回答一覧 - 漢方・鍼灸・民間療法 No.1 -
年齢:42 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 近々、体外受精(IVF)を予定しております。普通の食生活をしていますが、食物から取りにくい栄養摂取のため、いくつかサプリメントを服用しています。治療の際に、排卵誘発剤などのお薬とサプリメントを併用して摂取しても問題ないでしょうか。飲んではならないサプリメントがあれば教えてください。

 サプリメントは、栄養補助剤といわれているように、通常の食生活を行っている方には普通必要とはならないものです。しかし、食生活が偏っていたり、不規則であったり、外食等が多い方にとっては、必要となる場合もあります。また薬ではありませんので、薬効も無いため排卵誘発剤のお薬と併用して摂取しても、普通は問題ありません。しかしサプリメントの中には、ホルモン作用がみられるものもあり、このような作用のあるものを服用すると、排卵や卵の成熟に影響を及ぼすことも考えられますので、このようなサプリメントは飲まないで下さい。また作用のはっきりしないもの、逆に体に悪影響を与えるものもあり、そのようなことを考えてゆくと、あまり評価の定まった安全性の高いサプリメント以外は飲まない方が良いように思います。どうしても飲みたい場合には、サプリメントを見せて医師に尋ねてみるとよいでしょう。[2006年6月1日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:42 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 妊娠を希望する女性や妊娠中、授乳期には、特に葉酸が必要であると本や雑誌でよく紹介されております。
 私自身は、通常の食生活で、特に偏っているというわけではないのですが、卵の質をあげるためにも葉酸を摂取したほうがよいでしょうか。葉酸は、不妊治療にも効果的でしょうか?なぜ必要なのかを詳しく教えてください。また、体外受精の際に、葉酸を飲んでも問題はないでしょうか?

 葉酸は、水溶性ビタミンB群の一種で、緑黄緑野菜、大豆、キノコ、穀類に含まれています。わが国では、2000年に、「生殖可能年齢婦人妊娠成立前からの1日400μg以上の葉酸摂取」が厚労省から推奨されました。これには、胎児の先天異常(無脳児、脳瘤、二分脊椎など)を減らす目的があります。妊娠してからよりも、妊娠前からの葉酸の欠乏が影響するといわれています。また妊娠とは関係なく、葉酸には長期間の摂取により、「癌や痴呆、血栓塞栓症に将来なりにくい」可能性がある(血中ホモシステイン濃度の低下による)ともいわれています。
 しかし、不妊治療に効果があるかどうかは何ともいえません。コンビニやドラッグストアなどで売っているサプリメント(ビタミンB群)の常用量程度なら、問題はないと思います。[2006年6月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:1回 体外受精:15回
 体外受精を何度となく試みています。8回の初期流産(うち3度の心拍確認)をしているので、妊娠は可能と考えて治療を続けていますが、加齢と共に卵の質や内膜の厚さなどが低下してきています。
 体系も太り気味なのでスポーツジムに通うなどして医療行為以外に自分でもできる事を心掛けています。
 そこで卵の質や内膜の改善に少しでも良い作用があればと、漢方薬を試したいと考え、何件か薬局などに相談に行きましたが、「西洋医学と東洋医学の併用は駄目」と言われたりしました。
 治療で服用する薬との飲み合わせなどを考えると、セントマザーにて処方していただきたいのですが、来院する度にどうしていいかわからず、言い出せないまま帰ってきてしまいます。
 漢方薬の処方を希望する場合どうしたらいいのでしょうか?準備しておくものはありますか?次回来院予定まで1月以上ありますが、来院しないと処方してもらえないのでしょうか?

 漢方をご希望の際には、今までのデータと基礎体温表をご持参していただきます。そして問診表をご記入していただきます。できるだけ詳しく身体の状態を教えて下さい。漢方の問診表は、当院のホームページに掲載しておりますので、そちらを印刷してご利用されても宜しいですし、御連絡していただければ郵送も可能です。それらの資料を参考に、一人一人に合った漢方を処方致します。
 遠方でご来院ができない方は、漢方をお送りすることも可能です。ご希望の際には、ご連絡先、漢方の問診表、基礎体温表、当院の患者様以外の方は治療歴のわかる資料をご郵送下さい。
 なお、漢方を直接お渡しする場合には保険が効きますが、発送の場合には保険の適用外となりますのでご注意下さい。[2006年4月1日]
(薬剤師・カウンセラー)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:1回 体外受精:0回
 冷え性改善のため、「当帰四逆湯」を以前から服用しております。実際に服用している成分は、【当帰・木通・細辛・桂枝・白芍・甘草・大棗・附子・蜀椒・大黄】です。この度、体外受精にチャレンジしようと思うのですが、クロミッド、HMGの注射、またホルモン薬などの体外受精に関わるお薬との併用は、問題ないでしょうか?

