回答一覧 - タイミング治療と人工授精 No.12
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:7回 体外受精:0回
 5年前から4センチのチョコレート嚢腫がある状態で、1年間ほどAIHを6回行いました。6回目のAIHは、前日にHCG:3000と高温期にディファストンを10日分服用しています。しかし、妊娠に至らない為、先日、腹腔鏡手術でチョコの部分のみ取り癒着も全て剥がしました。中を見てみるとチョコレート嚢腫が無い右卵巣にも癒着が始まっていました。手術をした病院では、妊娠希望の場合、偽閉経療法はせずに生理期間を避けての手術となり、手術後終了日の2日後に予定通り生理が開始されました。
 術後初めての検診の際、手術中のお腹の中の状況についてモニターにて説明を受けました。その際に、白っぽい右卵巣のちょうど真ん中に5ミリほどのイボのようなピンク色の粒が見えたので、医師に伺った所、卵とのことでした。しかし、生理直前の卵巣に卵があるのか疑問に感じて、遺残卵胞なのでは?と不安です。生理前の卵巣でこれは普通の状態なのでしょうか?
 現在、手術後すぐの1周期目でAIHをして結果待ちです。今回のAIHでの卵胞チェックでは、一つしか卵胞はありません。これまでの治療中でも遺残卵胞があると言われた事はありません。
 主席卵胞だけが排卵すると、残った卵胞は黄体となって消滅するようですが、手術中にみた卵は黄体化している状態のものだったのでしょうか?

 卵子には、胞状卵胞という排卵を待っている状態の卵胞が複数存在し、排卵しなかった卵胞はアポトーシスと言って自ら壊死を起こして消滅すると言われています。手術の時期から言うと、その胞状卵胞が見えたのではないでしょうか。大きな問題はありません。[2013年11月2日]
(産婦人科医: 御木 多美登)
年齢:37 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:10回 人工授精:3回 体外受精:0回 
 低AMH(0.1未満)の為か卵胞が1つしか育たず、採卵を試みるもうまくいきません。
 1回目:プラノバール→D3よりプロギノーバ・フェマーラ→D13で採卵するも空砲
 2回目:プラノバール→D3よりプロギノーバ→D18で卵胞消滅
 3回目:プラノバール→D4よりプレマリン→D12排卵済で採卵できず
 4回目:プラノバール→D3よりセロフェン→D13で採卵するも変性
 マーベロンを飲むとアレルギーが悪化するため毎回プラノバールを処方して頂いていますが、採卵できない状態にもかかわらず同じ薬を飲んでいても、うまくいかないのではないかと不安になっています。ピルは卵の質に影響すると読んだことがあるのですが、薬を変えることで卵の質が良くなることはありますか?
 また、今周期は別の薬(プレマリン+ルトラール)に変えてもらいましたが、今の病院では3種しかピルはないようで、これでもダメならどうしようかと不安になっています。セントマザーで治療を行う場合は他に選択肢がありますか?

 この内容は一般的な排卵誘発法ではありません。また、プロギノーバやプレマリンを飲むことで卵胞を損失することはありません。フェマーラやセロフェンは排卵誘発剤ですので、この方法で卵を採れるように調節することです。ピルを飲んで数値上のホルモン値が正常化しても卵巣自体の機能が正常に戻らない場合もあります。その場合は、卵胞の発育能力がかなり低下していると考えられます。最も大事な所見は、月経3日目までの左右卵巣内の胞状卵胞の数と大きさ、E2、LH、FSHの値で、この5つの所見は排卵誘発を決める際に必要です。卵の数はたぶん1個でしょう。この場合には、セロフェン(クロミッド)を長期投与し、FSHの投与が必要でしょう。卵胞が発育した場合には、HCGよりもGnRHアゴニストによる排卵誘発が有利と考えられます。[2013年9月21日]
(院長: 田中 温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:回 体外受精:回
 5年前に第一子を出産し、2年前から二人目を希望しています。今年の1月に妊娠しましたが、私の咳が原因で初期流産となりました。
 生理周期が31〜35日で、排卵が生理開始日より18〜24日頃で高温期は短いです。現在、通院している病院では卵胞チェックはしてくれず、基礎体温と排卵検査薬でのタイミング法を行っています。その為、先生が排卵日を間違える事がよくあり、タイミングをとった5日後に、やっぱり今日だったと言われる事がよくあります。1月に妊娠した時も先生が4日くらい早く排卵日と診断しました。その日はタイミングがとれずに翌日にタイミングをとったので、たまたま妊娠しました。近くに不妊外来のある産婦人科がないので、このまま通院するしかないのですが、卵胞チェックをせずタイミングの指示を出す病院もあるのでしょうか?先生には言い出しづらく、聞けないでいます。今年でもう33歳なので1日も早く妊娠したいのですが、タイミングをとる事もままならないので、いつまで経っても妊娠できそうになく、とても不安です。また排卵が遅いと妊娠しづらく、流産しやすいと主治医に聞きましたが、生理開始日から20〜24日たってからの排卵ではやはり妊娠しづらいのでしょうか?

