回答一覧 - 不育症・流産・子宮外妊娠・陽性判定後 No.9 -
年齢:32 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:1回 人工授精:5回 体外受精:3回
 主人の精子の運動率が悪く、妊娠しづらいと言われています。人工授精(AIH)を5回行った後に、体外受精(IVF)をして受精しなかったので、顕微授精(ICSI)を行い、妊娠・出産しました。
 産後は2ヶ月後に月経が再開しましたが、月経周期13〜17日目頃に、1日だけ下腹部にキューと生理痛のような痛みが出るようになってしまいました。出産するまではこのような痛みはありませんでしたが排卵痛でしょうか? また、はやく2人目の治療をしたいのですが、現在、出産して7ヶ月です。治療を再開は、産後、どのくらいあければよいでしょうか。

 出産後2ヵ月で月経が再開ということですが、授乳はしていないのですか。授乳をしていて、2ヵ月から毎月順調に生理がきているのでしょうか。
 基礎体温が測れるようでしたら、基礎体温をつけてみて、体温が上がり始めた時に痛みがあるとすれば、排卵痛の可能性が高いと思います。今まで排卵通を経験していない方が、出産後に、感じることもあります。ただ、痛みの程度がひどいようならば、検査を受け、何か(筋腫、卵巣嚢腫など)問題が起きていないか調べてみると良いでしょう。
 2人目の治療ですが、授乳中であれば10ヵ月を目安に断乳し、1〜2ヵ月様子をみて、治療を再開されることをお勧めします。[2009年6月3日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:8回 人工授精:6回 体外受精:1回
 2人目不妊で治療を受けています。脳下垂体腫瘍があり、1人目の妊娠時はカバサールを10週目まで服用していました。プロラクチンの値は、80から0.6に下がりました。その際には先生に胎児に薬の影響はないから大丈夫と説明を受けていました。
 出産後、薬を服用しなくてもプロラクチン値が80から6に下がりましたが、負荷テストをしたところ、正常値6から(15分負荷後)330と高値でしたので、再度カバサールを服用しはじめました。
 こちらのQ&Aを色々調べているときに、プロラクチンを下げる薬について、「一般的には、妊娠確認以降は胎児に対する影響があると考えられますので服用を中止しております」と記載がありました。
 妊娠確認後にもカバサールの服用を続けた場合、胎児にどのような影響があるのでしょうか?また、現在は、負荷値が330と高値ですが、2人目を妊娠した際には妊娠確認と同時に薬の服用は止めたほうがいいのでしょうか。

 胎児に対して、実際にどのくらいの悪影響があるかという詳しいデータはあまりないと思います。しかし、10週目となると胎児にとっては一番薬の影響が出やすい時期ですので、できれば妊娠確認後は、服用を中止する方がいいのではないでしょうか。[2009年5月16日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回 
 結婚後、1人目(現在3歳2ヶ月)はすぐに自然妊娠で授かることができました。2人目も、希望してからすぐに自然妊娠で授かりましたが、発達せず流産手術をしました。
 手術後、1ヶ月で生理が再開し、半年おいてから、また子作りを再開しましたが妊娠に至りません。これまでは、すぐに妊娠できていたので、とても不安に思っています。流産手術が原因になることはありますか?また、何を調べればよいかも教えてください。
 生理は32日周期前後で規則的で、基礎体温は2相性です。ただ、流産前よりも流産後の方が、低温相・高温相ともに0.2℃ほど高くなったように思います。あと、流産後の基礎体温は排卵後(市販の検査薬)、3〜4日かけてゆっくりと高温期に移行するようになりました。これらは、何か関係はあるのでしょうか?受診する方がよいでしょうか。

