回答一覧 - 高度医療(体外受精・顕微授精・ギフト他) No.10 -
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:2回 体外受精:1回
 初めての顕微授精(ICSI)をしましたが、失敗に終わりました。その後、医者に、「卵巣の機能は正常で、ホルモンバランスの乱れはなく、FSHの値が高い場合は、早発閉経の恐れもあるから、治療を急いだほうがいい」と言われショックを受けています。そんなことあるのでしょうか?
 ちなみに生理3日目(D3)のホルモン値は、LH=5.9、FSH=10.3、PRL=6.9、E2=63です。今回の顕微授精で初めて排卵誘発をしました。HMGを300単位×11日間(ロング法)で、成熟卵が3個、未熟卵が1個、受精卵が1個(グレード1)の結果でした。生理は二相性の28日周期で順調です。原始卵胞がもう残り少ないということなのでしょうか?

 少しE2が高いかもしれませんが、あなたのホルモン値は、ほぼ正常です。早発閉経の場合には、月経初期における卵巣内の胞状卵胞がほとんど見られませんし、だいたいはFSHが50以上と高値となります。今回ピルなどで前処置をしておらず、このホルモンの値ならば、早発閉経ではないと思います。更に、基礎体温が二相性で規則正しいということも、早発閉経ではないことを意味しています。
 今回ロング法を用いておられますが、次回はこの方法を使わずに、他の方法を選んではどうでしょうか。胞状卵胞の数が5〜6個あるならば、ショート法が一番良いのではないでしょうか。アンタゴニストも良い方法ですが、卵の発育する数が少なくなりますので、あなたには合わないと思います。またGnRHアゴニスト(スプレキュア)などを使わないクロミッドとHMGだけの方法も効果があると思いますよ。決して早発閉経ではありません。[2006年2月15日]
(院長:田中温)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:5回 体外受精:1回
 セントマザーのWebサイトにある最新のトピックで、45歳の方が体外受精で出産したとの記事を拝見いたしました。高齢で卵子の数が少ない場合は、GIF法の方が妊娠率は高いと書いてありましたが、どうしてGIFT法ではなく体外受精を行ったのですか?

 当院での妊娠最高齢は、48歳でGIFT法です。今回新聞に取り上げられた45歳の方は体外受精です。この方は、年齢のわりには卵子の数がたくさんとれたために体外受精となりました。GIFT法は、腹腔鏡をして、外科的処置をしなければならないので、卵子が多く採れた場合には、体外受精を優先しております。[2006年2月15日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:8回 体外受精:0回
 顕微授精(ICSI)を3回行いましたが、採卵で採れる卵の数が少なく、受精もなかなかしません。1回目は、0/2(受精卵/採卵数)、2回目は、1/4(この受精卵は、一番良いグレードでしたが、着床しませんでした)3回目は、0/3(培養2日後に、2PN(前核期)となりましたが、スピードが遅すぎるとのことでした)です。
 顕微授精では、かなりの確率で受精するはずだと言われています。主治医には、受精しないのは、卵子の質に問題があるのではないかといわれました。このまま、同じ治療を続けるべきか迷っています。まだ希望は捨てないで治療を続ける見込みはあるのでしょうか?改善方法は、あるのでしょうか?

 顕微授精(ICSI)で受精率が低い場合には、原因が2通り考えられます。ひとつは卵子の質が低い場合、もうひとつは顕微技術が十分でない場合です。しかし、現在では、顕微授精の技術は、各施設それ程格差はないと思いますので、あなたの原因としては、卵子の質に問題があるのではないかと思います。
 卵子の質は、排卵誘発によって決まります。ですから、いかにあなたにあった排卵誘発をするかが決め手となります。数が少なくても卵子の質が高ければ、着床・妊娠は十分に可能です。着床するためには、受精はもちろん、良好な胚に分割する必要があります。できれば桑実期胚または胚盤胞で移植することが望ましいと思います。さらに着床率を上げるために、もし内膜の状態が不十分であるならば(内膜の厚さが7mm以下の場合)、胚をすべて凍結し、自然周期に戻した方が妊娠率は高くなりますよ。決して諦めずに頑張ってみて下さい。[2006年2月15日]
(院長:田中温)
年齢:41 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:5回 体外受精:0回
 人工授精(AIH)で成果が上がらないので、今回は体外受精を希望していますが、高齢なので早く妊娠できるように妊娠率の高いGIFT法を試してみたいと思っています。卵の状態が良好な場合はGIFT法を行い、あまり良好でない場合は体外受精を行うと聞いたことがありますが、それはなぜでしょうか?高齢の場合は、なかなかいい卵ができないと思うのですが・・・。

