回答一覧 - 不妊の検査 No.11 -
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 現在、アメリカに住んでいるのですが、人工授精(AIH)と体外受精(IVF)の違いについて質問があります。
 私は32歳、主人は44歳で、不妊治療を開始しようとしている段階です。不妊治療専門の病院で検査したところ、私には異常は見つからなかったのですが、主人の精子に異常が見つかりました。精子の数が少ないということで、自然妊娠は難しいかもしれない。と先日言われました。
 主治医からは、「体外受精をしないといけないかもしれない。」と言われましたが、体外受精の前に人工授精をする人もいるのでどちらをすべきか迷っています。人工授精をする人、と体外受精をする人の違いを教えてください。
 ちなみに、主人には前妻との間に2人の子供がいます。先週、彼が精液検査をしたとき、たまたまものすごく忙しい時期で、睡眠不足、仕事によるストレス、などで体調は万全ではありませんでした。生活リズムが元に戻ってから、再度、精液検査をしてみようと思っていますが、いきなりの「体外受精」という言葉に少し戸惑っています。どのように思われますか?

 精液検査の具体的な数、運動率はどれくらいだったのですか。精子の数が極端に少ないようでしたら、体外受精(IVF)が必要かと思います。ただ、お話からすると体調が万全ではなかったという事ですので、3〜4日間の禁欲期間をもち、体調のいい時に再度精液検査を受けられた方がいいでしょう。再検査の結果が良くなければ、体外受精の方がいいですし、良ければ人工授精(AIH)から初めてもよいでしょう。また、人工授精をおこなう場合は、卵管が通っていることが条件のひとつです。精子の状態がよくて、卵管造影検査でどちらかでも卵管の通過性があれば人工授精の選択でいいと思います。[2009年9月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:0回 体外受精:0回
 私は日常ケガをしたときは市販で売られているハイドロコロイド素材を使用した絆創膏を使用し、傷跡を残さないように心がけています。腹腔鏡検査の傷跡を、ハイドロコロイドゲルなどで密封閉鎖療法を行ない、創傷治癒促進能力を促進させることはできるのでしょうか? もし可能ならば、セントマザーでの希望はできるのでしょうか?

 腹腔鏡検査の時に、なるべく丁寧に術絆部(傷口)をAV埋没縫合した後に、オプサイトテープを貼付することは可能です。ただ、ケロイド状体質の方に対しては、どこまで効果的かは保証できません。手術直後は「きれい」に見えても、そのままにしておけばその数ヶ月後には、かなりケロイド状態が進行していると思います。とりわけ臍の直下の傷は段差や肉芽ができやすく、瘢痕化しやすい場所です。あまり大きな期待はしないで下さい。術後の瘢痕については、患者さんご自身が形成外科の先生とご相談して頂くことになると思います。[2009年10月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:1回 人工授精:0回 体外受精:0回
 1人目は自然妊娠で5年前に出産、その後2年ほど前から2人目を考えていますが、なかなか妊娠に至らず不妊治療を始めました。排卵はしていて、血液検査、精液検査は正常、ヒューナーテストは不良、子宮卵管造影検査で両卵管閉塞と診断され、体外受精(IVF)しか授かる方法はないと言われました。
 卵管を通す方法はないのか聞いたところ、昔は5時間前後の手術をする場合もあったが、今は手術をする病院を探す事が大変だとのことでした。色々調べたところ、通水治療やFTカテーテルという方法があると見つけました。
 両卵管閉塞の場合で、通水治療やFTカテーテルは治療適応外となる場合もあるのでしょうか。体外受精に入る前に、できる治療を行ってなるべく自然妊娠に近い形を希望しておりますが、通水治療やFTカテーテル治療を積極的に取り入れている病院とそうでない病院など、病院によって見解が異なるのでしょうか。

