回答一覧 - 不妊の検査 No.13 -
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:3回 体外受精:回
 中絶を2回、流産を1回経験し、それ以来自分でタイミングをはかっていましたが、二年間妊娠する事がなく病院に通院し、卵管造影検査をしました。そこでは何も見ずに造影剤を入れてレントゲンを撮り、「卵管はキレイに通っています。」と言われ、薬も出ずに大丈夫との事でタイミングと人工授精を繰り返ししていましたが、だんだん左側の腹痛と腰痛がひどくなり不安を感じたため不妊治療専門病院に変わりました。
 今度の病院では、ダグラス窩癒着があると診断され、もう一度卵管造影検査をしたところ、以前の造影剤が残っており、左側の卵管は癒着して全く通っておらず、右側の卵管はかろうじて通ってはいると言われました。半年前の造影剤が溜まったままだったり、クラミジアもなく卵管が癒着してしまう事はあるのでしょうか?癒着は中絶や流産が原因でしょうか?早く子供がほしい為、痛みがあっても手術はまだ考えていませんが、詰まった卵管を無理にでも通す為に、来月もう一度卵管造影検査をしたいと希望しているのですが、検査の翌月にもう一度卵管造影検査をしても大丈夫でしょうか。

 強い腹痛や腰痛などの症状から推察しますと、子宮内膜症の可能性が考えられます。
 子宮内膜症は、子宮、卵管周囲に強い癒着を形成し、卵管通過障害の原因となります。左卵管閉塞に対しては、造影検査を行う前に、通水治療を3〜4日毎に計6回行い、通過性を改善させることをお勧めします。
 また、子宮内膜症や子宮卵管周囲の癒着の有無を確認するための腹腔鏡検査は適応となりますので、主治医の先生とご相談してみてはいかがでしょうか。[2012年12月27日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:4回 体外受精:3回
 結婚して7年、不妊治療を行っておりますがなかなか妊娠にいたりません。甲状腺の検査は、ホルモン値は正常ですが、毎回TSHが4〜5とやや高めです。TSHが高い場合はチラージンを内服するべきでしょうか?また、どれぐらいの量を内服し、どれぐらいに数値を保てばよろしいでしょうか?

 TSHが高値の場合、甲状腺機能低下症の可能性が考えられますが、その診断には遊離T3、T4の値や甲状腺に対する抗体の存在があるかどうかなども調べる必要がありますので、内科の先生にご相談ください。治療が必要であればチラージンの内服を1日25〜100μg行うことになると思います。[2012年11月20日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:39 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:回 体外受精:回
 2年前に第1子を出産しました。その後、去年の末に3か月で自然流産、先日、20週で後期流産にて死産しました。
 今回の死産は、18週の時に頭の大きさが16週ぐらいしかないと言われて、19週の終わりにおりものに出血が混じり、受診したところ、心停止しておりました。生まれた子は110gと小さく、原因は「分からない」と言われています。
 インターネットで調べると後期流産は母体側の原因が多いとありましたが、先生はどのようなことが原因だと思われますか?
 また2回続けての流産ですが、担当の先生は「一人ちゃんと生まれているので検査などは必要ないと思う」と言われています。このような場合、検査は必要ないことが多いのでしょうか?

 2回続けての流産は反復性流産と呼び、当院では不育症の検査をお勧めしております。ぜひ、お受けになられてください。[2012年10月20日]
(産婦人科医:御木 多美登)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:4回 体外受精:回
 不妊治療を始めた当初、プロラクチン値が高く乳汁分泌もあったため、カバサールを週1回服用するようになりました。それから数ヶ月経ち、プロラクチン値を調べると0.7以下という結果でした。あまりに下がっているように思えましたが、先生は「まぁ、いいでしょう。」との事でその後も週1回服用しています。
 ネットでは、プロラクチンが低いのも不妊の原因になると記されている物もありましたが、どうでしょうか?また、現在セントマザーでAIHを行っており、カバサールは以前かかっていたクリニックでそのまま処方を受けていますが、今後は貴院でプロラクチンのフォローまでしていただくのは可能でしょうか?

