回答一覧 - 高度医療(体外受精・顕微授精・ギフト他) No.27 -
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:2回
 自然周期で排卵させてから凍結胚盤胞を戻したのですが、戻しの翌日に胃腸炎になり、ひどい水下痢を6回ほどしてしまいました。膨満感で腸もゴロゴロして、ガスもたくさん出ました。
 胚盤胞だと、戻しの翌日辺りに着床すると思うのですが、ちょうどその時期の下痢は子宮に影響与えませんでしょうか?また、戻しと下痢とは関係があるでしょうか。

 受精卵を戻すのは子宮です。下痢は腸が何らかの原因で敏感になっている状態です。
 腸と子宮は直接的な関係はないので、下痢が着床に影響する事もないと思います。食中毒や食事性のものや消化器の病気が無いということならば、精神的なストレスも関係しているかもしれません。ひとまず内科を受診されて、そのあたりの異常がないかを確認し、下痢を止める薬を処方してもらって下さい。
 着床期に下痢をすることが着床を妨げるという医学的根拠はありませんから、心配はいらないと思います。[2008年4月1日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:7回 人工授精:回 体外受精:1回
 結婚4年目に入ったところです。初めての体外受精(IVF):ショート法で、採卵をしました。エコーでの卵胞数や、直前の血液検査で、担当医も8個は採れるだろうと予測していましたが、結果は4個(G1が1個、G2が3個)で、残りは空胞でした。
 [経過]
  前周期排卵後よりプラノバール12日間
  プラノバール終了後5日目から生理、ブセレキュア3回/日開始
  D3〜D9:フォリルモン300単位、D10:21時HCG5000
  D12:9時採卵
 [月経周期9日目のホルモン値]
  LH=5.2、E2=2,471(エコーでの卵胞数:左右で10個以上)
 これだけ空胞が多いとは、何が原因でしょうか。また、今までの不妊の原因が、この空胞の多さという可能性はありますでしょうか・・・今後の対策等、アドバイスをお願いします。

 8個とれる予想で4個しかとれないという事は、排卵誘発に問題があったのではないでしょうか。考えられる原因としては、HCGの切り替え時期が早すぎたか遅すぎたかのどちらかだと思います。卵胞がしっかり見えていて、とれないということは、あまりありません。排卵誘発の問題だと思います。[2008年3月15日]
(院長:田中温)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:4回 体外受精:3回
 セントマザーで治療しています。全胚凍結して自然周期で戻したのですが、1日長期培養でした。2〜3日間の長期培養をして、桑実胚あたりで戻せれば理想だなと思っていましたが、やや分割が遅かったため早めに戻しました。分割が遅いと途中で止まる場合もあるので、早めに戻すというのは知っているのですが、3日培養できそうにない胚はお腹の中でも分割する可能性が低くなるのではと思っています。確かに、胚盤胞まで培養できそうにない胚は戻しても分割する確率は低いという先生もおられるようです。先生の経験では、凍結胚移植で1日培養でも妊娠された方はたくさんおられますか。高齢では桑実胚、胚盤胞になるのも難しいと思いますが、培養が長い程、妊娠率は高くなるのでしょうか。

 すべての胚が正常に胚盤胞に発育するわけではありません。しかし、スピードが少し遅くなった胚のすべてが着床しないのかというと、そういったことはありませんし、実際に元気な赤ちゃんが生まれる事がよくあります。問題はどの時点で戻すかという事であり、一般的には、あまり遅くならないうちに戻すのが原則だと考えます。2〜3年前までは2日目戻しが一般的でした。現在は、培養液の改善により、長期培養が主流になっておりますが、今までの2日目、3日目戻しでも良好な妊娠率が得られておりますよ。[2008年3月15日]
(院長:田中温)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:3回 体外受精:4回
 セントマザーでお世話になっています。高齢なのでより良い方法で望みたいと思っています。2つ質問があります。
 質問1:1年前に採取した採取した凍結精子で治療しているのですが、顕微授精(ICSI)や体外受精(IVF)で、動きの良い精子から使っているので、そろそろ質の良い精子が少なくなってきているのではと、素人考えで思っています。現在、残っているのは再再凍結精子のみです。また、1年前の治療開始時に比べると、受精卵のグレードが下がっています。動きのよい精子が残り少なくなっても、再凍結できる精子であれば、受精・分割・グレードに影響はないのでしょうか。
 質問2:自然周期で戻す場合、採取したばかりの精子と凍結精子とでは、どちらがより良い受精卵になる確率が高いのですか。同じ事なのでしょうか。