 両側卵管閉塞の場合にはFTカテーテルは適用となります。しかし、この両方とも卵管周囲に癒着がないことが前提です。もし卵管の周囲に癒着が生じている場合は、たとえ子宮内腔が開通したとしても自然妊娠は非常に困難だと思います。クラミジアの検査はどうだったでしょうか。クラミジアの感染が原因の場合には、たとえ卵管内が開通したとしても、卵管内の受精、子宮内への胚移動の機能は低下すると思います。
 卵管周囲の癒着の有無は、腹腔鏡検査をしなければわかりません。子宮峡部での癒着閉塞であるならば、まず通水を5〜6回行い、子宮卵管造影を再度行い、同じ状況であればFTカテーテルの適用となります。[2010年5月15日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回 
 4年前に子宮内膜症で右卵巣の一部切除しました。以前から、左の下腹部へ違和感(排卵頃)があり、手術の際に確認してもらいましたが卵管の通過はしていたようです。
結婚を機に、定期受診で卵管の通過検査をしましたが、狭窄を認めました。卵巣自体は機能しているとのことでしたが、年齢のこともありますので、1年に12回のチャンスが半分になってしまった気がして、不妊治療をすべきかどうか悩んでいます。
 クリニックの医師からは、あまり考えると排卵障害につながるとのアドバイスをいただきましたので、排卵時期には、自分でタイミングをはかっていますが、左からの排卵であれば無駄だと思い、気持も沈んでしまいます。
 やはり、片方の卵管が狭窄していると、妊娠のチャンスは半分くらいになってしまうのでしょうか?今後の治療選択肢等があれば、ご教示頂けませんでしょうか。

 左卵管の狭窄とはどの程度のものでしょうか。その情報があればもう少し正確にお答えできると思いますが、現在の子宮内膜症の度合が不明で、35歳という年齢を考えると、そろそろ不妊専門の病院を受診すべきと考えます。狭窄がどの程度のものなのか、さらに本当に卵管以外に問題が無いのかどうか、一度調べたほうが良いでしょう。[2010年5月15日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:26 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:回 体外受精:回
 卵管造影検査で卵管閉塞と診断され、その後、数回の通水治療を行いました。通水治療を行うときに、ボルタレン座薬を使用していました。毎回痛みがありましたが、医師から液が卵管に入っていると説明を受けていました。
 しかし、2回目の卵管造影検査をしたところ、また両側卵管閉塞と診断され、液が入っていっていたのは卵管ではなく血管だったと伝えられました。その時に主治医に詳しく聞けなくて、不安に思い、ここで質問させていただきました。
 通水の時に液が血管に入るということはあるのでしょうか?どこの血管に入るのでしょうか...もし液が血管に入っていた場合、体に害はないのでしょうか?

 両側の卵管が閉塞されているとの事ですから、卵管造影のときにかなり痛みを感じられたのではないでしょうか。両側閉塞の場合、出口がないので圧力がかかり少量の造影剤が子宮の内膜を通って筋層内に入り、そこから血管内に移行することがあります。主治医の先生は卵管造影の際にそのあたりをよく知っておられたようで、すぐに造影剤の注入を止めたと思われます。もちろんその程度の量が血管内に入ったとしても問題ありません。[2010年4月1日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:36 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 去年の2月と10月に、2回とも11週で稽留流産しました。そのために、血液検査を行いましたが異常なしとの事で、今日HSGの検査を受けました。
検査前に何も説明を受けておらず、検査直前に排卵日だったので、主人と仲良くしました。HSG検査を行った時、もし卵子と精子が受精していても、 妊娠には影響は無いかどうかを問い合せたところ、先生から大丈夫と言われましたので検査を受けました。
 検査中の映像では弓状子宮でしたので、しばらくは様子を見ましょうということで帰宅しましたが、やはり心配です。受精直後に検査しても大丈夫でしょうか?

