回答一覧 - 高度医療(体外受精・顕微授精・ギフト他) No.13-
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:2回 体外受精:5回
 いつも治療でお世話になっています。私は子宮後屈で、そのためか、子宮内にカテーテルが入りづらいようで、卵管造影やETの時にかなり時間がかかります。
 ですから、(あくまでも私自身の希望ですし、卵の状態にもよると思いますが)次回はGIFT・ZIFT法でお願いできたらいいな・・と思っています。
 ただ、卵管造影検査をしたのが1年以上前でその後は一度も検査を行っていません。1年前の検査のときは、片方のみ通っていたようです。もし、次回GIFT・ZIFT法を希望するとしたら、事前に卵管造影検査を受けてから治療に臨んだ方がよいのでしょうか?次回は、今年の年末に体外受精(IVF)を予定しています。

 子宮の胚移植でチューブがなかなか入らず、スムーズにできない場合の着床率は下がってしまいます。このような場合のひとつの方法として卵管造影検査を行うことは良い方法です。前回から1年以上期間があいているのであれば、卵管造影をされることをおすすめします。卵管は片方通っていれば十分ですよ。[2006年8月15日]
(院長:田中温)
年齢:43 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:1回 体外受精:1回
 今月に子宮に水が溜まる原因のために子宮鏡検査をしました。検査をした時に子宮に生理の時の異物が着いているのが見つかり、綺麗に取り除き異物の検査もする事になりました。担当医の話では、その異物が着いていたために子宮に水が溜まってしまったのではないかということですが、そのような事はあるのでしょうか?
 それとも前回の院長先生の言う通り、子宮筋腫の手術の影響なのでしょうか。これから体外受精(IVF)をしても、水が溜まって、卵も育たないのではと心配になってきました。
 以前の戻し前の状況を詳しく御説明いたしますと、戻し前も水は溜まっていて、なかなか水がなくならず、内膜もまったく厚くなりませんでした。薬を服用してからの戻しの時は、内膜も厚くなり、水も溜まりませんでした。戻し後、2週目も内膜も厚く、水も溜まっていませんでしたが、3週目になってから、また水が溜まってしまいました。
 水の溜まる時にみられた他の症状ですが、3週目から足が冷えて痛くて眠れなかったことと、低血圧のようになりました。思いつくのはそのくらいですが、原因はわかりますでしょうか?

 自然周期では移植の前から水が溜まり、ホルモン投与では水が溜まらないということですが、これまでにあまり経験がありません。
 排卵が近くなると、脳下垂体から出るホルモンが卵巣に働きかけ、エストロゲンというホルモンまたはプロゲストロンというホルモンを分泌し、これが子宮の内膜に影響し、着床しやすくするように変化をもたらし、妊娠の準備をします。この際に、子宮筋腫などの手術などで、子宮内膜などに変化が起きた場合には、この分泌液が溜まることがあり、その改善に非常に苦労した経験があります。私たちの経験では、月経終了後には何も溜まっていませんが、排卵近くなるにしたがい、この分泌液が非常に強くなり、胚移植時または胚移植2〜3日目まで水が溜まっていました。この場合は、当然着床率が低くなります。
 一方、ホルモン剤で水が溜まらないという結果についてですが、ホルモン剤の影響で、あなたの体の中で自然に起きているホルモン状態が変わったために出たものだと思います。ですから、あなたには、ホルモン剤を使用して子宮内膜を作り、胚移植することが有利です。
 戻して2週目にまだ生理が来ていないということは妊娠している可能性が高いと思いますが、どうだったのでしょうか。それとも、ホルモン剤を継続して飲んでいるということでしょうか。胚移植後、着床はおよそ2〜5日で起こり、妊娠している場合は、着床した柔毛からたくさんのホルモンが出てきますので、水が溜まることはないと思います。3週目に水が溜まってきたということは、妊娠していなかったということになるかと思います。足の冷え、不眠、低血圧は関係ないと思います。[2006年8月15日]
(院長:田中温)
年齢:不明 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 先月、生検を行いましたが、精子細胞も見つかりませんでした。もう主人には精子が出来る希望はないのでしょうか?漢方などでよくなるなら試したいのですが・・・。