 体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)の場合、精子に関しては、凍結精子と新鮮精子では差はありません。自然周期胚移植の場合でも同様です。ご心配いりませんよ。
 体外受精の場合には精子の運動率が低くなると受精率は明らかに下がります。しかし、顕微授精の場合であれば、精子の動きが多少落ちても受精率は変わりません。[2008年3月15日]
(院長:田中温)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:7回 人工授精:10回 体外受精:0回
 37歳、身長150cm、体重51kgです。治療を始めてずいぶん経ちます。
 薬の影響や注射などで基礎体温が正常なのかどうかは怪しいものですが、二相性になっておりますし、月経周期も規則的(30日)です。
 初めての体外受精(IVF)を行う予定でしたが、FSH値が20以上と高く、HMG 300の注射をしても、卵胞がひとつしか育ちませんでした。卵胞の状態が良くないと採取しても難しいと言われて、今回は体外受精を断念いたしました。私としてはどんな状況であっても、年齢的にも体外受精に踏み切りたいのですが、専門家としてはこの状況では無謀な挑戦と言えるのでしょうか?

 月経周期が規則的で、基礎体温が二相性なのに、FSH値が高いというのは、あまり一般的ではありません。FSHの値は月経何日目に測った値でしょうか。大事な点は月経初期3日までの胞状卵胞の数、位置、大きさと、この時期のFSHの値です。このデータがあればもう少し詳しいお話ができると思いますから、よろしければ教えて下さい。[2008年3月15日]
(院長:田中温)
年齢:31準 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:4回 体外受精:1回
 初めての体外受精(IVF)にチャレンジしました。カウフマン療法を1周期行った後に、月経周期3日目から点鼻薬を使ってショート法で誘発しました。11日目に9個(成熟卵は8個)の採卵でき、体外受精と顕微授精(ICSI)を半分ずつ行いました。受精したのは4個で、体外受精が2個、顕微授精が2個でした。
 初期胚の移植(3日目)をしましたが、体外受精でできた受精卵2個のうち、1個は分割が進まず(2つの核が見えた状態のままでした)、もう1個も他に比べて分割が遅くて楕円になっていました。顕微授精の受精卵はきれいな分割でした。
 担当医からは、卵も精子も問題はないけれど、あなたの場合は、何らかの原因で体外受精だと受精しても分割しないから、次回からは全部兼備授精をした方がよいと言われました。受精しても、分割できない理由というのには、どのようなことが考えられるでしょうか。体外受精と顕微授精とに違いがあるのでしょうか。検査で原因をつきとめたり、対策があれば教えてください。担当医の言うように、今後はずっと顕微授精を続けるしかないのでしょうか。

 受精しても分割できない理由としては、卵子、精子両方に原因が考えられますが、顕微授精(ICSI)したグループで良好だったのであれば、精子が卵子と上手く受精できなかったものと考えます。受精が、問題なくできた場合には、体外受精の方が顕微授精よりも妊娠率は少し高くなりますが、全体の受精率は顕微授精の方が高くなります。顕微授精は、精子を直接卵子に入れますので、80%以上が受精します。体外受精の場合には、見た目には良好な精子と、良好な卵子を一緒にしても、20%くらいは全く受精しないといったことが起こってしまいます。この原因を突き止める方法はなかなか難しいのが現状ですので、あなた方の場合は、顕微授精をされる方がよろしいと思います。[2008年3月15日]
(院長:田中温:)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 初めての体外受精(IVF):ロング法にて、排卵誘発剤の注射7日目の卵胞チェック時に、左右合わせて50個以上の卵胞が確認されました。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になる可能性大との判断で、採卵をする事なく中止となりました。通院当初からの検査結果では多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)ではないと診断されていますが、こんなに多数の卵胞ができることなんて有り得るのでしょうか?(今までに薬+注射による誘発はした事がありませんでした。)  今後の治療ですが、今回は薬で生理を起こし、カウフマン療法を1周期行って卵巣を休めてから、翌周期に体外受精に再チャレンジする予定です。1周期あければ、(残存)卵胞は完全に消えていると判断しても大丈夫でしょうか?  また、次回も注射による誘発方法を考えておりますが、また卵ができすぎて中止になるのではと不安です。自然周期採卵は希望していません。私のような場合に適する誘発方法があれば教えて下さい。

