回答一覧 - タイミング治療と人工授精 No.5 -
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:0回 体外受精:0回
 ホルモン検査と超音波の検査をした結果、私にはとくに原因は見つかりませんでした。主人は、運動率が50%以下で、採取量も1ml程度であったため、漢方薬を服用しております。先日、主治医より、あと半年ほど様子を見て自然妊娠しないようであれば、人工授精(AIH)をとばして体外受精(IVF)をしたらどうかといわれました。私は8年前に前夫との間に出産を経験しているので、体外受精を2回ほどすれば妊娠できるのではないかとお考えのようです。(子供は先天性異常があり、産後すぐ亡くなりました。)
 最初の子どものあと、2年間妊娠せず、その時は卵管造影検査をしましたが、異常はありませんでした。私の知識ではタイミング法の後は人工授精だと思っていたので、体外受精といわれて戸惑っています。主人に問題がある場合は体外受精の方がいいのでしょうか?

 ご主人の精子数は、どのくらいでしょうか。初めにタイミングを行っていることから、おそらく問題はないのだと思いますが、もしも3000万〜1000万/mlくらいであれば、次のステップとして、あなたが考えていらっしゃるように人工授精(AIH)がよいと思います。主治医が、なぜ体外受精(IVF)をおすすめするのか、その理由をもう少し詳しくお聞きになってはいかがでしょうか。また、人工授精にしない理由も併せてお尋ねになり、その意図が納得できるものかご夫婦で相談し、決められてはどうでしょうか。その上で、奥様の状態、ご主人の精子数や運動率に問題がないのであれば、人工授精を希望することも主治医にお話されるとよいでしょう。[2007年7月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:37 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:10回 人工授精:5回 体外受精:0回
 いつも参考にさせていただいています。
  注射で排卵誘発をすると、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になってしまうので、薬で効果があるのであれば、そちらの方が安全であると説明を受け、現在、お薬で排卵誘発をしています。
  クロミッド100mgを5日間とプレドニン5mgを10日間、生理5日目から飲んで排卵誘発をしているのですが、きちんと排卵がくる時と排卵の気配がまったくない時が1ヶ月毎に交互にあるように思います。このような場合は、何が原因でしょうか?

 注射で卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になり、クロミッド+プレドニンで1ヶ月ごとに排卵が起こること、生理が不規則で基礎体温が2相性でないことから判断すると、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の排卵障害が考えられます。PCOSの患者様はクロミッドに反応する方と反応しない方がおられますが、あなたの場合は、反応する時と反応しないときが交互に起こっているのだと思います。しかし、なぜそうなるのははっきりした理由はわかりません。治療歴からすると、年齢のことも考慮し、次のステップである体外受精(IVF)を考える時期にきているかもしれません。PCOSの患者様は、卵胞ができにくかったり、できても排卵しないことがよくあります。[2007年7月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:7回 人工授精:1回 体外受精:0回
 片方卵管閉塞のため、ロング法で人工授精(AIH)施行、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を併発して入院、妊娠に至らなかったため退院しました。今後の治療方針を下記の3つで悩んでいます。
  1. 卵管閉塞のままAIHをする。→毎回、OHSSを併発をする。
  2. 腹腔鏡検査をして今後の方針の検討材料を見つける。
   →内診の時に閉塞側に鈍痛があり、癒着の可能性が高いが、癒着剥離をしても、再癒着の可能性もあり、確実にピックアップ障害の原因を除去できる訳ではない。仕事を休んで、入院期間・医療費とラパロの有益性を天秤にかけてしまう。
  3. 体外受精にステップし、二段階凍結移植をする。
  卵の質や子宮内膜は良好と判断されているので、主治医には、再度AIHをするか、ラパロ後のAIHを勧められています。ただ、OHSSを併発しやすいので、なるべく確実な手段をと考えております。先生の考えをお聞かせ下さい。