 精巣生検を行った後に、組織の中に精子細胞がいるかどうかを判定することは意外と難しいものです。それは、同じような細胞がたくさんあり、その中でどれが本当に精子と同じ能力を持った精子細胞であるかどうかを判別するのは長年の経験と知識が必要だからです。更に、DNAを用いてこの細胞と鑑別をすることも重要です。
 もし、ご希望なら当院での成績をお尋ねください。当院では、この精子細胞をはじめとする未成熟な造精細胞の培養や観察において、過去10年以上の経験があり、その業績は国内外より高く評価されております。
 漢方などのサプリメントはほとんど効果がありません。男性不妊のほとんどの原因が突然変異です。[2006年8月15日]
(院長:田中温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:1回 人工授精:1回 体外受精:8回
 これまでに体外受精(IVF)を何度か試みています。不妊の原因はFSHとLHの値が高いからではないかと言われています。以前はFSH90、LH45でしたが、カウフマン療法1ヶ月(プレマリン、ルトラールを服用)したところ、値がFSH40、LH43に下がり、その後様子を見たところ、今回はFSH22、LH26.5まで下がりました。
 フェルチノーム注射を試みた時には、卵胞が1〜2個しか育たなかったので、セロフェン服用の体外受精を試みました。その結果、3つの卵胞がありましたが、すべて空胞でした。実は今回だけではなく、過去に数回空胞だったことがあったのでとても心配しています。以前、このQ&Aを拝見して、エンプティフォリクル症候群のお話を読ませていただいたところ、空胞の場合は排卵誘発方法を変更すると書いてありました。私の場合にも当てはまるのでしょうか?また、どのような方法に変更すればよいのか教えていただければ幸いです。

 まず、月経初期の左右卵巣内の胞状卵胞の状態を観察することが重要です。
 その時点で、すでにある程度(15〜20mm以上)のものが存在する場合があります。これがエンプティフォリクルの原因となる場合が非常に多くみられます。
 本来、月経が始まった時には、将来排卵する卵胞を含むたくさんの卵子がスタートラインに並んでいます。そして、スタートしたのちに、脳下垂体から出てくるホルモンの影響で一番反応の良いものが排卵します。
 この過程で排卵誘発剤を使うと、本来1個の卵胞が発育するところが、3個、4個、5個と増え、エンプティフォリクルではない成熟した卵胞が発育する確率が高くなります。
 ですから、フェルチノームだけでなく、LHの入ったHMG製剤または、GnRHアゴニスト、アンタゴニストを組み合わせて使用することによって、必ず質の高い中身のある卵子が採れます。
 クロミッドだけの場合では、HMG、フェルチノームに比べて、排卵誘発の能力が落ちますので、エンプティフォリクルの発生率が高くなります。是非、あなたに合った排卵誘発を見つけて、体外受精(IVF)されることをお勧めします。必ず良い結果が出るはずです。[2006年8月15日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:5回 体外受精:1回
 こんにちは。おかげさまでセントマザ−にて、1回目の顕微授精(ICSI)で妊娠することができました。ありがとうございました。
 腹腔鏡検査にて、生まれつき片方の卵管が閉塞していることがわかり、体外受精(IVF)をすることになりましたが、卵子の殻を精子が破ることができず、最終的に顕微授精(ICSI)で妊娠にいたりました。
 凍結をしているので、受精卵が3回分残っています。2人目を妊娠希望するには、自然妊娠よりもこの受精卵を戻した方が妊娠率は高くなりますか?凍結保存には1年毎に更新料金がかかるとありますが、3回分を1年間更新するときの料金はいくらになるのでしょうか?