 基礎体温の二相性が保たれているのであれば、基礎体温全体の多少の変化(高温化)は気にしなくても良いと思います。上昇の変化も、不妊の原因を探す上では判断材料とはならないでしょう。。
 排卵した卵子の卵管への取り込み障害があるのかもしれません。行うとよい検査としては、子宮卵管造影検査、腹腔鏡検査、クラミジアIgG・IgA、CA125(子宮内膜症)などが挙げられます。通水治療なども効果があるかもしれません。しかし、検査を行っても原因がはっきりと断定できない場合も少なくありません。精液検査もしてみてはいかがでしょうか。タイミング法から段階をおって不妊治療を開始する方もいらっしゃいます(継続性不妊症)。[2009年5月2日]
(産婦人科医:粟田松一郎:)
年齢:27 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 先日8週にて、右卵管の子宮外妊娠の手術を行いました。右卵管で赤ちゃんは成長していて、破裂寸前だったということです。
 主治医のお話によると、開腹をしたら左卵巣から排卵した跡が残っていたので、左から排卵して右の卵管に着床してしまったとのことでした。私は左卵管が閉塞しているのですが、左卵管→子宮→右卵管という流れで着床したということでしょうか?それとも左卵管は閉塞しているので、何らかの理由で排卵した卵が右卵管に入ったということになるのでしょうか。

 左卵管が閉塞しているのでしたら、左卵管から排卵し、右卵管に入り、右卵管に着床、子宮外妊娠を起こした事が考えられます。こういう状態を「遊走」と言います。一方の卵管が閉塞していても、他側の卵管に卵が入り、妊娠する現象です。妊娠する頻度は通常よりも低い確率ですが、このような現象はあります。
 左の閉塞というのが、閉塞ではなく狭窄であれば左卵管から入り、子宮から右卵管に妊娠したと考えられますが、閉塞と言うことですから、上記の方が正しいと思います。[2009年4月3日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:30回 人工授精:回 体外受精:回
 3年前に自然妊娠で子宮外妊娠し、右卵管を切除しました。腹腔鏡下の手術で、左卵管に癒着があったので剥離してもらいました。その後、2回の造影検査・通水を行い、通過の確認はできていました。
 なかなか妊娠せず、誘発剤を使用したところ、残っている左側に卵管妊娠をしてしまいました。幸い、手術はせず、自然治癒の形をとることができました。その後、主治医から体外受精(IVF)の方がいいと言われていますが、迷っています。体外受精の方が子宮外妊娠の可能性は低くなるのでしょうか。
 また、インターネットでFT(卵管鏡下卵管形成術)のことを知りました。私はクラミジア抗体陽性で、自然排卵は右卵巣からの方が多いです。今回の子宮外妊娠で、また癒着が起こっている可能性もあると言われました。私のような場合、FTの施術後の自然妊娠の可能性はありますか?

 左の卵管妊娠が自然治癒したと書いてありますが、これはどのようなことでしょうか。現在、左の卵管は通っているのでしょうか。
 子宮外妊娠は卵管通過障害が主な原因と言われておりますので、体外受精(IVF)を行った後の子宮外妊娠の率は、両側卵管が正常に通過している場合と比べると高くなります。
 FTカテーテルは、あなたのように卵管の中央〜末梢部分(すなわち子宮外妊娠を起こした部分)での閉塞は適応にはありません。カテーテルを通すことによってかえって卵管を破ってしまう危険性もあると思います。十分に注意されて担当の先生に相談されて下さい。残念ながら、自然妊娠の可能性は非常に低いと思います。体外受精をお勧めいたします。[2009年3月17日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:6回
 ホルモン補充で凍結胚盤胞戻しを行い、妊娠しました。心拍確認までできて、現在7週目です。
 P4はあがってきていますが E2が前回より少し低下(499→477)していました。
 エストレースとデュファストンを服用していましたが、デュファストンのみになり、1日6錠から3錠に減量されました。
 主治医は順調だと言いますが不安です。それぞれの施設で補充期間やホルモン値の目安が違うと思いますが、セントマザーの基準を教えていただけませんか?