 卵子と精子は、卵管の中で出会い分割して発育します。卵子にとって最も住み心地の良い環境は、卵管の中です。ですから卵子の数が少なく、体外受精の妊娠率が低くなる場合には、卵管内に移植するGIFT法をおすすめしております。しかしGIFT法は腹腔鏡をしなければなりません。腹腔鏡は、お腹に2〜3mmの穴が4箇所あきます。このように外科的手術を伴いますので、卵子の状態が悪く、妊娠率の可能性が低い場合には、GIFT法ではなく、培養を長くする体外受精をおすすめしております。卵が1個しか取れない方の場合には、なかなか卵管に入れるチャンスは少ないかもしれませんが、卵の質が良好な場合には、卵管に入れることも可能です。[2006年2月15日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:12回
 もうすぐ36歳になります。2001年より他院で顕微受精を12回くらいしているのですが、1度も受精しませんでした。2005年に初めて受精して2回戻すことができたのですが、着床はしませんでした。卵は多くても3個で、採卵で1〜2個とれるくらいです。
 私は22歳の頃から子宮内膜症と卵巣嚢腫があり、2000年に開腹手術で卵巣を削り、癒着を剥離してもらいました。そのせいか、卵がたくさんできても質が良くないと言われます。顕微授精(ICSI)は成熟卵でなければいけないということで、なかなか行えませんでした。今回は5年もかかって、やっと受精できて、理想的な分割もしていました。なのに、着床せず、すごく悔しい思いをしました。金銭的にももう余裕はありません。もう諦めた方がよいのでしょうか?

 受精後、着床に至るまでの間には、長い道のりがあります。受精後、正常な分割が起こり、胚盤胞にならなければ着床しません。また正常な胚盤胞に発育したとしても、着床状態が十分でなければ、着床に至りません。すなわち受精から胚盤胞、良好な内膜のすべてが揃わない限りは、妊娠には至らないのです。
 良好な胚盤胞になるには、良好な卵子が発育しなければなりません。卵子の数は、手術の影響で少なくなっていますが、質さえよければ妊娠は十分可能です。そのためには、あなたに最もあった排卵誘発法を見つける事が第一です。私達は、条件の悪い方には、卵管に入れる方法(GIFT法やZIFT法)をおすすめしております。経済的にも大変だと思いますが、諦めずに頑張ってみませんか?[2006年2月15日]
(院長:田中温)
年齢:42 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:4回 体外受精:0回
 腹腔鏡検査とは卵管周囲の癒着の有無などを調べる検査だと聞きます。体外受精の場合は、受精卵を子宮に戻すので、腹腔鏡検査をする必要はないと思うのですが、GIFT法やZIFT法は卵管内に戻すので、事前に腹腔鏡検査で卵管周囲に問題がないかを調べた方がいいのでしょうか?

 GIFT法やZIFT法は、腹腔鏡下に行う治療ですので、前もって腹腔鏡検査をする必要はありません。但し、卵管周期の癒着が強度で、卵管采より卵管内にチューブが挿入できない場合には、中止となることもあります。その場合には、体外受精に変更となります。[2006年2月1日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:15回 人工授精:5回 体外受精:1回
 不妊検査で原因が見つからず、3年間ほどタイミング療法と人工授精を続けた後、体外受精へと進みましたが、「卵の質が悪い」と言われました。さらに、卵の殻が固くて分割せず、顕微授精へとなったのですが、結果はダメでした。卵の質が悪いとか殻が固いというのは、その時だけなのでしょうか。何かの治療や処置をしないとずっと卵の質は悪いままなのでしょうか。[2006年2月1日]

 体外受精をする場合には、排卵誘発剤を使用して複数の卵を作ります。この排卵誘発法には、たくさんの方法があります。ですからその方法によって、できる卵の質もかなり変化してきます。卵の質が悪いという内容でも細かく分類すると、血中のE2の値が足りない場合、LHが下がりすぎている場合、最後のHCGの注射に反応していない場合など、色々な原因があります。「卵の質が悪い内容」によって対処の仕方は変わります。1回、2回の結果で決して諦めないで、対策を練ってみましょう。必ずいい卵はとれるはずです。[2006年2月1日]
(院長:田中温)
年齢:41 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:7回 体外受精:10回
 先月、セントマザーにて体外受精を行ないましたが、生理がきてしまいました。
 基礎体温も低く、生理の出血であることは間違いないと思いますし、検査薬でも陰性です。でも、今回はとても量が少なく驚いていると共に、不安になりました。2日目でさえ、おりものシートで間に合う程度です。本日で4日目ですが、出血はほとんどありません。
 戻した時の内膜の厚さ、8.0mmでしたが、今回の出血量と関係があるのでしょうか?この出血の少なさは、体外受精を行ったからでしょうか?それとも、子宮が状態も悪く、今後も妊娠しないのでしょうか。その場合、何か治療法はありますか?