 タイミング法は、排卵直前の時期に合わせて夫婦生活を行っていただく方法ですので、経膣超音波で卵胞の発育状態をモニターして頂くことをお勧めします。是非主治医の先生にご相談ください。主席卵胞の大きさが20mmを超えてきたところから排卵検査薬を用いれば適切なタイミングが判断できると思います。
 排卵の時期は流産のしやすさや妊娠のしづらさとは関係ありません。また、自然妊娠するには、奥様の卵管通過性やご主人の精液中の精子数や運動率も重要です。一度、奥様の子宮卵管造影検査とご主人の精液検査を受けていただくことをお勧めします。[2013年9月21日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:5回 体外受精:回
 初診で私に問題が見つからなかった為、自然周期によるAIHを勧められました。夫の精子濃度は4000万/ml、運動率40%で、処理後の運動性は良好0〜10%です。
 自然周期で3回ほど行ったのですが妊娠には至らず、「4回目からは排卵誘発剤を使って妊娠率を高くしよう」と言われたのですが、セロフェンを1日1錠5日間服用しても卵が1つしかできませんでした。
 5回目は2錠に増やしたのですが、それでも卵は1つしかできませんでした。排卵誘発剤を服用すると子宮内膜が薄くなる傾向があると聞いたことがあり、卵が増えないならただ内膜を薄くしただけでは…とショックでした。
 これは、単にセロフェンとの相性が悪いだけなのでしょうか?それとも私の卵巣機能に何か問題があるのでしょうか?
 なお、自然周期での治療時から毎月排卵しています。卵は排卵期には20〜25ミリ、子宮内膜は10〜11ミリでした。

 人工授精は精子の状態がある程度以上なければなかなか妊娠しません。現状では、かなり成功率は低いと思われます。体外受精または顕微授精に入られた方がよいのではないでしょうか。また、卵子の数の件ですが、月経3日目までの左右卵巣内の胞状卵胞の数をよく診てもらってください。もし、3〜4個以上あるのならばHMG(FSH)の注射をされれば数は増えるはずです。また、AMH(抗ミューラー管ホルモン)の値を調べて卵巣の機能をチェックしてもらってください。[2013年9月21日]
(院長: 田中 温)
年齢:40 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 今は排卵日というより排卵時間まで特定できるという話がありましたが、その場合、排卵時間の前後何時間がAIHに適しているといえますか?

 自然周期又はクロミフェン投与周期でAIHを行う際、排卵時間を正確にみつけることが最も重要となります。
 その為、当院では経腟超音波での卵胞計測で約18mm〜20mmの卵胞を確認後、一日3回の尿中LH濃度を調べ、ピークを見つけます。ピーク時の約24時間後を排卵時とし、AIHのタイミングは排卵の数時間前になるようにしています。[2013年8月31日]
(産婦人科医:御木 多美登)
 年齢:33 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 D11で16ミリだった卵胞がD14に10ミリになったことから排卵が予測されたので、その際に血液検査をしたところ、E2が42と低値でした。これは卵巣機能が低下してしまったということなのでしょうか?
  AIDを17回行いましたが、結果が出ずにいる中諦めず毎日のように通院しているので、今回の結果はショックでした。
  「次は生理3日目に血液検査をしましょう。」と先生に言われています。今後、なにか改善点があれば教えて下さい。

