回答一覧 - 男性が原因の不妊について No.9 -
年齢:35 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 主人は、10年以上前に性病(淋病)にかかったことがあります。精子検査の結果、精子数は少なくて運動率も非常に低いものでした。過去の病気と関係はあるのでしょうか。

 淋菌感染によって上行性に炎症が波及する場合があります。精巣上体(副睾丸)に炎症が起こることによって、精液所見が悪化する可能性があると思います。薬物療法でも、淋菌が完全に消失せずに潜在的に持続感染している可能性もあり得ます。また、淋菌には、薬剤耐性の強い菌(薬で治りにくい)も広まっています。[2009年3月5日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:1回 体外受精:回
 精液検査を行った結果、まっすぐに速く動く精子がいないといわれました。数も少なくて、奇形率も70%以上ということです。
 精子の運動率は、なんらかの治療や漢方薬などで改善するのでしょうか?
 顕微授精(ICSI)といわれて、やっと病院までは行くようになりましたが、精子の状態がよくなるような話は聞けず、あきらめています。タイミングでの妊娠を希望していますが、精子の状態が悪いと難しいでしょうか・・・運動が悪い精子で、自然妊娠・タイミングで妊娠する確率としては、どのくらいでしょうか・・・

 精液検査で精子濃度や運動率が低い症例でも、たまには自然妊娠されるカップルもいらっしゃいます。ただし、それほど高い率ではありませんし、漢方薬などで劇的に改善するケースは少ないと思います。
 ただし、精液検査は1回だけでは信頼性が乏しいので、何回か検査を繰り返してみて、正しい診断を行う必要があります。また、不妊専門施設ではない場合、検査結果の評価が異なることもありますので、新たに別の施設で再検査してもらうというのも良いかもしれません。
 精子所見が改善するのを期待しているうちに、奥様の年齢が進んでいくと卵巣の働きや卵子の質が低下してしまいます。その場合、せっかく顕微授精(ICSI)法を行っても、すでに妊娠しにくくなっているといった可能性もありうることを考えて、今後の治療の方向性をご検討下さい。[2009年2月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:30回 人工授精:0回 体外受精:0回
 結婚後2年間はタイミングをとっていましたが、なかなか妊娠せず、不妊専門病院を受診しました。子宮筋腫が見つかったので、1年間かけて手術と治療をしました。
その後、半年タイミングをとりましたが、それでも妊娠しないので、主人の検査をしたところ、2回とも精子数=0でした。後日TESEを行い、死んだ精子が数匹採取できたと言われました。
後期精子細胞での顕微授精(ICSI)というのは聞いたことがありますが、死んだ精子では治療はできないのでしょうか・・・?現在、通院している病院では、後期精子細胞を用いた顕微授精はできないと言われています。死んだ精子が見つかったのだから、再度TESEを行えば、生きている精子を採取することができるのでは?とも思いますが、可能性はないのでしょうか?先生はどのように考えられますか?

 TESEで死んだ精子が見つかったという事は、精子を作る能力は完全ではなくても一部はあるということを証明しています。このような場合には、少なくとも、精子になる前の後期精子細胞が存在しているはずです。まずは、精子が本当に死んでいるかどうかを確認する事が必要です。
 今までは、動いていなければ死んでいると言われていましたが、特殊な染色をすることによって、動いていなくても生存している精子がいることがわかりました。
 浸透圧の違いの差により、生きている精子と死滅している精子を区別することは容易です。この方法で選別した不動精子(動いていないけれども生きている精子)を使って、顕微授精(ICSI)をすることによって妊娠率は高まります。
 しかし、生存率が20%以下の場合には、このような不動精子を使うよりも後期精子細胞を使った方が妊娠率は高くなります。生きている精子を見つけることよりも可能性の高い後期精子細胞を用いた治療に入られることをお勧めいたします。[2009年2月16日]
(院長:田中温)
年齢:25 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 精液検査の結果は、毎回以下の通りです。
 精子数=50万〜100万(0の時もたまにあります)
 奇形率=90〜99%(尾部のみ多め)
 不妊治療を始めて2年、クロミッドを飲み続けていますが、いまだに良い結果が出ません。妻の体調も良くないので早めの出産を望んでおり、顕微授精(ICSI)を希望しています。しかし、担当医からは、このような悪い状況で顕微授精をしても受精することができず、妻の体に負担がかかってしまうだけだから勧めないと言われています。また細胞までさかのぼって検査しても、未熟なものばかりなので良い結果は出ないといわれております。
 顕微授精ができないということは、非配偶者間人工授精(AID)しか望みはないのでしょうか?精子が1匹でもいれば、今の高度医療で子供を授かることができると聞いていたので、どうしたらよいのかわかりません。意見をお聞かせいただけないでしょうか?

