回答一覧 - タイミング治療と人工授精 No.13 -
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:6回 人工授精:3回 体外受精:2回
 過去にタイミング・人工授精・体外受精を数回行い、前周期よりタイミングにステップダウンしています。生理が来てから2週間後に市販のLH判定薬にて陽性反応、基礎体温も高温期になったと判断したので、一日置きに夫婦生活をとりました。高温期3日目辺りからデュファストン錠13日間服用しました。
 前周期は53日間で、現在54日目です。市販の妊娠判定薬にて陽性判定後すぐ生理が来てショックを受けた経験があり、陰性反応が出る事も怖く、まだ確認していません。あまり長く様子を見るのはダメなのでしょうか?

 通常月経周期でLH反応が出てから排卵が起こり、妊娠成立となれば約2週間で妊娠反応は出ます。
 現在54日目で月経が来ていない場合は、妊娠反応のチェックと診療を早めに受けて頂くのがよろしいかと思います。長く様子をみることは悪いことではありませんが、他に月経が遅れている原因がある可能性もあります。[2015年10月2日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:2回 体外受精:回
 自己流ですが、基礎体温と排卵検査薬でのタイミングを1年間とって妊娠できなかったので、現在人工授精を行なっています。ホルモン検査、卵管造影検査、精液検査など全て異常ありませんでした。
 今回自然排卵に合わせた人工授精2回目です。2回とも管がなかなか入らず時間がかかり、子宮をつまんだり器具を通したりを繰り返すので、お腹の痛みを伴い出血します。後屈子宮で屈曲が強いようですが、卵管造影の際には管はすんなり入りました。今回は途中でボルタレン坐薬25を使ってもらいました。処置中の痛みは辛かったですが、処置後はとても楽でした。
 以下が今周期の経過です。
 D15 卵胞22mm AIH hcg5000
 D16〜高温期 
 D17 卵胞18mm 「黄体化のような見え方だが念のため」と言われhcg5000
 D18 タイミング
 D19 卵胞17mm 「おそらく排卵後でよいが、これ以上どうしようもないので様子をみましょう」と言われ、デュファストンを10日分処方されました。
 一応縮小してはいますが、丸く黒く見えるので、LUFの可能性が高いのでしょうか?そうだとするとこれはボルタレン坐薬を使った影響でしょうか?処置後の痛みがなく楽だったことと、「次回があれば使いましょう」と医師に言われたので、今後の使用について迷います。
 また、もしステップアップしたとしても管の入りにくさは変わらず、採卵・胚移植の際には同じように痛むのでしょうか?

 HCG投与時にボルタレンを使用すると、排卵する際に必要なプロスタグランジンという成分を抑制するため、かえって排卵を抑制している可能性があります。もし、AIHを行う際にボルタレンを使用するなら、HCGを投与した翌日のAIH直前30分前くらいに投与するのが良いのではないかと思います。
 体外受精にステップアップした際も子宮後屈が強いと柔らかい素材のチューブは入りにくく、痛みを伴うことが予想されます。その場合は、硬い素材のチューブをあらかじめ通してから移植チューブを管内に挿入し、胚移植するのが良いと思います。移植時の経腟的操作で痛みがお辛い場合は、軽い静脈麻酔で沈静してから移植するのもひとつの手だと思います。[2015年10月2日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:28 基礎体温:二相性 生理周期:不明 タイミング法:16回 人工授精:1回 体外受精:0回
 今までに排卵検査薬で陽性の時や陽性になりかけの排卵直前に卵胞のサイズを見てもらったことが数回ありますが、いずれも26〜30mmでした。前回計測した卵胞サイズから排卵直前の卵胞サイズを計算すると、12mmを越えた辺りから日に3〜4mm成長しているようです。
 以前排卵誘発剤を使用した時には毎回卵胞が36〜50mmになったので、ここ1年ほどは自然排卵です。体質なのか、毎回卵胞が後半に急激に大きくなり、一般的な20〜22mmで排卵せず、30mm近くなって排卵しているようです。
 また、以前は月経周期が37日前後で安定していましたが、ここ最近の3周期は27〜33日となっています。
 不妊歴1年7ヶ月ですが、卵胞が大きいことが原因である可能性はありますか?
 早く排卵させるには、注射をする以外に自然に早めることはできないのでしょうか?夫婦ともに他の検査で問題はありませんでした。卵胞が大きすぎるので、卵子の質が悪いのではと不安です。