 残念な結果となり、さぞかし落胆されていることでしょうね。誠に申し訳なく思います。
 今回の月経の量が少なかった理由は、体外受精のために強いお薬(注射)やスプレキュアを使い、なおかつ胚移植後の着床を助けるために用いたホルモン剤の影響だと思います。着床しなかったために、内膜が厚くならず、出血量が減ったのだと思います。
 移植時の内膜の厚さはやはり少し薄めです。この薄さと出血の量は関係あると思います。次回は内膜が8mm以上ない場合には、すべて全胚凍結し、自然周期に融かして戻したいと考えております。次回の治療の際には、声をおかけください。
(院長:田中温)
 胚移植後の生活には制限はないとはわかっているのですが、どうしても気になってメールしました。今度、温泉旅行に行くのですが、長時間車に乗ったり、温泉に長時間つかっても問題はないでしょうか?

 胚移植後は、受精卵が1週間かけてゆっくり成長しながら着床し、胚芽を形成してゆきます。その間は顕微的な状態の変化が子宮内で起こっているわけです。従って生活での制限を行う必要はありません。長時間車に乗っても影響ありませんし、温泉に行かれても構いません。温泉に長時間つかっても問題ありませんし、精神面でも良いことだと思います。むしろ喫煙などの方が胚に悪影響を与えるといわれています。
 旅行や買い物、スポーツなどで気分転換をはかりながら、妊娠反応の日を待たれることが良いと思います。
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
 現在、顕微授精(ICSI)をしています。受精卵の進行が遅く、グレードも低いのですが、これは、卵子だけの影響でしょうか?それとも、精子の運動率が良くないことも関係しているのでしょうか?

 顕微授精後における受精卵の発育の進行が遅い原因は2つあります。
 1つは卵子の成熟度が低い場合です。これは年齢や、子宮内膜症の有無、または、排卵誘発法が適当であるかどうかで決まります。
 2つ目としては、精子の問題もあります。しかし、顕微授精(ICSI)の場合には、精子の状態がかなり低下していても、正常な精子と比べて、受精率・胚発生率には殆ど差はありません。ですから、ICSIにおいては、精子自体の運動率は直接の影響はないと思います。但し、ICSIの技術は大きく影響すると思われます。高い技術でのICSIと普通の技術でのICSIでは、その後の胚の発生率には差が大きく出るものだと思います。
(院長:田中温)
 主人の精子は、前立腺から出る黴菌と混ざる事で、殆ど運動してない運動率が悪い精子だと言われています。顕微授精(ICSI)をすれば妊娠できますか?

 精液中に雑菌や白血球がたくさん認められる場合には、精子の運動率は低下します。しかしながら、運動率と受精能力とは直接関係ありません。精子のもつ受精能力は、たとえ運動性が低下しても損なわれるものではありません。顕微授精で十分妊娠は可能です。
(院長:田中温)
 42歳で、顕微授精(ICSI)をおこなったのですが、結果はだめでした。HCGの注射は良い卵を作るものでなく、体にも良くないと聞いています。注射で副作用が出るので、今度やるにしても、あまり使わないようにしたいと思います。少ない数(1-3個)の卵で、2日目(4分割)の移植で、このまま続けて良い結果が得られるのでしょうか?