 この度の妊娠おめでとうございます。
 体外受精(IVF)、顕微授精(ICSI)の妊娠率は凍結胚を自然周期に戻した場合が最も高くなります。
 ですから、今凍結してある胚を更新して次回自然周期に戻すことをお勧めします。
 1年間の更新費用は、1本(1回分)52,500円で、2本目(2回分)からは10,500円の加算となります。3本(3回分)の延長をされる場合は、52,500+21,000=73,500円となります。[2006年8月15日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:7回 体外受精:4回
 体外受精を4回試みましたが、発育速度が遅い、フラグメントが多い、透明帯が茶色いなど、いつも卵のグレードが悪くて、妊娠にいたりません。
 【今までの結果】
 1回目: 採卵数1 受精0
 2回目: 採卵数3 受精1 (3細胞期 グレード4)
 3回目: 採卵数1 受精1 (4細胞期 グレード4)
 4回目: 採卵数3 受精1 (4細胞期 グレード4)
 担当医に卵の質をあげる方法がないかと尋ねたところ、「ありません。良い卵が取れる周期もあると思うのでこのまま頑張りましょう。」と言われました。これまでに3回も転院をして、度こそと思っていたのですが・・・。このまま良い卵が偶然取れるまで待つしかないのでしょうか?関東地方で私に合った治療ができる病院はないのでしょうか。

 体外受精(IVF)の成功率は、いかに質の高い卵がたくさん採れるかによって決まります。
 数は多いほうが有利ですが、20個以上になると、かえってマイナスになります。10〜15個を目標にするのが良いと思います。
 あなたの場合を見てみると、採卵数が少なすぎます。排卵誘発の際に、注射とGnRHアナログまたはアゴニスト、アンタゴニストを用いて排卵誘発を行えば必ず質の良い卵が採れるはずです。
 あなたにとって、どのような排卵誘発が最も合っているかについては、月経周期の左右卵巣にある胞状卵胞(未成熟な卵胞)の数、位置、大きさなどを観察することによって見つけることが可能です。
 今までの方法とはかなり違ったように聞こえるかもしれませんが、こちらの方が間違いなく確率が高くなりますので、試して見られてはいかがでしょうか。[2006年8月15日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:1回
 先日、顕微授精(ICSI)での胚移植で、採卵後2日目に2分割と3分割(4分割になりかけでした)の受精卵を2つ戻しました。担当の先生は「分割のスピードが半日くらい遅いけれども、分割の仕方はこれでいいので戻します」とおっしゃいました。培養士さんのお話では、卵の質はグレード1〜2と良好なので、分割が遅い原因は男性不妊のためではないか、ただし、受精卵にも個性があるからそんなに気にしなくても大丈夫とのことでした。精子の運動が弱い場合、分割が遅くなる原因になると言われました。
主人は、重度の乏精子症のため、顕微授精にて治療を行っています。ですが、こちらのQ&Aを見ると、分割の良し悪しは卵子の質だということが書いてありました。実際、どうなのでしょうか?やはり、分割が遅いと着床率は下がりますよね?この状態での妊娠の可能性はありますか?ちなみに採卵当日の主人の精液所見は、精液量0.7ml、運動率7%、奇形率70%、有効精子濃度0.32万/mlでした。

 精子の運動率と分割のスピードはあまり関係ないと思います。分割のスピードは、卵子の質の影響を強く受けます。顕微授精(ICSI)の場合には、精子の運動率の良し悪しと受精率とは関係ありません。
 ですから、胚の分割のスピードが低下しないためには、いかにして質の高い卵をある程度の数(10個前後)採るような排卵誘発法を見つけることが重要になります。[2006年8月1日]
(院長:田中温)
年齢:43 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:1回 体外受精:1回
 約1年前に5月に子宮筋腫の手術をして、年齢の事もありまして不妊治療を開始しました。3月に卵(G1)が1個採れ、凍結をしておきました。3ヶ月目に内膜が7mmになったので、顕微授精(ICSI)をして、胚移植しました。2週目には内膜の厚みも18mm基礎体温も上がったままで良好でしたが、3週目に入って内診で子宮に水が溜まっている事がわかりました。結果、今回の治療は失敗に終わりました。
 でも、3週をとっくに過ぎても基礎体温はいまだ上がったままです。水の溜まる原因も分からない状態です。同じ失敗を繰り返さないためにも原因が知りたいです。参考までに今までに飲んでいた薬をあげますと、自主的に飲んでいた物は生ローヤルゼリー当期芍薬散、ルイボスティー、豆乳、葉酸です。処方された薬はプレマリン(前半朝夕2錠・後半朝夕4錠)、クロミッド(朝昼夕1錠)、ヒスロンH(夕1錠)です。私は薬の副作用が出やすい体質なので、薬の副作用で水が溜まって失敗したのかと心配しています。原因は何が考えられますでしょうか?また、今後はどのようにすればよいでしょうか?

