回答一覧 - 非配偶者間人工授精・養子・代理母 No.3 -
 年齢:30 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回 
 私は性同一性の当事者で、AIDを希望しております。一昨年の最高裁にて、正式にAIDによりもうけた子の父親になれるという判決が出たことを踏まえ、生来の男性と同様にAIDを行える可能性はありますでしょうか?
 私自身医師であり、妻も看護師ということでホルモン治療には十分知識があり、体調管理も問題ありません。妻とも十分話し合っており、産まれた子供にも自身の障害のことをきちんと伝え、責任をもって育てていくつもりです。
 ご回答、よろしくお願い致します。

 性同一性障害の方がAIDを受けお子さんを得ることは法的に認められています。しかし、当院ではこの治療を行っておりません。その理由は、生まれてくる子供がどのような環境で育つかと言うことのカウンセリングを十分にお受けになられていないからです。通常の卵子提供でさえ、カウンセリングを行い結果が出るまで1年程かかります。卵子提供は精子提供より親子関係が良好となります。それは母親がたとえ遺伝学的な母でも、親子関係が妊娠期間中に成立しやすいからだと理解されております。しかし、精子提供の場合の親子関係は卵子提供よりもその絆の深さが浅く、もろいように思われます。現在通常のAIDに対しても、中止すべきという声もあるぐらい非常に重要な課題となっております。その課題がまだ解決しない上に、性同一性障害という更なる点を、産まれてくるお子様に説明しなければいけないことを考えますと、あなたがたご夫婦を支援する相当な体制、カウンセリングが必要だと思います。そのようなものが無い以上は、産まれてくる子供の福祉が保障できませんので当院では行っておりません。[2015年4月7日]
(院長: 田中 温)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:20回 体外受精:4回
 精子細胞での顕微授精を経て、今はAIDをしています。AIDでも全く妊娠する気配がありません。
 20回以上AIDをして妊娠された方がいますか?

 AIDの妊娠率は3%程度ですから、20〜30回治療されている方はおられます。しかし、20〜30回治療されるということは、大変なことです。
 卵管の方はどうでしょうか?ちゃんと通っていますか?また、卵管が通っている場合でも、卵管の周囲が癒着している場合には妊娠しません。腹腔鏡検査で卵管の周囲に癒着がみられる場合には、癒着を剥離することも重要になってくると思います。[2014年10月11日]
(院長: 田中 温)
年齢:28 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:2回
 無精子症のためTESEにて採れた精子を使用して、計2回体外受精をしましたが陰性でした。
 医師からは養子・第3者から精子提供・二人だけの人生の3つが今後の選択肢と言われました。夫には双子の兄がおり、お兄さんには子供がいます。兄弟間でのAIDは可能でしょうか?

 日本産婦人科学会のガイドラインでAIDは匿名となっており、肉親間でのAIDは認められておりません。[2014年9月12日]


(院長: 田中 温)
年齢:47 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:2回 体外受精:3回 
 現在、毎月自然周期で採卵を目指していますが11月と12月は連続して空胞でした。なお、46歳の時に凍結した前核期胚が1つあります。
 1月中旬から採卵周期が始まり、D3ホルモン値はFSH:5.6、E2:8でした。いつもはFSHが11〜12なのですが、今回は初めてFSHが低いので、採卵に良い影響は出ますか?
 また、来年にかけて卵子提供も視野にいれたいのですが、私のような場合でも卵子提供の適応となるのでしょうか?

 月経周期3日目ホルモン値FSH:5.6は正常範囲で、卵胞発育には良い状況と思います。しかし、月経前周期で、低〜中用量ピルやその他のホルモン補充療法をして月経を起こした場合、月経直後のホルモン値が低値となることがあり、卵胞発育を抑制してしまうこともあります。もし、低〜中用量ピルやホルモン剤を服用していなければ良好的な値です。卵巣機能の予知には、ホルモン検査より左右卵巣内の胞状卵胞の数と大きさを観察する方が重要です。調べていただいてください。
 また、卵子提供に関しては、当院においても十分なカウンセリング、倫理委員会の承認などを経て施行しております。日本では、提供者はほとんどが姉妹であり、提供者・被提供者を含めて事前に専門家による説明・カウンセリング、また生まれた子の親を知る権利(出自を知る権利)についても理解が必要であります。日本ではまだ少なく、アメリカを始め、台湾、タイなど卵子提供が盛んな外国へご紹介することもあります。
 当施設で基準とするJISARTのガイドラインでは、「卵子提供による非配偶者間体外受精を受けることができる者の条件」として、
 (1)卵子が存在しない場合
 (2)6回以上の夫婦間体外受精(採卵)によっても妊娠・出産に至らず、その原因が卵子にあり、今後妊娠の可能性が極めて低いと医師が判断した場合
 (3)妻が重篤な遺伝性疾患の保因者または患者で、着床・出生前検査や妊娠中絶を望まない場合
 (4)加齢により妊娠できない夫婦でないことを必要とする
 という条件を提示しています。もしよろしければ一度お話させて頂ければと思います。[2014年4月4日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:5回
 知人夫婦が、私ども夫婦の不妊の苦しみを見かねて、そのご夫婦の受精卵(胚)を無償提供してもいいと申し出てくださいました。
 奥様から卵子(未受精卵)のみ提供される場合は日本で移植が可能だと思いますが、受精後の胚の移植はできますか?