 当院の方法について紹介しますが、それぞれの施設で様々なプロトコールがとられていますので、あくまで参考程度として下さい。
 当院では、排卵誘発を行った体外受精(IVF)の周期ではプラノバール1錠/日とプロゲステロン膣坐薬(200mg)2錠/日を妊娠7週まで使用しています。凍結保存胚移植の場合には、症例によって、プロゲステロン膣坐薬(200mg)1錠/日を併用しています。妊娠7週で胎児心拍が確認された時点で終了としています。 妊娠中にもE2やP4を測定する必要性についてはよくわかりません。[2009年3月17日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:2回 体外受精:4回
 男性不妊のため、顕微授精(ICSI)をするも、これまでに3回の初期流産を繰り返し、大学病院へ転院しました。不育症検査の結果、抗リン脂質抗体があることがわかり、ヘパリン+アスピリン治療をする予定です。
 今周期に採卵し、ICSIを行って4日目に胚移植(1つ)を行いました。2週間後には尿検査で陽性が出ましたが、陽性反応から3日後の胎嚢確認で、頚管妊娠の疑いが出てきました。 胎嚢らしきものがみえるものの、位置が頚管のあたりとういことでした。ただ、その時点では、4週6日なので、本来の胎嚢が見えていないだけかもしれないということで数日後に再検査を予定しています。
 頚管妊娠も異常妊娠のひとつで、妊娠継続は無理で処置が必要であること、また、抗がん剤の使用や、子宮摘出の場合もあると知り、とても不安です。これまでの流産はすべて6週前後でしたが、頚管妊娠と確定された場合は流産を待たずに処置したほうがよいでしょうか?抗がん剤と聞き、次の妊娠に影響はないのか、また、次の治療までにどのくらいの期間を開けなければならないのか・・・子宮摘出になったら・・・と不安がつのります。 なぜ抗がん剤を使用するのかと、その影響、またどのような場合に子宮摘出となってしまうのか、教えてください。

 子宮体部ではなく、子宮の入り口に近い頚管という部分に着床した状態ですが、その原因は不明です。妊娠1〜2万件に1件くらいの発生率と言われています。頚管妊娠と確定診断がついた時点で早い時期にすぐに対応した方が良いと思います。妊娠が進行すれば、メソトレキセートの効果も期待できない場合があります。絨毛細胞は将来、胎児の胎盤を形成する胎児側の細胞で、癌細胞のようにどんどん分裂増殖して子宮頚管内膜内、さらには筋層内へ侵入していきます。そして「子宮動脈」という大きな血管を破壊して大出血を起こすことがあります。メソトレキセートには、その細胞にダメージを与えて妊娠を中絶させる作用があります。化学療法で充分な効果が得られない場合には、手術療法(人工妊娠中絶手術)となりますが、その際、子宮頚管壁からの大量出血が止まらなくなる可能性があります。出血が止まらない場合には、施設によっては子宮頚管内にバルーン・カテーテル(先端に風船のついたプラスチックの管)を入れて膨らませて出血点を長時間圧迫止血する方法もありますが、それでも出血が止まらない場合には、子宮全摘術の可能性もあり得ます。
中絶後は、その後の経過や体調にもよりますが、3か月後からは妊娠しても良いと思います。[2009年3月5日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:4回 体外受精:回
 本日で、妊娠6週3日で、先日心拍が確認されたばかりです。
 本日、座って仕事をしていて立ち上がったときに、何かが流れ出るような(生理2日目のような)感じがして、「出血かもしれない」と思い、慌ててトイレに駆け込みました。結果、出血ではなく透明の水のようなものが出ていました。  その後は同じことはありませんが、おりものにしては量が多く、とても気になっています。もしかして羊水が出てしまったのではなど、すごく不安です。この水のようなものは何でしょうか?(こんな初期でも破水が起こるのでしょうか?)