 D14でE2が42は低値と判断しますので、その時点では排卵はなかったのではないでしょうか。この前周期にピルの内服をしているなどありますと、E2が低値となり、その次周期に卵胞が育ちにくくなることがあります。まずは翌周期D3までのE2を調べてもらうのがよいのではないでしょうか。排卵を確認する為に血中黄体ホルモンの測定、経膣超音波での卵胞のモニタリングを是非されてみて下さい。[2013年7月31日]
(産婦人科医:笠原 華子)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:4回 人工授精:2回 体外受精:0回
 昨年一度自然妊娠したものの、心拍確認後に7〜8週で完全流産してしまいました。その後、市販の排卵検査薬と基礎体温でタイミングをとっていましたが授からず、昨年秋頃にタイミング療法から不妊治療を始めました。服薬や注射はしていません。
 先日二度目のAIHでした。AIH後に先生が「子宮が屈曲しているため管が入らず頸管部へ注入した」とおっしゃいました。帰宅してから、頸管部に注入したのでは性交の射精とあまり変わりがないのでは…と気になっています。 ちなみに一度目のAIHの先生と今回の先生は違う先生で、一度目のときには特にそのような説明はありませんでした。ただ、一度目のときは痛みと出血がありましたが、今回は全くありませんでした。
 主人の精子の状態は平均してやや悪いです。フーナーテストは通院のタイミングが合わず未施行で、抗精子抗体の検査もしていません。このまま頸管部に注入するAIHを続けるのは意味がありますか?また、子宮が屈曲していても子宮内に注入してもらう方法はあるのでしょうか?

 AIHは、調整した精子を出血や疼痛などのストレスなく子宮腔内に注入することが大切です。今回は、子宮腔への注入が困難であったため、子宮頚部への注入となりましたが、次回からは、できるだけストレスレスの状態で子宮内へ注入することがベストと考えます。別の種類のカテーテルなども準備することが可能ですので、次回からはそちらで行うのが良いかと思います。[2013年5月17日]
(産婦人科医:笠原 華子)
年齢:26 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:4回 人工授精:回 体外受精:回
 ストレスによって排卵が遅れた周期は妊娠を見送った方が良いと聞きました。卵子は3ヶ月かけて成長し排卵するようですが、その間に大きなストレスを受けた卵子で妊娠すると、奇形や異常の可能性が高くなるのでしょうか?
 最後に、HCGを使っての排卵は卵子の質を下げると聞いたのですが、本当ですか?

 多少排卵の時期が遅れている周期であっても、排卵が認められ、適切な時期に夫婦生活が行なわれていれば妊娠する可能性はありますし、児の奇形や異常のリスクが高くなることはありません。
 HCGは排卵する直前に下垂体が分泌するLHと同様の作用を持つホルモンです。適切な時期に投与を行えば、卵子の質が低下することはありません。[2013年2月23日]
(産婦人科医: 伊熊 慎一郎)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回 
 片方の卵管が詰まっているため、通水治療を5回行うことになったのですが、仕事の都合で次の生理までの間は1,2回しか行えそうにありません。3回目以降は次の生理が終わってからでも大丈夫ですか?その場合、通水治療中は避妊するよう言われていますが、3回目の治療前にタイミングをとってもいいでしょうか?また、避妊しないといけない理由はなんですか?

 通水治療は通常3〜4日毎に継続して行うことが効果的だと考えますので、あまり時間を空けない方が良いと思います。次周期の通院が可能であれば、次周期以降から始めていただいても構いません。また、お仕事の終了時刻が遅い場合は平日18時以降や日曜午後の時間外外来を利用して頂ければと思います。
通水中に避妊をお願いする理由は、治療中に卵管が再疎通し、夫婦生活を行う事により、受精卵が卵管内に押し戻され、着床すると、子宮外妊娠を発症する可能性があること。子宮内に着床した受精卵が流れてしまう可能性があるからです。[2012年10月20日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:0回 体外受精:0回
 私、主人ともに現在29歳です。私には高プロラクチン血症、精子凝集抗体があり、主人は精索静脈瘤のため二度検査しましたが、どちらも精子運動率は34%で数自体は1億と多いほうでした。
 以前通院していた病院は産婦人科の不妊外来だったので、専門の病院へ転院したところ「人工授精よりも体外受精をしたほうがよいのではないか?」と言われました。私たちのようなケースは人工授精では妊娠の可能性は低いでしょうか?