 漢方薬は、目的を持って、ひとりひとりにあったものを服用されることをおすすめ致します。他の人にあったからといって、必ず自分に合うということはありません。専門家によく相談をして服用されて下さい。漢方薬は、ホルモン剤とは違う有効な効果を表しますので、ホルモン剤との併用は問題ないと思います。上記のお薬に関しては、問題ないでしょう。[2006年3月1日]
(薬剤師・カウンセラー)
 無精子症で、顕微授精をしています。無精子症の原因は分かりませんが、友人から「アロマテラピーだと精子が必ずできるから是非始めてみて」と勧められました。安い物ではなく、我が家には経済的な余裕があまりありませんが、可能性があるのなら試してみようかと思います。医学的にはどうなのでしょうか?

 アロマテラピーは無精子症には全く無効です。アロマテラピーはあくまでも補助的なものですので、その点は十分ご理解して下さい。
(院長:田中温)
 もうかれこれ3年ほど治療をお休みしております。以前3回ほど顕微授精にチャレンジいたしましたが、私の卵の質がとにかく悪かったために着床には至りませんでした。
 3年間、今までしたことのなかったフィットネス通いを始め、ずっと吸い続けていたたばこもやめましたが、卵の質は変わったりするのでしょうか?もしも、運動や禁煙をして、健康状態が良くなることで卵の質が変わる可能性があるのであれば、また治療を再開したいと考えています。治療を再開する場合には、どういったことに気をつければよいのでしょうか。

 私たちは色々な環境に取り囲まれて生活し、様々なものを取り入れて生きています。その中には体に有害であるとはっきりと証明されたものもあります。その代表的なものがタバコです。また、現在テレビなどで報道されている環境ホルモンやアスベストもご承知のことと思います。アスベストは赤ちゃんまで影響はしませんが、喫煙は卵の質ばかりでなく生まれてくる子どもにまで悪い影響を及ぼします。その面から考えるとアスベストよりもたちの悪いものです。もちろんアスベストとは違って、タバコは禁煙すればそれ以上健康に害を与えることはありませんので、禁煙されたことは大変良いことだと思います。
 不妊治療を始める前には、基本的に心身ともに健康であることが何よりも大切なことです。健康状態が良ければ卵の質も良い状態になります。そのためにフィットネスなどの運動も良い気分転換やダイエット効果も上がることになりますし、健康状態を改善する上でとても良いことです。このように心と体をリフレッシュして治療の再開に望んで下さい。
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
 クラリセージにはエストロゲン様作用があるそうですが、体外受精の周期にこのオイルを下腹部マッサージに使用してもさしつかえないでしょうか?排卵誘発剤との併用で害がなければ、使ってみたいと思います。使ってはならないアロマオイルなどがありましたら教えてください。

 クラリセージは、エストロゲン様作用があり、また通経作用もあります。排卵誘発剤との併用について、その安全性を確認できるデータは何もないようですが危険だというデータもありませんので、問題ないと考えます。しかし、体外受精を受けられる場合には、結果が出るまでは控えられた方が無難であると考えます。
 薬剤との相乗効果をご期待されることよりも、芳香浴でのリラクゼーション効果にて、少しでも受胎できやすい身体作りに精油をお役立ていただけることを望みます。芳香浴をされる精油は基本的にはお好きな香りであれば何でも構いません。
(看護助手)
 近年、たくさんのサプリメントが販売されています。インターネットで調べてみると、サプリメントを飲むと妊娠しやすくなるという記事がありました。妊娠するために効果的なサプリメントがあれば試してみたいと思いますが、何かお勧めがあれば教えてください。

