回答一覧 - 高度医療(体外受精・顕微授精・ギフト他) No.26 -
年齢:29 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:4回
 私は昔から便秘症で、下剤を毎日飲まないとダメな者です。
 現在、不妊治療中で、何度も体外受精(IVF)に挑戦していますが、着床までいかず、いつも失敗に終わっています。下剤を飲んでいることが原因のひとつになりますか?下剤を飲まないと便が出ないので、どうしても飲んでしまいます。便秘を我慢してでも、下剤の服用をやめるべきでしょうか?

 体外受精(IVF)で着床するかどうかは子宮内膜と胚の両方の要素が関係しています。内膜の状態を考えるならば採卵周期には戻さず、全胚凍結し自然周期に戻すと間違いなく着床率が上がります。しかし、いくら自然周期の良好な内膜でも、胚の状態が悪ければ着床にはいたりません。良好な卵子、良好な胚ができるためには、あなたに最も適した排卵誘発を見つけることです。下剤は全く関係ないと思います。[2008年2月15日]
(院長:田中温)
年齢:43 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:10回 体外受精:8回
 現在43歳、結婚して18年たちます。ずっと不妊治療をしております。
40歳であきらめようと思ったのですが2度流産しているため、諦めがつかず悩んでおります。子宮筋腫はありますが、流産・不妊症がそのせいとは言えないと担当医に言われています。私としては、少しでも希望があるのであれば筋腫を取ってほしいと伝えましたが、難色を示しています。
 現在は体外受精(IVF)で、まれに、卵の位置が悪くて採れない場合もありますが、ほとんどの場合、スムーズに採卵できます。現在は、3個の受精卵を凍結しており、筋腫は取らず受精卵を戻す予定ですが、最後のチャンスだと思いながらも悩んでいます。子宮内膜が薄いと言われているし、不妊治療を始めてから15kgも太ったことが原因のひとつではないかと思っています。ダイエットをしてから戻す方がよいのでしょうか?採卵ができる場合は、体型は関係ないのでしょうか?また、子宮内膜を厚くするにはどうすればいいのでしょうか?

 肥満があると排卵障害を生ずるとともに卵の質も不良となりがちです。従って体重に関してはできるだけ、ダイエットや運動で適正体重にすることが大事です。子宮筋腫は大きさや部位によっても違いますが、子宮内膜に影響を及ぼすようなものでなければ、流産や不妊症のための筋腫摘出手術はしなくて良いと思います。
 子宮内膜を厚くする事は簡単ではありません。そのかわりに、受精卵を自然周期で戻すなど、最もよい環境で戻されることをお勧めします。[2008年2月15日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:5回 体外受精:4回
 男性不妊が主な原因で、顕微授精(ICSI)を4回しましたが、まだ妊娠には至りません。排卵誘発は、毎回ショート法で、いつも卵の質や内膜もよく、胚盤胞や凍結卵の移植もしています。結果が出ないので、昨年末に子宮鏡下術にて内膜を採って調べたところ、生理と内膜の状態が合っていないとわかりました。これも不妊の原因になると言われましたが、一体どういうことなのかよくわかりません。現在はプラノバールを服用していますが、基礎体温も二相性だし、移植時の内膜も厚くなっていたのに、こんなことはあるのでしょうか。もっと早くわかっていれば、顕微授精をする前に治療ができたのではと、不信感を抱いてしまいます。
 この「生理と内膜の状態があっていない」とは、どういう状態なのか、プラノバールを服用することでどのような効果があるのか・・・この状態は治るのか、治るのであればどうやって治ったと判断するのか等、詳しく教えていただければ幸いです。