 子宮に水が溜まるということですが、移植するときの状態はどうだったのでしょうか。移植後に溜まるようになったのでしょうか。
 超音波上、子宮内に水が溜まったように見える原因としては、子宮筋腫の手術の影響が考えられます。子宮筋腫が内膜の近くある場合には、手術の影響で内腔に水が溜まるということがあります。他には、ホルモン剤の影響が考えられます。自然周期の状態はいかがでしょうか。もう少し詳しく教えていただければ、的確なお答えができると思います。[2006年7月14日]
(院長:田中温)
年齢:30 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:3回
  男性不妊でこれまでに体外受精に3回チャレンジしました。1,2回目は卵がたくさん(10個以上)とれ、グレードもよかったのですが、妊娠にいたらず、今年の3月に再チャレンジしました。
 今回は、卵が大きくならず、採卵まで注射を16回打ちました(これまでは12回)が、排卵を抑える拮抗剤という(おなかに打つ)注射が私に合わず、エコーで(左右合わせて)20個見えた卵がほとんどだめになり、採卵できたのは3個でした。結局、受精した卵も途中で成長が止まってしまい、キャンセルとなりました。今回は、ホルモンバランスもたまたま悪かったのだろうということでした。
 その後、これまでは生理から2週間後だった排卵が、20日後となり、今月にいたっては2週間後のエコーでは、卵はたったの2cmしか成長していませんでした。基礎体温もまったくあがらず...こんなことは初めてです。
 薬の影響で卵を作る機能が低下しているのでしょうか..卵を作る機能を良くするために、日常でできることがあれば教えてください。次回は、秋くらいにチャレンジするつもりですが、もっと間を空けたほうが良いでしょうか?
 また、これまで3年間、当期芍薬散(1日2回)を飲み続けています。子宮内膜症もありますが、ここ4年位生理痛は治まっています。漢方療法なども試した方がよいでしょうか?

 体外受精(IVF)、顕微授精(ICSI)の成功率に最も影響するものは、卵の数と質です。いかに質の高い卵子が採れるかで、妊娠率の80%は決まると言っても過言ではないでしょう。卵の発育スピードが遅い場合には、良い卵が採れる率が下がります。あなたの状態を考えるならば、アンタゴニストよりもスプレキュアの方が良いかもしれません。決して卵を作る機能が低下してしまったわけではありません。一時的に変化しているだけで、必ず元に戻りますのでご安心下さい。
 1回目と2回目の卵の作り方はどのような方法だったのでしょうか。ショート法でしょうか。ロング法でしょうか。もう少し詳しく教えていただければ、また答えが変わってきます。
 漢方をご希望であれば、当院には漢方専門のスタッフがおりますので、問診などをしていただければ一人一人に合った成分を考えて作っております。決して諦めずに頑張りましょう。[2006年7月14日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:8回 人工授精:4回 体外受精:6回
 私は左卵巣をチョコレート脳腫で摘出しているので、右卵巣のみで顕微授精(ICSI)に臨んでいます。メルビンを服用しながら、ICSIをこれまでに5回しています。
 大体7〜9個採卵でき、5〜6個が受精卵になるのですが、分割が悪く、5日培養で2〜3個が8分割になる程度です。ETするものの、やっぱり悲しい結果で終わってしまいます。
 前回の5回目のICSIは、初めて桑実胚まで育ち、着床し、胎嚢確認まではできたのですが、5w5dで完全流産となってしまいました。今回も7個採卵、4個受精卵、8分割の受精卵を2個戻しましたが、「かなり厳しいです。メルビンを飲んでいるし、対策も講じてるんだけどね・・」と担当医に言われています。採卵時の内膜は10mm以上あるので、「受精卵の活力がね・・」とおっしゃいます。
 私にできる事はしたいのですが、どうしたら良いでしょうか。ET直後ですが、すでに気が重いのです。