 あなたの高プロラクチン血症に関してですが、排卵障害等の問題があればカバサール等の内服が必要になります。状態を主治医の先生とご相談ください。
 御主人の精子の状態は、1億/ml、運動率34%との事ですが、精子濃度は問題ないものの、運動率はやや不良です。あなたに精子凝集抗体があれば、精子が射出されても免疫反応によりさらに運動精子が低下してしまう可能性が高いです。この凝集する割合は実際には体内反応のためどの程度かは不明です。
 しかし人工授精で妊娠できる可能性は確かに高いとは言えないかもしれませんが、不可能と断言できるものではありません。2〜3回の人工授精を試み、妊娠に至らなければ速やかに体外受精胚移植へ移行する方針がよろしいのではないでしょうか。[2012年10月1日]
(産婦人科医: 茅原 誠)
年齢: 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 生理は毎月あり、基礎体温も二相に分かれていますが、無排卵月経・多嚢胞性卵胞のためクロミッドや筋肉注射を使いながら卵胞を大きくし、タイミングやAIHをしています。夫は精索静脈瘤で、精子の運動率が15%と悪かったため、2011年12月に手術をし、一時運動率が44%まで回復しました。今月主人の術後初めてとなる、3度目のAIHを受けたところ、卵胞はきれいに大きくなり、タイミングの時期も良かったのですが、精子の運動率が30%と少し下がっており、残念ながら妊娠には至りませんでした。精子の運動率は体調により変化するのでしょうか?
また現在通っている病院はAIHまでは行えますが、年齢と今後のことを考えると、高度医療が整っている不妊治療専門の病院に転院した方が良いでしょうか?(2012年7月 第13回 セミナーより)

 ご主人様の精子の所見は術後、運動率30〜44%まで回復しているようですが、精子量、濃度はいかがでしょうか?
WHOの精液検査基準値では運動率は40%以上が正常とされているので、運動率は正常、または正常をやや下回る程度と思います。
精子量、濃度が問題なければ、人工授精(AIH)でも妊娠の可能性はあると思います しかし、AIHを3~6回施行しても妊娠に至らない場合は、その後継続してもなかなか妊娠に至らないケースが多いです。この時点を一つの節目として体外受精胚移植のご説明を聞かれる事をお勧めいたします。[2012年9月15日]
(産婦人科医: 茅原 誠)
年齢:26 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 PCOSで、次周期よりAIHにステップアップします。ただ、タイミング治療の際、HMG注射をしてもなかなか排卵が確認できませんでした。そのような状態で、AIHをする意味はありますか?また、希望すれば、排卵が確認できるまで通院は可能でしょうか?(2012年7月 第13回 セミナーより)

 PCOSは高プロラクチン血症、テストステロン(男性ホルモン)の上昇、インスリン抵抗性など様々な合併症を引き起こす疾患であることを認識してください。
多嚢胞性卵巣症候群であるからと、ただやみくもにクロミッドやHMGの注射を打っても、影に隠れている高PRL血症やテストステロン高値、インスリン抵抗性を見逃して対応していないとなかなか治療に反応しない(排卵しない)事があります。逆に、これらの合併症に対する治療がなされていれば、クロミッド単剤だけでも十分に排卵が確認される事もあります。
精子の状態が良ければ、AIHでも十分可能性はあると思われます。[2012年9月15日]
(産婦人科医: 茅原 誠)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:6回 人工授精:2回 体外受精:回
 セントマザーにて治療中の者です。
 インターネットで不妊治療の最初の検査で血液検査をしている人を見かけますが、私はセントマザーで一度も血液検査をしたことがありません。血液検査で分かる原因というものがあるような気がするのですが、この検査の重要性は低いのでしょうか。

 当院では、超音波検査、子宮卵管造影検査、精液検査を行い、月経周期3日目から5日目までの卵巣・子宮の状態を把握したのち、卵胞の成熟、排卵の有無、黄体期の維持状態を調べ、妊娠に向けて対応しています。その状態で必要に応じてホルモン検査等の血液検査を行っています。これまでの状態から卵胞の成熟、排卵、黄体期の状態が順調なために採血がなかったのだと思います。よろしければ、来院時にご相談ください。[2012年7月17日]
(産婦人科医: 永吉 基)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:3回 体外受精:1回
 タイミングから治療を始め、現在はクロミッド半錠を5日間飲んでいますが、内膜が5〜7mm程度となかなか厚くなりません。今回、体外受精で移植することになったので、10mm程度まで厚くなって欲しいと思っています。何かいい方法はないのでしょうか?また、セントマザーを初めて受診する際には、生理後何日が一番いいのでしょうか?

