回答一覧 - 高度医療(体外受精・顕微授精・ギフト他) No.15 -
年齢:38 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:3回 人工授精:4回 体外受精:3回
 37歳で治療を始め、タイミング法や人工授精(AIH)では、セロフェン半錠で、卵も3個できたこともありました。その後、初めての体外受精(IVF)でロング法をおこなったところ、スプレキュアが合わずにキャンセルとなりました。その後、ホルモンバランスが崩れたのか、卵のできも悪く、2回目にしてようやく採卵1個できましたが、受精しても分割が遅く、5分割で胚移植、結果は陰性でした。2回目はチョコレート嚢腫のある方の卵巣にでき、1個採卵するも受精しませんでした。
 スプレキュアが使えないため、カウフマンやピル服用後、セロフェンや少ない注射で誘発し、1〜2個勝負と言われています。誘発が軽いので、体外失敗後、すぐ次の周期からスタートしましたが、今度は卵胞が育っていないようです。私にも妊娠の可能性はありますか?

 体外受精(IVF)で使用される排卵誘発は約10通りあります。どの方法が1番よいかは、最終的にはやってみないと分からないという部分もあります。しかし、月経初期3日までの両側卵巣内の胞状卵胞(未成熟な卵胞)の数、位置、大きさなどの観察、およびその時期におけるE2やFSH濃度を測れば、いい排卵誘発法が見つかると思います。スプレキュアもロング、ショートの2通りがあります。ロングでダメでもショートで効果が出ることもよくありますので、決して諦めずにがんばってください。
 チョコレート嚢腫がある場合には、どうしても卵の数が減ってしまいますが、発育する卵子の質は変わりませんのでご安心下さい。数が少ない場合には、カウフマンやピルの服用を行うと、更に数が少なくなりますのでご注意下さい。
 妊娠する可能性は十分にあると思います。但し、排卵誘発法は慎重に選ぶ必要があると思います。[2006年12月1日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:15回 人工授精:6回 体外受精:5回
 昨年、不妊治療5年目にして顕微授精(ICSI)で子供を授かることができました。
 採卵後、先生に、「卵の殻が硬いから、なかなか精子が入っていけない」と言われました。卵の殻が硬い人は、毎回硬いものでしょうか?採卵した周期やその時のお薬が影響を及ぼすわけではないのだろうかと疑問に思っています。やわらかくするお薬や注射はありませんか?
 2人目も早くほしいのですが、可能であれば、自然妊娠を望んでいます。難しいでしょうか?よろしくお願いします。

 卵の質は排卵誘発法やその周期によって、毎回かなり異なってきますので、精子に問題がないのであれば、2人目はしばらく自然で様子を見られてもよいのではないでしょうか?透明帯(卵の殻)をやわらかくする必要はないと思います。[2006年12月1日]
(院長:田中温)
年齢:44 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:1回 体外受精:1回
 以前は卵のG1が採れていたのですが、急に卵が採れなくなりました。
 担当医から、排卵はしていると言われています。先日、診察と採血をしたところ、排卵し始めていると言われたので、切り替えの注射を8時に打ち、採卵をしました。担当医からは、採卵をする時にはもう排卵が終わっているかも知れないと言われていたのですが、なぜか採卵となりました。これまで2回ほど卵が採れないことが続いていますが、急に卵が採れなくなったのは、すでに排卵が終わっていたからなのでしょぅか?それとも、年齢のせいでしょうか?
 今の病院に通い続けても大丈夫なのかと少し心配になっています。年齢のこともあるので、そろそろ転院を考えたほうがよいのでしょうか?