 サプリメントに関しては、色々な情報がとびかっておりますが、基本的に私は一般的な食生活をされておられる方には必要ないと考えております。かなりの偏食で、野菜や果物の摂取量が少ない方には、ビタミンの補充は有用かもしれませんが、サプリメントをたくさん摂取し、肝心の食事がおろそかになってはかえって健康によくありません。
 妊娠を左右する最も大きな因子は、卵子の質、胚の質、着床の状態です。しかしながら、口から入る物は、ほとんどが胃や消化管の中で変化を受けます。また、ある一定量の濃度を超えた物は、体外へ排泄されてしまいます。ですから、これらが、卵子、胚および子宮内膜に及ぼす影響は微々たるものと考えます。
 不妊治療に関わらず、どんな治療においても、なにか少しでも効果があるものを試してみたいという気持ちは当然のことです。しかしながら、妊娠率を向上させるためには、もっと基本的な問題を解決しなければならないということをご理解下さい。
(院長:田中温)
 原則として栄養は、食物から摂ることをお勧め致します。ある一つのものを摂ることが大切ではなく、たくさんの栄養、ビタミン、ミネラル、たんぱく質、無機質などのものをバランスよく摂ることにより、健康が維持できます。ですので、必要が生じたときにのみ、服用することをお勧め致します。医食同源のごとく、食事が健康を作ります。
(薬剤師・カウンセラー)
 以前から冷え性・生理不順・生理痛(生理1,2日目は鎮痛剤が必要)・生理でレバー状の塊が出るなどの症状があります。卵管造影も腹腔鏡も問題なく、タイミングで妊娠可能と言われていて、タイミング・人工授精などで約1年半通院していますが、妊娠にいたりません。
 このまま何もしないよりは漢方薬を使って、体質改善を・・・と考えているのですが、そのような体質改善は必要でしょうか?また、効果的でしょうか?このような目的で漢方薬を使用する場合は、1ヶ月どのくらいの費用がかかるのでしょうか(保険適用でしょうか)?不妊雑誌などに載っている漢方薬は高価で長続きしそうにありません。体質改善以外に妊娠できる方法はないでしょうか。

 体質を改善するには食事、運動などの方が良いと思います。以前から冷え性や月経症痛などがあるようですが、まず一番の目的は、妊娠を希望されていることだと思います。卵巣機能を良くし、性機能全体が妊娠に向かっていくような漢方薬の服用が必要だと思います。ですので現在の目的、自分にあったものを服用することをおすすめ致します。また二次的である冷え性も改善する必要もあるかと思います。
 漢方薬は、民間薬とは異なります。来院された時には、漢方薬は保険の適応となり1ヶ月分で約6,000円、郵送となりますと保険適応にはならず1ヶ月分で約10,000円前後となります。また何かございましたら、メールなどで、いつでもご連絡下さい。
(薬剤師・カウンセラー)
 どうにかして妊娠をしたいので、色々な方法を試してみたいのですが、漢方薬を飲むことで大きな成果が得られるのですか?知り合いの方は、漢方を始めてから短い期間で妊娠しました。それほど効果があるのであれば、私も試してみたいと思いますが、費用が心配です。だいたいどのくらいかかるのですか?それから、鍼灸は効果がありますか?

 漢方薬は、男性不妊症(精子の数が少ない方、精子の運動性が悪い方)、または卵子の数が少なく、質の高い卵子が出来にくい方に積極的にお出ししておりますが、あくまでも漢方療法は補助的な治療です。
 このお薬を飲むことで見違える程よくなるということはあまり期待なさらないで下さい。体調を整える為には、有効かもしれません。但し、妊娠反応が陽性となった後には、予期せぬ事態を招く可能性がないとは断言できませんので、担当の先生によく相談されてください。
(院長:田中温)
 漢方薬は、お薬です。目的、タイミング、年齢、症状に合ったものを服用することにより、十分効果が期待できます。人が効くからといって、その漢方を飲むのではなく、自分に合ったものを服用するようにして下さい。費用は保険適用(3割負担の場合)2週間で約3,000円です。お薬は調剤薬局にてお渡ししています。
 鍼灸は、原因不明の不妊症に効果がある場合もあると思います。また、腰痛、膝、神経痛などの痛みを緩和するには十分期待できるでしょう。
(薬剤師・カウンセラー)
 こんにちは。私は極度の冷え性です。夏でも手足が冷たく、常に靴下が欠かせないくらいです。冷え性だと妊娠しにくくなりますか?漢方薬などで改善できるのでしょうか?

 冷え性ということは、妊娠しにくいということだけではなく、健康上でも望ましいものではありません。まず食事を改善し、また適度な運動(全身運動)など体を動かし、必要があれば漢方を服用する事も大切です。いくら外から体を温めても、内から体を動かし、血流を良くしていくよう改善する事が大切です。
(薬剤師・カウンセラー)
 なかなか妊娠できなくて悩んでいます。先日、漢方薬の某セミナーに出席しました。漢方薬は万能薬だと聞きましたが、服用すると卵の質が良くなったり、内膜が厚くなったりすることがあるのでしょうか?