 プロラクチンは脳下垂体から分泌する成長ホルモンの一種です。
 作用として、
 ・乳汁分泌。
 ・FSHやLHなどの下垂体ホルモンと協調して卵胞の発育・成熟、排卵促進、卵巣の黄体化の補助。
 ・子宮内膜の成熟や受精卵の内膜への組織融合。
 ・胎盤や胎児の発達にも重要な働きを持つと推測されています。
 当院では高プロラクチン血症に対しては、カバサールの内服をお勧めしています。週1回の内服でよいのですが、その分調節が難しく、極端な低プロラクチン血症になる可能性があります。低プロラクチン血症が進行した場合、上記生殖系への影響がありますので、慎重に血中濃度をコントロールする必要があります。(不妊治療をしているつもりが患者様を不妊にしてしまっている可能性があるのです。)
 プロラクチン0.7はかなりの低値ですので、主治医の先生とよくご相談されてはいかがでしょうか?[2012年10月1日]
(産婦人科医: 茅原 誠)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:4回 体外受精:回
 夫婦共にコレと言った異常はないように思いますが、人工授精を繰り返してもなかなか妊娠に至りません。
 主人は前妻との間に2人の子供がおり、精液検査の結果は3000万〜6000万/ml、運動率は50〜60%、量は1.0〜1.5mlとやや少なめです。私は卵管造影と血液検査に問題はありませんでしたが、過去2度中絶を経験しています。
 妊娠できない原因は、やはり私の中絶でしょうか。それとも、見えない部分に内膜症や癒着があるのでしょうか。
 残るラパロの検査を積極的に行う必要がありますか?

 ラパロを受けることで「卵管や卵巣の周囲に癒着があるかどうか」、「内膜症がどのくらい進んでいるかどうか」などを調べることができます。また、軽度の癒着であれば剥離もできます。内膜症や癒着が気になるのであれば、してみてはいかがでしょう。
 また、中絶に関しては判断に迷うところです。何回も中絶した後でも容易に妊娠する方もいれば、1回中絶した後、なかなか妊娠しないカップルもいます。中絶により子宮内、卵管内、卵管周囲へ炎症、癒着が進展することがあるためです。このまま人工授精を続けるのであれば、まずラパロをされることをお勧めいたします。主治医の先生とよく相談してみてください。[2012年10月1日]
(産婦人科医:御木 多美登)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:0回 体外受精:0回
 生理周期は27〜29日で、排卵は規則正しいです。卵管造影の結果、左単角子宮の疑いと左卵管閉塞があるため、腹腔鏡とFT手術をする予定です。卵巣は2つあり、その他の検査は異常ありません。
 過去にクラミジアの感染もなく、閉塞原因は不明ですが、閉塞ではなく生まれつき卵管がない場合も十分あり得るのでしょうか?ただでさえ単角子宮かもという不安がある中で、卵管までなかったらと考えると、不安が募るばかりです。その場合は、体外受精のみしか方法がないと思いますが、卵管の有無で着床率などに違いが出るのでしょうか?また、今まで生理の量は普通だと思っていたのですが、単角子宮だと量は少なくなるのではないでしょうか?

 子宮卵管は胎児期に左右に存在するミュラー管が発生のもととなり、2つの管が癒合して子宮と左右卵管を形成しています。双角子宮や中隔子宮は癒合の過程での異常と考えられます。双角子宮の場合の外子宮口は1つですが、造影剤が片側にしか入らず、一見単角子宮に造影される場合がありますが、経膣超音波では子宮が左右に分かれており、双角子宮と判断する場合もあります。
 今回造影されなかった右側子宮や右卵管が存在するか確認するため、腹腔鏡を行うことをお勧め致します。右卵管が確認された場合は、インジゴ通水を行い、通過性を確認することも同時にお勧めします。両側卵管の通過性を確認した場合、まずは自然妊娠を考えたタイミングや人工授精を行いますが、早めの体外受精へのステップアップが望ましいと思います。子宮奇形が存在すると、着床するものの流早産率が高まることは事実です。しかし、分娩予定週数まで順調に経過して元気な赤ちゃんを出産された方もいますので、諦めずに治療に取り組まれることを願っています。[2012年10月1日]
(産婦人科医: 伊熊 慎一郎)
年齢: 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 不妊ではないのかと悩んでいます。どのような検査を受ければ良いのでしょうか?(2012年7月 第13回 セミナーより)