 卵管閉塞の原因としては、炎症が考えられます。このような場合には、卵管周囲に癒着があることが考えられますので、まず腹腔鏡検査をされて、残った卵管の周囲が正常であるかどうかを確認することが大切なことだと思います。腹腔鏡検査は、1〜2日の入院が必要ですが、検査時間は15分で保険も効きますので、それほど負担にはならないと思います。是非、お受けになられることをおすすめします。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は、排卵誘発剤の使い方で十分避けることが可能です。二段階凍結移植の効果については、意見が分かれております。
  あなたの場合は、まず腹腔鏡検査をおすすめします。腹腔鏡検査の結果をみて、残った卵管に異常がなければ、OHSSをおこさない程度の排卵誘発を行った上での人工授精(AIH)がよいと思います。[2007年7月1日]
(院長:田中温)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:6回 体外受精:0回
 生理5日目からクロミッドを2錠5日間、飲んでいます。いつもなら卵が25mm前後で排卵なのですが、今月は薬を増やしたせいか、卵胞の成長が早すぎて、排卵する前にはもう56mmと27mmでした。
  結局、誘発剤の注射をして次の日に人工授精(AIH)になったのですが、こんなに成長していて大丈夫なのでしょうか?受精しにくいのではないかと心配しています。卵胞の大きさはどのくらいがよいのでしょうか?

 クロミッド周期では、自然周期に比べ、卵胞の大きさは大きくなる傾向があります。20mm後半〜30mm前後の幅であればよいと思います。ただ、これは一般的なことであって、患者様やその周期によって大きさにばらつきがあります。あなたは25mmがよいのではと思います。今周期は、56mmと27mmということですね。27mmはよいのですが、56mmは大きすぎます。ただ、HCGを打った後、56mmが消失して排卵するのであれば、問題はないと思います。卵の質と卵胞の大きさは100%一致するものではありません。[2007年7月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:20回 人工授精:1回 体外受精:0回
 子宮内膜症と子宮腺筋症があり、ピルを服用していましたが、2年前の結婚を機にピルをやめて、タイミングをはかってきました。しかし、先日、主人が精子無力症であることがわかり、5月中旬に初めての人工授精(AIH)を受けたところです。残念ながら結果はでませんでした。
  現在、通院している病院では、AIH後の2週間、毎日ルトラール錠剤(朝晩1錠ずつ)、HCG注射(もしくは膣剤)にて黄体ホルモンの補充を行っています。私自身のホルモン値は特に問題ありませんが、着床を補助するためという説明を受けています。しかし、そのお薬があわず、首まわりに湿疹がでた上、生理が1週間遅れ(通常は排卵後14日ですが、22日後になりました)となり、いつにも増してひどい生理痛に苦しんでおり、先のことが大変心配になっています。現在、内膜症以外の症状として、卵巣が少し腫れているそうです。主治医は、次周期は薬を変えてみましょうとおっしゃいますが、私は少々迷っています。ホルモンの値が正常な場合であっても、黄体ホルモンの補充は必要なのでしょうか。また、過剰に補充されることで身体への影響はないのでしょうか?また、内膜症と腺筋症への影響も心配しています。教えてください。

 通常のお薬を使わない周期で、高温相が10日以上続くのであれば、人工授精(AIH)後のHCGとルトラールは原則的に必要ないと思います。もし、高温相(黄体期)が明らかに1週間よりも短いようであれば、黄体ホルモンが必要となります。黄体ホルモンの投与は内膜症に対してリスクにはなりません。
  ここで問題なのは、内膜症の影響で、卵管周囲癒着が発生している可能性がある点です。ですから、腹腔鏡検査をおすすめします。卵管機能を調べるためには、子宮卵管造影検査で通過性を診るとともに、腹腔鏡検査で卵管の外側の癒着がないかどうかを確認することが重要です。[2007年7月1日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:0回 体外受精:0回
 現在タイミング療法中です。排卵日の前後で可能な限り性交を持つようにしていますが、ずっと気になっている事があります。
  病院で卵胞も測っていますが仕事の関係で頻繁に受診できず、多くは、基礎体温で排卵日を判断しています。受精できる可能性が高いのは、排卵から6〜12時間での射精が良いとよく目にするのですが、早朝(午前4時等)に排卵し、その日の基礎体温で、今日が排卵日であると確認しても、その日の夜(午後10時など)の性交ではもう遅いのでしょうか?排卵日前日に性交を持つべきなのでしょうか?前日に性交できなかったときは、気になって気になって仕方がありません。