 妊娠6週3日は心拍が確認される時期ですが、その心拍はとても小さく、そこに拇指頭大の卵膜に囲まれた小指の先位の小さな胎児が認められ、極少量の羊水が周りに認められます。この状態で、流産以外で破水が起こることはありません。流産であれば、この少量の羊水と出血が共に流れ出てくることはあります。出血ではなく、透明の水が流れてきたのは羊水でなく、水っぽい帯下か、もしかしたらお小水かもしれません。[2009年3月5日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:39 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:1回
 6年前に顕微授精(ICSI)にて、妊娠・出産をしました。現在、2人目の治療に挑戦するか悩んでいるところです。
 気がかりなのは、現在飲んでいる薬の精子への影響についてです。
 3年前に腎臓移植を行い、現在、以下の免疫抑制剤等を服用しております。
 セルセプト 1000mg/日
 プログラフ 5mg/日
 アロチーム 100mg/日
 プレドニゾロン 5mg/日
 また鬱病治療のため、半年前から以下の薬も服用中です。
 ベタマック 100mg/日
 タンドスピロンクエン酸塩 40mg/日
 メデタックス 1mg/日
 ハルラック 0.25mg/日
 これらの薬による精子への影響(遺伝子異常などのリスクが高くなるなど)について教えて下さい。

 「免疫抑制剤」について、色々と調べてみましたが、男性に対する投与で精子に異常を起こして、胎児に影響するという報告は見つかりませんでした。ただし、ラットを用いた実験で、免疫抑制剤の大量投与によって精子濃度の減少や精子運動能の低下が認められとする報告はありました。実際、男性がこのような薬を使用しながら、妊娠したケースは世界でも過去に稀だったと思いますので、コメントは難しいと思います。
 「うつ病の薬」に関しては、今までに、男性がこれらの薬を内服しながら、妊娠したケースはかなりあると思いますので、もし胎児に異常が起きやすいのであれば、薬を処方された時に「妊娠をさけるよう」にと注意されるはずです。そのような注意がないのであれば、大丈夫だろうと思います。
 ただ、健康な夫婦が自然妊娠しても、数%で先天異常の児が生まれますので、100%正常な児が生まれるという保障は誰に対してもできないことはご理解下さい。[2009年2月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:2回 体外受精:回
 5か月前より不妊治療を始めて、2回目の人工授精(AIH)で妊娠しましたが、6週3日で「稽留流産」と診断されました。診断を受け入れることができず、セカンドオピニオンで2件目もあたりましたが、7週3日で「99%だめでしょう」と言われてしまい、手術を受けることになりました。
 妊娠がわかってから、気にかかる2つの出来事がありました。ひとつは4週3日目から3日間の高熱(38度7分)が出たことです。もうひとつはその後、鼻の下にヘルペスができたことです。いずれも薬は飲んでいません(ヘルペスには軟膏を使用)が、このいずれかが流産の原因になってのではないかと考えるようになりました。
 後悔をしても仕方がありませんが、もしもそうであれば、ヘルペスはよく出るので十分に気をつけたいと思っています。高熱やヘルペスが流産の原因になる可能性があるのか教えてください。また、妊娠中にヘルペスが出た場合は、お薬を使ってはならないのでしょうか?