 基礎体温は二相性のようですね。生理周期はどのくらい不順なのでしょうか。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は排卵障害が前提、すなわち、PCOSであれば必ず排卵障害があります。排卵障害は、1〜2ヵ月間、月経がとぶことや、ホルモン検査でLHやFSHが高くなることで判断できます。
 単純に卵胞がたくさんできるPCOと多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とでは治療内容は変わりますから、注意が必要でしょう。PCOSでないと診断されているようですが、もしも上記のような排卵障害やホルモン値が見られる場合は、もう一度きちんとみてもらって下さい。
 PCOSの場合とPCOの場合の治療方法を下記に示します。
 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の場合、当院ではピルを2クール(2周期)服用し、卵胞の数の減少を確認したのちに排卵誘発を行います。GnRHアゴニストもしくはGnRHアンタゴニストを使用し、二重抑制で卵胞数を減らします。最も、確実なのは腹膣鏡下卵焼灼術です。この方法を行うことで、約70%の方が自然排卵できるようになります。残りの30%はクロミッドで排卵するようになります。この方法が1番お勧めです。糖尿病の検査などされていますか。糖尿病とPCOSは合併する率がくなりますので、糖尿病が見つかった場合には糖尿病のお薬が効果があります。
 卵胞がたくさんできる(卵巣が腫れる)PCOの場合には、腹膣鏡下卵巣焼灼術は、卵胞の数を激減させますので、お勧めできません。やはり、ピルを服用して、卵胞の数を減らし、減ったことを確認したのち排卵誘発しないと、卵巣が腫れてしまいます。卵が20個以上とれた場合には、卵の質がかなり低下しますので、体外受精(IVF)の成績は下がります。十分な注意と計画と立てて排卵誘発を行えば、適度な量(10〜15個)の質のよい数が採れるはずですから、妊娠率は必ず高くなりますよ。[2008年3月15日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:3回 体外受精:1回
 結婚して4ヶ月目に妊娠したのですが、6週目で流産してしまいました。その時に、初期の腺筋症が見つかりました。その後すぐに不妊治療を始めて2年目になり、現在32歳です。夫の検査は異常ありません。
 卵管造影検査では、右側が変形し、少し狭窄があるとのことでした。タイミング法を半年間、人工授精(AIH)を3回(クロミッド、HMG)、体外受精(IVF)を1回(採卵9個、胚移植4個)と進んできましたが結果は出ていません。
 治療を始めてから月経痛はひどくなり、採血の数値も悪くなっています。最近、左の卵巣にも1mmのチョコレート嚢腫が発見されました。地元には不妊専門病院がほとんど無く、この先妊娠できるか不安です。
 質問1:今後は、不妊治療か腺筋症の治療のどちらを優先すべきでしょうか。先生の経験ではどちらが成績が良いのか教えて下さい。
 質問2:月経をとめる治療をしようかと思っていますが、その間に漢方など、自分でできることはあるでしょうか?
 質問3:遠方ですがセントマザーへの受診を考えていますが、月経を止める治療をする前と後なら、どちらがいいのでしょうか。
 質問4:素人の考えでは施設によって体外受精の方法に違いがあるのか分かりませんが、セントマザーは他院に比べて実績が良いのは、やはり何か違いがあるのでしょうか?