 本当の排卵を判定するのは意外に難しいものです。基礎体温だけでは、排卵を判断することは特に難しいと思われます。不確実な基礎体温を利用しての排卵日の判断を基準として、性交を持つ日にちや時間を決めることは更に不確実になります。
  できるだけ排卵日を正確に判定するためには病院で卵胞の大きさや数、尿中LH(排卵性ホルモン)の検査を十分に行うことが必要です。そして実際の排卵から、数時間〜半日程度前の性交が妊娠率が高いようです。しかし排卵日の夜の性交が遅すぎるともいえません。従って、それほど時間は気にせず、排卵の少し前を目標に性交するという方針でタイミングをとっていかれたら良いと思います。[2007年7月1日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:7回 人工授精:1回 体外受精:0回
 タイミングを6回行いましたがうまくいかず、人工授精(AIH)にステップアップしました。今回は生理がきてしまい、診察をうけたところ、卵巣が腫れている(5cmくらい)ので、今周期はAIHをお休みしましょうと言われました。今まで、卵巣の腫れを指摘されたことがなかったので、ショックでした。
 このような理由で、今周期の治療はお休みなのですが、避妊した方がいいのか、ふつうの夫婦生活でいいのかわかりません。避妊した方がよいでしょうか?

 前周期に排卵がうまくいかなかったり、排卵後、卵巣がはれた状態で生理がきても、元にもどっていないのが今回の状態と思われます。このようなことは生理が順調な人でも稀なことではなく、よく経験することですので心配にはおよびません。このような状態で夫婦生活をとり、妊娠しても、まったく支障はありませんから、避妊の必要はありません。ただし、腫れが5cm以上にどんどん大きくなるようなら、注意してみてもらってくださいね。[2007年6月16日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:36 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:9回 人工授精:3回 体外受精:0回
 毎回、人工授精(AIH)の後、内膜を厚くするために、プロゲデポーを3回打っています。最終の注射の後、すぐに生理になる事もあり、ここ数ヶ月間は、生理中もずっと高温のままです。主治医の話では、注射の影響だということなので、特に気にしていませんでしたが、今期、治療をお休みして、HMGもHCGも、もちろんプロゲデポーも打っていないのですが、生理6日目の本日も、体温が下がり切らず、36.7度あります。(高温期は36.80〜36.90度くらい、低温期は36.20〜36.50度くらいです。)
 血液検査などの結果、黄体機能不全などもなくホルモン数値も正常でした。体温が上がらない場合は、黄体機能不全などがありますが、体温が下がらないのは何が原因でしょうか?

 基礎体温の高温期は、脳の体温中枢がプロゲステロンという黄体ホルモンの影響を受けて作り出されるものです。したがって黄体ホルモン剤の作用で体温が下がり切らないということもよくあることです。体温が下がらないのは、まだ体の黄体ホルモンの作用が少し残っていることが原因だと思います。しかし、月経がちゃんと発来すれば次第に下がってくるはずです。[2007年6月16日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:1回 人工授精:0回 体外受精:0回
 不妊治療を始めたばかりで、わからない事が多い状態です。
 現在の病院は、曜日や診察時間によって数人の医師が診察しているようです。そのためか、指示された日に受診しても「今日は何の検査をするために来たの?」とたずねられます。1ヶ月間に3人の先生にあたり、4回受診したうち2回は上記のような質問をされました。このような先生方には、なかなか質問できないので、教えてください。
 周期6日目から、クロミッドを1日5錠、5日間服用しました。その後卵胞チェックをしたところ、18mmでした。その3日後(周期17日目)からデュファストンを服用するようにと言われました。その間に排卵すると言われましたが、5日経った今も基礎体温は低いままです。排卵していないのではないか?と思っています。排卵しない内にデュファストンを飲んでも良いものか電話でたずねたところ、飲むように指示されました。しかし、私に診察内容をたずねる医師から指示を受けても、本当にそれで良いのか心配です。
 本当に排卵前からデュファストンを飲んでも良いのでしょうか?何か問題はおきないのでしょうか?