 子宮内膜は、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類のホルモン作用を受け、それらの共同作用で内膜の厚さや内容が変化します。この変化は受精卵の着床を迎えるための準備に必要な事です。この内膜の準備状態と実際の月経周期が2日以上ずれている場合には、着床が難しくなるといわれております。
 しかし、この内膜の日付診は、実際には非常に難しいものです。といいますのは、子宮全体にある内膜の一部を診ても、その一部が全体の状態を表しているわけではなく、場所によってかなりの組織像の差があるためです。ですから、「少しずれている」という点はあまり気になさらなくてもいいのではないでしょうか。
 採卵後に全胚凍結し、薬やホルモン剤を使わない自周周期に戻せば、内膜の状態は最も良好だと思われます。[2008年2月1日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:6回 体外受精:3回
 2ヶ月前に採卵し、胚盤胞を4つ、全胚凍結しました。次回、自然周期で凍結胚移植の予定ですが、排卵後5〜6日目の内膜が8mmしかありませんでした。担当医は、妊娠できる可能性もあると言ってくれますが、妊娠率は低くなると思います。周期ごとに、内膜の厚さは変わると思います(以前14mmと言われたことがあります)が、内膜を厚くする方法はあまりないと聞くのでとても不安です。
 凍結胚は、なかなか良い状態だと聞いており、アシステッドハッチングもすると言われています。その他に、内膜を少しでも厚くする方法や、着床率があがる方法はないものでしょうか。今回は戻さないで、内膜を作った方がよいでしょうか?何かいい方法があれば教えて下さい。

 子宮内膜を短期間に厚くするいい方法はなかなか見つかっておりません。内膜が薄い方は、やはりどのような方法を使っても厚くならないという現状があります。このような方の場合には、自然周期移植が最も妊娠率が高くなります。自然周期であれば8mmあれば十分だと思いますよ。ホルモン剤で内膜を作るよりも、薬を全く使わない自然周期の方が妊娠率は高く、流産率は低くなります。[2008年2月1日]
(院長:田中温)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:回 体外受精:1回
 1人目を体外受精(IVF)で妊娠・出産したのですが、そろそろ2人目を考えています。
 自然周期、凍結胚移植を予定しているのですが、遠方に住んでいるため、病院に行く回数をなるべく少なくすむようにしたいと思っています。どのようなスケジュールで治療していくのか、具体的に教えて下さい。

 自然周期の凍結胚移植の方法は、月経周期が規則的か不規則かによって、2通りあります。
 月経周期が規則正しい場合には、自然周期で排卵日を見つけていただき、排卵日を計算して、排卵日に合わせて胚を溶かして戻します。月経周期が不順な方の場合には、ホルモン剤を使って内膜を作ります。あなたの場合は、月経周期が規則的ということですから、どちらでも構いませんが、流産率は自然周期の方が少し低くなっております。治療を始める時期がきて、わからないことがあれば、メールで連絡をして下さい。[2008年1月16日]
(院長:田中温)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:2回
 香港在住で、21日間ピルを服用し、ピルを飲み始めて2週間ほどで、鼻薬をはじめ、2〜3週間後にHCG注射を10日ほど行い、採卵する方法で治療をしています。先週末、2回目の体外受精(IVF)が失敗に終わり、次の治療をすぐにでも行いたいと思っているのですが、心配があります。
 実は、夫の仕事の都合で、4月初旬にイギリスへ移住する予定なのです。現在の予定だと、次回の治療は、3月中旬頃に胚移植、妊娠判定は4月初旬になります。妊娠判定の頃に、12時間もの長時間、飛行機に乗っていいものなのでしょうか。いろいろ調べると、旅客乗務員は切迫流産になりやすいとの報告もあり、不安に思っています。1回目の採卵数が10個、2回目の採卵数は16個だったので、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の可能性も否定できず、妊娠できた時には、流産のリスクは減らしたいと思っています。
 ただ、イギリスでの体外受精(IVF)は、半年〜1年も待つと言われています。年齢的に待っている余裕はなく、できれば、香港でもう一度、治療を行いたいと思っています。アドバイスをいただけると嬉しく思います。