 クロミッドなどの排卵誘発剤を使用した場合、排卵直前の卵胞が30mm以上であることをしばしば経験しますが、タイミングや人工授精後から3日以内に超音波検査で排卵が確認されているようでしたら、妊娠する可能性はあると思います。もし、自然周期で排卵する直前にタイミングや人工授精をお考えの場合は、卵胞計測時20mm前後になったところから頸管粘液と尿中LH定性を行い、頸管粘液がさらさらとして10cm近くまで伸び、蒸発させた時に鮮やかなシダ状の結晶が出ていること、尿中LH定性ではっきりとした陽性のサインが出た日のうちに行うことをお勧めします。
 それでもなかなか妊娠に至らない場合は、奥様の卵管造影検査で卵管通過性を調べたり、ご主人の精液検査で精子の数や運動性を調べることをお勧めします。また、それらの検査で問題ない場合は、腹腔鏡検査を行い、卵巣・卵管周囲の癒着の有無を確認し、不妊の原因となっていないかを精査することも考えていただければと思います。[2015年10月2日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:36 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回 
 子宮内膜症の手術をして1年半になります。現在不妊治療を続けていますが、子宮内膜が5〜6.5mmととても薄く、クロミッドとタイミング法で様子を見ていますが、なかなか結果が出ません。年齢は36歳になり、結婚4年目ということもあって悩んでいます。
 内膜が薄いと着床しにくいと聞きますが、やはりそのことが原因なのでしょうか?クロミッドも飲み続けると内膜が薄くなっていくと聞いたことがあるのでとても不安です。
 ステップアップをして体外受精をしたとしても、着床に問題があるとなかなか良い結果は望めないのでしょうか?
 (2015年8月 第16回 セミナーより)

 子宮内膜は着床の場としてとても大切ですが、子宮内膜が薄いことのみが不妊の原因とならないことが多くあります。結婚4年目とのことで、自然妊娠に至らない原因の検索をする必要があると思います。
 まず子宮卵管造影検査はいかがでしょうか?卵管閉塞の有無を確認しましょう。次いで問題がなければ、卵管周囲の癒着の有無を腹腔鏡で検査しましょう。とくに卵管采周囲の癒着は子宮卵管造影では分からないことが多いです。所見次第では大きく方針も異なりますので、検討してみてはいかがでしょうか?
 またクロミフェンによる子宮内膜の菲薄化は言われております。その程度によっては薬剤の変更も考えられます。ですので、大切なことは現状の把握と思います。相談しながら治療していけば、望みはあるはずです。[2015年8月27日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:1回 体外受精:回 
 今月初めて人工授精しましたが、赤ちゃんはできませんでした。一年間病院に通っていますが、できないことへのストレスと、この先が見えないことへの不安がとてつもなく大きいです。赤ちゃんができないことで「自分のからだはどこか悪い、おかしい」と思い始めたら、今通っている病院に不信感まで抱くようになりました。
 このような理由で遠方からセントマザーに病院を変えようとすることは、珍しいのでしょうか?

 流産後は妊娠しやすいということもよく言われますが、なかなかできないということもよくあります。
 まずは正確な検査をして、それに適した治療を行うことが重要です。それと疑問に対する十分な説明です。不妊治療の基本は治療される患者様と治療を担当する医師との信頼関係が最も重要と考えています。信頼感を失った場合には転院をされたほうがよいと思います。[2015年5月27日]
(院長:田中 温)
 年齢:41 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:6回 人工授精:回 体外受精:回 
 41歳ということもあり、タイミングから顕微授精にステップアップしました。タイミングの時はクロミッド服用で卵胞育たず、不妊専門病院に転院して顕微授精で治療中です。フェマーラでも卵胞がなかなか大きくならず、生理から4週間以上たっても8mmまでしか育たなかったため、顕微授精がキャンセルとなりリセットしました。採卵まで行けず大変ショックでした。
 FSHが28と高く、担当医からは「プレマリン服用で様子をみて、FSHが下がったら次は薬を変えてやりましょう」とのお話がありました。やはり、この年齢でFSHが高いということは顕微授精をしたとしても挙児は難しいのでしょうか?