 精子の尾部のみ奇形が多めというのは、どういうことでしょうか。頭部がないということでしょうか。
 いずれにせよ、採れた精子が100%奇形という事はまずありません。何匹かは正常な精子がいるはずです。
 一度、状態を拝見させていただければ詳しいお話ができると思いますが、(あくまでも憶測にはなりますが)私の経験上、顕微授精(ICSI)で妊娠する可能性は十分あると思います。非配偶者間人工授精(AID)はする必要はまだないと思います。[2009年2月3日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 閉塞性無精子症で、遺伝子Y染色体上腕変異(ただし、abcの欠損はみられない)なので、精子がみつからないかもしれないと診断されていました。可能性は低くても、ゼロではないならやってみようと覚悟を決めて、TESEを受けました。手術の結果、精子はみつかりませんでした。流す涙はもうありません。
 ただ、後期細胞が見つかったため凍結保存したとのことで、ドクターより、「後期細胞を育てて受精させる方法はある。ただし、妊娠に至る可能性は数%と少なく、男の子であれば遺伝する可能性が高い。それでも治療を受けるという場合は、もちろん行いますが、“是非やってみましょう”というような簡単な治療ではない。施設によっては、やらないところもあるくらいです。」との説明を受けました。
 どのくらいの量の細胞が凍結できたのかは、怖くて聞けませんでした。細胞がみつかったんだと心の中で喜びましたが、可能性の低さ・リスク・今後の治療費などを考えれば考えるほど、不安で悩みます。
 大変な痛みを伴う手術だったこともあり、2度とTESEをすることはないと思います。痛みに耐えてくれた夫のためにも、治療をするのであれば最良の方法で治療を行いたいと思っていますが、どうすればよいでしょう。

 後期精子細胞があるのであれば、妊娠・出産は十分可能です。閉塞性無精子症であるならば、通常は精子が見つかると思います。逆に精子が見つからないのであれば、非閉塞性無精子症という事になると思います。
 遺伝子のY染色体の変異は、具体的にどのようなものだったのでしょうか。Y染色体の変異は男性不妊の原因のひとつと言われておりますが、この変異がある場合でも、100%の方が男性不妊というわけではありませんし、同じような状態で自然に妊娠された方もおられます。男児であるなら、同じ変異が遺伝される確率は非常に高いと思いますが、遺伝したからといって、100%男性不妊になるとは考えられておりません。
精子が採れないと言われたときのショックは想像以上であったものとお察しします。
 もしも、当院での検査や治療をご希望であれば、TESEは大変つらい検査ではありますが、勇気を出して再チャレンジを考えてみてはいかがでしょうか。お近くであれば、お話だけでもどうぞいらして下さい。関東方面であるならば、月1回、東京でカウンセリングを行っておりますので、お話をお伺いできると思いますよ。資料だけでもお送りできますので、お気軽にお問い合わせください。[2009年2月3日]
(院長:田中温)
年齢:不明 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:不明 人工授精:不明 体外受精:不明
 非閉塞性無精子症の診断を受けております。染色体検査では、低頻度のモザイクの診断も受けていますが、治療を受けてみる価値はあるのでしょうか。ホルモン値はFSHがやや高めです。

 モザイクというのは、クラインフェルター症候群のモザイクの事でしょうか。性染色体のモザイクがあるならば、おそらく、お子さんの染色体異常の発生率は非常に低いと思います。治療を行ってみる価値はあると思いますよ。[2008年12月20日]
(院長:田中温)
年齢:27 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:8回 人工授精:1回 体外受精:0回
 初めての顕微授精(ICSI)を予定しています。重度男性不妊で、1回の採精で多くても運動精子が2〜4匹しか採れません(全く採れないもあります)。
 顕微授精に向けては、数本の精子凍結しており、胚盤胞移植でいきましょうと説明を受けておりますが、採卵でたくさんの卵が採れたとしても、当日の精子が少ないと受精卵は少なくなります。(凍結精子もありますが、融解がうまくいかないこともあるので、あくまでも保険だと聞いております。)
 一般的に、たくさん受精しても胚盤胞まで育つのは難関と聞きます。私達の場合は、精子が少ないために、受精卵も少なくなり、胚盤胞まで分割せずに移植がキャンセルになるのではと不安に思っています。初めての顕微授精で精子の数が極端に少ない私たちのケースでも、初めから胚盤胞移植と決めてしまうことは一般的でしょうか?

