異常」とのことですが、「抗リン脂質抗体症候群」の診断についてはいかがだったのでしょうか。
 胎嚢が見えるか見えないかといった、妊娠の極初期に流産する場合もありますので、症例によっては、妊娠前から治療を開始すべきケースもあります。主治医の先生とよく相談して決めて下さい。[2008年3月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:20回 人工授精:7回 体外受精:3回
 これまでに、自然流産を1回経験しています。その後、5回目の人工授精(AIH)で妊娠しましたが繋留流産、完全自然周期体外受精(IVF)では着床反応は出ましたが、結局妊娠とはなりませんでした。現在は、セロフェン周期での体外受精(セロフェン周期)を行い、ET12日後のβhcgが3.7で子宮外妊娠の可能性があるということで様子を見ています。これまで、着床はするもののその後が成長してくれず、化学的流産ばかりで、担当医からは卵に問題があると言われています。卵巣機能が良くないのでしょうか。今後、特に検査をしないままIVFを続けるだけで、いつかは妊娠できるのでしょうか?

 βhcgの値は、妊娠判定にはむかない場合があります。日本産科婦人科学会における妊娠判定は、胎嚢の確認となっております。ごく微量のβhcgが高くなることを着床したと判断しますと、流産率や子宮外妊娠率が非常に高くなる結果となります。ですから、このような考え方は一般的でないと思いますよ。もし、βhcgが高くなった時点で着床と判断するのであれば、ほとんどの方が習慣流産・習慣着床不全ということで、特殊な治療・特殊な病気だというふうに考えなければならなくなりますよ。[2008年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 20代で、左卵巣嚢腫で摘出手術を行いました。約1年前に9週で、心音が確認できなくなり手術しました。その4ヵ月後に2度目の妊娠をしましたが、6週目で自然流産となりました。また、右卵巣に1cmくらいの嚢腫が発見され、3か月毎に検診していますが、現在のところ、問題はありません。海外在住で、今春には帰国する予定です。
 日本の習慣性流産の検査を行ったところ、抗カルジオリピン抗体が35(通常は10未満)という数字で、妊娠を希望する場合は、低アスピリンと柴苓湯(サイレイトウ)を服用するように言われています。
 生理が以前は1週間あったのですが、3ヶ月前から期間は5日になり、量も少なくなっており、このまま、閉経してしまうのではと不安です。もう少しすれば帰国なので、色々と準備もあり、今は避妊をしなければならず、不安ばかりが募ります。こちらでホルモン検査等を行っておけば、帰国後にスムーズに治療が進むでしょうか?それとも、検査などは帰国してから行う方がよいのでしょうか?また、このような状態で、妊娠して元気な赤ちゃんが出産できるのでしょうか?

 早発閉経する徴候ではないと思います。検査などは帰国後でかまいません。妊娠して元気な赤ちゃんを出産する可能性は充分あると思います。
 現在のところ「抗リン脂質抗体症候群」の診断には、何種類もありますが、それらの検査の結果はいかがでしたでしょか。「抗リン脂質抗体症候群」の診断が確定している場合の治療方法としては、低用量アスピリン療法のみでは不十分であり、さらに加えてヘパリン療法が必要(出産まで連日皮下注射)とされております。当院でも現在、治療中あるいは出産された方が20名以上いらっしゃいます。[2008年3月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:30 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 子作りを始めて1年になりますが、妊娠しないので病院で診てもらおうと考えていた矢先、生理が遅れていることに気がつきました。普通ならこのような状況に手放しで喜ぶところですが、実は、風邪をひいて、漢方薬の風邪薬を3日間服用しました。注意事項に「妊婦は必ず医師の許可をとり使用する事」と書いてありました。また、炎症を抑える喉スプレーを3日間(容器半分以上を使用)、滋養補給ドリンク1本、モロヘイヤサプリメント6粒、のど飴2袋も使用しました。この1年間は、食べ物にも気を使い、薬類は使用せずに頑張ってきたのに・・・今回に限って、妊娠していないだろうと安易に考えてしまいました。自己判断せず病院に行けば良かったと後悔するばかりで、妊娠していたら、こんなにも待ち望んだ赤ちゃんに影響があるかもしれないと不安になり、怖くて病院に行けずにいます。インターネットで色々と調べてみても、この時期は大事なので薬の使用には気をつけるようにと書いてあるので、心配で心配で、毎日眠れずにいます。影響があるとすればどのような事がありますか?

 市販されている風邪薬などで、胎児奇形につながると思われる薬はほとんどないと思われます。妊娠には気づかずに市販の薬を内服してしまう女性は世界中に数限りないはずです。その大半は、それだけの理由で妊娠を中絶することはありません。もしそのような薬で胎児に先天異常を起こすのであれば、もうすでに販売中止になっているはずです。心配する必要はないと思います。
 ただ、何ら妊娠中に思い当たる事がなくても、ある一定の割合で先天異常児が生まれることも事実です。(可能性はさほど高くありませんが)それはすべての妊婦さんに対していえることなので、その事は自ら自身の中でよく理解しておくことは大事です。[2008年2月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 先日、3回目の流産をしました。1回目は、胎嚢を確認できずに自然流産、2回目は胎児が確認できず病理検査の結果は部分胞状奇胎、3回目は胎児の心拍が確認できず、病理検査の結果全奇胎と診断されました。
 担当医には、「部分奇胎と全奇胎では原因が違うためたまたまだったこと」「胞状奇胎に2回なったら次回もなる確率が高いこと」「予防策や治療法がないこと」の説明を受けました。その後、夫婦の染色体の検査をしてみるか意向を聞かれたのでしてみることにしました。また、夫婦で話し合って、詳しい不育症の検査をうけようと思っていたのですが、担当医には不育症とは関係ないと言われ、どうしたらいいものか迷っています。
次回は絶対に流産を避けたいと思っているのですが、私たちの場合、やはり避ける方法はないのでしょうか?

 胞状奇胎と不妊症は直接の関係はありませんし、胞状奇胎を避ける具体的な方法もないと思います。明らかな流産は1回だけなので、不妊症にはあたらないと思います。次回の流産が心配であれば、ある程度までの不妊症のスクリーニング検査を受けてみてはいかがでしょうか。[2008年2月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
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