 当院では原則として、子宮卵管造影検査は月経終了から約1週間の間をお勧めしています。もし、やむを得ず、排卵前後や高温期に検査を行う場合には、排卵日近くに夫婦生活をしていなかったか、避妊方法をとっていたかを確認します。
 妊娠の可能性を完全に否定できない場合には、当日、子宮卵管造影検査を受けるかどうかは、患者さんカップルの自主判断に委ねる場合もあります。子宮卵管造影検査では、骨盤周囲にX線照射を行い、かつ、子宮内へ造影剤を注入します。また妊娠反応も陽性となる前の時期でもあり、胎児が悪影響を受けずに済む可能性も十分ありますが、100%安全という保証はできません。
 妊娠中に本人に全く思い当たる節がない場合でも、流産したり、生まれた児に先天的な異常が認められることもしばしばあります。
 もし検査による胎児への影響が全くなかった場合でも、結果として流産・死産や先天障害が起こった時には、子宮卵管造影をしていた事を一生後悔するかもしれません。そのような意味でも、当院ではこの時期にこの検査を受ける事はお勧めしておりません。
 今回は既に検査をされてしまったようですが、当院でもずっと以前に、そのような方で、後で妊娠が分かったカップルがいらっしゃいました。そのご夫婦はその後元気な赤ちゃんを出産されました。[2010年3月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:5回 人工授精:2回 体外受精:回
 タイミング療法から人工授精(AIH)とステップアップしましたが、私が通院している病院では、子宮卵管造影検査も行わないまま人工授精をすすめられました。20代の頃からガン検診等で通院しているレディースクリニックなので、先生を信頼して人工授精に2回トライしました。しかし、子宮卵管造影検査もしないで、人工授精を続けて良いものか?と思い、相談することにしました。
 他の検査(ホルモン検査・クラミジア検査・ヒューナー検査・精子検査等)はしました。夫の精子運動率が悪いことと、私もホルモンのバランスが悪いため、漢方薬を1年程服用しています。ヒューナーテストは2回行いましたが、2回とも結果はよくありませんでした。そして、前回の人工授精時、顕微鏡で頸管粘液と精子の様子を見せてもらったのですが、精子が全く頸管粘液に入ることはできずに、丁度真ん中あたりに粘液を突破できない精子の列ができていました。先生は、抗体があるから自然妊娠は無理で、人工授精でなければ妊娠できませんとおっしゃいました。私としてはタイミング療法を5回も受けた後に、今更自然妊娠は無理だなんて、なぜ初めから抗精子抗体検査をしないのだろうか?と疑問に思いました。その時点では私も勉強不足だったのですが、この時を境に先生に対する不信感が沸きました。自分の責任でもあるのでしょうが、やはり病院を変えるべきでしょうか?

 タイミング、人工授精(AIH)で結果が出ていないということですね。
人工授精が成功するためには、卵管の疎通性が確保されているのが原則です。よって、卵管造影は是非やっておきたい検査です。通院しているクリニックにレントゲンの設備が無いのなら、卵管造影だけ他の施設にお願いすることもできます。また、産婦人科は間口の広い分野ですから、そのドクターによっては得意分野、不得意分野はどうしても出てきます。精子運動率にも問題があるようですし、年齢のこともありますので、そろそろ不妊専門の施設で治療を受けることも考えると良いかもしれません。[2010年2月3日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 一年間避妊をしなかったのですが、妊娠をしなかったため不妊専門の病院にかかって一通りの検査をしました。すると、卵巣年齢検査(AMH)の結果が11で、29歳にしてはかなり低いとのことでした。
まだ、具体的に治療をしていないのですが、これからどのように進むべきでしょうか?
タイミングや人工授精(AIH)などはしないで、最初から体外受精(IVF)に進んだほうがいいですか?妊娠できるのかどうかとても不安です。

 AMHは29歳で11というのは、平均値の半分くらいの値ですが、この値だけで体外受精(IVF)の成績が悪いという事は予測できません。月経3日目までの胞状卵胞の数、位置、大きさ、E2、LH、FSHの値も参考にされてみて下さい。また、ご主人の精液検査、卵管造影などに異常がなければ、タイミング、人工授精(AIH)から入られても構わないと思います。
 一般的にAMHは、高齢の方の卵巣機能がどの程度残っているかということを調べるために主に使われる検査で、若い方の場合には高齢者に比べてその診断価値はあまり高くないと言われております。[2010年2月3日]
(院長:田中温)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:2回 体外受精:0回
 淋病にかかった事があります。感染した時期から発覚までに5年程かかっています。当時付き合っていた主人に感染し発覚しました。
今思うと、感染したであろう時期(もう20年も前のことなのですが)に発熱と下痢がありました。ただの風邪だろうと思い、内科にかかって、しばらくして治ったのではないかと思いますが、腹膜炎にかかってしまったのではないかと考えるようになりました?
 このような状況を踏まえると、卵管のつまりや癒着があると考えるべきでしょうか?8年前の卵管造影検査では、左側が詰まっていましたが、1年前の検査では、両方通っていると言われました。腹腔鏡検査なども行ってみるべきでしょうか?