 今まで卵ができていて、急に卵が採れなくなってしまった理由としては、排卵がすでに終わっていたか、卵の質が低下し、採れなくなったという2点が挙げられます。
 排卵を防ぐためには、HCGのタイミングを早くするか排卵誘発法を変えることを考えてみてください。排卵誘発法は、アンタゴニストやアゴニストなどを使う方法など様々で、約10通りあります。
 卵の質が急に悪くなったのであれば、排卵誘発法を変えてみる必要があると思います。アゴニストを使用されているのであればアンタゴニストに変える、アンタゴニストを使用しているのであればアゴニストに変える、または両方使用しないなど色々と工夫することが必要でしょう。また、もともと月経障害があり、月経周期が不順であるような方の場合には、前もって1ヶ月ピルなどのホルモン剤で卵巣機能を調整することも有効です。諦めずにがんばってください。[2006年12月1日]
(院長:田中温)
年齢:41 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:6回 体外受精:5回
 お世話になります。今度6回目の体外受精(IVF)に挑戦しようと思っています。
 もともと私は、生理前に、下腹痛・便秘・イライラ等の症状があります。体外受精をおこなった周期は、その症状がとても強く出ます。特に腹痛がたまらなくて、とてもつらいのですが、このように症状がひどくなる原因は何でしょうか?問題ないものか不安です。
 また、その症状のおかげで、生理が来ることが、排卵後すぐにわかってしまい、「まただめか・・・」と精神的にまいってしまいます。妊娠した場合には、このような症状は出ないものでしょうか?それとも同じように出るでしょうか?

 生理前のさまざまな不快な症状は、月経前症候群といって、ホルモンバランスの不調が原因といわれています。はっきりとした原因は不明ですが、精神的なストレスも関与していることが多いようです。妊娠したら生理はありませんので、このような症状はありません。
 このような方のために、当院ではサンビーマーという遠赤外線治療装置を導入致しました。8〜15ミクロンの波長が皮下深部層の温度を上昇し、毛細血管を拡張します。そのため、血行の改善や血液の浄化、リンパ液の改善などにつながり、排卵の誘発や卵胞の発育を促す働きもあると考えられます。また、冷え性やさまざまなストレスが血行を妨げていたり、脳から分泌されるホルモンのバランスを悪くします。身体を芯から温め、心を安らかにすることで、精神的なストレスを軽減し、ホルモンのバランスを整えます。月経痛、冷え性、便秘、不眠、排尿量の増加にも効果があると報告されていますので、ぜひお試しになって下さい。[2006年11月16日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:6回 体外受精:8回
 ここ何度か、採卵後、性器にかゆみがでます。採卵後3日目くらいからかゆみが出て、5〜6日で治まるのですが、何が原因でしょうか?私は、採卵時に使う痛み止め(ソセゴン)が体に合わないため、いつも麻酔のみで採卵しています。採卵後抗生物質は服用していますが、なぜかゆみが出るのでしょうか?また、受精しても分割が途中で止まり、胚盤胞まで分割しませんが、それと何か関係があるのでしょうか?教えて下さい。

 性器にかゆみが起こる原因はさまざまですが、採卵後3日目ぐらいからでるかゆみなので、採卵時の麻酔とは関係が無いと思われます。また、受精しても分割が途中で止まって胚盤胞まで分割しないのは卵の問題になりますので、かゆみとは関係が無いと思います。
 かゆみは性器の炎症や感染から起こる場合が多いので、診察を受けて、カンジダ性の膣炎などが無いか等、十分調べてもらって下さい。[2006年11月16日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
 今回、顕微授精(ICSI)を行い、胚盤胞で戻しましたが良い結果がでませんでした。次回は戻す前周期の高温期からホルモン補充をして、凍結卵を戻す予定ですが、今回の治療から次回の治療までどのくらい期間をあけたほうが良いでしょうか?

 生理周期が順調な場合は、排卵誘発周期に凍結し、次の周期はお休みし、その次の周期で卵巣の腫れがなくて体調がよければ凍結胚移植を行います。
 生理周期が不順な時には、凍結後にきた生理時にカウフマン療法やピルの服用を行い、1〜2周期、生理周期を整えます。その後、クロミフェン周期やホルモン補充周期で凍結胚移植を行います。[2006年11月16日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:42 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:8回
 今回、胚盤胞を2個戻しましたが、内膜が9mmとあまり良くなくて、着床しませんでした。
 卵は年齢の割にはグレードも良く数も取れるのですが、いつも内膜が薄いために着床しません。なにか良い治療方法はありますでしょうか?