 ご心配の内容は十分理解できます。良好成熟精子が多数得られる場合ですら、必ずしも胚盤胞まで発育するという保障はありません。培養の経過をよく観察しながら、胚の分割状態がおもわしくないと判断した時点で、早めに子宮内へ移植するという方法もあります。
 また、精子がごくわずかしか採れない状態では、異常精子の場合が懸念されます。重症男性不妊に対しても数多く治療している実績のある施設で行うことが望ましいでしょう。[2008年12月20日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:5回 人工授精:6回 体外受精:2回
 主人の精子の状態が悪いことと年齢的なことから、顕微授精(ICSI)に挑戦しました。
 1回目はロング法にて・・・採卵数6個、胚盤胞まで分割した数2個、残りの4個は受精しませんでした。新鮮胚移植1回、凍結胚移植1回しましたが妊娠しませんでした。
 2回目はショート法にて・・・採卵数6個、胚盤胞まで分割した数1個、分割停止が2個、残りの2個は受精しませんでした。新鮮胚移植を1回しましたが妊娠しませんでした。
 顕微授精の授精率は80%と聞いていたので、受精率の悪さに驚いています。
 原因として、精子の卵活性因子不足と言われ、2回目にはカルシウムイオンにつけて培養をしたようですが、効果はあまりなかったようです。このようなことは珍しいことらしく、主治医も頭を抱えている状態です。
 採卵できる卵の数も毎回少ないので卵巣の反応の悪さも指摘されましたが、精子の卵活性因子不足については治療法がないとの説明で、今後の治療をどうすれば良いのか悩んでおります。まったく受精しないわけではないので、望みも捨てきれません。卵活性因子不足では、妊娠は難しいでしょうか?何かよい方法はありませんでしょうか?

 顕微授精(ICSI)で授精しない場合の原因は、卵子側と精子側の2通りあります。しかし、大半が卵子に原因があると私は考えます。しかし、稀に精子の卵子活性化能が低下している場合もあります。見分ける方法としては、マウスの卵に顕微授精をし、授精能を観察すれば、どの程度の能力があるかどうか判定が可能ですが、マウスの顕微授精はどの施設でもできるものではありませんので、その辺が問題点ですね。当院でよろしければ検査は可能です。カルシウムイオンの培養は、あまり効果はないと思います。[2008年12月20日]
(院長:田中温)
年齢:37 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:不明 人工授精:不明 体外受精:不明
 精子細胞での治療についてですが、ステージにより差があることは理解できていますが、まったく同じ精子細胞でも5〜15%と妊娠率に幅があるのでしょうか。それとも各ステージで妊娠率は、ほぼ一律と考えられるのでしょうか?
 また、その妊娠率に関しては、精子での妊娠を100%と考えるのか、それとも100周期中と考えるのかを教えて下さい。

 精子細胞の3段階のステージ別に分けた場合の「妊娠率・流産率」は、それぞれ「Sb1〜Sb2:15.0%、33.3%」「初期Sc:19.5%、26.2%」「後期Sc〜Sd:24.2%、31.1%」となっています。
 精子細胞の発育が進むにつれて成績が上昇します。逆に成熟度が未熟な場合には、臨床成績は下がります。妊娠率というのは、胚移植あたりの妊娠率です。
当院のホームページDATABOOK(http://www.stmother.com/databook/man_01.html#4-5)にて詳しく説明しておりますので、参考にされてください。[2008年12月20日]
(院長:田中温)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:6回
 医学の発達は目覚ましいものがありますが、その中でも精子細胞での治療法しか残されていない患者を救う医療の進歩は今後期待できるのでしょうか。また細胞を培養しての治療法は現段階で期待できるのでしょうか。