 骨盤内に癒着が起こっている可能性はあります。
診断には腹腔鏡検査および卵管通色素検査をお勧めします。またクラミジア抗体(IgAおよびIgG)の検査もお勧めします。クラミジア感染も性行為感染症の1つで、現在では淋病以上に骨盤内癒着や卵管通過障害の原因として、注目されています。
 たとえ卵管造影では通過していたとしても、内壁にダメージが起こっていると、卵子の通過を妨げたり、子宮外妊娠の原因となる場合もあります。
 一旦癒着したものは薬で元に戻すことはできません。自然妊娠が難しければ体外受精による治療も必要となります。また近年淋菌は薬剤耐性が強く、殆どの抗生物質が効かず、限られた数種類のみが効果があるとされています。また、口腔内(咽頭)にも感染しやすく、その場合性器よりもやや治りにくいと言われています。[2010年2月3日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:3 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:回 体外受精:回
 プロラクチンの値について教えてください。
先日、ホルモン検査を受け、プロラクチンの値が18でした。病院では正常範囲内なので、まったく問題ないと言われました。その時に、正常範囲は5〜35mg/mlと言われましたが、インターネットなどで調べてみると、妊娠するには15以下が望ましいと書いてありました。また、潜在性高プロラクチンがあるということも知りました。
 現在通っている病院で、そのことを聞いてみると、現在はプロラクチンはそれほど妊娠に影響しないと考えられているからまったく問題ないと言われてしまいました。
 そこで質問ですが、プロラクチンの検査は病院によって検査法の違いなどで正常値が異なるのでしょうか?それであれば、現在の病院での正常値範囲内に収まっているので問題ないとも考えられるのですが...
 また、プロラクチン(潜在性プロラクチンも含めて)については、妊娠にそれほど影響しないのでしょうか?18という値は気にした方がいいのか、気にしなくていいのか教えてください。黄体ホルモンについては、いつも8〜12くらいで、それほどいい値とはなっていません。排卵後はルトラールを10日間飲んでいます。

 プロラクチンは施設によって若干異なりますが、正常範囲は5〜35mg/mlと考えて問題ありません。したがって18mg/mlは異常値ではありません。
ただ、プロラクチンは日内変動があり、日中正常値でも、それ以外の時間帯に高値を示す方もいます(潜在性高プロラクチン血症)。ですから、ぜひ、TRHテストを受けてください。TRHテストでは、まず採血を行い、そこにTRH(甲状腺刺激ホルモン分泌ホルモン)を注射して、15分後と30分後に2度採血します。
 インターネットではいろいろな考えを持つ人がそれぞれ自分の持論を述べており、中には極端な例もありますので、情報を探すときにはそれを前提として、参考にされては如何でしょうか。[2010年1月20日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 便秘ぎみの時に、左卵巣あたりから肛門にかけて激痛がある時があります。ひどい時は冷や汗をかくこともあるほどの激痛です。便を出すと痛みはウソのようになくなります。
このようなことが続いていますが、この2年ほど、月経前に左下腹部に鈍痛が続く日があり、気になっています。以前、クラミジアに感染したことがあり、治療は終えていますが、卵巣が癒着している可能性があるのでしょうか?それが腹痛に影響していることはありますか?