 度重なる治療のご苦労をお察しいたします。
 FSHの数値が上昇しているのは、卵巣機能が低下しており下垂体から卵巣に絶え間なく刺激を送り続けている状態であるからと考えます。そのような状態の場合は、排卵誘発剤を使用しても卵胞が育たずキャンセルになったり、反応があっても1個しか卵胞が発育しない、採卵しても質の良い卵子が採取できないことが予想され、顕微授精を行っても挙児は難しいと思われます。
 月経期間中の胞状卵胞の数と大きさを調べてみてください。1〜2個でも認められれば、排卵誘発可能です。[2015年4月7日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:回 体外受精:回
 半年前に胎嚢を確認できず流産し、その後、排卵障害と診断されました。
 クロミッドを生理三日目から内服し、タイミングを診てもらっています。これまで二度失敗し、現在三度目の治療中で卵の育ちを待っています。排卵日に夫婦生活を一度しかしていなかったのですが、それが授からなかった原因なのでしょうか?

 卵はしっかりと育ち、排卵したのでしょうか?
 当院では18〜20mmの十分大きな卵胞が育った場合、HCGの注射、又はGnRHアゴニストの点鼻により排卵時間を調節した上でタイミングをとってもらっています。
 その両者いずれかを使用すると、そこから約36時間で排卵となるため、タイミングの精度はとても高くなり、ズレはほぼありません。そういう形でタイミングをとっているのであれば、1度でも全く問題ありません。
 薬を全く使用せず、自然の排卵を待っているのであれば、やはり2〜3回はタイミングをとられた方が良いかもしれません。[2015年4月7日]
(産婦人科医:御木 多美登)
 年齢:37 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回 
 クロミッドを服用しても卵のサイズが8mmと大きくならず、次回は注射で治療をするように診断されました。この流れは一般的なのでしょうか。クロミッドでの治療を繰り返していれば卵が大きくなることがあるのか、それとも、注射に変更する方が妥当なのでしょうか。夫婦ともに勤務時間が不規則で夜勤もあるので、タイミング法は厳しい状況です。100%妊娠するとは思っていないので、ライフスタイルを変えてまで治療に踏み込めない心境もあります。

 クロミッドの内服をどれくらいの周期行ったのか、月経が不規則で無排卵の原因が何であるのかにもよりますが、クロミッドで低反応である場合、hMGなどの注射を併用することは、よくあります。
 また、妊娠を考えていくにあたり、一度ホルモン状態の検査を行い、何故排卵しないのかを正確に検査し、それに対して最も適した治療をされて下さい。[2015年4月7日]
(産婦人科医:山口 貴史)
 年齢:45 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:1回
 結婚が遅かったのですが、43歳の時に初めてのタイミングで妊娠し出産、現在2歳の子供がいます。その後、兄妹を作ってあげたいと思い自分でタイミングを取りながら一年ほどトライしてみたのですが授からず、不妊治療のクリニックへ行きました。
 FSHが高く更年期に差し掛かっていましたが、やる価値はあるかもということで治療を始めました。二周期目に卵胞が一つだけ育ったものの空胞で、治療はキャンセルとなりました。今後は自然に授かることに期待しようと思い、主治医から「FSHが高いからもう自然にはなかなか排卵しないので、プレマリンを飲んで排卵を起こしましょう」といわれたので、プレマリンのみを毎日2錠飲んでいます。他の薬は何も飲んでいません。
 このような服用状態でも本当に排卵はされるのでしょうか?プレマリンのみの服用ですが、副作用はありませんか?