 子宮内膜が9mmは決して薄い方ではありません。9mmあれば妊娠率が高く、流産率が低いというデータがでています。
 内膜が8mm未満の薄い場合には、胚盤胞や桑実胚まで分割を確認してから移植する方法や、Assisted Hatching(透明帯の一部をカットあるいは薄くして着床しやすくする方法)がとられます。
 また、子宮内膜を厚くするために、プロゲステロンの座薬や内服の投与や、エストロゲン+プロゲステロンの投与をしたり、HCGの筋注を黄体期に数回注射するといった方法をしています。[2006年11月16日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:45 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:10回
 HMGを300単位注射するショート法を行っています。凍結胚を移植する予定ですが、ダメだった場合、次の治療はいつ頃からできるのでしょうか?

 排卵誘発周期に凍結をした場合、黄体補充をしなければ、10日前後で生理がきます。また、黄体補充をしても3週間以内には生理がきます。生理がきた周期は、カウフマン療法などを1周期行い、リズムを整え、早ければカウフマン後の生理の周期から凍結胚移植が可能です。[2006年11月16日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:32 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不明 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:1回
 こんにちは。この前初めて体外受精(IVF)をおこなったのですが、妊娠しませんでした。
 移植後からドオルトンを飲み始めましたが、妊娠反応が陰性でしたので、ドオルトン服用をやめて3日後に生理になりました。その時は、とても量が多く、血のかたまりなどが出て、お腹や腰が痛かったのを覚えています。
 それから、2ヶ月がたつのですが、その生理以降、生理がありません。来月からまた、体外受精を始めようと思っているのですが、このままでは、できなくなってしまうのではないかと心配しています。以前、基礎体温をつけていた時にも二相性になっていませんでした。どうしたらよいでしょうか?

 体外受精(IVF)の治療後に生理不順や排卵障害になることはあります。その場合は、内服や注射によって生理を起こし、リズムを整える必要があると思います。
 特に、もともと生理不順の患者様の場合は、御質問のような無月経におちいりやすい傾向にあります。ただ、治療を続けていく過程で、生理を起こしたり、排卵を誘発することが可能ですので、ご心配なさらないで下さい。[2006年11月16日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:28 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:7回 体外受精:1回
 不妊治療を始めて約2年が経ち、検査と治療の過程で高プロラクチン血症であることがわかりました。数値は78、プロラクチン以外の検査は問題ありませんでした。MRIで下垂体の検査したところ、かすかに腫瘍を認めるとのことでした。
 週に一度、カバサールを1mg服用していましたが、プロラクチンの数値が0.6ngまで下がったので薬の量を減らし、0.5mgとなりました。変更後、プロラクチンの数値は0.8ngでした。プロラクチンの平均値は女性1.4ng〜14.6ngといいますが、平均値より低い場合は、何か問題があるでしょうか。
 基礎体温は二相性になっていますが、カバサールを服用後は、低温期から高温期に移行するのに4〜5日かかるようになりました。(以前は2〜3日でした。)また、低温期の途中に1日だけ急に体温があがったり、高温期の途中に1日だけ急激に体温が下がったりもします。
 数ヶ月前に体外受精(IVF)をしましたが、うまくいかず、何が問題なのかと悩んでいます。卵は10数個できましたが、未熟で6個しか採卵できず、受精したのは3個でした。どういったことが原因として考えられますか?

 1. プロラクチン値が低いことでの問題についてはあまりききません。以前「学会」で、「着床障害を起こすことがある」との発表もありましたが、その後は耳にしません。
 2. 基礎体温は目安ですので、細かい変動については、あまり参考にはならないと考えています。
 3. 受精の件は、排卵誘発の方法や、HCGへの切り替えの時期が影響しているかもしれませんが、根本的に卵巣の問題の可能性もあります。当院では、1個1個の卵胞を何回も洗浄を繰り返して、採卵していますが、他の施設では、1回吸引するのみで、洗浄していないところも多いようです。[2006年11月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:4回 体外受精:2回
 精子数600〜700万、奇形率50%とのことで、タイミング療法、人工授精(AHI)を経て、現在、体外受精(IVF)を行っています。
 採卵では16個採れましたが、分割に至ったのは3個です。1回目に2個、2回目に1個を戻して、それぞれ陽性反応が出ましたが、2回とも4週前後で流産してしまいました。
 主治医からは、「卵はきれいで子宮の状態も良好。妊娠しないのは受精卵がたまたま染色体異常だったのでしょう。このまま体外受精を続けていきましょう」と説明を受けました。
 このまま体外受精を続けて妊娠できるのか不安ですが、どうでしょうか?専門的な精子や受精卵に関する他の検査や違った治療を受けるべきでしょうか?