 ヘルペス感染と高熱が関連あるかどうか、また、ヘルペスが流産の原因になったかどうかは不明です。なぜならば、流産の原因は他にも多くの原因があるからです。
 ヘルペス感染が出産前に発症すると先天性水痘症候群といって、児へ重い影響が出ることが知られています。そこで妊娠中にヘルペスが発症した場合、塗り薬や内服薬を使用することもあります。これは、帯状疱疹や性器ヘルペスであったという前提です。先天性水痘症候群は水痘帯状疱疹ウィルスのみでなく、性器、単純ヘルペスウィルスでも起こす可能性があります。鼻の下のヘルペスまたは口唇ヘルペス程度で、産科的影響が起こることは少ないと思います。[2009年2月16日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:6回 体外受精:回
 これまでに、心拍確認前の初期流産を2回経験しており、不育症の検査を受けました。その結果、血液凝固第12因子の活性値が62(通院先では60以下を低値と診断)で、やや低値と診断されました。
担当医からは、低用量バファリン治療の説明を受けましたが、数値が微妙なので、飲んでも飲まなくても良いと言われています。また、抗核抗 体が80倍という結果も出ましたが、正常な人でもこれくらいの数値はでることがあるので、気にしなくてもよいと言われました。
その他の検査結果としては、抗リン脂質の抗体(ループスアンチコアグラント・抗CL抗体【IgG,IgM,IgA】・抗PE抗体【IgG,IgM,IgA】・抗PS抗体【IgG,IgM,IgA】)は、すべて異常なしでした。私達の希望で、夫婦の染色体検査や同種免疫検査は行っていません。
可能な限り自然な状態(バファリンを服用しないで)次の妊娠のための治療に進みたいと思っていますが、バファリン服用のメリット・デメリットを教えてください。初期流産だけでなく、妊娠中期や後期の血栓症などの可能性との関係なども教えてほしいです。

 ご質問に関する参考資料としては、当院のホームページの「抗リン脂質抗体症候群」に対する「アスピリン−ヘパリン療法」についての項目をご参照ください。
不育症のページ   http://www.stmother.com/databook/woman_01.html#12
検査結果からいくと「抗リン脂質抗体症候群」と確定診断するには無理がありますが、その可能性を全く否定することもできません。しかし、不育症は、確定診断や治療法を断定するのが難しい分野です。ですから、最終的に、不育症の検査や治療をどこまでするかは患者様それぞれの「自己判断」と「自己責任」に委ねられてしまうと思います。
薬を使用しないで自然に出産したいと考えられておられるのであれば、ひとまずは自然で様子をみて、今後も流産を繰り返すようであれば、染色体の検査やアスピリン療法などを再検討してみるという事になるだろうと思います。 考え方は、人それぞれで、なかには「次の妊娠で何も治療しないまま流産してしまうことが不安なので、はっきり原因が解明できなくても何らかの治療は行いたい」という方もいらっしゃいます。
これだけ不育症の検査をされていらっしゃるのであれば、すでに主治医の先生からバファリンなどについての説明は受けていらっしゃるのではないかと思います。知識はあるのに、精神的な負担があり、御自身の中で混乱されているように感じますので、まずはそのあたりを整理されてはいかがでしょうか。[2009年2月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:1回 体外受精:4回
 4回目の体外受精(IVF)で2個の胚を移植した結果、やっと陽性反応がありましたが、子宮外妊娠となり卵管の一部を切除しました。
 グレードの良い胚盤胞を何回しても着床しないということを繰り返し、やっと陽性反応が出たと思ったら、最悪の結果でした。ところが、卵管と子宮内の内容物を病理検査した結果、胎児が確認できなかったと言われました。これは一体どういうことなのでしょうか・・・。
 また、主治医は「着床したのだから今後も妊娠の見込みはある」とか「子宮外妊娠した人は大抵すぐに妊娠する」と言いますが、その根拠はあるのでしょうか?現在手術から、約3週間が経過しましたが、今後の治療についてのアドバイスも含めて、上記のことを教えて頂きたいと思っています。お願いします。