 低温期でのプレマリン単独使用は原則的には排卵を抑制します。ただし、プレマリンの影響で卵胞が発育することはたまにあります。
 プレマリンよりも、ピルでFSHを下げて排卵誘発をした方が有効ではないでしょうか。[2015年1月21日]


(院長:田中 温)
 年齢:34 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:12回 人工授精:回 体外受精:回 
 ストレスのため、順調だった生理が自然に来なくなって14年目になります。卵管造影など検査を一通りうけ、問題は見つからなかったのですが、何度か多嚢胞性卵巣と言われました。
 クロミッドと注射を使用するタイミング法を一年前から行っていますが、未だに妊娠しません。クロミッドの副作用で内膜が薄い状態になったのでセロフェンに変更しましたが、次は卵が育たなくなりました。やむを得ず、最近はクロミッドを服用しています。
 今回はクロミッドで卵が19ミリまで大きくなっていますが、内膜が4.5ミリくらいしかありません。対処として注射を打ちましたが、このような状態で人工授精をしても妊娠する可能性はありますか?

 排卵障害の原因を詳しく調べることが第一です。その結果、多嚢胞性卵巣なのか多嚢胞性卵巣症候群なのか、はっきりします。多嚢胞性卵巣症候群であればクロミッドは効果が無いので、少量のFSHを追加するか腹腔鏡下でのドリリングが重要です。もし多嚢胞性卵巣症候群でないのであれば、腹腔鏡下でのドリリングはかえって卵巣機能を排除させるリスクがあるのでご注意ください。その場合はクロミッドと少量のFSHが効果があると思います。[2015年1月21日]

(院長: 田中 温)
年齢:31 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:0回 体外受精:0回 
 1年前に卵巣嚢腫(境界悪性Ic期)のため右卵巣と卵管、大網の一部を切除しました。また、子宮の外側に2cm大と内側に多数1cm未満の子宮筋腫があるとも診断されています。病理結果は問題なく現在は経過観察のために通院をしています。再発前に妊娠するように医師から言われていますが、1年経っても妊娠できず、経過観察とは別の病院でタイミング法などの不妊治療を始めました。
 通水検査で左卵管が通っていることは確認しています。精液検査も一度しましたが、600万と数が少なく、フーナー検査では8時間後の確認で精子が見当たらなかったため、「人工授精した方がいいかも」と言われています。
 また、血液検査の結果、「排卵が十分に起きていないかもしれない」と言われ、セロフェンを処方されました。ただ、ネットで調べたところセロフェンは卵巣嚢腫や子宮筋腫がある場合だとあまり使用しない方がよいのではないかと思いました。妊娠を急いでいる場合には、嚢腫や筋腫があってもセロフェンを処方するのでしょうか?

 妊娠できない原因は手術による卵管の癒着だと思われます。卵管が癒着した場合には自然妊娠、または人工授精での妊娠は不可能となります。
 年齢を考えますと、一度腹腔鏡検査で卵管の癒着の有無を調べることが重要となります。もし癒着がなければ人工授精を続けられて結構だと思います。[2014年11月17日]
(院長: 田中 温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:4回 体外受精:回
 排卵はD12〜D18くらいと幅がありますが、毎月排卵はしており卵管造影検査や各種血液検査で異常はありませんでした。主人の年齢が55歳ということもあり、早めに人工授精をすすめられ、計4回行いました。はじめの3回は完全自然周期で、人工授精時に1回hcgの注射を打ちましたが妊娠しませんでした。その後、通院の都合で転院しました。
 現在通院中の病院では、排卵誘発による人工授精をすすめられ、セロフェンを生理3日目から1日2回5日間内服しました。しかし、セロフェン服用後の内診で卵胞が大きくなりすぎて内膜も薄かったことから、中止となりました。医師によると、前周期の遺残卵胞かセロフェンの効きすぎが影響したのだろうということでした。D15で排卵済みを確認しました。
 セロフェンでうまくいかなかったので、次はフェマーラに変更になりました。D3〜D7までフェマーラを服用し、D10以降はhmgフェリング注射を隔日で打ちましたが、D14とD19の2回分は仕事の都合で打てませんでした。D19で体温がガクッと下がりましたがD20で体温が上がりました。D20では排卵検査薬強陽性で腹痛を起こし、翌日D21では中陽性で、この日から高温期がずっと続くのですが、まだ排卵していないと言われました。更にその翌日のD22では弱陽性となり、成長が遅いとのことでフェリングからテイゾーに変更しました。D23以降も妊娠検査薬を使用していますが全て陰性です。右卵胞が20mmを超えたのでD27に人工授精をしました。医師は排卵前なので高温期になることはあり得ないと仰っていましたが、体温変化から見てD20から高温期に入ったのは間違いないと思います。
 気になっていることが数点あります。
 (1) 体温の変化や検査薬の結果を見るとD20前後に排卵した可能性が高いように思いますが、D21の時点では排卵前だと言われたので未破裂卵胞になってしまうのではないのでしょうか?未破裂卵胞の状態で人工授精をしてしまったのではないかと思い、次の周期に影響しないか心配です。
 (2) いつもより大幅に排卵が遅れたのは、仕事の都合で来院できずhmg注射を打つ間隔が長くなってしまったからなのでしょうか?
 (3) D24で左卵胞18mm、右卵胞19mmで2つ排卵するかもしれないと言われていたのですが、翌日には「左はダメみたいだね」と言われ、計測もしませんでした。たった1日でしぼんでしまうことはあるのでしょうか?