 あなたの場合には内膜が薄くなる理由が2点考えられます。1点目は、クロミッドは排卵誘発能力が非常に高く良好なお薬ですが、使用することで内膜が薄くなり着床率が低下し、トータルとしての妊娠率はそれほど高くならない点です。2点目としては、どのような方法を用いても内膜が厚くならないということから、色が白い、色が黒い、背が低い、背が高いと同じように、もって生まれた遺伝子により決まっているような気がいたします。この場合には体外受精(IVF)で卵をすべて凍結し、クロミッドを使わない自然周期で戻すことをお勧めいたします。[2012年6月16日]
(院長: 田中 温)
年齢:38 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:4回 体外受精:回
 今までに人工授精で2回妊娠しましたが、2回とも7週で流産してしまいました。その後も人工授精を4回行いましたが、妊娠に至っていません。2回の流産手術後、子宮内膜が薄くなった気がします。以前は排卵日前後には11mmから12mm位はあったのですが、今は10mmないくらいです。今の病院では、「人工授精は内膜の厚さはあまり気にしなくてよい」といわれるのですが、本当でしょうか?流産の手術によって内膜が薄くなるということがあるのか気になっています。また内膜を少しでも厚くなるようにしたいのですが、何か方法はあるのでしょうか?

 受精卵が着床しやすくなる子宮内膜の厚さは10mm以上が望ましいと考えておりますが、実際はそれより少し薄い方でも妊娠されています。
 流産手術の影響については、それほどご心配いりません。クロミフェンで排卵誘発している場合は、その影響が考えられますので自然周期に戻すか、少し作用のマイルドなセキソビットの内服をお勧めしています。
 自然周期の場合は、排卵までは自然に経過観察しますが、排卵後着床を助けるためヒスロン、デュファストンなどの黄体ホルモン補充を行うことにより、内膜の厚みを保つことができます。また、2回の初期流産の既往がある場合は不育症スクリーニングの適応となりますので、検査されることをお勧めいたします。[2012年6月16日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
フーナーテストが不良なのに、タイミングを1年続ける意味はあるのでしょうか・・・
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 夫32歳、妻29歳です。2年間自然妊娠に恵まれなかったため、検査を受けました。結果、私は問題ありませんでしたが、精子所見が運動率27%、正常形態率18%、SMI 26と、運動率があまりよくなく、またフーナーテストも不良でした。
 治療方針について、先生からは「内服+タイミングを半年、注射+タイミングを半年してからAIHにステップアップしましょう」と言われ、いきなりAIHをしたい訳ではありませんが、タイミングが1年も必要なのか気になり、先生に相談したところ、すごい剣幕で怒られてしまいました。
 薬の作用で卵の質を良くすることや注射の作用などは分かっていますが、フーナーテストが不良なのに、1年もタイミングを行う意味はあるのでしょうか?

 ご主人の精液検査の所見が良くありませんので、タイミング法は半年を上限とし、早めに人工授精(AIH)又は体外受精(IVF)にステップアップされることをお勧めします。
 フーナーテストは現在あまり行われておらず、その結果はあくまで参考でいいと思います。数回タイミングを取られた後再度精液検査を行い、ステップアップの目安とされてはいかがでしょうか。[2012年5月15日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:42 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:3回
 現在42歳で41歳のときにクロミッドで誘発し、良好胚が1つできて移植しましたが着床しませんでした。その後完全自然周期とクロミッドでの誘発で、採卵前のホルモン値は生理後11日目でE2が370、LHが16、卵胞は22ミリでした。その夜にスプレキュアをして2日後に採卵しましたが、空胞しか採れませんでした。
 空胞はもともと卵が入ってないのか、それとも採卵が早すぎたのか気になっています。
 また生理後3日目のFSHは6.9、E2は45で見えた卵胞は2つでした。注射による誘発をしても卵胞が2つしか見えない場合はだめでしょうか?このままクロミッドだけでよい卵がとれるまで気長に挑戦するべきでしょうか?今後どのような治療をすればよいのでしょうか?