 精子細胞は、現在は凍結・培養はせず、そのまま顕微授精(ICSI)して治療しております。培養して治療を行うよりも、直接、顕微授精した方が妊娠率は高くなるからです。
 もちろん精子細胞の成熟度の段階によって妊娠率が異なりますが、一般的に精子に比べると妊娠率が低くなり、流産率が高くなるのはその未熟さゆえ、ある程度は避けることはできません。ただし、現在のところ、精子細胞を用いて妊娠・出産されたお子様に特別な異常が増えるということは認められておりません。[2008年12月20日]
(院長:田中温)
年齢:不明 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:1回
 10月18日付ニュースで、文科省がヒトESやiPS細胞(人工多能性幹細胞)を精子、卵子に分化させる研究について解禁する方向で検討するとありました。
 私達夫婦はMD-TESEを受け、顕微授精(ICSI)に臨みましたが、精子の状態により分割せず、胚移植できませんでした。
 非配偶者間人工授精(AID)を考えていた矢先に、このニュースを見て、とても気になっています。2月にはたしか禁止されたはず、なのになぜ解禁になったのか・・・実証できる見込みが立ったからでしょうか?
 もし5〜10年でこの研究が不妊治療へ応用されるのならば、ぜひ挑戦してみたいです。実際どのような状況なのか、できましたら教えて下さい。そして、できましたらセントマザーで治療を開始して下さいますよう切に願います。

 ES細胞やiPS細胞から精子、卵子が実際に使えるまでには、長い時間がかかるかもしれませんし、全く不可能かもしれません。そのような可能性の低い事で期待するよりも、現在のあなた達の状態で、妊娠にチャレンジされてはどうでしょうか。
 所見が悪くてもMD-TESEで精子が見つかったのであれば、後期精子細胞が必ずあります。精
子が動いていなかったり、奇形である場合には、精子を使わずに後期精子細胞を使うことをお勧めいたします。お二人のお子さんが顕微授精(ICSI)でできるチャンスは十分あると思いますよ。諦めずに頑張ってください。[2008年11月15日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:2回
 無精子症で、TESEにて精子を回収し、顕微授精(ICSI)を2回行いましたが、結果が出ていません。主人は、5年前に副鼻腔炎で手術をしています。ヤング症候群かと思いますが、ヤング症候群は遺伝することはあるのでしょうか?

 ヤング症候群と似たような疾患である、カルタゲナー症候群やcystic fibrosis(嚢胞性線維症)は遺伝的な疾患ですが、私が調べた範囲ではヤング症候群についても遺伝性の疾患とみなされているようです。遺伝様式について詳しくは分かりません。今後の研究によります。
 これまでは、ヤング症候群の男性から妊娠できる可能性がかなり低かったのですが、技術が発展していますので、今後は、顕微授精(ICSI)によって妊娠・出産例もどんどん増えてくると思います。[2008年11月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:2回 体外受精:0回
 結婚して6年になります。勃起障害(ED)のため、結婚当初から夫婦生活が一度もできておりません。
 2年前から不妊治療をはじめて、最初の頃は、何時間もかけて人工授精(AIH)のための精液採取をしていました。しかし、だんだんと自分での採取もできなくなり、AIHを断念するのを何回も繰り返してきました。バイアグラも何度か試しましたが、効果がありません。
 このような状況なので、妊娠率を上げるためにも、顕微授精(ICSI)にステップアップしようとしていますが、やはり精液採取できずに実行できません。バイアグラより他に強い薬や、方法があるのでしょうか?どうすればよいのでしょうか。

 泌尿器科(男性不妊専門医)で「前立腺マッサージ」による精液採取という方法もありますが、人工授精(AIH)にはあまり向かないと思います。
 精液所見にもよりますが、「顕微授精法(ICSI)」が望ましいのではないでしょうか。
 精液が採れなければ、手術で精巣上体(副睾丸)から運動精子を採取して凍結保存する方法もあります。[2008年11月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:不明 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:?回 人工授精:?回 体外受精:?回
 後期精子細胞の治療の継続についての質問です。
 未熟な精子細胞での治療をしていますが、精子細胞がまだ残っています。今後、治療を継続していくことにどのくらいの可能性が残されているのでしょうか。教えて下さい。

 後期精子細胞にもSb1、Sb2、Sc、Sdとステージがあります。Sb1では15%、Sb2では20%、Scでは20〜25%、Sdではほぼ精子と同様の妊娠率がありますが、流産率が30%と通常の精子よりも高くなっております。[2008年11月4日
(院長:田中温)
年齢:29 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 クラインフェルター(モザイク型)と診断されました。
 モザイク型は精子が存在する事がある可能性があると説明を受けましたが、FHSの数値が非常に高く、50を越えています。LHも非常に高く、数値をみる限りでは絶望的なのではないかとも思います。
 これだけの高数値でも、TESEをしてみる価値はあるでしょうか?アドバイスをお願いします。