 (1) 奥様の経過から推測しますと、D20の頃に排卵したものと思います。排卵後の場合、注射剤を追加すれば見かけ上は卵胞が発育しているように見えますが、排卵が起こる可能性や成熟卵が得られる可能性は低いと思います。排卵後、日数が経過しておりますので、人工授精をしても妊娠する可能性は考えられにくいです。次の周期の月経時に遺残卵胞が認められる場合は、ピルで1周期卵巣を休ませることをお勧めします。

 (2) HMGを注射する前に卵胞計測はされましたか?フェマーラの内服のみでもある程度卵胞が発育したものと思います。そこへさらにHMGを追加したことにより卵胞が発育し、排卵したものと思います。次回はHMGを注射する前に卵胞計測をしてみてはいかがでしょうか。

 (3) 排卵後は卵巣から黄体ホルモンが分泌されるため、排卵しなかった卵胞はそれ以上育たず縮小した可能性が考えられます。[2014年11月17日]

(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期: タイミング法:8回 人工授精:1回 体外受精:回
 現在米国在住で、先日一時帰国したときに不妊クリニックで一通り検査をしましたが、特に原因はありませんでした。
 それまでタイミングを自己流で6回挑戦しましたが妊娠できなかったので、人工授精をすることになりました。その時HMG、HCG注射と高温期にルトラールを処方されたため、医師に副作用やその後の排卵への影響について質問しましたが、特にないと回答されました。残念ながらその人工授精後も生理がきてしまいました。
 人工授精後の2回の排卵がいつもより3日ほど遅くなったことが気になっています。いつもは14日前後なのですが、今回は17日目でした(排卵検査薬にてチェックしました)。
 そもそも私は自力で排卵できていたのに、HMGやHCG注射をされたことで悪い結果になってしまったのではないかと、とても心配になっています。たった1回のHMG、HCG注射が卵胞の成長の妨げになってしまうことはあるのでしょうか?

 タイミングのときは自然での基礎体温を見ながらの方法だったのではないかと思います。人工授精するときにHMG、HCGで数多くの卵を作ったのは妊娠率をあげるためですが、それについて近医の先生から十分な説明がなかったこと、またこれまで自然でのタイミングであったことなど患者様自身にHMG等を使用することに十分納得できないままの治療であったために、不安になったのでしょう。
 治療によっては卵のできる速度は多少変わるもので、3日ずれたことやHMG、HCGを使用したことは今後にはまず問題はないでしょう。[2014年11月17日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:29歳 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 現在クロミッドを飲んで、タイミングを診ていただいていますが、右から排卵します。片方の卵巣からばかり排卵することはよくないのでしょうか。それが原因で妊娠しづらいことはあるのでしょうか。
 (2014年7月 第15回セミナーより)