 デュファストンは黄体ホルモンで、排卵を抑えますから、排卵前から飲むのは良いことではありません。本来ならば、尿中のLHホルモン(黄体化ホルモン)をはかり、それが陽性になった時点から24時間以内に排卵が起きると考え、細かくピンポイントで排卵のタイミングを見つける方法がよいと思います。
 不妊治療はすべて排卵に合わせて進めていくことになりますので、排卵のタイミングのモニタが不十分な場合には、なかなかよい結果が出ません。担当の先生に、もう少しよく見ていただくようにお願いしてみてはいかがでしょうか。先生とうまくいかないまま治療を続けることは辛いでしょうから、思い切って施設をかえるという方法もよいかもしれませんね。[2007年6月15日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期: タイミング法:10回 人工授精:4回 体外受精:0回
 人工授精(AIH)をして結果待ちですが、待っている間に体の変化はないのでしょうか?以前通っていた病院では、飲み薬の黄体ホルモンを2週間服用していましたが、セントマザーでは注射を1回だけでした。注射の場合は1回だけでいいのでしょうか?

 黄体期に胸やおなかがはる方もいらっしゃいますが、無症状の方もおられますので、どのような症状があるかをお答えすることは難しいことです。
 当院では、自然周期やクロミッド(セロフェン)周期の際には、排卵後、黄体補充としてHCGの注射を打ちます。ただ、以前に基礎体温などで黄体機能不全と診断されたり、子宮内膜が薄い症例には、黄体補充の内服や注射を数回打つことはあります。
 あなたの場合は、子宮内膜の状態がよく、基礎体温にも問題がないと判断し、1回の注射で様子をみているものと思います。高温が10日以内と短かったりする場合は、担当医に言ってください。[2007年6月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期: タイミング法:10回 人工授精:4回 体外受精:0回
 セントマザーで人工授精(AIH)を受け、排卵確認のために翌日来院して、排卵しているといわれました。以前の卵管造影検査で左卵管が狭いと言われたことが気になっているのですが、排卵をしても卵が卵管を無事に通るかは、わからないのですか?排卵をしたら、狭くても必ず卵管を通っていくものでしょうか?基礎体温は二相性になっていますが、卵管が閉塞している場合もきちんと二相性になるものでしょうか?

 卵管の太さは、ほぼ同じ太さと考えてよいのですが、人によってはもともと狭い方や、炎症で狭くなっている方もおられます。残念ながら、卵管内を卵が通っていくかどうかは、確かめようがないのでわかりません。狭ければ通りにくいこともあると思います。
 基礎体温は、「卵巣ホルモンの影響」で、脳の体温中枢が反応しているために起こる変化ですので、卵管とは関係ありません。卵管が閉塞しているわけではないので、人工授精(AIH)をもう少し続けてみられてはいかがでしょうか。[2007年6月1日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:1回 体外受精:0回
 いつも参考にしています。
 これまで5回の排卵誘発をしています。クロミッドを1日100mgずつ服用していますが、卵胞が1つしかできません。どこかおかしいのでしょうか?検査などをした方がよいのでしょうか?

 排卵誘発剤を内服したら必ず2個以上(複数個)の卵胞ができるとは限りません。内服をすれば、通常2〜3個できる方が多いのですが、1個のみということもあります。内服で1個しか卵ができない方に排卵誘発剤の注射をしても内服と同じように少ししか卵ができないかというと、そうではなく、逆に多数できてしまって卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になって治療を中断しなければならないという場合もあります。
 今の状態が気になるようであれば、クロミッドを1日150mgにするか、排卵誘発剤の注射を使用するなど考えてみてはいかがでしょうか。[2007年6月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:30 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:4回 人工授精:5回 体外受精:0回
 以前のクリニックでは、人工授精(AIH)の前日にHCGをうっていましたが、現在のクリニックは人工授精後の当日にしかHCGを打ちません。そのせいか、以前は人工授精から14〜16日目にきていた生理が、現在では18日目頃にくるようになり、タイミングがずれているのではないかと心配しています。
 昨日も卵胞23mm、内膜11mmで人工授精後にHCGを打ちましたが、前日にはうっていません。これでタイミングはあっているのでしょうか?アドバイスお願いします。

