回答一覧 - 不育症・流産・子宮外妊娠・陽性判定後 No.15 -
年齢:26 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:1回 体外受精:0回
 私は過去に6回化学流産をしています。病院管理で4週後半から5週あたりで胎嚢が見えないまま出血がはじまり化学流産となります。6回のうち1回はなにも処置はせず、1回は出血が止まらないため掻爬手術、4回は子宮収縮剤を使用しました。クラミジアにより左卵管は閉塞しているため、すべて右卵管からの排卵です。不育症検査(保険内・保険外)、夫婦染色体異常検査など、全て異常はありませんでした。最後の化学流産の時は初めて人工授精をしましたが、柴苓湯を飲んでいたにも関わらず化学流産でした。毎回同じタイミングで流産になるのがひっかかりますし、2〜3回ならたまたまで済むのですが6回なので辛いです。今通っている病院では「次はアスピリンを試そう」と言われています。
 何が原因なのでしょうか?何をしたらいいのでしょうか?
 慢性子宮内膜炎などネットで見たのですが主治医は「そこに原因はあまり感じない」と言っていました。慢性子宮内膜炎の検査はした方がいいと思いますか?

 免疫検査のTh1/Th2は正常で問題なかったでしょうか。また子宮内膜炎の検査はした方がよいでしょう。子宮鏡や子宮内フローラの検査も受けてみてください。
 今後検査上問題がなければ、リンパ球移植をおすすめします。当院では2週間に1回計4回施行し、妊娠したら追加で1回施行します。[2020年9月18日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:36 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:6回 人工授精:2回 体外受精:3回
 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で体外受精をしましたが、3度の流産をしました。不育症の検査は異常なく、「多嚢胞だと染色体異常の割合が少し高くなる事があるため、着床前診断も考えた方がよい」と言われ迷っています。
 現在、4ABの凍結胚が7個あります。次の移植前に着床前診断をした方がよいのでしょうか。
 もし着床前診断を行う場合、凍結胚を融解して検査するのと、凍結前の胚を検査するのとでは胚へのダメージ・生存率は大きく異なるのでしょうか。

 不育症精査にて異常がないとのことですが、御夫婦の染色体も異常がなかったということでしょうか。
 流産を3回繰り返されたことは大変な心労ですので、4ABの凍結胚は良好胚ですので、着床前異数性検査を選択肢として検討されてみてはいかがでしょうか。
 再凍結することに関しましては、胚盤胞の良好胚ですので、生存率が大きく下がることは少ないでしょう。[2020年9月18日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:27 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 精巣上体精子回収法後の治療は顕微授精のみですか?他の方法はありますか?
 また、双角子宮は流産しやすいと聞きましたが、やはり流産しやすいのですか?流産が続いた場合は治療をした方がよいのですか?(2017年7月 第18回セミナーより)

 外科手術によって回収された精子は一般的に運動率が低いです。また治療のため凍結、解凍する必要がありますので更に運動率は低下します。そのような場合は顕微授精が望ましいです。
 子宮奇形については解剖学的にはアメリカ生殖医学会(ASRM)が1988年に提唱したものが最も広く利用されて来ましたが、2013年には欧州生殖医学会(ESHRE)、欧州婦人科内視鏡学会(ESGE)の合同グループが新しい分類を提唱しております。そこでは双角子宮と中隔子宮の鑑別が明記されています。子宮奇形は流産や早産に関してリスクが高いという報告は多く、双角子宮に関して、初期流産の相対危険度は2.32、中隔子宮では2.65とVenetisらが2014年に報告しています。しかし、必ず流早産するわけではありませんので過度な心配はなさらないで下さい。[2017年10月31日]
(産婦人科医:市山 卓彦)
年齢:30 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 初めて妊娠をした時に流産を経験しました。その後、柴苓湯を処方されましたが、服用した後から膀胱炎のような症状が出たために中止となりました。柴苓湯という漢方薬は流産予防になるのでしょうか?流産予防になるのであればまた服用してみたいと思っています。(2017年7月 第18回セミナーより)

 柴苓湯は小柴胡湯に五苓散を加えたものです。江戸時代から安胎薬として用いられていた黄苓を含んでおり、産婦人科領域では切迫流産、切迫早産や不育症に対してよく用いられます。漢方治療といった東洋医学は度々西洋医学の代替、補助として用いられます。流産の原因は多岐にわたりますが、初期流産の原因はほとんどが胎児の染色体異常です。内服することは手助けにはなりますが、絶対に流産を防ぐことができるわけではないことはご注意下さい。[2017年10月31日]
(産婦人科医:市山 卓彦)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:4回 体外受精:5回
 29歳から不妊治療を開始し、32歳の時に初めての顕微授精で子宮外妊娠となり、次も胎児が無頭蓋症で妊娠24週ですが死産予定です。
 それでも自分達の子供が欲しいので、体が回復したらまた不妊治療を再開するつもりですが、私の遺伝子異常検査・不育症検査はするべきでしょうか?他の検査も必要でしょうか?また、死産後はどのくらい期間をあければ不妊治療を再開できますか?

 無頭蓋症は、様々な因子が合わさっておこる多因子遺伝といわれております。染色体分裂時の異常や環境因子で発現します。我が国では出生1万人に対し約6人の割合です。御夫婦の染色体異常や不育症関連の血液凝固異常が原因とは考えにくいです。
 児の染色体検査を受けて頂き、染色体に原因があったのかを調べることができれば、今後につながると思います。不育症の検査は、母体の血液検査ですので1度受けてみてはいかがでしょうか。
 死産分娩後は月経再開後2〜3ヶ月はあけて頂きたいと思います。[2016年11月10日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:41 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 体外受精を行っていますが、なかなかいい卵子を採取できません。長いトンネルの中にいるような気分です。40歳以上では平均何回くらいでいい卵子を採取できるのでしょうか。
 また、出生前診断(血液検査)では、13、18、21番染色体のトリソミーを調べられるということですが、それ以外の染色体に異常があった場合は、胎児のその後はどのようなことが考えられますか。染色体異常があるまま出生、あるいは自然に流産するのでしょうか。染色体異常を調べる方法は他にありますか。(2016年7月 第17回 セミナーより)

 人の染色体は24種類ありますので、すべての染色体を調べない限りは染色体異常があるかどうか判断する事が困難です。そのためにPGSというスクリーニング法があります。世界的には一般的に行われている内容ですが、日本では臨床実施までもう少し時間がかかると思います。前向きに進んでおりますので、もう少しお待ちください。[2016年9月20日]
(院長:田中 温)
質問一覧に戻る   |    このページの最初へ   |    TOPページに戻る