 子宮外妊娠の定義は、子宮外の組織、卵管、腹腔内、卵巣内に絨毛を確認することです。もし、絨毛が見つからない場合には、腹腔内にこぼれ落ちている可能性もありますので、十分に注意されて下さい。手術後の尿中hCG濃度は、確実に低下し、陰性になっていますか。そうなっていれば、今回は子宮外妊娠で、胎盤の組織は摘除されたと考えていいでしょう。
 しかし、HCGの値が下がらず、同じ状態であるならば、絨毛はまだお腹のどこかに付着していると考えます。十分注意されて下さい。子宮外妊娠の最大の原因は、卵管の通過障害です。卵管造営で卵管の状態を詳しく調べて下さい。もし、卵管水腫がある場合には、体外受精(IVF)をする前に、是非、卵管水腫を切除することをお勧めいたします。[2009年2月16日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:回 体外受精:回
 1年前に31週で原因不明の子宮内胎児死亡の経験があります。8ヶ月前に卵管造影検査をしたところ、双角子宮で左の卵管がややつまり気味であることがわかりました。
 その後、クロミッド+HCGを使って、タイミング治療を行い、先月妊娠して心音も確認しましたが、9週目で稽留流産となり、今月掻爬手術を行いました。
 子宮内胎児死亡の時の担当医からは、「次回同じようなことがあれば子宮整形の手術をした方がいいかもしれないが、子宮内膜が薄くなる恐れがあるため妊娠しにくくなる可能性もある」と説明を受けましたが、その必要はあるでしょうか。
 セントマザーを受診することも間が手いますが、県外からの遠距離通院になります。どのような検査を行い、実際に治療に入るまでに、何回くらい通院しなければなりませんか?また、掻爬手術をしてから日が経っていませんが、いつ頃来院したらいいでしょうか?(生理が始まってから、排卵の確認ができてから・・・など。)

 双角子宮にもいろいろと程度がありますので、一概には言えないと思います。死産の原因のひとつになる可能性はあると思いますが、31週まで育っているのであれば、他に原因があるのではないでしょうか。
 子宮が半分しかない単角子宮の方でも、正常妊娠、正常出産されるケースは少なくありません。流産や早産を繰り返すのであれば手術の適応だと考えますが、31週での死産となりますと、他にも原因が考えられます。手術をする前に、もう一度、妊娠にむけた検査をお勧めいたします。
 当院への通院については、いつでも結構ですが、高温相に来院される場合には、妊娠しないように避妊をされて来院してください。掻爬手術後は1ヵ月たてば来院されてよろしいですよ。検査としては、まず子宮卵管造影で子宮の形をみます。場合によっては、子宮鏡検査で子宮の中を見ることも必要かもしれません。
 一日でできる限りの検査をして、その後の治療内容については、初診時にお話をいたしましょう。予約をとられて来院されるとスムーズだと思います。[2009年2月3日]
(院長:田中温)
年齢:41 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:4回
 体外受精(IVF)を1回、顕微授精(ICSI)を3回(うち2回は胚盤胞移植)行いました。
 最初の体外受精失敗後に、自然妊娠しましたが流産(心拍・姿確認できないまま)、顕微授精の胚盤胞移植で妊娠しましたが、また流産(やはり心拍・姿確認できず)でした。そして今回、顕微授精の胚盤胞移植失敗後に自然妊娠しましたが、また流産(今回は心拍・姿確認後)しました。
 2回目の流産時に、赤ちゃんの検査をしたところ、染色体のトリソミーが2ヶ所(22番と14番)あり、一般的な流産の理由だと説明を受けました。
 流産3回目、今回は、初めて心拍と姿を見てからの流産だったため、ショックも大きいです。今回も流産後に検査をしてもらい、結果待ちです。前回と同じ結果であれば、染色体転座の可能性もあるので夫婦両方の染色体検査をすすめられています。
 もしも、染色体転座だとしたら、もう諦めるしかないのでしょうか?なんらかの方法があったとしても、年齢的に治療は受けられるでしょうか?(いつも8〜10個くらい採卵できますが、胚盤胞に至るのは2個くらいです。卵のグレードはよくてきれいだと言ってくれます。)流産が染色体異常ではなく、加齢のためであれば、もうあきらめなければならないのでしょうか?