 精液所見がよくありませんし、前回の体外受精(IVF)での受精率がかなり低いので、「受精障害」と考えます。このような場合には、顕微授精法(ICSI)をおすすめします。ICSIを行うことによって、分割胚がもっと多くできることが期待できます。[2006年11月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:24回 人工授精:3回 体外受精:1回
 いつも丁寧なご回答ありがとうございます。今回は卵の質について質問させてください。わたしは、生理周期もホルモン値も正常で、薬なしで排卵します。他に特に問題になる事はないようです。
 現在、体外受精をしていますが、これまでに、卵が育たず、採卵が2回中止になりました。今月初めて採卵までいきましたが、2個しか育たなかった卵のうち、1個しか採卵できませんでした。形が悪くて、受精・移植までは出来ませんでした。担当医には、「なぜ形が悪いのかは1回の採卵ではわからない。」と言われました。誘発方法が合ってなかったのかもしれないし、今回がたまたまだったのかもしれないということでした。
 これまでの誘発は、HMGとクロミッドを使いましたが、いつも2個くらいしか育たず、あまり効果がないので、次回はコストの低いクロミッドで挑戦しようかと思っています。しかし、卵の質を上げるために他に方法があれば、検討したいと思っています。どういった方法がいいのでしょうか?

 今までの排卵誘発でGnRHアゴニストやアンタゴニストを使われましたか?もし使われていないのであれば、これらのお薬を使った排卵誘発をおすすめいたします。
 体外受精(IVF)の成功率は採れる卵胞数と相関します。すなわち、1個よりも2個、3個、4個と増えるほど間違いなく妊娠率は上がります。ただし、20個以上の場合にはかえって下がることもありますので、大体10個ぐらいを目標にして作られることが有利だと思います。[2006年11月16日]
(院長:田中温)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:2回 体外受精:5回
 顕微授精(ICSI)を行い、4日目の11〜14細胞期胚を2つ戻しました。内膜の状態はよかったのですが、残念ながら妊娠には至りませんでした。こちらのQ&Aで「4日目では桑実期胚が目安で、それより遅いときには卵の質が悪いと考えられる」とありました。実際には、4日目11〜14細胞期胚でも、妊娠・出産された方はいらっしゃるのでしょうか?

 採卵4日目で11〜14細胞期胚というのは発育のスピードが遅れています。しかし、細胞分裂が進んできていますので、着床の可能性はあると思います。しかし、その確率は4日目の桑実期胚に比べると半分でしょう。
 また、着床後の流産率も少し高くなると思います。ただし、着床、流産の危機を乗り越えた場合には、その後の発生は桑実期胚と比べて、差はないと考えてもよいでしょう。
 4日目あたりになりますと、分割の数が増え、1個1個の割球の大きさが小さくなり、その胚の正常性を診断することは難しくなります。また、桑実期になりますと、初期と後期では割球の形がかなり異なってきて、一見発育が悪いように見える場合もがありますが、実際は進んでいるということがありますので、4日目の胚の観察にはかなり経験が必要となります。[2006年11月16日]
(院長:田中温)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:0回 体外受精:2回
 私31歳、主人33歳で、不妊治療を始めて1年半になります。精液検査の結果、重度の男性不妊と診断されました。検査結果の平均は、精子濃度10万以下、運動率66.7%、奇形率50%です。原因は男性ホルモンが高いことで、先天性で漢方薬を飲んでも効果はないだろうと言われました(実際に効果が見られていません)。
 1回目の体外受精(IVF)は採卵30個、受精4個、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)回避のためBTとなり、3DAYの4分割と8分割を移植しました。2回目は採卵29個、受精11個、新鮮胚移植で2DAYの4分割を2個戻しました。後日BTで2段階移植を行い、8個融解(1個はダメ)3DAYの8分割1個を移植、残りのうち1個が胚盤胞まで育ち、移植しました。内膜は常に10mm以上で移植しています。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)気味と、血栓で引っかかり、移植後にバファリンを飲んでいます。
 毎回、判定日に血液中のHCGは微量ながら検出され、着床はしているが、精子の状態が良くないことが影響していて、受精卵に育つ力がないという事でした。
 このまま、ひたすら顕微授精(ICSI)を続けていく事が正しいことなのか悩み始めています。他に原因も考えられるのでしょうか?染色体の検査もした方がよいのでしょうか?また、担当医は、もう精子の検査は必要ないとおっしゃいますが、どうでしょうか?良い精子が見つかる可能性はありませんか?あと2回、今の病院で頑張ってみて、結果が出なければセントマザーに行こうと考えていますが、今後どのような治療をすればよいのか悩んでいます。