 当院では、不妊の方の検査としまして、まず卵管造影と旦那様の精液検査を実施しております。卵管閉塞や夫の乏精子症、無精子症があった場合、普通の方法では妊娠が成立しにくいからです。その他の検査は患者様の状態で適宜しています。まずは、卵管造影と精液検査をしてはいかがでしょうか。[2012年9月15日]
(産婦人科医: 御木 多美登)
年齢: 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 多嚢胞性卵巣で治療を始めたばかりです。卵管造影検査の結果、左卵管狭窄で更に子宮が他人と比べてとても小さいと診断されました。
左の卵管を卵が通過することは出来ないのでしょうか。また子宮が小さいと妊娠に影響があるのでしょうか?(2012年7月 第13回 セミナーより)

 子宮の大きさの他に、形態異常や子宮筋腫、腺筋症がない状態であれば、妊娠に大きな影響を与える可能性は低いと思います。左卵管が狭窄し、通過障害を起こしている場合、左卵巣から排卵した卵子は卵管内での受精が起こらず、妊娠しづらい原因となっていることが考えられます。卵管狭窄を開放するために、通水治療やFTカテーテルを行うことをお勧めします。[2012年9月15日]
(産婦人科医: 伊熊 慎一郎)
年齢:40 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 38歳の終わりからタイミングを約1年、その後人工授精を6回行い、現在40歳になり、体外受精に初めてチャレンジしています。卵管造影も問題なく、主人の精子数・運動率も問題ありません。腹腔鏡検査を受けずに体外受精に移りましたが、腹腔鏡検査は受けるべきでしょうか?(2012年7月 第13回 セミナーより)

 原則的に体外受精の場合には、腹腔鏡検査は必要ありません。ただし、卵管水腫の有無の確認や手術をするうえでは非常に効果があります。卵管が閉塞して水腫となっている場合には、体外受精時の着床率はかなり低下しますので、前もって腹腔鏡下に卵管水腫の手術をする事は非常に価値があります。
卵管水腫が無い単なる閉塞であれば、特に腹腔鏡検査は必要ありません。[2012年9月15日]
(院長: 田中 温)
年齢:33 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 セントマザーで治療しています。ホルモン値の計測が大切とのことですが、血液検査でホルモン値を測ったことがありません。毎回卵巣の検査はしますが、ホルモン値検査は全ての人に必要ではないのでしょうか?それとも、こちら側から依頼しなければ調べて頂けないのでしょうか?(2012年7月 第13回 セミナーより)

 月経発来時のホルモン検査は、主に体外受精の治療周期に入る患者様に行っております。その目的は採卵のための卵巣刺激方法の選択と、卵巣のコンディションが治療に入って問題ない状態かどうかを確認する為です。タイミングや人工授精を行う方は、卵巣への負担が少ない方法で治療を行いますので、毎周期のホルモン検査は行っておりません。[2012年9月15日]
(産婦人科医: 伊熊 慎一郎)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:9回 体外受精:4回
 自身が着床障害なのではと思ったため着床障害について調べてみると、免疫因子、同種免疫因子、染色体因子などの検査や、子宮鏡検査などを着床障害の検査項目としている病院があるようです。採卵周期での移植だけでなく、凍結胚を自然周期で移植しても着床しない場合は、このような項目の検査をした方がよいのでしょうか?
 また、セントマザーでは着床障害の検査としてどのような検査を実施していますか?

 着床障害の定義としては“子宮内に原因があって、受精卵が着床しない状態のこと”とされます。そのため、子宮内の観察という意味では、子宮鏡検査をしてみても良いかもしれません。
 また、抗リン脂質抗体症候群などに代表される免疫因子の異常や、夫リンパ球移植で治療が可能な同種免疫因子異常、染色体異常などの検査は、どちらかというと着床が成立した後の不育症に関連したものかと思われます。 当院では妊娠成立以前の検査も可能です。着床しない原因としては、内膜の状態ももちろんありますが、胚自体の能力、生命力の問題もあるかと思われます。見た目では良好に見えても生命力が足らず、妊娠にいたらない場合もありますので、凍結胚を自然周期に戻す方法を続けてはいかがでしょうか。[2012年6月16日]
(産婦人科医: 御木 多美登)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:回 体外受精:回
 結婚して2年経ちます。1年前、高温期がガタガタなためデュファストンを飲んでいました。その時に検査したところ、プロラクチン:20ぐらい、FSH:5.7、LH:7.7でFSHとLHの値が逆転していました。しかし卵管は正常でしたので、ここ1年は病院にも行っていません。今では生理時の経血量が1日目と2日目が多く、3日目から激減するようになり、いつもだいたい排卵と思う日から生理前にかけて胸の痛みがあります。特に脇の下辺りが痛いです。触診では、乳腺症と診断されたこともありますが、エコーでは特に問題ないということで何も治療していません。
 妊娠しないのはなぜでしょうか。胸の痛みはプロラクチンの値や不妊と関係あるのでしょうか?