 便秘そのものが痛みの原因かもしれません。ただ便秘の原因が、骨盤内の癒着に起因している場合もあり得ます。癒着の原因として、クラミジア感染の既往や子宮内膜症などが挙げられます。月経痛は強いのでしょうか。また経膣超音波検査で、卵巣チョコレートのう腫を疑われたことはあるのでしょうか。もしそうであれば子宮内膜症の可能性もあります。
 たとえクラミジアに対して薬物療法を行ったとしても、菌は死滅しても、一旦癒着が起こった骨盤腔内のダメージ(癒着など)は改善されるわけではありません。癒着の有無を確認するためには、子宮卵管造影検査のみでは不十分です。卵管の通過性は調べるだけでは骨盤腔(子宮・卵管・卵管周囲)の癒着の確定診断はできません。腹腔鏡検査で骨盤内を直接見て診断する必要があります。同時に、子宮内に色素を注入して卵管からの流出の可否をみる、卵管通色素検査を併用するのも良いと思われます。
 クラミジアが治癒したかどうかを再検査するためには、採血でクラミジア抗体を調べるのではなく、子宮の入り口の頸管内膜をぬぐい、液を綿棒で採取する検査(クラミジア抗原を調べる検査)の必要があります。(抗体は完全に治癒した後も数年以上陽性が続きます。)クラミジアによる癒着などのダメージによって、卵子の取り組み障害(pic-up障害)のために不妊症となることがあります。その場合には、体外受精(IVF)の適応となることもあります。[2010年1月20日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:45 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:1回 体外受精:4回
 治療をどこまで続けるのかを目安にしたいので、AMH抗ミュラー管ホルモン検査(卵巣年齢検査)を受けたいと思っていますが、セントマザーで受けることは可能でしょうか?
 もし可能だとしたら、結果がわかるまでの期間や検査方法、費用などについて教えてください。
 また、AMHで卵子の質まではわからないことは認識しておりますが、数値がいくつ以下だったら、治療が厳しいなど、基準の数値があれば教えていただけたら幸いです。

 AMH(抗ミュラー管ホルモン検査)は卵巣予備能検査のひとつで、25歳頃をピークとして加齢するにしたがって低くなります。採血して、年齢の平均値と患者さんの値とを比較して、概ねの卵巣年齢(??歳)が表記されます。
 しかしAMHは個人差がかなりあり、同年齢でもかなり違いがありますので、卵巣機能のひとつの目安として考えてください。決して、その値に振り回されないほうが良いでしょう。
 自由診療の検査なので保険は利きませんが、当院では4200円で検査できます。結果が出るには、1週間から10日ほどかかります。[2009年12月2日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:39 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:7回
 二人目不妊です。一人目は、2回目の顕微授精(ICSI)(フォリスチムによる排卵誘発にて採卵し、胚盤胞を移植)で妊娠に至りました。そして今回二人目を希望しており、一人目と同じ方法でICSIを行ってきました。しかし、5回挑戦するも妊娠せずです。更にSEET法を2回挑戦するも妊娠しませんでした。
 ただ、二人目の治療に入って初めて胚盤胞移植をした日の翌日の午後、生まれて初めて首から下の全身に蕁麻疹が出ました。当初は何らかの食べ物による蕁麻疹かなと思っていましたが、今考えると着床しようとしたことに体が反応を示したのかな・・・とも思ってみたりもします。
 ちなみに二人目の不妊治療を再開し、抗核抗体は問題なく、NK活性も、E/T比10:1は1.6%、E/T非20:1は3.4%でした。先生からは問題ないと言われましたが、低すぎる数値も何か妊娠を妨げているのではと心配になりました。本当に大丈夫でしょうか。
 それから、これについては迷信の域なのかもしれませんが、A型の夫を持つO型の妻がA型の子供を出産すると二人目が出来にくいとよく年配の方から言われます。まさしく我が家はその通りで、RH+-ほどではありませんでしたが、血液型不適合から出たと思われる黄疸が1ヶ月以上子供に出ました。私の体の中にも血液型不適合の抗体となるものが作られているかどうかを調べるにはどういった検査をすればよいのでしょうか。

 一般的な産婦人科医の中で、「NK活性値」にこだわる医師もいますが、「NK活性値」不妊症や不育症に強い相関がある(=深く関係している)と考えている医師は少ないと思います。
 「ABOの血液型」との相関については、更に少ないと思います。当院でも有意な因果関係があるとは考えておりませんので、それらについての検査もご紹介しておりません。ただ輸血の既往歴のある患者さんなど、特定の方に対しては、間接フームス検査や不規則性抗体検査を行うこともあります。[2009年10月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:4回
 1人目はセントマザーで、4回目の体外受精(IVF)で妊娠・出産しました。私は卵管が両方通っていないため、体外受精となりました。
 複数人から何回か聞いたのですが、私と同じく卵管の通ってない方で、1人目は体外受精で出産、しかし2人目は何故か自然妊娠できたという話があります。卵管が閉塞していても、妊娠・出産によって開通することや、2人目を自然妊娠することがありえるのでしょうか?
 このような話を聞き、今回、2人目の治療を始めるとすると、まず、卵管の検査から行うことになるのでしょうか?それとも、卵管が通ることはないので、すぐに体外受精に入る方が良いのでしょうか?教えてください。