 日本では受精卵(胚)の提供は認められておりません。[2013年3月16日]
(院長: 田中 温)
年齢:30 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:5回 
 主人がクラインフェルター症候群と診断され、セントマザーで後期精子細胞を用いて治療していますが、結果がでず、採取した後期精子細胞も残りわずかです。
 もし、これで妊娠にいたらなければ、AIDを受けることができるのでしょうか?

 採取した精子細胞を全て使用し、妊娠に至らなかった場合にはAIDに入れます。ただし、AIDに入るには十分なカウンセリングが必要です。[2013年3月16日]
(院長: 田中 温)
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:3回 体外受精:回
 右側の卵巣に、洋ナシのような形にくっついた2cmと3cmののう腫があります。癒着の有無を見るためにものう腫をとってはどうかと先生から勧められました。ただ、2年前にAMH:5.8と診断を受けたので、手術でさらに卵巣に負担がかかってしまい、妊娠する確率が下がるのではないかと心配です。手術した方がいいでしょうか?
また、今通っている病院でAIDを3回しましたが、結果はダメでした。AIDは妊娠率が低い上に体外受精が認められていませんが、極めて妊娠の可能性が低くなる回数は何回目なのでしょうか?諦める心の準備をしていかなくてはいけないのかな、とも思っています。

 卵巣嚢腫があるのであれば、おそらく卵管が癒着しているものと思われます。その場合にはAIDでは妊娠は難しくなりますので、提供精子での体外受精が唯一の治療となります。学会のガイドラインでは提供精子での体外受精は認められておりませんが、あなた方がどうしても受けたいというのであれば一度ご相談下さい。[2012年10月20日]
(院長: 田中 温)
年齢:31 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 提供精子での体外受精ができないのはどうしてでしょうか?(2012年7月 第13回 セミナーより)

 体外受精は夫婦間の治療となっております。しかしながら、卵管狭窄の場合、AIDは妊娠の可能性が無く、体外受精が必要となります。現在、この件については、整合性のない点について検討が始まっております。一度ご夫婦で来院されてお話しをお聞きになられてください。[2012年9月15日]
(院長: 田中 温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:2回 体外受精:回
 私には特に問題はありませんが、夫は非閉塞性無精子症で、2007年にMD-TESEを1回(両睾丸)しましたが精子も細胞もなく異常細胞1個見つかったのみでした。その後AIDを決心し、2回目のAIDにて妊娠、2009年に出産しました。
 今は一生懸命子育てをし、毎日家族幸せに暮らしています。そして2人目を考えるようになったのですが、AIDをしてくださったクリニックは閉院して先生も引退されてしまいました。
 1人目が他院でもセントマザーで2人目のAIDを行うことは可能でしょうか?まずは予約・カウンセリングが必要でしょうか。

 非配偶者間人工授精(AID)に対して、近年では非常に強く見直しが求められております。すなわち、今までは他人の精子で出産していることを、子どもには極力隠すような指導が行われておりましたが、現在では生まれてくる子どもの権利を認め、父親が違うということを早く伝えなければなりません。このような点も踏まえ、1度カウンセリングを十分にお受けになられた方が良いと思います。[2012年6月16日]
(院長: 田中 温)

年齢:30 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 非配偶者間人工授精(AID)が適応となるのは、どのような場合でしょうか?また、AIDを望む場合は、どのような経過をたどることになりますか?
 (2011年7月 第12回 セミナーより)

 非配偶者間人工授精(AID)の適応は、精巣内に精子または後期精子細胞が認められない場合のみです。適応になった場合には、AIDで生まれてくるお子様に対する出自を知る権利、お子様を支援できる十分なサポート体制がとれるかなどのカウンセリングが必要です。[2011年11月15日]
(院長:田中 温)
年齢:45 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 高齢なので体外受精(IVF)を行いたいのですが、未婚のため第三者提供精子の使用を希望しています。
 海外精子バンクからの精子受け取りは可能でしょうか?オープンドナーで、子供に父親を告げる事は可能です。

 未婚か既婚かを問わず、第三者提供精子を用いた体外受精(IVF)は、日本では認められておりません。[2011年10月4日]
(院長:田中 温)
年齢:41 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 非配偶者間人工授精(AID)の場合「提供者を特定できる情報を子供に開示する」と本で読んだことがあるのですが、AIDは近親者の精子提供は認められていないということで、各病院で持っている凍結精子でお願いすることになると思います。病院からの精子提供を受ける場合、精子提供者の情報は依頼者(夫婦)には全くわからないのでしょうか。子供が大きくなって、子供自身が知りたいと思った場合は教えていただけるのでしょうか?また、これは非配偶者間の体外受精の場合も同じでしょうか?

 現在、日本産科婦人科学会のガイドラインでは、次のように規定されています。
 まず、体外受精(IVF)は配偶者間のみに認められており、非配偶者間には認められておりません。
 非配偶者間人工授精(AID)に関しては、「提供者が匿名であること」と規定されていますので、出自を知る権利は認めておりません。しかしながら、世界情勢の中では生まれてくる子供の福祉を第一に考える点より、誰が本当の父親であるかを15歳以上になると伝えなければならないという方向に流れております。その点を十分にご理解された上で治療に入られることをお勧めいたします。[2011年10月4日]
(院長:田中 温)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:5回 体外受精:回
 非配偶者間人工授精(AID)で第一子を授かり、第二子も希望しています。その際、提供精子は第一子とは別の方の精子になるのでしょうか。それとも病院によって違うのでしょうか。

 提供精子の条件は施設によって異なります。提供者との約束で一回のみという施設もありますし、5人までは大丈夫という施設もあるようなので、その施設に尋ねることが一番確実だと思います。[2011年7月15日]
(院長:田中 温)
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