 初期の腺筋症ならば人工授精(AIH)をされた方がいいと思います。腺筋症自体は完全に治る事はありませんが、腺筋症の治療は、排卵を抑える方法ですから「避妊」となります。ですから、私は、月経を止める治療はあまりお勧めしておりません。妊娠・出産する事によって腺筋症が良くなるということも経験するところです。
 各施設間の妊娠率の差は、年間症例数や経験、治療戦略の立て方などには多少差があるのではないでしょうか。[2008年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:42 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:8回 体外受精:5回
 タイミング、人工授精(AIH)を経て、38歳の時、初めての体外受精(IVF)で長女を出産しました。そのとき凍結していた受精卵を41歳になって戻しましたが、うまくいきませんでした。その後、二人目妊娠のために、1年間で4回のIVFを行なっています。毎回、内膜が薄く、移植後にホルモン補充を行ったり、プロゲストンとプレマリンの服用をしています。3回目のIVFは、HCGの値から、着床したが化学流産と診断されました。現在、4回目の移植後13日目を迎えていますが、黄体ホルモン値が下がっており、毎日HCGと黄体ホルモンを補充しています。そのせいか、胸の張り、お腹の痛み、眠気などの妊娠症状に似た症状が出ていますが、本当に妊娠しかかっているのか、ただの注射の影響なのか、毎回疑問に思います。今回は子宮の状態もよいようですが、卵巣もかなり腫れましたし、移植後11日目の黄体ホルモン値は3.63しかありません。現在も、妊娠時に似た症状が出ていますが、ホルモン剤の影響でしょうか。

 自然周期ですので黄体補充は原則的に必要ないと思います。高齢による問題もありますが、できれば採卵した卵は全て凍結して、自然周期に戻すとよいと思います。その方法であれば、妊娠率は上がり、流産率は下がります。また、卵管に入れるGIFT・ZIFTという方法もいい方法だと思います。
 胚移植後の黄体機能補助のために黄体ホルモンを使用しますが、その症状としては胸のはりや眠気、下腹の痛みなど妊娠とよく似た症状がでますが、これは一過性のものですので、ご心配いりません。
 血中のHCGの値から流産と診断することは失敗例の内容検討としては十分あることだと思いますが、血中のβhcgがどのくらいで陽性だととるかによって、着床障害の率が非常に高くなってしまいます。すなわち、習慣流産という事になってしまいますので、この辺が難しいところです。血中のβhcgの測定は非常に鋭敏なものですので、低い値を設定しますと習慣流産の検査、スクリーニング治療などをしなければならなくなってしまいます。
一般的に胎嚢が見えた時点で妊娠成立と学会ではしています。この点を十分にご理解される事が必要だと思いますよ。[2008年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:1回 体外受精:3回
 日本で体外受精(IVF)を2回チャレンジして、アメリカに引っ越すことになり、アメリカで治療を受けています。ホルモンに対する反応性が悪いのか、超音波でみる卵胞数は6〜7個、採卵数は3〜4個と少ないようです。
 日本では治療の期間は3ヶ月あけると言われていましたが、こちらの医師には、あなたのように採れる卵の少ない人はそんなに長く空けなくても良いので、来月の周期から始めることができると言われました。
 チャンスは多い方がいいので、できればすぐにでも始めたいのですが、早く始めることによって採れる卵の数が減ったり、卵の質が悪くなるといったデメリットはありますか?また、前回はLong法での誘発でしたが、アンタゴニスト法をお願いしようと思っていますが、卵が少ない場合はどのような誘発法が適切でしょうか?

 超音波で卵胞数が6〜7個見えるということは正常ですから、アンタゴニストの方がいいと思います。月経3日目までのE2、FSHの値はいかがですか。私の経験では、アメリカ人と日本人とでは、排卵誘発に対する反応がかなり違います。しかし、アメリカでは、アメリカ人の患者に対しての経験で治療が進むことになるので、注意が必要です。日本人は日本人の反応というものを十分理解されて対応した方がいいと思いますよ。卵が少ない場合にはLong法よりShort法の方が有利です。しかし、あなたの年齢ならば、まず、アンタゴニストを先に試されるとよいと思いますよ。[2008年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:1回
 海外にて治療をしており、今年に入ってから採卵の準備を始めました。リュープロンを毎日注射し、生理から数えて21日目からはプレゴンという注射を毎日しました。その結果、育った卵胞は6つで採卵をしました。医師の話では、綺麗な卵子だったのですが、採卵の翌日確認すると、6つのうち、2つは受精後に変形して分割、2つは3つに分割、1つは受精しなかったということでした。結局、標準の範囲内での受精は1つだけだと言われました。
 その翌日には、正常の範囲の1つもグレードが悪いと言われ、結局戻すまでは至りませんでした。担当医の説明では、卵細胞自体に異常があるので、受精しても正常に分割ができないということでした。
 主人とは、この先子供はできないという現実をしっかり受け止め、2人での生活をしていこうという話し合いを十分にしました。ただ、100%諦めてしまう前に、別の見解も伺いたくて質問しました。主人の精子は全く問題なく、私は2年前に、クロミッドで一度妊娠反応が出ましたが、1週間ほどで流産しています。