 クラインフェルター症候群は、FSH値が高値だったり、精巣の大きさが小さい割には、他の非閉塞性無精子症に比べて、精子や精子細胞が見つけられる可能性は高いと一般的にも言われています。
 結果は個々の症例によりますが、手術を受けてみる価値はあると思います。[2008年11月4日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:1回 体外受精:0回
 前進運動の精子がないと言われたのですが、前進運動の精子ができる方法はありませんか?教えて下さい。

 まずは精液検査の再検査をしてみて下さい。前回とは所見が異なっている場合もあります。また検査をする施設(病院)によって、判定が多少違うこともあります。
 ホルモン治療や漢方が知られていますが、ホルモン治療は逆効果だと思います。しない方が良いでしょう。 漢方治療は、しかるべき処方によって、多少改善することもあるかもしれません。
 日本の一般的な男性不妊を専門としている泌尿器科の医師の多くは、精索静脈瘤が見つかれば、それを手術するように勧めると思います。一度受診されるのもいいかもしれません。
 あまりはっきりとしたアドバイスはしづらいのですが、なかなか妊娠に至らなければ、治療内容のステップアップを教えてください。[2008年11月4日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:21 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 ンターネットなどでは、精子は空気に触れると死滅するという意見があります。しかし、逆に、精液に包まれている精子は空気に触れても死滅しないという意見もあります。実際のところを教えて下さい。

 精子が乾燥している状態(水分量が少なく、浮遊する精液量が少ない)だと動きが悪くなったり、死滅することが考えられます。特に、精子を長時間放置すると、精子が乾燥濃縮することにより、浸透圧やPHなどが変化するため、精子の生存性が低下することになります。
 ですから、自宅授精など院外で採取された精液は、乾燥・濃縮を防ぐことが重要となります。そのため、搬送に時間がかかる場合は、あらかじめ培養液を渡しておき、採取した精液と培養液を混ぜるなどの処置が必要になるでしょう。[2008年11月4日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:不明 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:6回
 後期精子細胞を用いて治療をすでに6回しています。受精した後は、卵の質と考えていますが、G1の卵で、受精はしたのに、分割が進まなかったのですが、どのように理解したらよろしいでしょうか。もう可能性がないということでしょうか・・・

 後期精子細胞は精子になる前の未成熟の細胞ですので、妊娠率が落ちるのは、ある程度、避けることはできません。それが治療の限界です。そのようにご理解してください。[2008年10月16日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:2回 体外受精:0回
 奇形精子が98%という結果が出ていますが、タイミング療法、人工授精(AIH)で妊娠の可能性はあるのでしょうか。専門医にすすめられるまま治療を続けていますが、私には問題がないにも関わらず、毎月HCGの注射を受け、内診を受け・・・・精神的に参っています。

 奇形率が98%だと、タイミングや人工授精(AIH)でも、妊娠は大変難しいと思います。
 奇形精子でも、色々なパターンがあります。奇形の場所が、頭部であるのか尾部であるのか。また、頭部の場合はどのような奇形なのか。さらに、DNAの状態はどうなっているのか。このようなことを詳しく調べることが大切だと思いますよ。当院でも精子の研究を行っていますので、色々と検査することが可能ですよ。[2008年10月1日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 主人(32歳)は悪性リンパ腫のため、抗がん剤を6クール行いました。
1月に最後の抗がん剤が終わりましたが、8月に精子の検査をしたところ、100万といわれました。子どもがほしいと思っているのですが、可能性はあるでしょうか?また、胎児に対する抗がん剤の影響はありませんでしょうか?

 抗ガン剤の治療には、何の薬剤を使用されたのでしょうか。治療によって、精子産生能力を低下させたことは間違いないと思います。
 今後、精液所見が徐々に改善していくことを願っておりますが、逆に悪化していったり、無精子症に至る可能性についても考えておかなければならないと思います。
 抗ガン剤による精子の中の遺伝子に与える影響については、現段階では、症例も少ないために、これからさらなる研究、調査が必要になると思います。[2008年9月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
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