 精子は重症男性不妊症の分類になると思いますが、顕微授精(ICSI)であればまず問題はありません。問題は、卵の数が少し採れ過ぎだということです。10〜15個を目安とされてください。30個以上になりますと、卵の質が低下し、分割しても胚盤胞への発生率がかなり低下します。
 あなた方にとって大事なことは、採取される卵子の質が最も高くなるような排卵誘発法に変えることです。そのためには月経初期(月経3日目まで)の卵巣内の胞状卵胞の数、大きさ、不揃いかどうかなどを観察することが必要です。これらを見ると、卵が何個ぐらい発育するかがわかりますので、それからGnRHアゴニスト、アンタゴニスト、またはHMG製剤か、FSH製剤なのかなど、排卵誘発法を慎重に決めていく必要があります。
 月経初期に、すでに一側15個近くが見える場合には、排卵誘発をせずに1〜2周期、ピルで卵巣のホルモン治療を先行させることも重要なことです。[2006年11月16日]
(院長:田中温)
年齢:不明 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:1回
 私は、子宮外妊娠で片側の卵管切除し、もう片方は水腫のために切除しました。
 今年の5月に凍結胚の桑実期胚を2つ戻しましたが、妊娠にいたらず、11月にまた凍結胚を戻す予定です。体外受精(IVF)を体験したお友だちからの情報なのですが、両卵管がない人は胚盤胞を戻さないと妊娠しないと聞きました。それは、本当ですか?
 また、仮に胚盤胞まで育ち、それを戻すことになった場合、卵の膜を取る方法をしたいのですが、可能でしょうか?私のように1回しか体外受精をしていない人は対象外なのでしょうか?

 両側卵管がなくても、胚盤胞になる前の8細胞、桑実期でも妊娠率は変わりません。
 現在の長期培養のメディウムが開発されるまでは、ほとんどの方が採卵2日目の4細胞〜6細胞で戻しており、両側の卵管がない方でも、通常に妊娠・出産していました。胚盤胞まで正常に発育した場合には、透明体の膜は無理に取らないほうがいいと思います。最近のデータでは、そのままのほうがかえって妊娠率が高くなるということもあります。[2006年11月16日]
(院長:田中温)
年齢:31 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:3回
 私は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で、主人は精子数が少ないため、治療を開始し、1人目は顕微授精(ICSI)で妊娠しました。現在、2人目を希望していますが、2人目も顕微授精でないと妊娠できないでしょうか?私は注射でないと排卵しませんが、2人目が自然にできることはないでしょうか?

 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で精子が少ないのであれば、やはり、顕微授精(ICSI)のほうが有利だと思います。精子の状態にもよりますが、自然妊娠の可能性は低いと思います。[2006年11月16日]
(院長:田中温)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:6回
 セントマザーで体外受精(IVF)を受けています。
 カウフマン療法について教えていただきたいのですが、私はカウフマン療法をしている時でも通常の周期通りに排卵痛があって、高温期になります。カウフマンのお薬が終わっても生理は始まらず、排卵痛からきっかり2週間後に生理が始まります。
 これはお薬が効いていないのでしょうか?お薬は3日目より、昼にプレマリン1錠、15日目より朝晩にヒスロン各1錠です。

 カウフマン療法はホルモン療法の中でもマイルドな部類に入ります。本来ならば、前半部分に投与するプレマリンの影響で排卵を抑えられますが、その効果が十分でない場合には、排卵が起こり、妊娠することもあります。
 あなたがどのような目的のためにカウフマン療法をされているのかは、よくわかりませんが、場合によってはカウフマンよりも排卵抑制効果の強いお薬に変えたほうがいいかもしれません。カウフマン療法の目的をお知らせいただければ、もう少し詳しくお答えできると思います。[2006年11月16日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:0回 体外受精:1回
 いつも拝見させていただいています。
 今年の11月の凍結胚移植に向けて、ロ・リンデオールと言うピルを服用しています。服用10日後から軽い出血が5日間続いています。主治医に相談をしたところ、「出血の量も少ないので、大丈夫でしょう」と言われたのですが、本当に大丈夫でしょうか?
 このまま出血が続いて、11月に移植が出来なくなるのではと心配でなりません。ロ・リンデオールは、きついので出血はしないと聞いていたのですが、このまま服用を続けても大丈夫でしょうか。