 プロラクチンの正常値は15ng/ml以下ですので、20ng/mlはやや高めです。プロラクチンは出産後に乳腺から乳汁を分泌する働きがあります。
 産後ではないのに乳汁のような分泌物が出てくる、胸の張りや痛みなどがある場合は高プロラクチン血症の可能性があります。月経不順や不妊の原因となりますので、カバサール1錠を週1回内服することをお勧めします。
 FSHよりLHが高めですが、月経時の胞状卵胞の数はいかがでしょうか。以前に基礎体温が不整だったことを考えると、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性が考えられますので、今後も十分に経過観察されることをお勧めします。[2012年5月15日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回 
 約2年前に1人目を帝王切開で出産しています。今回婦人科で不妊検査を受けました。血液検査などは問題なく、卵管造影も1日目は問題なかったようですが、2日目のレントゲンで造影剤が拡散してないため、癒着しているかもしれないと言われました。今回は様子を見ようということになりましたが、腹腔鏡手術や体外受精に進む方もおられるのに、なぜ私の場合様子見なのか疑問です。どの位の期間を開ければ再度検査ができるのでしょうか?

 子宮卵管造影検査で両側卵管の疎通性は良好であったという認識でよろしいでしょうか。その場合は、自然妊娠可能と判断するのは間違った判断ではないと思います。
 奥様のご指摘通り、帝王切開の既往があり腹腔内の癒着が起きている可能性がある場合は腹腔鏡をお勧めします。その結果をもとに、もうしばらくタイミングや人工授精を行うか、体外受精へのステップアップを考えられてはいかがでしょうか。[2012年5月15日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 主人の検査の結果は問題ありませんでしたが、フーナーテストは何回行っても結果が不良で、ほとんど動いていないというレベルでした。これまでに、タイミングを1年半試みましたが結果が出ないため、人工授精を行ったところ2回目で妊娠しましたが流産となり、その後4回目でやっと妊娠、出産しました。
 フーナーテストの結果がすべて不良だった場合、自然妊娠は不可能なのでしょうか?出産すると体質が変わると聞いたことがありますので、出産後であれば自然妊娠するのでは・・・と思ったのですが、難しいのでしょうか?

 妊娠、ご出産おめでとうございます。
 フーナーテストは信頼性が低く、現在ではあまり行っておりません。結果が良くなかったからといって必ずしも自然妊娠できないわけではありませんのでご心配要りません。[2012年4月2日]
(産婦人科医: 伊熊 慎一郎)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:0回 体外受精:0回
 不妊治療を開始して1年が経過しました。卵管造影検査を行い、卵管癒着と子宮内膜症の疑いがあると言われ、現在腹腔鏡検査を検討しています。福岡市内の病院で腹腔鏡検査を行うと、5日間の入院で約20万円必要です。セントマザーの腹腔鏡検査は他の病院より入院日数が短く、料金もかなり安いのですが、それは検査だけなのでしょうか?それとも腹腔鏡下手術も含むのでしょうか?

 当院の腹腔鏡検査は全て保険がききます。また、癒着があれば剥離を行ないますが、これも保険の適用ですので料金は変わりません。入院は1日で十分です。入院日数が短いのが、他施設よりも安い理由ではないでしょうか。[2012年3月1日]
(院長: 田中 温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:9回 体外受精:0回
 男性不妊(ED)で不妊専門病院にて人工授精をしています。自然周期で9回人工授精をしたのですが、年齢的なこともあり良い卵子ができにくく、妊娠できないのではと思い、来年には体外受精(IVF)を予定しています。
 血液検査でプロラクチンの値が28ng/mlでした。月経不順でもなく、毎月の排卵に問題がないため薬が処方されていないのだと思っているのですが、高プロラクチンであることが着床や受精卵の分割に対し影響を及ぼすことはないのでしょうか?