 3回流産をされていますので、不育症のスクリーニング検査で異常がないのであれば、是非ご夫婦の染色体検査と、できれば流産物の染色体検査をされる事をお勧めいたします。
 2回目の流産検査では、22番と14番のトリソミーが原因となっているようですね。これは卵子の老化による原因ではないかと考えられます。しかし、毎回同じようなトリソミーができわけではありませんから、正常な染色体を持った赤ちゃんができる可能性は十分 あります。
もし、ご夫婦に染色体異常があるならば、着床前診断という方法がありますので、染色体の正常型だけを戻す事が可能となりますよ。決して諦めずに頑張ってみてください。まずはご夫婦の染色体検査をされる事をお勧めいたします。[2008年11月4日]
(院長:田中温)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:3回 体外受精:2回
 高齢出産のため、羊水検査を受けたいと考えております。
 子宮後屈なのですが、羊水検査はスムーズに行えるでしょうか?また、太り気味でお腹周りの皮下脂肪が気になりますが、検査の妨げになりませんか?

 羊水検査は妊娠18週くらいに実施します。 その頃になると子宮は臍の近くまで大きくなりますので、子宮後屈でも羊水検査はスムーズに行えます。また太り気味で皮下脂肪があったとしても、針がそれ以上の長さがありますので、検査の妨げになることはありません。[2008年11月4日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:0回 体外受精:0回
 流産後の状態について不安なことがあります。これまで、タイミング法で2回妊娠しましたが、ともに心拍が確認できずに、稽留流産と診断され、掻爬手術を受けました。
 2回目の手術後16日目に排卵検査薬で陽性反応はあったものの、基礎体温が上がらず、低温期のまま27日目に出血がありました。出血はごく少量だったので、生理ではなく不正出血かもしれないと思い、出血開始から7日目に受診しました。
 HCGは0.7で、絨毛膜の遺残等はないので、生理でしょうとのことでした。ただ、それにしては内膜が厚すぎる(12mm)と言われましたが、詳しくは説明してもらえず、生理があと2回きたら受診するようにと指示を受けました。 この状態について教えてください。
 1..経血の量が少なかったのは、排卵しなかったためでしょうか?
 2.生理直後なのに、内膜が厚い原因としては、何が考えられますか?
 3.できるだけ早く治療を開始したいのですが、内膜が厚い今周期はやはり避けたほうがよいでしょうか?
 4.もしもこの状態で妊娠したとしたら、流産の可能性は高くなるのでしょうか?避妊をした方がよいでしょうか

 1.2回目の手術後の月経量が少なかったのは、掻爬手術のためと考えられます。
 2.生理直後なのに内膜が厚くなるのは、掻爬後に月経が来た後の子宮内膜の育ちが良かったからだと考えられます。
 3.流産手術後は、女性ホルモンや子宮内膜の色々な変化が出てきますので、少なくとも2周期はあけて治療に入られた方が良いと思います。
 4.もし、この状態で妊娠すると流産の可能性もやや高くなると思います。ご心配であれば、2ヶ月くらいは避妊されてください。[2008年11月4日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:40 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:1回
 初めての体外受精(IVF)で、妊娠判定がでたものの子宮外妊娠になりました。開腹手術を行い、膨大部妊娠、右卵管の癒着もあったので切除しました。
 素人考えですが、自然妊娠ならば、卵管を通って子宮にくる途中でとまって子宮外妊娠になったと考えれば、理解できます。しかし、体外受精で、胚盤胞を子宮に戻したのに、なぜ卵管で妊娠するのかわかりません。また、意外にも体外受精の方が子宮外妊娠の確率が高いのはなぜでしょうか?
 主治医に質問しても納得のいく回答が得られませんでした。教えて下さい。