 受精卵の分割が悪い原因は、採取した卵子の質にあります。子宮内膜症は、採取できる卵子の数を減少させる影響がありますが、卵子の質に影響は与えません。ですから質の高い卵が何個か採れれば、妊娠するチャンスは十分にあります。
 採卵した周期にはすべての胚を凍結し、自然周期に凍結胚を融かしますと、着床率は必ず上がりますよ。一度試されてみてはどうでしょうか。[2006年7月14日]
(院長:田中温)
年齢:41 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:2回 体外受精:2回
 ひと通りの検査では異常はなく、プロラクチンが少々高め(28.5)だったため薬を飲んでいる程度です。(採卵前には値は11まで下がっています。)
 1回目の採卵では、ショート法にてスプレキュアを使い10個採卵できました。着床しましたが、繋留流産しました。2回目はプラノバールを17日飲んだあとアンタゴニストで採卵しましたが、2個しか採卵できませんでした。1回目と2回目の間は、半年しか経っていませんが、年齢によって卵が作れなくなってしまったのでしょうか?それとも誘発方法がよくないのでしょうか?
 採卵する数日前より基礎体温があがっていたので、もしかしたら排卵してしまったのかと思いましたが、アンタゴニストでとめていても排卵することがあるのかと疑問です。
 40歳をすぎると自然妊娠と高度治療との確率があまり変わらないとの本も読みました。数個でも採卵できるうちは体外受精を続けてもよいでしょうか?続ける場合、この先はどのような排卵誘発方法が望ましいでしょうか?

 40歳以上の方の治療時に、まず大事なことは月経初期の卵巣内の胞状卵胞(未成熟な卵胞)の数と大きさと位置です。胞状卵胞が3〜4個見つかるのであれば、ショート法が一番良いと思います。プラノバールを17日間飲んだ後のアンタゴニストの方法では、数がかなり減ってしまうと思います。
 私ならば月経の3日目よりスプレキュアと注射をおすすめ致します。もしプラノバールを飲むのであれば、排卵誘発を始める前の周期の20日目から1週間くらいの服用で1日1錠の量にしておきます。あまり多いと卵がでなくなります。1回目はプラノバールを飲まない方が良いと思います。
 アンタゴニストを服用していても排卵することはあります。40歳を過ぎても卵巣の反応が30歳代の方もおられます。決して諦めずに頑張って下さい。[2006年7月14日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:8回 体外受精:4回
 これまでに2件の医院で体外受精(IVF)を行いましたが、卵の質は良くても着床したことがありません。移植時の内膜の厚さもいい状態でなのに着床しません。移植方法は、採卵後2日目と4日目での体外受精です。担当の先生からは着床障害かもしれないといわれました。
 今後の治療法として、凍結胚移植、ZIFT、GIFTとあると思いますが、どれを選択したらよいか迷っています。卵管は片側が細いのですが、卵管移植法(GIFTやZIFT)でも大丈夫なのでしょうか。また、凍結胚移植、GIFT、ZIFTのそれぞれの利点や欠点、他に有効な治療法があれば教えてください。

 体外受精(IVF)もしくは顕微授精(ICSI)で着床・妊娠するためには、良好な胚と同時に良好な内膜が必要です。一般的に、採卵した周期の内膜は、注射などの影響でかなり乱れておりますから、採卵した周期にできた胚をすべて凍結して、自然周期に戻すと必ず着床率は上がります。ですから、まずは全胚凍結して、自然周期での胚移植をお勧め致します。但し、この方法をとる場合には、凍結の技術が完成していないと、かえって卵がダメになります。当院では、独自に開発した技術にて、よい状態で卵を凍結することが可能です。しかしながら、残念なことに、凍結技術は施設によって、かなりの差があります。
 凍結胚移植の欠点は、完全な胚でなければ、凍結することによりかえって胚の質が低下する点です。また、GIFT・ZIFTは、腹腔鏡をしなければならないという点が欠点です。しかし、卵の数が少なかったり、卵の質があまりよくない場合には、卵管に移植する方法が凍結胚移植よりも勝っています。[2006年7月1日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:2回
 現在、大学病院にて治療を行っていますが、前回は体外受精(IVF)、今回は顕微授精(ICSI)をしました。成熟卵が5個あり、そのうち1個のみ3分割で戻す事ができました。後の卵は、空気圧等でダメになったとの事でした。空気圧の問題でダメになるというのは、どういうことなのでしょうか?病院側のミスではないのでしょうか・・・。不信感をもってしまい、転院も考えているのですが、私の考えが間違っているのでは・・とも思っています。
また、皆さんの質問を拝見していると、ロング法、培養が2〜6日・・などとあります。私は、2回とも2日で戻しました。前回も2分割のまま戻したのですが、培養を長くすると4分割になるということなのでしょうか?2分割、4分割・・・それ以上?というそれぞれの違いも教えてください。