 妊娠判定の頃に長時間飛行機に乗ることで流産しやすいというエビデンス(根拠)はないと思います。また旅客乗務員が切迫流産になりやすいいという科学的データもあるとは思えません。
 そのような話といえば、一般的に看護婦さんや学校の先生も切迫流産になりやすいという事も言われているようです。これは、いずれも「職業婦人は、妊娠したらおとなしくしておきなさい」という昔の人の教訓や知恵のようなものだと思います。従って、根拠はないと思われます。しかしながら、やはり、妊娠判定で陽性の頃から 流産の可能性は起こるわけですから、なるべく安静にしておくことに優ることはないと思います。
そのように考えるとイギリスへ行くのは、妊娠の状態を確認して、陽性判定であれば妊娠が安定した状態で行かれるか、もしくは出産されてから行かれる方が良いと思います。
 また、日本で治療をすれば、イギリスほど待たなくてもよいかもしれません。海外在住の方の治療を行なっている施設をお調べになるのも、ひとつの手だと思いますよ。当院にも海外から患者様が来院されていますので、情報が必要であれば、お気軽にメールをください。[2008年1月16日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:2回
 他院にて、ホルモン補充下で凍結胚移植をしていただき、8週たちました。生理開始後5日目よりプレマリン開始し、漸増、内膜10mmが確認された後(服用開始14日目)からルトラールを併用開始、4日後に胚移植し、その後、8週まで両剤を併用していました。
 主人の精管狭窄のため、精子量が少なく、自然妊娠が難しいといわれていましたが、まったく可能性がゼロではない状態でもあります。往生際が悪いのですが、ホルモン補充下でも、自然妊娠にいたる可能性はあるのでしょうか?

 凍結胚移植をするためにホルモンを補充しないものを作ることはよくあります。この場合は、人工的に卵胞ホルモンと黄体ホルモンを投与しますので、排卵を抑制します。ですから一般的には、自然妊娠の可能性は非常に低いと思います。[2008年1月3日]
(院長:田中温)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:15回 人工授精:3回 体外受精:2回
 月経3日目に10〜12mmの卵胞があることが多くあります。これは、残存卵胞だと言われます。排卵誘発をしなくとも、この卵胞が大きくなってしまい、月経周期12日目くらいに排卵し、26日目くらいに生理が来ます。このような周期をよくくり返しています。尚、この卵胞は質が良くないので妊娠しないのだと思います。
 以前、体外受精(IVF)をするために、セントマザーで診察を受けた時に、高温期にドオルトンを飲むよう指示を受け、服用を行うと、次周期のD3で残存卵胞は全くなくなっており、その後ショート法で誘発しました。IVF周期以外には、自然周期でタイミングをとっていますが、その時も高温期には、次周期に残存卵胞を作らないようにするために、ドオルトンを処方した方が良いのでしようか?また、高温期にドオルトンを服用すれば、妊娠の助けにもなりますか?

 高温期にドオルトンを服用することは残存卵胞をなくす上では有効です。しかし、卵巣機能を低下させてしまうという欠点もあります。年齢を考えますと卵胞が腫れている時のみ、この方法をお使いになられた方が良いと思います。[2008年1月3日]
(院長:田中温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:5回
 E2と卵の質の関係が気になっているので教えてください。ある掲示板では、自然周期の場合はE2が50〜80くらいの高い値の人が、多く成功されています。ショート法でもE2が50の方が3個採卵して妊娠されていました。 私はプラノバールを服用するとE2値が20以下、服用しい場合でも30まではあがらず、月経3日目の胞状卵胞数は服用しないときで16個、今回は6錠服用で13個でした。
 私の場合はE2値が20くらいで、ショート法で16個採卵、上記の方はE2値が50で3個採卵でしたが、1個あたりのE2の値がかなり違います。初期の卵胞の時点で卵胞1個あたりのE2値が低いということは、卵子の質が悪いということになるのでしょうか?胞状卵胞の数とE2の値は比例しないものでしょうか?
※今周期のD3でのホルモン値は、E2値が20、FSH値が8.2、LHが5.7、P4が0.5でした。