 HCGは、排卵誘発剤で発育した卵子の成熟度を完成させる為に必要です。医学的に申しますと、LH作用を用いて、LHの濃度を急激に高めることによって、卵子を成熟させます(第一減数分裂を起こさせます)。卵巣が腫れている場合には、副作用OHSS(卵巣過剰刺激症候群)を引き起こすこともあり、患者様にとって不利な状態になる場合があります。しかし、あなたの年齢では、このような副作用が出ることはほとんどないと思いますので、体によくないということはありません。
 HCGの代わりにGnRHアゴニストを使う方法もありますが、現在のところはHCGよりも効果があるという報告はあまりみられておりません。GnRHアゴニストの使用は、卵巣が腫れるOHSSを回避するための価値は認められていますが、HCGよりも卵子の成熟度が高くなるという報告は少ないようです。
 高齢の方での体外受精の妊娠率はどうしても低くなり、妊娠後の流産率が高くなるのは卵子の成熟度が低くなる為で、ある程度は避けられないものだとお考え下さい。このような良くない条件でも妊娠を勝ち取るには、数の少ない卵子を最も良い条件で培養する必要があります。戻しの際には、私たちは卵管内に戻す方法を選び、良好な結果が得られております。
(院長:田中温)
 こんにちは。わたしは35歳で、現在、体外受精をしています。インターネットでホルモン値の話題を見ていると、体外受精後に処方されるプラノバールを使用すると、E2の値が低くなりすぎることがあると書いていました。今、プラノバールを使用していますが、影響はないでしょうか?

 体外受精後の黄体機能補助の方法はプラノバール(ドオルトン)を含め、色々とあります。
 最もオーソドックスな方法は、黄体ホルモンの筋肉注射、経膣投与です。しかし、最近では、黄体ホルモンに卵胞ホルモンを加える方法が、効果があるということも注目を浴びております。
 私達は、以前より、黄体ホルモンと卵胞ホルモンの療法を同時投与(ドオルトン投与)をしております。現在のところ、この方法を用いた場合の着床率が最も高くなっております。この方法では、黄体ホルモンの筋肉注射(50mg)や経膣投与(100-200mg)に比べ、E2の低下は緩やかになります。黄体ホルモンのみの投与の場合には、E2が極端に低下する頻度が高くなってしまいます。このような理由から、当院では、黄体ホルモンのみの投与ではなく、黄体ホルモンと卵胞ホルモンの合剤のドオルトンを投与しております。
 黄体期にホルモン(E2や黄体ホルモン)をよく測定しますが、注意しなければならない点があります。それはE2もしくは黄体ホルモンの値が低いことと、各々のホルモンの作用が低いということとは同一ではないということです。ドオルトン内に含まれているエストロゲンは、合成エストロゲンのエチニルエストラジオールであり、この製剤が子宮内膜に作用する影響力は、天然のエストラジオール(貼付剤:エストラーナ)や抱合型エストロゲン(経口剤:プレマリン)の32倍あります。ですから、E2値が多少下がったとしても、エストロゲンとしての生物学的作用は機能していますので心配ありません。
(院長:田中温)
 こんにちわ。いつも治療でお世話になっております。現在、精子細胞で体外受精を試していますが、妊娠には至りません。卵子のグレードもそれほど悪くなく、内膜も9〜12mmぐらいまで確実にあります。卵も内膜もいいのに何故妊娠できないのでしょうか?精子細胞だからでしょうか?

 精子細胞は精子になる前の未成熟な細胞ですので、精子細胞を用いた治療での妊娠率は、精子に比べ、かなり低下します。また、妊娠後の流産率は2倍以上(約30%)と高くなります。これは細胞の未熟性が原因だと思いますので、ある程度は仕方ないことです。
(院長:田中温)
 現在、受精卵を凍結保存中です。保存期間に期限はあるのですか?何年くらい保存が可能なのでしょうか?長い間凍結することで、着床や胎児に悪影響はありませんか?

 日本産婦人科学会のガイドラインでは、受精卵の凍結保存は女性の妊娠が可能な期間(大体50才くらい)までとなっており、夫婦の死別・離別の場合には廃棄となります。この期間内であれば、受精胚の質はほとんど変わらないと考えていいと思います。少なくても5〜6年は全く影響がないということが科学的に証明されています。
(院長:田中温)
 体外受精で第1子(男児)を出産しました。その際、余剰胚を凍結しましたが、その余剰胚を移植した場合も第1子と同じ男児になるのですか?

 前回出産したお子さんと同時に凍結した胚とは、全く異なるものですから、必ず性別が一緒になるということはありません。また生物学的にも全く異なったお子さんです。
(院長:田中温)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:4回 体外受精:1回
 今回ショート法にて4個採卵しました。胚盤胞まで培養するつもりでしたが4日目までに2つの分割がストップし、残り2個もグレードはよくありませんでした。4日目に桑実胚で2個戻しましたが、妊娠に至りませんでした。
 次回は、排卵誘発法をかえてみたいと思っているのですが、良い方法はないでしょうか。これまでは、カウフマン終了後、生理2日目:FSH=15.4,E2=28,P4=0.3,3〜7日目:フェルティノームP注射,8日目:E2=608,パーコグリーン注射,9日目:E2=1010,P4=1.5,夜HCG,10日目:採卵,プロゲデポー注射,13〜29日目:フェミエスト・プロゲステロン膣坐薬です。
 セントマザーにて診察をしていませんが、現在の担当医はあまり話を聞いてくださらないので、自分でしっかり調べて納得のいく方法で臨みたいと思っています。ご意見と参考にさせてください。