 申し訳ございませんが、「空気圧でダメになる」と意味がよく分かりません。胚の分割が止まってしまったということでしょうか。もしもそうであれば、一般的には、卵子の持つ能力が低かったと解釈します。
 月経初期の胞状卵胞の数、位置、大きさなどを診て、最も適した排卵誘発法をみつけることが妊娠への最短距離です。例えば、GnRHアゴニストを使う場合には、ロング法、ショート法、ウルトラロング法、GnRHアンタゴニストを使う方法などがあります。また戻すタイミングも2日目から3日目、4日目、5日目とそれぞれあります。培養期間が長くなるにしたがい、着床率は確かに高くなりますが、決して全ての胚がそうなるわけではありませんし、長期培養は万能ではありません。しかし一般的には、長期間培養をするにしたがって着床率は上がります。[2006年7月1日]
(院長:田中温)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:1回 体外受精:13回
 主人が高度な乏精子症で、現在、顕微授精(ICSI)で治療しています。30歳から顕微授精をしていますが、なかなかうまくいかないまま、10年も経ってしまいました。
 今までに4回は着床していますが、4w0dの血中HCGがいつも40ほどで胎嚢が見られません。着床はするので着床障害ではないと思いますが、何が原因なのでしょうか。卵に生命力がないのでしょうか・・・。
 これからますます卵の加齢が進んでいくし、可能性が少なくなる気がしてなりません。このような状態ですが諦めずに治療を続ければ、まだ可能性はあるのでしょうか?セントマザーでは、若い頃から治療してなかなか妊娠できず、高齢になって妊娠・出産した方はいらっしゃいますか?今後どうしていいのかわかりません。

 顕微授精(ICSI)を行って受精に至っても、不成功に終わる場合は、卵子の加齢、受精卵(胚)の発育障害や着床障害、また内分泌的な濃度の障害などが考えられます。反復不成功例の方は、どうしてもいらっしゃるわけですが、それを乗り越え、40歳を過ぎて妊娠・出産をされた方もたくさんいらっしゃいます。それには、今までの不成功例を十分に検討し、様々な工夫を行う必要があります。
 ひとりひとりに合った卵巣刺激を行い、よい卵子を採ること、確実に受精させること、更に着床しやすくするために移植する胚の条件を考えて、できるだけ良好で発育した胚を作り、それを受け入れ状態が十分に整っている子宮内腔に複数個移植することです。着床しにくいような胚の状態であれば、ハッチングなどを行い、着床しやすい胚を準備します。子宮内膜の状態が良くなければ、胚を凍結し、自然周期やホルモン補充周期など、内膜の状態を改善した周期に凍結胚を融解し、更に培養して移植してみます。また、子宮に戻さずに自然で受精卵が育つ場所である卵管内に腹腔鏡下にて戻す方法(GIFT法・ZIFT法)などを行って、着床率・妊娠率を高めます。
 また、戻した後は、十分な黄体賦活を行って、妊娠状態に入るように補助することも大切です。このようにすべての面から妊娠の環境を整えてゆくことが、高齢で妊娠・出産することにつながってゆくと考えています。[2006年7月1日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:1回 人工授精:0回 体外受精:0回
 以前、腹腔鏡検査をした時に卵巣のまわりに癒着があったようですが、全部は取りきれなかったそうです。卵管につまりはなかったということです。自然に妊娠できるでしょうか?年齢のことも気になっているのですが、治療をした方がよいのでしょうか?