 50というのは生理周期3日目(D3)に測定した値でしょうか。あなたを含め、上記の人の採卵時のE2値はどのくらいでしょうか。前月経周期にカウフマンやホルモン治療をした場合、D3のE2値が50未満であれば大丈夫です。HCGの切り替え時、E2は1個あたり250-300pg/mlといわれていますが、数が多い時には、1個あたりの数値はその値以下となります。ホルモン値というのは月経周期の時期、治療月経の時期によって変化しますので一律にはいえません。必ずしも胞状卵胞の数をE2値が比例するものではありません。[2008年1月3日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:4回 体外受精:0回
 前周期から点鼻薬を行い、ロング法で体外受精(IVF)に入る予定でしたが、生理3日目の採血の結果、E2の値が80、エコーで13mmの卵胞が見られました。その結果、排卵誘発がキャンセルになってしまいました。
 今日から19日間ピルを飲んで、強制的にリセットに入りました。その後、生理3日目に再度採血し、結果がよければ、またピルを飲んで(今回ほどは長くはないようです)、生理がきたら、やっと体外受精の準備に入ると言われました。
 結局、2周期ピルを飲むことになると思いますが、卵巣機能の低下が見られる場合は、ピルの服用期間が長すぎると、排卵誘発をしてもあまりいい結果が出ないと聞いたことがあります。2周期も続けてピルを飲んでいいのか不安です。おそらく年末年始にかかるため、このような方法になるのだと思いますが、どうなのでしょうか。そもそも今回ピルを使う必要はあったのかと疑問に思っています。

 ロング法で、月経3日目でE2が80、エコーで13mmの卵胞があるということは、FSH、LHのゴナドトロピンの分泌抑制が十分ではないということです。今回はキャンセルされて、ピルを飲むことはいい方法だと思います。ピルを2周期飲むことにより卵巣機能や脳下垂体のコントロールが良好となり、いい結果につながる事もあります。しかし、その一方、卵巣機能が低下して、反応しなくなるということもあります。諸刃の剣です。一概には言えませんが、そのあたりの事を十分に考えて排卵誘発を行えば、必ずいい結果がでると思いますよ。[2008年1月3日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:8回
 2人目不妊です。去年から、8回の体外受精(IVF)を行いました。排卵誘発は、ロング、ショ−ト、アンタゴニスト...と色々試しましたが、いつも5〜8個の卵しかできず、その内、ほとんどは変性卵という状態です。分割も最高で3日目の8分割です。体外受精の前にピルを使ったりもしています。
 前回は、クロミッドと注射の刺激で、右5個、左2個でしたが、うち6個が変性卵で、残り1個は未熟卵ということで戻しはできませんでした。その前もショ−ト法で、合計8個採れましたが、うち6個が変性卵で、成熟卵はたったの2個でした。
 あと何回チャレンジしたら、うまくいくのかと、気持ちがだんだんと諦める方向に向かっています。セントマザーで治療を考えてもいますが、子供がいるので、なかなか出向くことができずにいます。これだけ変性卵が多いのは、卵巣機能が悪くなっているということでしょうか?今後どこまで治療すればよいのか不安でしかたありません。アドバイスを宜しくお願い致します。

 稀ですが、排卵誘発の採取した卵がすべて変性卵ということはあります。たいていは排卵誘発法を変えることにより成熟卵を採る事が可能ですが、あなたのように、何度も繰り返して変性卵のみということも、稀ですが、あります。
 方法としては、中用量ピルを投与する方がいい方法だと思います。しかし、最終的には変性卵といっても、色々な種類、程度があります。どの程度のものか知る必要があると思います。月経3日目までのE2、FSHの値、胞状卵胞の数などを参考にして排卵誘発を決める必要があると思います。それらの方法を駆使しても変性卵しか採れない場合には、採卵一歩手前の未熟な状態で採取し、体外で培養するという方法もひとつの方法です。また、採れた卵に対して電気刺激などで誘発する事も重要だと思います。
いずれにしても詳しく卵巣の機能や形態を観察し、排卵誘発を決める必要があると思います。よろしければ当院で卵巣を診せてください。もう少し詳しい話ができると思います。[2008年1月3日]
(院長:田中温)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:11回 人工授精:0回 体外受精:2回
 重度の内膜症があり、体外受精(IVF)を行っています。内膜症の治療を優先するべきかと思い、主治医に相談しましたが、「内膜症が重度のものなので、手術をすると卵が取れなくなってしまったり、早く閉経してしまうかもしれないので、体外受精を続けるしかない」と言われました。
 これまで、2回の体外受精は、ロング法で誘発を行い、1回目は11個採れましたが、2回目は3個しか採卵できませんでした。受精卵にはフラグメンテーションが、かなり出ており(G4)、移植しなかった受精卵も胚盤胞まで分割しませんでした。現在、通院している病院では、胚盤胞まで分割した受精卵しか凍結しません。次回はショート法でチャレンジする予定ですが、重度の内膜症を抱えたままで体外受精を続けて、意味があるのでしょうか?