 月経3日目の胞状卵胞が2つで、FSHが6.9、E2が45ということは正常な状態です。クロミッドで排卵するのも1つの手ですが、クロミッド+HMGまたはFSHなどで、排卵誘発剤の数を増やすのも有利だと思います。いろいろ試行錯誤し、排卵誘発法を変えてみてチャレンジしてみてください。[2012年5月2日]
(院長: 田中 温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:7回 体外受精:8回
 いつも移植後3日目くらいから少量の出血があります。茶色のベタベタした感じがほとんどですが、たまに鮮血のときもあります。最近の4回は凍結胚移植を行いました。胚盤胞のグレードAを2個、ホルモン補充周期で、アシステッドハッチングのZD法やZT法をし、移植前に子宮内洗浄をしてから戻していますが、まったく陽性反応がありません。着床しないのは、移植後の出血が原因なのではないかと不安です。
 凍結胚はあと8個残っています。今後、妊娠するためにはどうしたらいいのでしょうか?

 移植時は、子宮の一部を排除してからカテーテルを入れますので、どうしても出血します。しかしこの出血は、子宮外での出血ですので問題ないと思いますよ。月経周期が規則的なようですので、ホルモン補充周期ではなく、排卵日を見つけてぜひ自然周期で移植する方法を選ばれてはいかがでしょうか。[2012年5月2日]
(院長: 田中 温)
年齢:43 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:3回 人工授精:1回 体外受精:回
 結婚が遅く、42歳の時に4ケ月経って妊娠しなかったため、産婦人科でタイミング3回、人工受精1回を行いましたが結果が出ず、不妊専門医へ転院しました。
 転院後の検査でAMHの値が0.0ということが判明し、これまでに排卵誘発は4回行いました。排卵誘発はこれまで4回行い、1回目はフェリング・テイゾー・セトロタイドを8日間用いて卵を育てましたが成長が停滞し、採卵した結果は空胞でした。その後は、注射を減らし自然+注射を2〜3日続けてみましたが、空胞が2回と、卵の成長が途中で止まり中止になったのが1回で、体外受精まで進むことができません。
 年齢や長期のダイエットからくる生理不順、AMHの結果からして過度の期待はしていませんが、残された時間で何とかならないか頑張ってみたいと思います。卵が空胞になるというのは、成長する前から決まっているのですか?それとも、成長の過程で何らかの原因が加わったために起きるのでしょうか?こんな状態ですが、いつかは良い結果が出るのでしょうか。

 卵胞が空胞という事は、正常な卵子の発育は行えていないということです。今まで行ってきた調節刺激ではなく、低刺激をされてみてはどうでしょうか。[2012年5月2日]
(院長: 田中 温)
年齢:31 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:回 体外受精:回
 結婚して3年、不妊治療中で黄体機能性不全と診断され、現在タイミング法でクロミフェンとHCG注射を組み合わせ治療しています。
 先月は卵胞が見えないと言われましたが、今月は卵胞が見えて12ミリだったのでHMG注射をして夫婦生活を持ちました。その後の診察で排卵が終わっていると言われ、タイミング的には良かったと期待しましたが、高温期にならず体温は35.8〜36.2℃のままでした。
 無排卵は高温期にならないと聞きますが、クロミフェンやHMGの注射をしても卵胞が見えず無排卵の可能性が高い場合、妊娠することは不可能ですか?他に治療方法はありますでしょうか?

 基礎体温が二相性ではないという点は、正常な排卵が起きてないことを意味します。このような場合には、血液中のホルモン検査を行い、どこの部分にどの程度の支障が生じているか調べることを、第一にやるべきです。その結果を見て、治療方針を立てた方が良いと思います。
 同じHMG・FSHの注射を打つ場合でも打ち方、量、またはそれに加えて飲み薬のクロミフェンやGnRHのアゴニスト、アンタゴニストの使用など、治療方針に合わせていろいろなバリエーションが出てきます。[2012年4月17日]
(産婦人科医: 伊熊 慎一郎)
質問一覧に戻る   |    このページの最初へ   |    TOPページに戻る