 体外受精(IVF)の妊娠率を左右するものとしては、採卵時の卵子の質でほとんどが決まるといっても過言ではありません。あなた方の場合、受精率が非常に低いようですので、顕微授精(ICSI)をされることも重要でしょう。リュープロンを使って採卵されていますが、アンタゴニストの方が有利だと思いますよ。排卵誘発法を変えて、あなたに合った排卵誘発法を見つけていい卵を作り、顕微授精を行えばいい結果が出ると思います。[2008年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:6回 人工授精:9回 体外受精:7回
 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で、誘発の注射にはすごく反応します。ロング・ショート・アンタゴニストと誘発法を色々と変えても、20〜32個の卵子ができますが、受精するのは、いつも5個前後です。
 7回目の体外受精(IVF)では、クロミッドを5日間飲んで、注射は4回して、12個の卵子がとれましたが受精したのは3個です。毎回、胚盤胞になるのを待って移植をしようとするのですが、いつも3日目の8分割でストップしてしまします。主治医からは、もう諦めるように言われています。今まで1回も胚盤胞になってないことを考えると、やはりこれ以上治療することは無駄なのでしょうか?

 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)では、排卵誘発剤の量を減らしたりFSH製剤に変えても、卵の数は多くなり、卵の質は低下してしまいます。このような場合には、まずピルで胞状卵胞の数を減らしてから、排卵誘発をすると、10〜15個の質の高い卵が取れます。ピルを用いても効果が出ない場合には、腹膣鏡下に電気焼灼をすれば、約65%の確率で自然排卵するようになります。自然排卵しない場合でも、クロミッドで排卵するようになると思いますよ。もしも、卵管に問題があって体外受精(IVF)しか方法がない場合には、この腹膣鏡下での卵巣焼灼術後に排卵誘発すれば質の高い卵が取れますよ。これは非常にいい方法です。[2008年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:4回 体外受精:1回
 今年に入ってから、初めての体外受精(IVF)を行いましたが、結果は陰性でした。誘発前にカウフマン療法を2周期行いました。4日目の血液検査はFSH:7.33、LH :3.97、E2:100.73、PRL:24.2でした。セロフェン+フォリスチム125を2本で誘発をして、8個採卵できて7個受精しました。内膜の厚さは10.5mmでしたので、3日後に12分割(G2)と7分割(G2・一部融解)を移植しました。ETから9日目の血液検査はP4:120、E2:3000でした。
 卵子も受精スピードも内膜の厚さ(普段は8mm程度)も黄体値も良好だったのに、14日目の判定では、陰性でした。主治医は、ET9日目のホルモン値を見て、妊娠を確信していたということで、「どうしてだろう?」と首を傾げていました。着床障害だといわれましたが、エコーで見る限り内膜症もポリープもありません。
 16年前に中期中絶を行っており、その後は一度も妊娠に至っていませんが、その中期中絶のために、子宮になんらかの障害が起こってしまったのでしょうか。自然妊娠の経験もあるのに、着床しなくなることは珍しくないことでしょうか?次回、子宮鏡の検査を行う予定ですが、そこでも異常が見られない場合は、他にどのような原因が考えられるのでしょうか。私としては、4日目のE2と、ET後のp4・E2が高すぎるのではないかと思っていました。高すぎるのも着床しづらいと聞いたことがあります。

 体外受精(IVF)の妊娠率をあげるためには、内分泌の状態は非常に重要です。しかし、ホルモンの値だけで予後を判断するのは非常に難しく、その方程式はまだ私達は見つけられておりません。
 中期中絶の影響はほとんどないと考えます。ただ、ET後のE2は確かに高いですね。このような場合には、着床は難しいと思います。黄体期で、E2の値が明らかに高い場合には、子宮内膜の着床への準備状態を逃がしてしまいます。すなわち、着床障害の原因となります。次回は、全胚凍結をして、自然周期に戻されてみてはどうでしょう。妊娠率は高くなり、流産率は下がりますよ。[2008年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:4回
 これまでに、顕微授精(ICSI)を5回行ない、今回、融解胚移植をするところなのですが、排卵期なのに、子宮内膜が、7mm→6mm→5.5mmと急激に減ってしまいました。
3年前に胞状奇胎になりましたが、完治したと思っていますが、内膜の減少と関係はあるのでしょうか。内膜を厚くするのは、やはり難しいでしょうか。