 内膜症は子宮内、卵巣内におこる良性の疾患です。子宮筋腫のように組織との境界が不明なために内膜症組織のみを外科的に除去することは困難です。ただし、下腹部痛や腫大による周囲圧迫などの症状が認められる場合には、手術を先にされることもひとつの方法だと思います。
 11個採れたということですので、卵巣機能はまだ温存されると思います。排卵誘発法をもう少し試され、質の高い卵が採れれば体外受精(IVF)で妊娠のチャンスは十分あると思いますよ。[2007年12月16日]
(院長:田中温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 23歳の時に、クラミジア感染で卵管水腫と診断を受け、その間、卵管造影3回、癒着剥離手術1回、通水数回を行いました。子供は諦めて仕事に専念しておりましたが、38歳にして、最後のチャンスと、不妊治療専門病院に通っています。いつくか質問をさせてください。
■質問1
 卵管水腫のため胚盤胞移植を選択し、2個の卵子が胚盤胞まで育ち、現在凍結中です。次周期に移植予定ですが、こちらのQ&Aにて、水腫の治療は、卵管切断や交通を妨げる手術が必要だと勉強させていただきました。私の通っている病院では、移植前に水腫液を吸引する処置をして、移植するようです。移植をする前に卵管の切断について医師に相談した方が良いのでしょうか?また、セントマザーで治療する場合は、卵管切断の処置をするまで、何回の通院が必要でしょうか?(関東在住です)
■質問2
 以前通院していたクリニックにて、生理3日目の採血で、卵子の老化を指摘され、卵子の老化の治療手段は難しく、妊娠は困難だろうと診断され、今の病院に転院致しました。数は少なかったものの、自然周期で、採卵・受精・分割・胚盤胞まで進み、無事凍結できました。卵子が老化していても、順調に胚盤胞まで育つものなのでしょうか?それとも、この先、移植以降に、卵子の老化が故の何かしらの困難が待ち受けているのでしょうか?
■質問3
 体外受精(IVF)の経験談を読んでいますと、回数を重ねると良い結果に繋がるように思えてしまいますが、回数を重ねないと妊娠しないものなのですか?回数を重ねる事によって妊娠しやすい身体になるのでしょうか?

 明らかに卵管水腫が存在する場合には、前もって子宮腔との交通性を遮断した方が、着床率は高くなることが世界的に認められています。腹鏡下にできる処置ですので、それほど負担にもならないと思います。移植前の水腫液を吸収する方法では、短時間で水腫が再発する可能性が高いため、あまり効果はないと思います。
 あなたの年齢では、卵子の老化については、それほど心配しなくてもいいと思いますよ。排卵誘発法の種類や排卵誘発剤の量などによって、採取できる卵子の質はかなり変化します。いろいろな排卵誘発法を試されると、質のいい卵が複数採れるようになると思います。
 回数を重ねることによって妊娠しやすい身体になるということは、一般的に考えられておりません。回数を重ねると良い結果につながったように見えるのは、排卵誘発法や治療法を検討する時間がある程度必要だということかもしれませんね。あなたにあった排卵誘発法を見つけ、採卵数をある程度確保できるならば、妊娠率は期待できると思いますよ。 [2007年12月16日]
(院長:田中温)
年齢:33準 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:6回 体外受精:5回
 スクリーニング検査を行い、男性不妊と言われ、人工授精(AIH)と顕微授精(ICSI)を受けましたが、妊娠に至っていません。
 生理周期が35〜40日前後と長いのですが、常に20〜25日くらいで排卵はあり、周期が40日以上長くなることはありません。また、刺激すると10〜20個くらいの卵が育ち、13日目頃に採卵できます。しかし、受精・分割率も低く、受精卵の質もG3と悪いです。
 担当医から、未成熟卵体外培養法(IVM)をすすめられました。IVMは、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の人が卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を予防するという点でメリットがあると思っていましたが、担当医から、PCOSとはいえなくても私のように生理周期が長く、刺激するとたくさんできるけど質の悪い人にはIVMがうまくいく場合があるといわれました。IVMはまだあまり普及していないようですが、私のような場合、試してみる価値は十分あるのでしょうか?