 ホルモン剤では補えない、色々な部分に働きかけ、効果をあらわすのが漢方を服用する利点だと考えています。ですから、ホルモン剤との併用により、卵の質又は着床にも効果が期待できると思います。但し、漢方は万能ではありません。
(薬剤師・カウンセラー)
 雑誌などでよくとりあげられているコエンザイムQ10が、卵の質にも影響を及ぼすと聞きましたが、本当ですか?よくきくのであれば飲んでみようかと思うのですが。

 コエンザイムQ10などを含めたサプリメントは、日本人の標準的な規則正しい食生活を取られている方には不必要です。もし、いい卵子が摂れない場合には、サプリメントにたよるのではなく、いい卵子が発育できない理由を検討されるべきだと考えます。いい卵子が発育できない理由としてよく考えられる原因は、排卵は規則正しいか、肥満はないかなどです。
(院長:田中温)
 友人からマカが不妊に効くと聞いて2ヶ月前より飲んでいます。今度体外受精をするのですが、体外受精中も飲み続けても平気でしょうか?薬の飲み合わせなどがあればやめた方がよいと思っています。

 マカなどを含めたサプリメントは、妊娠する上で有効であると聞きますが、その因果関係は、科学的に証明されていません。
 まずは、なぜ妊娠できないか、なぜいい卵子や胚が採れないのかその原因追求から目をそむけず、検討することが先決だと思います。
(院長:田中温)
 プラセンタを飲むと卵の質がよくなると聞いたので、試してみたいのですが、注射と経口薬とどちらが効果的でしょうか?どちらも同じでしょうか?

 プラセンタは、サプリメントとしてよく耳にしますが、医学的に卵子の質を高めるという証拠は報告されていません。
(院長:田中温)
 移植後に、生のパイナップルを1日半分食べると、内膜がやわらかくなって着床しやすくなるということで、海外の医者が勧めていると聞きました。何日ぐらい食べればいいのでしょうか?

 パイナップルが、着床率を高めるために有効であるという科学的な証拠は報告されていません。
(院長:田中温)
 治療仲間が漢方を始めたと聞きました。薬局でも同じものを買えたので服用しています。体外受精(IVF)治療中に服用しても、治療に支障はないでしょうか?

 漢方薬は、非常に安全で誰にでも効果があると思われがちですが、決してそうではありません。ひとりひとりの体質は異なりますから、同じお薬でも、効果がプラスに出たりマイナスに出たりします。ですから、漢方薬を使用する場合には、必ず専門家に問診を受けて、お薬を決めることが重要です。
(院長:田中温)
 排卵誘発中に豆乳を飲むといいと聞き、がんばって大量に飲んでいます。が、イソフラボンがエストロゲン様の働きをするということは、排卵誘発で使っているホルモン剤の効果に悪影響を与えないでしょうか?

 大豆由来の植物性の卵胞ホルモン、イソフラボンは、エストロゲン様の働きをします。これが、いい影響を与えているという報告もありますが、実際には、あまり影響はないのではないでしょうか?ただし、あまりエストロゲンの濃度を高くしすぎると、排卵をおさえてしまうということもありますので、その点を十分注意してください。
(院長:田中温)
 ビタミンEが身体を温め、血行を良くするときき、毎日とっています。しかし、ビタミンEで、不妊治療中のホルモン値、E2値があがってしまうことがあると聞き、不安になっています。

 ビタミンEも、排卵のホルモン調節に有効であるということで、服用されている方がおられますが、はっきりと科学的に因果関係を示した報告はほとんどありません。毎日の食事の中で十分量は摂取できますし、多量にとられても不要な部分はすべて排出されますので、不必要と考えます。
(院長:田中温)
 子宮内膜が何をしても薄くて悩んでいます。子宮にレーザーを当てて、血行をよくして、内膜を厚くすることができると聞きました。試してみたいのですが、実際の効果はどうなんでしょうか?

 レーザーが血行をよくして内膜を厚くするということがいわれていますが、その証拠は報告されていません。プロスグラジンヌ膣錠も理論的には、子宮周辺の血行をよくするというのが使用目的の背景ですが、実際の効果としてはあまり認められておりません。薄い内膜を短時間内に厚くするのは大変難しいことなのです。
(院長:田中温)
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