 どちらの卵巣から排卵するかは直前にならないと分かりません。片側からしか排卵しないからといって卵の質が低下したり、妊娠しづらくなることはありません。クロミッドを内服した場合でも片側に1個の卵胞しか発育しないこともあります。ご心配でしたら、HMGまたはFSHの注射剤を使用し、反対側の卵胞が発育するかを確認することもできますので、ご相談ください。[2014年8月12日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
 年齢:35 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:30回 人工授精:回 体外受精:回 
 多嚢胞性卵巣です。プラノバール、クロミッド、HCG、HMG等を使用した治療を3年ほど続け、妊娠、出産しました。現在子供は1歳2ヶ月です。そして、今回2人目の妊娠に向けて同じ治療を行おうと思っています。
 心配していることは、最初に妊娠した時は何度も排卵を起こしたあとの卵でしたが、治療を再開して採れる卵は2年ほど無排卵の状態の後にできた卵ですから、状態が悪い可能性があるのかということです。そのような卵は、そもそも育ったり受精しなかったりするのでしょうか?
 早く2人目の子供が欲しいのですが、数ヶ月ほど身体を休めてリセットした方が良いのかと悩んでおります。

 あなたは月経周期が不規則で、二相性でないことより、恐らく多嚢胞性卵巣症候群だと思います。一人目を出産した時も多嚢胞性卵巣ではなく多嚢胞性卵巣症候群だったのでしょう。
 飲み薬・注射は必要になると思います。卵巣があまり腫れないように、注射の量を十分コントロールして排卵誘発をしていただければ大丈夫だと思いますよ。35歳ですので、卵巣機能が急激に低下しているということはないと思います。[2014年7月2日]
(院長:田中 温)
年齢:35 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:9回 人工授精:0回 体外受精:0回
 現在、基礎体温をつけながらクロミフェンで内服治療を行っています。普段基礎体温表は高温相が短く二相性になっているかわかりにくい状態で、生理周期も24日から31日と不規則です。
 今回も基礎体温表の排卵日が今一つ不明なため排卵チェッカー(唾液にて)を使用すると、生理後10日目に排卵日と出たので病院で膣エコーをしました。左が排卵しているという診断でした。
 その後基礎体温は16日目から高温相になり、16日目にまた排卵チェッカーで排卵日と出たのですが、これは排卵ですか?また、2回排卵することはあるのでしょうか?一応性行為は持ってみたのですが、そこで妊娠する可能性はありますか?

 排卵検査薬はLH(黄体形成ホルモン)の濃度を検出する試薬で、一般的に反応が陽性を示した時期が最も排卵する可能性の高い時期と考えます。しかし、月経不順の方はLHの基礎値が高いために陽性と出る場合があります。その際、発育卵胞が認められなければ排卵しませんし、基礎体温も上昇しません。奥様は16日目から基礎体温が高温相となっているので、その時期に排卵したと考えられます。適切な時期に夫婦生活を行われているようであれば問題ありません。
 尚、一回の月経周期に二回排卵することはありません。[2014年4月4日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:9回 人工授精:1回 体外受精:0回
 タイミング療法を始めて4回目で妊娠しましたが、8週目で自然流産しました。その後4か月後に再びタイミング療法を再開したものの、5回とも妊娠に至らなかったため人工授精にステップアップしようと思います。
 このまま5〜6回人工授精を試みた方がよいのか、39歳という年齢的にも人工授精をとばして体外受精に移行した方がよいのでしょうか?