 胞状奇胎と子宮内膜の減少は関係ありません。
 内膜を厚くすることは難しいのですが、融解胚移植を自然周期で戻したり、ホルモン補充療法を行うなど少しでも厚くするようにする工夫を主治医と相談されてください。[2008年3月1日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:2回 人工授精:3回 体外受精:1回
 高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣(PCO)です。昨年4月から半年間、カバサール1錠を週に1回服用していましたが、プロラクチンが低くなり過ぎているとのことで、現在は2週間に1回1錠の服用です。その他、咳喘息でパルミコート吸入・ホクナリンテープ貼付しています。
 4ヶ月前に、体外受精(IVF)に初めてチャレンジしました。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)で、顕微授精(ICSI)にて6個の受精卵を凍結中です。
 今周期、凍結胚移植に臨もうと、生理開始日からエストラダーム2枚の貼付を開始しました。周期7日目の受診で内膜7mmでしたが、14日目は6mmと薄くなりました。その為、14日目からはエストラダームを3枚に増量しましたが、20日目は5mmと更に薄くなってしまいました。内膜の厚さを指摘された事はありませんが、生理の出血量は少なくなってきています。
 現在は、血液検査でエストロゲンが吸収されているかを調べているのですが、内膜がだんだん薄くなるということに、担当医も驚いていました。エストラダームを貼付しても、内膜が厚くなるどころか薄くなってしまったというのは、更年期障害でしょうか?あるいは、他に身体の異常があってのことではないかと不安です。やはり妊娠は更に困難になるのでしょうか?

 あなたは多嚢胞性卵巣(PCO)による月経不規則でしょうから、ホルモン療法で卵をつくる事が必要です。エストラダームは純系のエストラダイオールですので、内膜にとっては最も効果があると思いますが、エストラダームを使っても内膜が厚くならないことはよくあります。あなたの場合、おそらく、他の治療を用いても薄いのではないでしょか。方法を提案するとすれば、クロミッドで排卵するようなら、クロミッドを用いて排卵させるという手です。すでにクロミッドを試されたことがあれば、セキソビットを用いてみるのはどうでしょうか。
 あなたの場合、エストラダームを貼ることによって薄くなるのではなくて、他の方法でもあまり内膜が厚くならないのではないかと思います。ただ、当院では、内膜の厚さが3mmでも出産されている方がおられますので、凍結卵自然周期をされる場合には、内膜の厚さについては、あまり心配しすぎないで治療をすることの方が重要だと思いますよ。[2008年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:3回 体外受精:1回
 先日、6分割と8分割の胚を移植しました。移植直後、ベッド上での安静時間は5分程度です。
 ベッドから起き上がった時に膣から液体がでる感触があり、トイレで確認してみると、淡黄色の液体がナプキンに付着していました。尿ではありません。安静時間が少なかったため胚がでてきたのではないかと不安になっていますが、着床前の胚がおりものや血液などと一緒に体外に出ることは考えられるでしょうか?

 胚移植時には、胚は子宮腔内に注入されますので、出てくることはまずありません。移植後に出た液体は、膣内に残った消毒液だと思います。これまでの経験上や、様々な報告によると、安静時間はあまり着床率に関係ないと考えています。心配しなくてもよいと思います。[2008年2月15日]
(院長:田中温)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:15回 人工授精:3回 体外受精:2回
 セントマザーで、顕微授精(ICSI)を2回しています。いつもGIFT法・ZIFT法も視野に入れて、承諾書を提出していますが、そこまでしなくて良いとの結果です。両卵管は開通しており、内膜は採卵時で9mm、腹腔鏡検査の結果は異常なしです。
 ■質問1
 院長先生のGIFT法・ZIFT法を適用する決め手は何なのでしょうか?
 ■質問2
 GIFTやZIFTは、希望すればやっていただけるのでしょうか?
 ■質問3
 採卵数は3〜4個ですが、綺麗に分割せず、戻すのはいつも1個のみです。もし、ICSIをして、すぐGIFT法をすれば、いつもはうまくいかない分割も、卵管内ではうまくいく可能性がありますか?