 卵管の状態は出産とはあまり関係ないように思われます。子宮、卵巣、卵管などのコンディションは年々変わりますから、当院では検査して1年以上経過した方には再検査を受けていただいております。治療を受ける前か、その途中に卵管の検査を済ませておいたほうが良いでしょう。体外受精(IVF)でも卵管を使用することもありますから、調べておいたほうが良いとおもわれます。[2009年10月16日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:6回 体外受精:0回
 こんにちは。 人工授精を6回行いましたが、妊娠に至らず、暫くお休みをしていました。
 もともと子宮筋腫もあったのですが、先日他の専門医院を受診して卵巣が腫れていると指摘を受け、現在内服治療中となっております。卵巣の状態が良くなれば、体外受精(IVF)を行うことになると思うのですが、その前に腹腔鏡検査などを行う必要ないでしょうか?腹腔鏡検査は着床に関係しないのでしょうか?

 腹腔鏡検査はすべての患者さんが受けなければならない検査ではありません。体外受精(IVF)をすることが決まっているのであれば、必要性は低いと思います。その点、主治医の先生に腹腔鏡検査の必要があるかどうかを確認してみて下さい。また腹腔鏡検査は着床とは直接には関係がありません。[2009年10月16日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:27 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 結婚4年目、27歳になります。結婚当初から避妊はしていません。
 以前、半年間くらい基礎体温つけて、タイミングをとった子作りをしていましたが妊娠しませんでした。
 子宮ガン検診で訪れたかかりつけの婦人科の先生に基礎体温表を見せたところ、基礎体温は二相性だし、きちんと排卵もしているでしょうと言われました。
 しかし、なかなか妊娠しなかったため、基礎体温をつけること自体がストレスになっているのではと思い、今はつけておりません。月経周期は安定しており、27〜28日周期です。そこから逆算して、妊娠できそうな時期に夫婦生活を持つようにはしています。
 主人も最近子供がほしいと頻繁に言うようになったので、これから基礎体温をつけて自己流に排卵予測をするよりは、病院でしっかり調べてもらってタイミング療法を行う方がよいと思っています。
 受診時には基礎体温表をもっていく方がよいと思いますが、最近基礎体温をつけておりませんので、これから測ることになります。最低どの位の期間の体温表を持っていけばよろしいでしょうか?1ヶ月分では短すぎるでしょうか?

 基礎体温は2−3ヶ月分あったほうが排卵の様子がわかりやすいです。ただし、現在つけていないのであれば、初診時に必ずしも持参する必要はありません。不妊治療には時間がかかりますから、通院しているうちに基礎体温のデータが揃ってきます。
 現在、まだ不妊の検査を受けられていないようなので、本当にタイミング療法で良いのかどうか判りません。まず、一般的な診察と検査を受けてみてください。[2009年10月16日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 2ヶ月前から不妊治療を開始しました。 最初の検査で、卵巣年齢がわかるAMHの測定をし、6.4で45歳程度といわれました。担当医には、私はD3の卵胞が1〜2個と少ないため、卵巣が弱っているとの診断で、一通りの検査終了後すぐに体外受精(IVF)をすすめられました。
 生理周期は24日間と昔とあまり変化はありません。
 ホルモン検査D3: E2=111、LH=2.8、FSH=6.2、プロラクチン=24.5、テストテロン=35.3
 ホルモン検査(高温期): E2=139、プロゲステロン=23.6
 卵管造影検査、ヒューナーテストは、なんとか大丈夫とのレベルでした。
 体外受精にすすむことに、あまり抵抗はありません。ただAMHという検査をどこまで信用してよいのか、本当に45歳レベルの卵巣なのか・・不安と疑問でいっぱいです。上記のような状態ですが、どう思われますか?