 血中プロラクチン値が15ng/ml以上のだと高プロラクチン血症と診断され、排卵・着床障害を引き起こす不妊の原因と考えられているので、カバサール0.25mg週1回の内服をお勧めします。当院では、妊娠反応が確認できるまでカバサールの服用を継続するようにしています。[2011年12月17日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 現在アメリカに1年ほど在住しています。今まで妊娠した経験はなく、ピルなどを服用したことはありません。
 妊娠を希望して1年、自分達で排卵検査薬と基礎体温とでタイミングを取っていました。検査薬からは毎月きちんと排卵していることが確認でき、基礎体温は10年以上必ず二相のグラフになり生理も順調にくるので、特に問題はないと思います。しかし、なかなか結果が出ないため、アメリカの病院で夫婦ともに血液検査とホルモン検査を、主人は精液検査を受け、私は日本にいた時に確認できている右卵巣の腫れについて調べることにしました。二人とも血液検査とホルモン検査には問題ありませんでしたが、精液検査の結果は精子数が一般の人と比べると少なく運動率などは正常だそうです。そして、卵巣は以前より大きくはなっていませんでした。現在の右卵巣の大きさは18mmx20mmx17mmです。生理前に痛みが少しあったりしますが、自覚症状はあまりないです。
 治療の最初のステップはクロミッドからでした。担当医から伝えられたのは、「卵巣に関してはこのまま様子を見るが、もしクロミッドを服用した場合、右卵巣の腫れがクロミッドの副作用によって大きくなる可能性がある。そうなると、妊娠した場合は、同時に卵巣の治療をするリスクがあり、また、具体的な原因は分からないが腫れにより妊娠を妨げている可能性があるため、妊娠する前に腹腔鏡下手術による右卵巣の治療をした方がいい。手術の際は、同時に卵管をきれいにすることもできる。」ということでした。担当医は、実際に副作用で腫れが大きくなった方がたくさんいることを知っているようです。
 手術を受けないで妊娠できるのならそれがいいだろうという気持ちと、手術をしたらできるかも知れないという気持ちがありますが、医師より「手術の原因だけによるものかは判断できないが、手術後は右卵巣が排卵できなくなる可能性がある。」ともいわれ、とても不安です。そもそも妊娠するしない以前の問題ということも頭で理解しています。もし排卵できなくなったとして、私の年齢でも左卵巣からの排卵だけで妊娠できるのでしょうか?また、このような場合、今の時点で手術をするメリット、デメリットについて教えてください。

 腹腔鏡手術を受けるメリットとしては、卵巣の腫れた部分を摘出できることのほかに、腹腔内を観察し、卵管周囲に癒着を確認できた場合は剥離を行ない、ピックアップ障害を治療することが出来る、通色素検査で両側卵管の通過性を確認することができるなどが挙げられます。デメリットとしては、右卵巣の一部摘出することにより、卵胞が育ちにくくなることや排卵が起こりにくくなることが挙げられます。当院では、タイミングを何度か行なっても妊娠に至らない場合は、人工授精(AIH)にステップアップする前に原因検査のための腹腔鏡検査をお勧めしております。
 2cm大の卵巣嚢腫の摘出は、卵巣機能を低下させ、妊娠率が低下する可能性があるため、まずは経過観察をすることが望ましいと思います。[2011年12月17日]
(産婦人科医: 伊熊 慎一郎)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:1回
 現在ドイツにて不妊治療中で、言葉の壁や日本との治療の違いなどがあり心配となったので質問します。
 主人の男性不妊が発覚し、すぐに体外受精(IVF)に進んだほうが良いと指摘され、一回目の治療では着床しませんでした。 以前、友人に妊娠するには卵管造影検査が必須と言われたことを思い出し、ドイツでも受けたいと思ったのですが、簡単に受けられないようです。 既に体外受精を始めている場合には、卵管造影検査は特に必要ないのでしょうか?