 まず、卵の数を少し減らすような排卵誘発法を試されてみてはどうでしょうか。数が減ると卵の質が高くなることがあります。そのような排卵誘発を何度か試されて、それでも、質の悪いG3の卵しかできない場合には、IVMもひとつの方法かもしれません。しかし、現在のところ、IVMをすることによって卵の質が改善され、妊娠率が高くなるという報告は一般的にはないと考えます。[2007年12月16日]
(院長:田中温:)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:不明 人工授精:不明 体外受精:不明
 精子の状態が悪く、正常形態率も2%とかなり低い状態です。以前に多少数値が良かった頃の精子を凍結してあります。次回、顕微授精(ICSI)をする予定ですが、病院で「原則では凍結精子より当日採取した精子を使用します」と言われました。しかし、凍結した精子の方が数値は良いと思うので、私としては、凍結精子を使用したいと思っています。一般的に、凍結精子よりも当日採取した精子の方がよいのでしょうか。通常、精子を凍結することによって、精子の運動率が下がったり、奇形率があがったりするものなのでしょうか?

 凍結精子は、精子を凍結するだけのことですから、当然、凍結した時点での精子の状態に左右されます。また、精子を凍結することによって、精子の運動率が下がったり奇形率が上がったりすることはありません。
 顕微授精(ICSI)をされる場合は、当日に採取した精子でも凍結精子でも良い方を使えばいいと思いますので、思い切って担当の先生にお話して、ご相談されるとよいと思います。[2007年12月16日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:3 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:7回 体外受精:0回
 夫が大きな出来物ができた為、病院へ行ったところ、2ヶ月間、抗生物質を服用するようにと指示されました。薬は、クラリス錠200で、初めの5日は1日4錠、あとは1日1錠の服用です。
 実は、12月に体外受精(IVF)を考えているのですが、抗生物質が精子に影響するのであれば、治療が終わるまでまった方がよいと思っています。抗生物質は、精子に影響を与えるでしょうか?服用しながら体外受精を行っても、悪影響はありませんか?

 御主人が内服したクラリスが精子や受精胚へ悪い影響を及ぼすという事は考えにくいと思います。薬剤を全く飲んでいなくても自然妊娠の約3%の確率で、胎児の先天異常は起こりうるといわれています。しかし、もし、ご自身が心配であるのなら延期されてはいかがでしょうか。[2007年12月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:28 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:7回 体外受精:1回
 7年前にお腹の激痛があり、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とわかりました。あまりの痛さに腹腔鏡で卵巣の表面を焼灼してもらいました。その後、痛みは無くなったのですが、結婚して個人病院にて何度かタイミングを行いましたが結果が出ず、3年経ってから専門病院で詳しく検査をしてもらいました。その結果、主人が乏精子症と判明し、私自身も排卵障害なので、すぐに治療を開始し、人工授精(AIH)を受けました。何度かAIHを行いましたが、顕微授精(ICSI)をすすめられ、すがる気持ちで受けると、妊娠・出産しました。
 2人目も同じように・・・と思って、治療を開始しましたが、採卵日に採卵ができないと言われました。右卵巣が裏側にあってアプローチ不可、左卵巣は膣と卵巣の間に太い血管があるので、危険な採卵は断りたいと申し出があり、途中で終了しました。前回のことは忘れたと言われました・・・。もう諦めるべきでしょうか。