 人工授精(AIH)の前にHCGを打つかどうかは、人工授精前にLHサージが起こっているかどうかによります。当院では、卵胞の大きさがいい状態で、尿中LH検査でLHサージが陰性であれば、HCGを打って、LHサージを起こすようにし、LHサージが陽性であれば、人工授精前にHCGは打たずにそのまま人工授精を行います。担当医の考え方もありますから、詳細は先生に聞いてみてください。[2007年6月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:28 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 結婚前(2年前)の子宮ガン検診の際に、超音波とクラミジア検査をしました。結果、子宮後屈ですが、他は特に異常はありませんでした。
  私の月経周期は、だいたい29〜31日で、基礎体温も二相性で、高温期が12〜14日あります。中間出血が1〜2日あり、時々排卵あたりに下腹部痛があります。しかし、先日、中間出血が月経周期12〜15日の4日間も続き、心配になって、ガン検診もかねて婦人科を受診しました。超音波で、「典型的な子宮後屈、そして、内膜症」と診断されました。その時は、排卵後で、卵巣には異常ないということでした。ただ、超音波を見て、「腹水が貯まっているでしょう?内膜症だよ。はやく子供作りなさい。」と言われ、きちんと検査をした方がよいのではないかと気になっています。腹水が貯留していると、自然妊娠は難しいのでしょうか?今回の検査結果で不安が増強してしまいました。
  結婚してもうすぐ2年、子供を考え始めて、まだ3ヶ月ですが、先生の言い方で、自然に待つより不妊治療をした方がいいのではと悩んでいます。
  腹水の確定診断には腹腔鏡検査が必要という事ですが、腹水の影響が悪いのであれば、悠長にかまえているよりも、早く治療をした方がよいと感じていますがどうすればよいでしょうか?

 子宮内膜症の確定診断をするためには、腹腔鏡検査が必要ですが、経膣超音波検査で、腹水が多少貯まっているからといって「子宮内膜症」と断言するのは、あまりにも強引なように思います。また、不妊症ではない女性にも「子宮後屈」の方もいらっしゃいます。しかし、主治医としては、あなたのことを案じてそのようにおっしゃったのではないかと思います。早目に確定診断のための診察、およびその他の不妊症スクリーニング検査を受けることをおすすめします。[2007年5月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:1回 人工授精:4回 体外受精:0回
 これまでに、タイミングを1回、人工授精(AIH)4回行いましたが、まだ妊娠には至っておりません。最近引越しにともない転院しました。転院前の病院では、「AIHの為に精子を濃縮しても、精子の寿命は変わらない」と言われていましたが、今の病院では、「AIHの場合、精子の寿命が短くなる」と説明されました。
  私は原因不明不妊です。これまではタイミングよりもAIHの方が妊娠率は高いと思い、AIHを選択してきましたが、どこも悪いところが無くて、AIH時の処理によって精子の寿命が短くなるのであれば、タイミングの方が妊娠率は高いのではないかと思い始めました。精子の寿命は、AIHの際には短くなるのでしょうか?短くなるのであれば、どのくらい短くなるのでしょうか?現在の主治医には、タイミングとAIHのどちらを選択するかと問われていて、悩んでいます。アドバイスをよろしくお願い申し上げます。

 人工授精(AIH)の場合には、妊娠に適した精子の選別のために、成熟した運動精子を選別・濃縮するとともに、精漿や細菌などを取り除きます。このような操作を十分に行なうことで、妊娠可能な精子を選びます。したがって精子の寿命が短くなるということはないと思います。
  妊娠率は、タイミング療法よりも人工授精(AIH)の方が高くなりますが、妊娠には精子の関与以外にも卵の問題、受精するかしないか、着床の問題など、影響を及ぼす色々な要素がありますので、妊娠率には限界があります。[2007年5月15日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:28 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:4回 体外受精:0回
 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と高プロロラクチン血症で、人工授精(AIH)をしています。
  セロフェンのみでは、なかなか卵胞が大きくならず、HMGなどを追加して卵胞を育てましたが、複数育ってしまったため、AIH前にHCGを打ってもらえませんでした。自然排卵を待ってAIHをするということですが、前回もまったく同じ状況で、結局、排卵しませんでした。ですから、今回も排卵しないのではないかと不安です。このように、複数の卵胞が育った場合、自然排卵は期待できるのでしょうか?
  また、今回は、前回の生理開始から25日目でようやくAIHできる状況です。期間が長いと、卵の質は悪くなるでしょうか?