 卵管造影検査(HSG)は子宮内腔の形状や両側卵管の通過性を確認する目的で行われるのは良く知られています。
 卵管水腫は体外受精(IVF)を行っても着床しにくい原因となりますが、卵管造影で診断がつきます。また、GIFT、ZIFTなどの卵管内移植が可能かを評価するために卵管造影を行うことがあります。
 これらのことから、体外受精においても卵管造影検査を受けることをお勧めします。[2011年11月2日]
(産婦人科医: 伊熊 慎一郎)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:1回 体外受精:回
 6月に検査目的で不妊治療のクリニックに行きました。3日目のホルモン値が、LH 9.6、FSH 25.1、PRL 6.1、E2 18、 Testosterone 17.5でした。排卵はしているので、タイミング、人工授精(AIH)と進み、来月も人工授精をする予定です。毎月の診察で、「FSHが高いから質の良い卵子が少ない」と言われます。しかし、3日目の血液検査は6月に1回しか測っておらず、主治医はもう一度検査する気があるようには見えません。現在は仕事を辞めて、赤ちゃん待ちに集中出来る環境になり、卵子の質を高めるために漢方などで体質改善をしているので、数値が良くなっているのではないかと思うのですが、再度検査する必要はないのでしょうか?

 月経3日目のFSHの値が25以上というのは、卵巣機能がほとんど消失している状態を意味し、このような状態では基礎体温は不規則で二相性にはなりません。しかし、あなたの報告された状態は正常な卵巣機能を示しているため、1回のFSHの値では判定出来ないと思います。
 ピルを使ったことはありませんか?もし2〜3カ月お薬を何も服用していない状態でしたら、次回はぜひピルを服用して月経中の左右卵巣内の胞状卵胞の数と大きさを測定してみてください。また、AMH(抗ミュラー管ホルモン)の測定も卵巣の機能を調べる上で重要です。もう一度、詳しく診る必要があるかと思われます。[2011年10月15日]
(産婦人科医: 山本 正孝)
年齢:43 基礎体温: 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:0回 体外受精:0回
 42歳にして今年の4月から不妊治療を始めました。現在タイミング治療で3周期が終わり、生理がきました。
 これまで行なった検査と結果は以下の通りです。
 ・フーナーテスト(1回):結果0
 ・抗精子抗体:陰性
 ・精子検査:正常値内
 ・感染症検査:陰性
 ・クラミジア:陽性、治療済み
 ・通水検査:良好
 ・エコー(随時):子宮内特に異常なし、卵胞あり、排卵あり、子宮内膜特に異常なし
 ・血液検査(ホルモン数値:卵胞期 E2,LH,FSH. 排卵期 E2,LH. 黄体期 P4)
 血液検査を3回行い、E2の数値は正常ですがLHが高いと言われました。医師から「未熟なのに排卵してしまっているかもしれない」との理由で、今回3周期目にこれらのバランスをとるために、クロミッドを5日目より1個/1日、5日間処方されました。
 結果的に今回LH数値は正常になったということでしたが、排卵していてもクロミッドの処方は一般的でしょうか?
 今回の3周期目黄体期に初めてP4血液検査を行いましたが、夜だったため結果は聞けていません。P4数値が悪く着床出来ないということは考えられますか? 直ぐに結果を聞き、服薬すれば、良い結果が出る可能性が少しは高くなったのでしょうか。また、1周期2周期目の段階で、なぜ検査しなかったのでしょうか。
 これまでのところ、フーナーテストの結果が悪かったことと、排卵前のLHが高いこと以外問題は見つかっていません。子宮頚管粘液検査、子宮卵管造影検査は先生から必要だとも言われていないため行っておりませんが、そのほかに必要な検査はありますか?

 不妊治療にはいろいろな不安を伴うと思います。全体のバランスをとる為や、排卵を確実にする為にクロミッドの併用を行う事は多いと思います。周期や測定値に関わらず黄体期にはホルモン補充を行い、着床を助けます。もちろんP4値が低いときにも黄体ホルモンを補充しますが、一般的にはP4値は検査しない事が多いです。フーナーテストの結果が悪かったとの事ですが、子宮卵管造影検査をして、卵管の通過に問題がなければ人工授精(AIH)を考えるのもいいのではないでしょうか。[2011年9月3日]
(産婦人科医:山本 正孝)
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