 施設によって採卵手技の経験や技術レベルに差があると思います。実際の診断が必要ですが、その程度の問題であれば、当院では、十分採卵可能だと思います。 [2007年12月16日]
(産婦人科医:)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:0回 体外受精:0回
 基礎体温は二相性になっており、今までは自然排卵をしていました。年齢的なこともあり3か月前から排卵を確実にするため、HMG+HCGを始めました。ホルモン値から排卵はしているということでしたが、先月は10日目に卵胞が20mmということで、再度注射をしました。その2日後には、まだいくつか卵胞が見えました。何もしないで、こんなに卵胞が早く成長するとは考えられず、生理5日目に診てもらうと、15mmの卵胞があり、「残っていますね」といわれ、薬でリセットしました。今月も生理4日目で診てもらうと、15mmの卵胞が何も変化もなく、残っていました。とりあえず、今まで通り注射で刺激して他の卵胞を育てて、残っている卵胞は様子をみようということになりましたが、本当にそれで大丈夫なのでしょうか?残った卵胞が、妊娠率に影響することはないのでしょうか・・・。
 先生のお話だと、嚢腫になる確率が50%程度あるということでした。しばらく、注射を止めて、自然にしていて、卵巣を休ませた方がいいのではないかと不安に思っています。

 HMGを使うと複数の卵胞が発育しますので、排卵せずに残る卵胞の数は増えます。しかし、この卵胞のほとんどは、自然に体内に吸収されますので、それほど心配は要りません。しかし、中には1ヶ月以上残る場合もありますので、排卵確認後、次周期の月経が始まった時にも卵胞が残っている場合には、ピルなどで1ヶ月お薬を服用し、卵胞を元にリセットされるほうがいいと思います。排卵誘発剤でできた嚢腫は基本的には、元通りになりますので、その後の妊娠に影響はほとんどありません。しかし、何度も腫れるようであれば、排卵誘発法を検討される方がよいかもしれませんね。[2007年12月16日]
(院長:田中温)
年齢:43 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:14回
 はじめまして。凍結胚を移植予定のため、ホルモン値を検査した結果、E2が120、LHが3.6、FSHが10.1でした。先月も、E2が132、LHが2.79、FSHが9.4で、E2とFSHが高めでした。その結果、2ヶ月とも移植をキャンセルしております。
 生理周期は28〜30日ですが、生理は3日で終わってしまいます。内診の結果、胞状卵胞は1〜2で小さいものしかなく、採卵は14回行っていますが、毎回1〜2個しか採卵できません。これまでに、新鮮胚と胚盤胞の移植で、二回の流産経験があり、現在は二人目不妊です。
 今までは、ホルモン検査で、悪い結果になってことがなくて、とても戸惑っております。年齢的にも、そろそろ閉経に近づいているために乱れてきているのでしょうか。次回は初めての凍結胚移植のため、万全を期して望みたいと思っているのですが、何かよい方法はありませんか?アドバイスを下さい。

 E2、FSH、LHの採卵は月経周期の3日目までにとったものでしょうか。その時期に卵巣嚢腫や前回の未破裂  卵胞が残っていることはなかったでしょうか。上記のようなものがない場合であれば、方法として、ホルモン治療を1〜2周期やってみてはどうでしょうか。3周期ピルを飲んだり、2種類のホルモン剤を使って、リズムを整えて、月経周期3日目頃に再度ホルモン検査をしてみてください。その状態がよければ、開始することがいいでしょう。[2007年12月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:2回
 前回の顕微授精(ICSI)で、移植後に出血が数回ありました。移植後2日目、5日目、7日目、8日目の4回、おりものに鮮血が混ざっていました。胚移植時に出血をする場合もあるとは思いますが、このように何度も出血することはあるのでしょうか?また、判定結果は陰性だったのですが、今回のように何度も出血する場合は、妊娠しないのでしょうか?出血をする原因を教えてください。

 胚移植後に出血が繰り返すことはあまりないことです。
 採卵周期に戻したのでしょうか?それとも自然周期でしょうか?今回、採卵周期であるならば、次回は、採卵周期には移植せず凍結し、自然周期に移植されてみたらどうでしょうか。採卵周期には、内膜の状態や着床の状態はホルモン剤の影響でかなり影響を受けていますので、ぜひ自然周期に戻すことをお勧めいたします。その場合にはこのような出血はまずないと思いますよ。[2007年12月1日]
(院長:田中温)
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