 凍結胚移植のためにピルを飲んでいるということですが、ピルを飲む場合は卵巣機能が不全で、月経が不都合な方が主です。あなたの基礎体温が規則正しく、二相性になっているのであれば、ロ・リンデオールを飲む必要はあまりないと思います。ロ・リンデオールを飲み終えた後の出血は、量が少なく、だらだらと続きますが、これは、本来そのようなお薬ですから、ご安心下さい。[2006年11月1日]
(院長:田中温)
年齢:28 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:4回
 先日4回目の採卵をしました。以前に、スプレキュアとヒュメゴンを使った排卵誘発をしたところ、28個もの卵ができて、卵巣が腫れて、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になりました。
 その後、1回はアンタゴニストで卵を作り、いい卵ができて、戻しましたが妊娠には至らず、その時の凍結胚(桑実胚ともうひとつ)を自然周期で戻しても、(内膜などの条件は揃っていたのですが)妊娠には至りませんでした。
 卵の質が問題だろうという事で、今回は、フォリスチムとスプレキュアで排卵誘発をしましたが、また腫れてしまい、22個も卵ができてしまいました。そのうち5個しか受精せず、2個しか分割しませんでした。
 今回は腹水が溜まっていることもあり、戻しはキャンセルとなり、全胚凍結しましたが、採卵の翌々日に4分割ということです。分割のスピードが遅いのではないでしょうか?スピードが遅くても、きちんと育って、妊娠に至ることはありえるのでしょうか?

 排卵誘発後、発育した卵子の数が20個以上の場合には、1個の卵子の質がかなり低下してきます。大抵の場合は、採れた卵のうち、良好な卵子は半分以下(2分の1〜3分の1)で、効率の悪い結果となりますので、数を減らす必要があります。
 しかし、フォリスチムやスプレキュア、アンタゴニストを使っても数はなかなか減りません。数を減らすためには、ピルを使用するとよいでしょう。採卵周期に入る前の1〜2周期に、ピルを使うと必ず数は減ります。また、もしあなたがPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)であるならば、腹腔鏡下の卵巣焼灼術が非常に有効です。
 分割のスピードの目安は、採卵2日目に4分割、3日目に8分割です。(採卵日を0日目と数えます。)分割が遅い場合の胚の質は低く、着床率は低くなります。[2006年11月1日]
(院長:田中温)
年齢:43 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:4回 体外受精:8回
 39歳で結婚し、現在43歳です。子供が欲しかったので、すぐに治療にかかりました。
 タイミングでも人工授精(AIH)でもだめだったので、40歳から体外受精(IVF)をしています。採卵数は1〜4個でいつも少なめです。受精しても、分割の速度が遅く、2日目ぐらいで胚移植(これまでに2回)できましたが、着床しませんでした。現在では、顕微授精(ICSI)をしていますが、受精すらしなくなりました。採卵できた卵の質も悪く、成熟しきれない時も少なくありません。FSHの数値も生理3日目では16〜20とかなり高いです。
 このような状態なので、体外受精のプログラムに入ることもできない周期があります。年齢的な事もあり、かなり焦っています。このまま治療を続けるべきでしょうか?

 女性の年齢が高くなるにしたがって、卵の数、質が低下するのはある程度自然の現象ですから、避けることはできません。ですから、年齢の高い方には、年齢の高い方に合った排卵誘発の戦略を立てる必要があります。
 月経周期の卵巣内にある胞状卵胞の数、形、位置など、また、E2やFSHなどの値を参考にしながら、排卵誘発法を決めることをおすすめいたします。毎回良い卵ができるということはないかもしれませんが、必ず良い卵子が採れ、良好な胚が発育することが期待できます。[2006年11月1日]
(院長:田中温)
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