 今までなかなか妊娠できなかったのであれば、自然妊娠の可能性は少ないかもしれません。
 妊娠するためには、卵巣で発育した卵胞が破裂して、排卵した卵子を卵巣采が捕獲して子宮内まで運ぶ、という作業が必要です。卵巣周囲の癒着によってそれが障害されているのかもしれません。手術で一時的に癒着を剥離したとしても、その部分がその後さらに強く癒着を起こす可能性も高いのです。しばらくしても妊娠できなければ、体外受精(IVF)も積極的に考えたほうがよいと思われます。年齢が心配であれば尚更、早めの対応が望ましいでしょう。[2006年7月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:4回
 これまでに、体外受精を4回行っています。前回は、3個受精したうち、1個もまったく分割しませんでした。今回も5個受精しましたが、1個も分割せず、2日目で受精確認の時と同じ状態です。こんな状態なので、今回と前回と、続けて2回とも胚移植までいっていません。何が悪いのか、どうしたらいいのかわかりません。排卵誘発は、ロング、ショート、クロミッドと、すべて行いました。まだ、期待をもっていてもよいのでしょうか?

 受精するにもかかわらず、分割しない最大の原因は、卵子の質だと思います。もしも、精子に問題があるのならば、受精率も低下すると思います。採卵する前の卵胞の数、採卵した数、採卵したときの卵子の質、グレード、年齢などが分かりましたら、是非、教えて下さい。もう少し詳しいお話ができると思います。
 排卵誘発は、ロング、ショート、クロミッドの他にもまだまだ排卵誘発法はあります。(例えばロング、ショートの前にホルモン剤を使用する方法やアンタゴニストを用いる方法などです。)希望をもってがんばりましょう。[2006年6月15日]
(院長:田中温)
年齢:31 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:12回 人工授精:4回 体外受精:0回
 2年前に自然妊娠したものの、それ以来妊娠にいたりません。不妊治療を始めてから、体温も月経周期もバラバラになりました。
 今回、初めて体外受精に踏み切る決心をしたものの、結局2個の卵子しか確認できず、採卵にもいたりませんでした。人工授精の段階でも、何度となく卵子の数が少ないと言われてきました。卵子の数を増やす方法はあるのでしょうか?どうすればよいでしょうか?

 卵の数が少ない原因としては、高年齢と子宮内膜症の2つが代表的です。
 高年齢の場合には、卵の数、卵の質が共に低下してくるのは、ある程度は自然の現象ですので避けられません。
 子宮内膜症の場合には卵の質は低下しませんので、数が少なくても妊娠するチャンスは十分にあると思います。しかしながら、卵の数が少ない場合には、やはり1個より2個、2個より3個と数が増える方が妊娠率は高くなりますので、排卵誘発法の戦略を練る必要があります。
 当院では、各個人にあった漢方薬を処方し、卵の数を増やすようにしております。しかし、卵の数が急激に増えることはあまり期待できませんので、採れた卵の質が高くなるような排卵誘発剤を使うことと、また採れた卵を最高の状態にする処置(卵管に入れる方法、長期培養、凍結法、透明帯除去など)を考えております。[2006年6月15日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:2回
 初めて投稿させて頂きます。 顕微授精に向けて、今後、排卵誘発を行う予定なのですが、ナサニール使用中や排卵誘発剤の注射が始まってからも、通常通り、エアロビやプール、岩盤浴に行っても大丈夫なのでしょうか?
 ナサニール後にプールに入ると薬の効果が半減しないものか、また注射後にプールに入っても患部は大丈夫か?など気になってしまいます。
 エアロビや岩盤浴は、精神的なストレス発散になるのですが、はたして治療中の体には良いことなのか?と疑問に思っています。