 体外受精の妊娠率を左右する最も大きな要素は、採取される卵子の質と数です。良好な質の高い卵子がたくさん採れるほど(多過ぎはダメです)妊娠率は明らかに高くなります。逆に質の低い卵子が数少ない場合には、妊娠率は低下します。あなたにとって最も適した排卵誘発法は何かと言う事を決めるのは大変難しいことと思います。その方法としては、月経初期のE2やFSH、インヒビンの濃度や胞状卵胞(未成熟な卵胞)を調べる事が大切ですよ。これらの点より卵を作る方法を検討される事が必要だと思います。
 値を見てみると、月経2日目のFSH値が少し高めです。あなたは40歳未満なので、次回は採卵前の周期にFSH値を下げる為に、カウフマン療法、ピルの服用又は高温相にエストロゲン投与が効果があるかもしれません。また、胞状卵胞の数と大きさは重要な所見です。数がある程度(6〜8ヶ)あり、大きさが不揃いの場合には、このホルモン剤の前処置は必要だと考えます。
(院長:田中温)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:6回 体外受精:1回
 先日初めて顕微授精(ICSI)しましたが、結果はダメでした。卵のグレードも良く、内膜の状態もよかっただけに残念です。
 グレード2(G2)の卵が1個だけ胚盤胞まで育ったので、凍結をしました。次回の戻しの時は、胚盤胞を1個だけ戻すのと、もう1度採卵をして2段階移植をするのとでどちらが着床する確率が高いのでしょうか?胚盤胞を1個だけ戻しても成功率は高くないのでしょうか?

 胚盤胞の凍結は、新鮮胚に比べ、着床率は少し下がります。凍結することによる胚の質の低下は避けられません。今回は、どの様な状態で胚移植をされたのでしょうか。もし新鮮な胚盤胞を移植して着床しなかったのであるならば、凍結した胚盤胞を1ヶ戻すより、再度採卵して2段階移植をする方が着床する率は高くなると思います。もちろん、凍結した胚盤胞を1ヶ移植して、妊娠する可能性は十分あると思いますよ。また、凍結をする胚のステージは、胚盤胞よりも採卵2〜3日目の4〜8細胞の方が高くなります。
(院長:田中温)
年齢:42 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:1回 人工授精:4回 体外受精:0回
 人工授精を4回しましたが、妊娠に至りませんでした。年齢のこともあって、次は体外受精をと思い、その前に一度腹腔鏡検査をしようと思っています。腹腔鏡検査する月は、排卵誘発剤の注射や人工授精などの不妊治療はできないのでしょうか。

 人工授精を繰り返しても妊娠に至らない場合は、卵管周囲癒着による卵管への卵の取り込み障害や、卵管の動きの不良のために卵の移送障害があることが考えられます。その場合、腹腔鏡検査をして、子宮内膜症や骨盤内臓器癒着の有無等を詳しく検査します。子宮卵管造影検査では、全身性の静脈麻酔をかけ、卵管通過性不良の方は、通色素検査を行います。従って腹腔鏡検査を行う月は、排卵誘発剤の注射や人工授精などの不妊治療はお休みした方が良いです。
 腹腔鏡検査で、卵管周囲の状況の説明や今後の治療方針を確認された後に治療を再開してほしいと思います。
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:42 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 こんにちは。41歳で結婚したので、すぐにでも子供が欲しいと思い、近くの不妊専門の病院に行ったところ、高齢なので、初めから体外受精をした方が早道ですよと言われました。私としては、まずはタイミングや人工授精をしてダメなら体外受精をと思っていたので、少し戸惑っています。
 卵管造影も左右とも問題なかったし、主人の精液検査も良好でしたが、高齢の場合は、初めから体外受精をした方がいいのでしょうか?

 卵管造影、基礎体温に異常がないのであれば、人工授精から始められてはどうでしょうか。但し、高齢になるに従い妊娠率が下がるのは事実ですので、2,3回人工授精をしても駄目な場合には、体外受精に入られた方が良いと思います。卵管に戻すGIFT法、ZIFT法も効果があると思いますよ。
(院長:田中温)
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