 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の患者様には、セロフェンでは排卵しにくい(卵ができにくい)ケースが多くみられます。このような場合は、HMGを使って卵を作ることになりますが、多数の卵ができたり、卵ができても排卵しにくいケースが多くなるという傾向があります。このような場合の対処としては2つあります。
  まず、1つ目は、腹腔鏡下に卵巣の表面を電気焼灼することです。これにより、自然排卵が起こりやすくなります。2つ目は、体外受精(IVF)にて採卵・凍結し、凍結胚移植を行うことです。
  人工授精(AIH)をあと1〜2回しても結果が同じであれば、上記の2つを検討されてみてはいかがでしょうか。[2007年5月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:0回 体外受精:0回
 治療を始めて半年になります。もともと排卵障害で生理も不規則でしたが、排卵誘発剤と高温期に10日間の黄体ホルモンの薬を飲んで、現在は安定しています。また、卵管も異常なしで、夫の精液も問題ありませんでした。
 今月は排卵後の超音波でしっかり卵が破れて小さくなっているのを確認できたので期待はしていたのですが、生理が来てしまって、夫と共にショックを受けています。ただ、ここ2〜3ヶ月の周期が、31〜33日周期で、低温期は14日間と規則的ですが、それに対して高温期が2週間以上と少し長めになっています。これはどういうことを意味しているのでしょうか?よくあることなのでしょうか?例えば無事卵が受精していたのに育たなくなってしまうなど色々と想像してしまいます。タイミングから人工授精(AIH)にステップアップしたほうが良いでしょうか?

 まず、基礎体温は、あまり正確な検査法ではありません。部屋の温度や環境などによって多少変わります。基礎体温の高温相の長さは、排卵日から計算しますので、排卵日が間違っていますと、当然、高温相の長さも違ってしまいます。排卵日を正確に知る方法としては、尿中のLHホルモン測定が最も大事です。尿中のLHホルモンがピークになった24時間後に排卵しますので、その時点を排卵日として計算してください。16日までは正常と考えて結構です。16日以上過ぎた場合には、妊娠反応検査をされてみてください。
 このように、高温相の長さを正確に測るためには、尿中のLHホルモンの測定と経膣超音波での観察が必要です。
 これらの検査で異常が見つからないのであれば、人工授精(AIH)にステップアップした方がよいと思います。人工授精を4〜5回して、それでも妊娠しない場合には、腹腔鏡検査をお勧めいたします。[2007年5月1日]
(院長:田中温)
年齢:29 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:2回 人工授精:0回 体外受精:0回
 現在、妊娠を希望していますが、初潮の時から生理不順なので、1年ほど前から病院へ通っており、クロミッドを飲み始めて半年程度です。片方の卵巣が少し腫れていて、子宮内膜症の疑いがあるとの事からCA125マーカーを調べました。数値は標準よりも低く、仮に子宮内膜症であっても軽度だと診断されました。妊娠できれば、次第に腫れも治まるという事だったので、クロミッドを使ってのタイミング療法を続けています。
 現在、クロミッドは2錠飲んでいますが、基礎体温は完全には二相性にならず、体温変化が曖昧です。通常36.2℃くらいで、よく上がっても36.6℃くらいです。
 生理後と排卵時期の内膜の厚さの差は、8〜12mm程度と、それなりに厚くなっているのですが、それが排卵が起こった結果なのかどうか、主治医からは明確な答えがありません。このままクロミッドを飲み続けても排卵しているのかわからないし、片方の腫れている卵巣も、どんどん大きくなってくるのではと不安です。腫れている方の卵巣は機能していないので、もう片方の卵巣での排卵を期待してがんばりましょうと言われたのですが、今後、腫れている卵巣は機能する事はないのでしょうか?このままクロミッドでのタイミングを続けてもよいのでしょうか?