 タイミング法で一度妊娠されていますので、子宮卵管造影検査で両側卵管の通過性が良好で、ご主人の精液所見が良好であれば、人工授精へステップアップして頂いて良いと思います。
 奥様の年齢からすると、少しでも早い妊娠が望ましいですので、まず2〜3回試みて妊娠に至らない場合は、体外受精へのステップアップもご検討されてみてはいかがでしょうか。[2014年1月31日]
(産婦人科医: 伊熊 慎一郎)
年齢:38 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:100回 人工授精:7回 体外受精:0回
 不妊治療をはじめて10年になります。
 治療を始めた頃は卵が育たず、毎日排卵誘発剤を打っていても排卵されない状態が続きました。最近になり飲み薬だけで排卵できるようになりましたが、タイミング療法では妊娠まで至らなかったので、医師の勧めもあり人工授精に踏み切りました。次は8回目の人工授精を予定しています。
 「人工授精のターニングポイントは6回目で、それ以降は繰り返してもあまり成果はない」と医師に告げられました。体外受精に踏み切る時期なのかもしれませんが、費用のことや最後の治療法になることを考えるとなかなか決断できません。
 そこで質問ですが、摂食障害を20年近く患っており、過食嘔吐が続いています。体重が戻り始めてから排卵がうまくいくようになったのですが、妊娠に至らない原因はそのせいなのでしょうか?どうしても治せずに苦しんでいます。この状態で不妊治療を続けても無意味なのでしょうか?

 排卵誘発剤の内服で排卵が起こるようになっていますので、現在の治療で妊娠に至らない原因が摂食障害によるものとは、必ずしも言えません。
 人工授精は、1回あたりの妊娠率は10%程度で、6回以上続けても妊娠に至らない場合は、卵管周囲の癒着を調べるための腹腔鏡検査を行い、異常がなければ飲み薬+HMG(FSH)の人工授精をするのも効果があると思います。もし卵管周囲に癒着があるならば、体外受精へのステップアップをお勧めします。奥様の年齢であれば、妊娠できる可能性がありますので、ご検討されてみてはいかがでしょうか。[2014年1月31日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:5回 人工授精:回 体外受精:回
 私は現在40歳で、私側の不妊原因の治療は終えていますが、高齢のためうまくいきません。精液検査は主人の意向で行っておりませんが、主人には前婚時の子供がいます。
 今までにフーナーテストを5回行い、1回だけ合格が出ています。合格した際のタイミングは、流出や匂いからその他4回とは明らかな違いを感じましたが、主人は毎回同じだと言っていました。私としては、射精ができていない時が多いのではないかと思います。
 主人は44歳で身長183cm、体重67kgです。持病や常用薬はありませんし、高熱や炎症、手術歴もありません。
 どのような原因・病気・治療法が考えられますか?
 私としては人工授精にステップアップしたいのですが、主人が消極的です。

 フーナーテストは正確な検査ではありません。まずは、精液検査を正確に受けてください。すなわち、精子の数や運動率の検査です。その結果、正常状態よりも低下している場合には人工授精をお勧め致します。フーナーテストの結果は参考程度になりますが、5回中4回も問題があればやはり人工授精が良いでしょう。[2013年12月21日]
(院長: 田中 温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:1回 体外受精:回
 結婚6年目で、1年くらい前から病院に通っています。
 以前に卵管造影検査をしたところ、両側詰まっていたのが片側だけ通るようになりました。クロミフェンを飲んでタイミングを測っていたのですが、その時は排卵せず卵胞がいくつも大きくなってしまい、ひどい腹痛に襲われました。  それから3周期くらい様子をみて、再度クロミフェンとHCGの注射でタイミングを測りましたが、妊娠しませんでした。今回、人工授精を行い結果はまだわかりません。卵管片方閉塞でもう片方も細くグニャグニャで、1度癒着した卵管は通りにくいと言われたのですが、タイミングや人工授精での妊娠は難しいのでしょうか?

 一度両側卵管が閉塞した状態から完全に正常な状態に戻ることは、不可能とお考えください。卵管は、排卵した卵子が精子と受精し分割する生命の発生する場所ですので、内腔が開通していることが重要ですが、それと同時に卵を取り込むための運動が必要です。そのために卵巣の周囲が癒着していると、卵子を卵管内に取り込むことができませんので、まずは腹腔鏡検査をお勧め致します。両側の卵管が萎縮しているのであれば自然または人工授精での妊娠は不可能となります。簡単な癒着であれば腹腔鏡下で剥離できますが、コンクリート付けの様に強度の癒着の場合であれば、体外受精に入られることをお勧めします。[2013年11月2日]
(院長: 田中 温)
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