 AMHは卵巣予備能検査のひとつで、加齢するにしたがって低くなります。D3の卵胞が1〜2個と少ないのもAMHの低値と関連していると思われます。 しかしAMHは個人差がかなりあり、同年齢でもかなり違いがあります。実際には良い卵が1個でも採れれば良いわけですから、それに振り回されるのは良いことではないと思います。[2009年10月1日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:4回 体外受精:7回
 長く不妊治療していましたが原因不明とのことで妊娠しませんでした。治療を休んでいる間に自然妊娠しましたが、1年前に17週で破水・流産しました。
 別の医療機関でがん検診を受けた際に子宮に異常があると言われ、不妊原因と思われる症状をいろいろ指摘されました。指摘は以下のようなものでした。
 右の卵巣:かなり癒着している、卵巣に黒い影がある
 左の卵巣:子宮の後方へ回り込んでいる
 これらの症状から、排卵していても卵管が卵を取り込みにくいのかもしれないし、流産も感染症の影響かもしれないと言われました。
 そこで、質問です。まず、必要な検査と治療をして子宮の状態を改善することから始めるつもりですが、このような状態の場合、左右の卵巣機能は治療で改善されるものなのでしょうか。
 また、自然妊娠を期待するより、人工授精(AIH)を行ったほうが有効なのでしょうか。年齢のこともあり、1人でも子どもを授かりたいと思っています。

 「卵巣の黒い影」とは実際には何のことかはわかりませんが、子宮卵巣に癒着があるのかもしれません。一般的な不妊症の検査に加えて、子宮卵管造影検査を受けてください。腹腔鏡の検査も必要かもしれません。両側の卵管が通過しているかどうかで、タイミング、人工授精(AIH)あるいは体外受精(IVF)など、どの治療法にすべきかが決まります。[2009年9月17日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:25 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:8回 人工授精:回 体外受精:回
 赤ちゃんを待って4年、通院を始めて半年以上が過ぎました。
 先日卵管造影検査を始めてしたところ、あまりの痛さに途中で断念しました。右側は少しうつっていましたが、左側は造影剤が入っていない状況でした。当日は、「緊張のせいかな?」と言われたのですが、後日卵胞チェックした時に「検査時の造影剤が残っているようで、卵管が腫れています。卵管が詰まっているみたいだね。」と言われ、体外受精(IVF)を勧められました。
 仕事の都合上、通院もなかなかできないので、体外受精をする事はできず、夫と話しあって人工授精(AIH)までならと思い通院していたのでショックです。何とか希望を持ちたいのですが、こんな状況でもタイミング法や人工授精で妊娠された方はいらっしゃるのでしょうか?どうすればよいのかアドバイスをいただけませんか?

 卵管造影検査で痛さのため中断したということは、卵管の内腔がかなり閉塞気味なのではないでしょうか。このままでは人工授精(AIH)は難しいと思います。通水療法を何度か行い、その後、もう一度卵管造影検査を行ってみて、それでも卵管が通っていない場合は、FTカテーテルが有効です。この方法は軽い麻酔または麻酔無しで行いますし、20〜30分程度で終わります。卵管の開通性は100%ではありませんが70〜80%は期待できます。保険が利きますので、経済的にも負担は少ないと思います。卵管が開通した場合には、とても価値があると思います。[2009年9月1日]
(院長:田中温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 基礎体温は二相性層になっており、毎月の内診の結果、きちんと排卵しています。
 しかし、基礎体温の低温期と高温期それぞれの中で、0.2〜0.3度くらいのばらつきがあります。
 仕事上、起床時間がバラバラなのですが、傾向として早朝に測ったときは低く、遅く起きたときは高いような気がします。不正出血などはありませんが、この差は何か問題があるのでしょうか?

 基礎体温はそれほど厳密に考える必要は無く、参考程度で結構です。ある程度のばらつきがあっても低温期と高温期が認められ、超音波検査で排卵が確認できているのであれば問題ありません。[2009年9月1日]

(産婦人科医:佐々木雅弘)
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