 主治医の先生は、成長する卵胞の大きさや数をみられていないのでしょうか。LHカラーやLチェックといった排卵検査薬も市販でありますので、体温変化が起こる時期に調べてみてはいかがでしょうか。
 6ヶ月クロミッドのタイミングで妊娠に至っていませんから、そろそろ次のステップとして、HMG(排卵誘発剤)の注射でのタイミングや、人工授精(AIH)を考えてみてもよい時期だと思います。[2007年5月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:28 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:9回 人工授精:0回 体外受精:0回
 はじめまして。妊娠を希望して2年、病院に通い始めて1年になります。卵管造影検査も、黄体ホルモンの検査も、主人の検査も、異常ないといわれています。生理周期も規則的で、排卵もしていますが、卵巣に単純性嚢腫があるようです。7cmくらいだそうですが、これは放っておいてもよいのでしょうか?
 また、基礎体温の高温期になってから、4日目くらいに1日だけ、体温が下がる日があるのが気になります。その日は、排卵痛のような下腹部痛があります。何ヶ月もタイミング法だけを試した結果、それに気がつき、黄体機能不全かもしれないとデュファストンを処方されています。デュファストンを飲んでいると、高温期に体温が下がることはなくなったのですが、やっぱり妊娠できませんが、本当に黄体機能不全なのでしょうか。
 主治医に相談したところ、今度は次のステップと「ツムラ 当帰芍薬散」を処方されました。きっと冷え性の私には、体に良い漢方薬なのだとは思いますが、以前漢方薬を飲んでも効き目がなかったことがあるので、次のステップがまた漢方薬かと少しがっかりしました。
 私の主治医は、忙しく、ゆっくり診察してもらえないので、今後、同じ病院でタイミング法だけをしていて、本当に妊娠できるのか、疑問に思い始めています。また、現在の病院は人工授精(AIH)を行っているようにも見えません。転院するにしても、また最初から検査を受けなければならないのかと不安です。どうすればよいでしょうか?

 排卵もあり、卵管造影検査・黄体ホルモン値・精子所見もすべて正常ということなので、特に問題はないようです。しかし、卵管周囲の炎症や癒着があると、自然妊娠は困難となります。この場合は、腹腔鏡検査(ラパスコピー)が有効な検査です。当院では、この検査は、大事な検査と考えていますが、手術的操作が必要ですので、施設によってはできないところもあると思います。
 主治医と相談されて、人工授精(AIH)へステップアップするかどうかを検討されてください。もしもAIHができないようであれば、転院も仕方ないかもしれません。転院される場合は、今後のことを考えて、体外受精(IVF)も可能な施設にすればよいと思います。転院後の検査についてですが、現在の病院で紹介状を書く際に、今までの検査内容を書いていただいてはいかがでしょうか。転院後の施設にもよりますが、初めからすべてを検査しなおすということはないと思いますよ。[2007年5月1日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:37 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:4回 人工授精:4回 体外受精:0回
 クロミッドの服用は、月経開始3日目からのみ始める場合と、5日目から始める場合の、2パターンあるようなのですが、これらは何が異なるのでしょうか?4日目、6日目の開始というのはありえないのでしょうか?
 現在通院している病院では、クロミッドの出され方が毎回異なるので、不安に思っています。よろしくお願いいたします。

 クロミッドの服用は、習慣的に5日目から5内服となっていました。体外受精(IVF)のHMG(排卵誘発剤の注射)が3日目からが多いので、日にちをあわせる上で、注射の時は3日目からの内服も増えています。
 早くから飲み始めた方が多少卵胞数が増え、成長が早い可能性がありますが、もちろん個人差があります。主治医の先生は、あなたのその時の状態をみて決めているのではないでしょうか。あまり神経質になる必要はないと思いますよ。また、4日、6日目投薬もありうると思います。[2007年5月1日]
(産婦人科医:永吉基)
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