 一般の方がそのような発想をされるのもよく分かりますが、実際、体外受精(IVF)で、自然妊娠よりも高い確率で子宮外妊娠が起こっていることも事実です。
 移植時に、胚は子宮体部内腔へチューブから排出されますが、いわば丸いボールのようなものです。転がって子宮内から卵管内へ入っていく事もあります。「子宮の底部からどのくらい手前にチューブの先端をもってくるか」などの検討もされていますが、根本的な解決ではありません。もともと自然妊娠できる人は、卵管采(先端部)や子宮内壁の状態が良好な人が大半です。ところが、あいにく体外受精を受ける方の中には、原因不明不妊も含めて、卵管の状態に問題のある症例が多くいます。クラミジアなどの骨盤内感染の経験があると、たとえ子宮卵管造影検査では通過が確認されていても、卵管内はかなり荒れた状態の方もいるようです。たとえば整備されたトンネルと鍾乳洞のようなものを考えていただければ分かりやすいかもしれません。
 自然の妊娠の場合、排卵した後、卵子は卵管采から卵管内へ取り込まれ、卵管膨大部で精子と受精して子宮内まで運ばれると考えられています。つまり、その時期は卵管内の方向性(卵管のぜん動、壁の繊毛の動き、卵管液の流れ)は外側から内側(子宮内)へ向かっていると思われます。従って、体外受精で移植胚が一旦卵管の中へ転がり、落ちたとしても、また子宮内へ戻されてくる事が多いと考えられますが、もしそのような卵管の動きが障害されていると胚は子宮内へ戻ってくることができず、そこで着床、妊娠してしまった場合には子宮外妊娠(卵管妊娠)という結果になってしまいます。また、一旦閉塞した卵管を通水治療や卵管鏡による手術で再通過させた卵管もダメージは残っており、決して全く正常な卵管の状態に修復されたわけではないことも認識する必要があります。[2008年10月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:5回 体外受精:3回
 3回目の体外受精(IVF)で、無事に心拍確認までいきました。
 高齢のため、羊水検査を検討していますが、子宮後屈と言われています。羊水検査では、お腹から針を刺すと聞きましたが、子宮後屈の場合、ベストポジションに針が刺しにくく、リスクが上がるのでは・・と不安に思っています。実際のところは、どうでしょうか?

 羊水検査は妊娠18週頃に行います。
この時期の子宮は大きくなり、腹部の皮膚の直下まで達しますので、羊水検査に支障はありません。後屈であっても心配はありませんよ。[2008年10月1日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:13回 体外受精:3回
 過去に、8回目の人工授精(AIH)で妊娠しましたが、子宮外妊娠により、卵管と共に尊い命を失いました。その後、5回チャレンジしましたが、妊娠せず、体外受精(IVF)にステップアップしました。3回目のIVFで妊娠し、切迫流産・早産の危機を乗り越え、無事に出産しました。年齢的なこともあり、自然妊娠の可能性が低いので、治療を再開し、今回、凍結胚移植の予定です。
 内膜症がひどくて癒着もあり、かかりつけの医院では、前回の妊娠は奇跡的だと言われ、今後、治療をしても確率は低いだろうという説明を受けています。しかし、凍結胚を戻すにあたり、「移植後3ヶ月は毎日注射に通うように」と言われました。“凍結胚を戻すと必ず妊娠するようなものなので、通いなさい”と強い口調で・・・。
 確率が低いと説明を受けているし、本やネットの情報から考えても、それはおかしい話だと思いました。なぜそこまで、いい切れるのかと、とても不思議に思っています。
 仕事の都合で、約3週間、出張に行くこともあり、注射の変わりに薬で何とかならないのか相談しましたが、出張先で注射をしてもらえるところを探して打ってもらわなければならないといわれています。凍結卵子を戻すのは初めてで、よく分かりませんが、本当に注射での対処法しかないのでしょうか?回答よろしくお願いします。

 まずは第一子の出産おめでとうございます。よかったですね。
毎日3ヶ月打つ注射は、黄体ホルモンのことだと思います。黄体ホルモンが最も効果的であることは事実だと思いますが、これは患者様にとっては非常に辛いことです。現在では、同じ成分の膣錠がありますので、膣錠を使われてはどうでしょうか。ほぼ同じ効果だと思いますよ。[2008年10月1日]
(院長:田中温)
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