 GIFT・ZIFTは腹膣鏡という外科的なことをしますので、他の方法と比べて少し負担がかかります。適応としては、GIFT・ZIFT法以外の方法での妊娠率が非常に低いと考えられる場合、体外受精を数回やっても妊娠しない場合、卵の数が非常に少ない(1〜2個)場合となります。
 あなたの場合には、顕微授精をすでに2回行っていますので、GIFT・ZIFT法を試してみてもよいと思います。ご希望であれば、次回の治療の際に、前もってお申し出ください。しかし、GIFT・ZIFT法はお腹にメスを入れるという負担がもありますから、GIFT・ZIFT法で可能性が低いと判断した場合には、体外受精をおすすめすることもあります。その点はご理解ください。[2008年2月15日]
(院長:田中温)
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:2回 人工授精:8回 体外受精:4回
 セントマザーで治療中です。今回、自然周期で凍結卵を戻したのですが、内膜が7.8mmと薄かったので不安があります。内膜を厚くする薬や着床を促す薬などの処方がなかったのは、なぜでしょうか。

 着床率は、採卵周期よりも自然周期の方が明らかに高くなります。例え、自然周期で子宮内膜が7〜8 mmであっても、採卵周期よりも高くなります。
 内膜の厚さが3mmで41歳の方が男児を出産されたこともあります。ですから、自然周期で7〜8mmあれば、それほど心配しなくても大丈夫です。大事な点は自然周期でいつ排卵が起こったかを正確に見つけることです。
 内膜を厚くするお薬や注射などは一応ありますが、なかなかいい結果に結びついておりません。無理にこのようなお薬をたくさん使うよりも、自然周期の方がより自然であり、妊娠率は高くなると思いますよ。[2008年2月15日]
(院長:田中温)
年齢:36 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:5回 人工授精:5回 体外受精:1回
 セントマザーで顕微授精(ICSI)にて1年前に出産しました。
2人目をタイミングで挑戦していますが、夏頃には顕微授精を考えています。その場合は、卵管造影検査は再度必要になるのでしょうか?凍結卵はありませんが、初診時には、主人も同行したほうがいいでしょうか?

 卵管造影検査はどうしても必要というわけではないですが、子宮卵管の状態をみることは大事ですので、造影検査を行う方がよいと思います。
 また、ご主人も同行され、精子の状態を確認して、凍結保存しておけば、安心して顕微授精(ICSI)を受ける準備ができると思いますよ。[2008年2月15日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:8回 人工授精:0回 体外受精:0回
 結婚3年目で、フーナーテスト、卵管造影検査は異常なしです。卵胞は17mmで、クロミッドを飲むと27mmになり、排卵はしているようです。全体的に基礎体温は低く、高温期が10日程で、途中ガクンと下がることもあります。黄体機能不全の可能性があるため、デュファストンも服用しましたが、効果はありませんでした。
 8年前に左卵巣にチョコレート嚢腫と皮様嚢腫ができ、腹腔鏡摘出手術を受けました。4年前に再発し、現在は左側に5cmほどになっております。このような状態なので、再度腹腔鏡の手術を受けるか、体外受精(IVF)にステップアップするか、非常に悩んでおります。
 そんな中、院長先生のギフト法の本を拝読し、興味を持ちました。ギフト法は、私のような状態でも適用になるのでしょうか?もし受精できたとしても、黄体機能不全なら着床維持が難しく、何をやっても妊娠の可能性が低いのではと不安ですが、手術かギフトか体外受精か・・・どれを先にすればよいのか、アドバイスをお願いします。

 過去に卵巣の手術をしていること、また再発して卵巣が腫れていることを考えるならば、体外受精(IVF)にステップアップした方が有利だと思います。GIFTは腹膣鏡という外科的負担がかかりますし、卵が5個以上とれた場合には、体外受精と差がなくなりますので、体外受精でいいと思います。卵が1〜3個と少ない場合には、卵管に入れる方がよいでしょう。[2008年2月15日]
(院長:田中温)
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