 以前、注射や予防接種の後に、入浴を控えるように、また安静にするようにと言われた経験があり、神経質になっておられるのかもしれませんね。注射跡が赤くなったり、腫れたりしなければ、また、掻いたりせずに清潔に保つことができれば、エアロビやプール、岩盤浴に行っても差し支えないと思います。
 気になるようであれば、薬局で消毒薬を購入し、注射部位を消毒し、絆創膏を貼っておけば、更に安心と思います。不妊治療での注射後の安静は原則として必要はありません。またナサニールやスプレキュア使用中での行動や運動も全く制限はありません。
 エアロビやプール、岩盤浴や入浴、温泉などは体や気持ちのストレスを発散させ、気分転換にもとても良いことだと思います。運動や温泉ばかりでなく、良い音楽を聴いたり、御主人と楽しく話し合ったりして、精神的にも気分をリフレッシュすることは体の内分泌系やホルモン状態を活性化し、排卵誘発治療にもとても良い影響を与えることが考えられますので、気になさらずに、大いに自分なりのストレス発散を行って治療に臨んで下さい。
 追加すれば、排卵誘発は体重や体型にも関係が深いので、運動や入浴などで適正体重を維持できれば、更に効果が増すことになりますよ。[2006年6月15日]
(産婦人科医・麻酔医:姫野憲雄)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:5回
 夫の乏精子症と私の子宮内膜症が原因で、顕微授精(ICSI)を行っています。胚盤胞での移植を行い、4,5回目に妊娠反応が出ましたが、8週で繋留流産となりました。
 経過の中では、排卵誘発剤の注射と9日間のクロミッド(排卵させないため)を使いましたが、内膜が薄かったので心配をしていました。しかし、採卵時になんとか9mmで胚移植にGOサインが出ました。
 実は夫にB型肝炎(抗原プラス)があり、凍結はできないという事で、この周期で胚移植しなければならなかったのですが、感染症がなければ次の周期を待つ方がずっといいと思います。凍結の基準は一律なのでしょうか。それとも病院によっても違うのでしょうか。教えて下さい。

 当院においては子宮内膜の薄い方への対応として、凍結保存胚の自然周期における胚移植や、長期栽培(胚盤胞移植)を行っております。凍結の基準は各施設で判断していますが、ある程度のスタンダードな考え方はあると思います。
 技術能力の違いが凍結の基準や方法にも大きな影響を及ぼします。当然、それぞれの施設は自らに都合のよいデータを出していますので、各施設に問い合わせて、妊娠率などのデータを集めたとしても、信憑性については定かではありませんし、それを比較して施設選びをしても、正しい選択になるかわかりません。
 ただ、凍結胚移植を数多く行っている施設は明らかに業績がありますから、信頼できると思います。凍結技術や成績に自信があるからどんどん積極的に凍結胚移植を行えるのです。
 当院では、御主人がB型肝炎ウィルス抗原陽性でも胚の凍結保存は行っています。(検査が陽性であることはわかるようにして保存します。)[2006年6月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:25 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:2回 体外受精:1回
 これまでに、何度か精子検査をしましたが、精子数は900万/ml、運動率は10%程度です。白血球が通常よりも1桁近く多いと言われました。抗生物質を1週間服用しましたが、それ以降、主人は何も治療をしていません。私には不妊の原因はありませんでした。
 人工授精(AIH)を2回した後、体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI)にすすみました。18個採卵でき、そのうち8個を体外受精しましたが全滅・・・。受精能力がないと言われました。10個を顕微授精して、9個受精しました。卵は良質だったのですが、全ての受精卵の分割が遅く、その原因はわからないと言われました。採卵から6日目に胚盤胞になりかけものを2個移植しましたが着床せず、残りの受精卵は状態が悪く、凍結できないと言われました。
 わたしたちは、これからどうしたらいいのでしょうか・・・。受精卵の状態が悪いのは、卵子と精子のどちらが原因かを分かることはできないのでしょうか?卵が原因ならば、誘発方法を変えてみるのも手かもしれませんが、精子に原因がある場合、何をすべきですか?精子に原因がある場合、何度もチャレンジするしか方法はないのでしょうか?主人の治療法があれば教えてください。

 顕微授精(ICSI)をして分割のスピードが遅い場合の原因としては、精子ではなく卵子にあります。卵子の質が十分ではなかったのでしょう。質の高い卵子を確保するためには、あなたにあった排卵誘発法をみつけることが大事です。また卵の質と同時に、数も妊娠率と大きく関係してきます。飲み薬だけではなくて、GnRH-アゴニスト、アンタゴニストを用いたHMG、FSHなどの薬がたくさんあります。どの方法が一番良いかは、あなたの月経初期の卵巣の状態や内膜、年齢、体重、身長などを計算しながら決めることが重要だと思います。顕微授精をするのであれば、精子については心配はいりません。[2006年6月1日]
(院長:田中温)
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