回答一覧 - 男性が原因の不妊について No.15 -
年齢:43 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回 
 夫43歳、FSH:31.6、睾丸はピンポン球より小さく、精液検査の結果非閉塞性無精子症と診断されました。ホルモン検査や遺伝子検査などは行わずに、右睾丸に対しTESEを行いました。
 結果、精子は確認できず、一部生検に出したところ精祖細胞も無く、2人の子供は授からないと言われました。私は少しの可能性でも見つけたいので、ホルモン検査や遺伝子検査を受けて欲しいのですが、「したところで無精子症の原因がはっきりするだけで意味は無い」と夫に言われ、既に諦めているようです。
 ホルモン検査や遺伝子検査は、本当に受ける意味はないでしょうか?治療法は見つからないのでしょうか。また、TESEで見つからないとしても、MD-TESEをする価値はありますか?

 当院では、無精子症に関して独自の診断、治療を開発しており、約400例の出産報告を受けています。それは、たとえ精子が見つからなくても、精子になる前の精子細胞を用いた顕微授精で、妊娠・出産させる技術を開発しているからです。MD-TESEで精子が見つかる可能性はほとんど無いと思いますが、精子細胞が見つかる可能性は30〜40%ありますので、それに懸けてみてはどうでしょうか。[2014年9月12日]
(院長:田中 温)
年齢:28歳 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 来年TESEを受ける予定なのですが、その間にしておいた方が良いことはありますか(例:亜鉛の摂取・食事・運動等)?手術までの間、何をしていいのかわかりません。
 (2014年7月 第15回セミナーより)

 TESEをする予定ということは、非閉塞性無精子症ということだと思います。この場合には、生まれた時のごく初期に精巣内の造精機能に障害が起きた可能性があります。
 今の時点で特にお薬やサプリメント、注射などをする必要はありません。普通の生活をし、一般的な手術に向けた体調管理で構いません。
 また、喫煙などは精子の状態や術中、術後に良い影響はありませんので、喫煙をされているのであれば禁煙をお願いします。[2014年8月12日]
(産婦人科医:御木 多美登)
年齢:26 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回 
 現在26歳の夫は、6歳の時に悪性リンパ腫を患い、抗がん剤治療を受けたそうです。幼少期の抗がん剤治療の晩期障害として無精子症になる可能性があるとされていますが、自然妊娠は難しいでしょうか?
 結婚して1年が経つのですが子どもを授かることができません。そろそろ子どもがほしいと思っているので、不妊治療に踏み切ろうか迷っています。

 早めの精液検査をお勧めします。確かに、抗がん剤治療の晩期障害として、無精子症になる可能性はあります。現状を確認することが先決かと思われます。[2014年4月28日]  


(産婦人科医:御木 多美登)
年齢:35 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 MD-TESEの手術後、どれくらいの期間をあければ性交や射精が可能になりますか?

 性交や射精ができるかどうかは痛みの具合によるものが大きいです。
 MD-TESEは精巣の手術ですので、もし痛みが全く無いならば、すぐにでも性交、射精は可能であると思いますが、強い痛みは1週間前後、鈍い痛みや違和感が1か月前後続くことが多いようです。それを踏まえますと、1〜2か月程度で性交や射精が可能になるようです。ただ勃起時に痛みがあり、3か月経過しても性交ができなかった方もおり、ある程度個人差もあるようです。 [2014年2月20日]
(産婦人科医: 御木 多美登)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:2回
 主人は35歳で、1型の糖尿病により逆行性射精と診断されました。射精はできませんが尿中に精子は確認できました。
 今までに2回採卵し、すべて顕微授精で移植は3回行いました。1回目は11個採卵できましたが精子の状態があまり良くなかったのか3個しか受精できず、OHSSのため凍結しました。その後3個融解し、1個は戻せましたが着床せず、翌年2回目の採卵で13個採卵、2個変形、6個を初期胚で凍結し、5個を培養しましたが胚盤胞にはならず、2回目の移植も陰性となりました。3回目の移植では2個(3日目8分割G3、6分割G1)戻しましたが陰性で、また採卵からになってしまいました。
 私が気になっているのは精子の採取方法です。今まで2回採取しましたが2回とも膀胱洗浄はせずに尿と一緒に出し、そこから精子を採取しています。このままでよいのか分からず近くに体外受精できる病院も少ないため、とても不安になります。この採取方法は正しいのでしょうか?


 当院では、逆行性射精を行う際は、排尿の後に膀胱内で培養液を貯留します。採精した精子は十分に洗浄した後に顕微授精するため、尿中の精子でも数や運動率が問題なければ治療は可能ですが、衛生上お勧めはできません。主治医の先生とご相談ください。[2013年11月30日]
(産婦人科医: 伊熊 慎一郎)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:5回
 現在まで精子細胞での治療に5回チャレンジしましたが一度も妊娠に至りません。回数を重ねるごとに分割状態が悪くなっていることもあり、もう治療をやめるかまだ続けるかすごく悩んでいます。5回以上のチャレンジで妊娠する可能性はどのくらいなのでしょうか?実際、どのくらいの方が出産できているのでしょうか?
 また、1回目は誘発の反応も良かったのですが、回数を重ねるごとに卵も分割状態も悪くなっています。このまま回数を重ねて、1回目の時のように卵や分割が良くなるケースもあるのでしょうか?それともやはり悪くなる一方というのが現実なのでしょうか?

 精子細胞の治療の生産率は約10〜15%です。妊娠率は15〜25%ですから、5〜6回チャレンジすれば1回妊娠すると思われます。しかし、これは卵子の状態が正常であるという事が前提です。もし、卵子の数が少なかったり、質が悪い場合には、その成績は低下してしまいます。[2013年11月30日]
(院長: 田中 温)
年齢:29 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:30回 人工授精:0回 体外受精:0回
 非閉塞性無精子症でMD-TESEを行いました。精菅が黄色く変形し正常な状態のものがありませんでしたが、その中でも一番太く状態がいいところを探して頂きました。睾丸サイズはMD-TESE後各3cm程で、テストステロン:361、LH:7.9、FSH:35.4、プロラクチン:28.4です。精子は5匹いましたが、動いていなくて使えるものもなく、セルトリセルオンリー症候群だと診断されました。
 しかし動いていなかったものの精子が5匹居たので、再度TESEをすればどこかに使える細胞があるのではと思い、また行いたいと思っています。再度TESEをするには6ヶ月は期間をあけてと言われていますので、それまでに亜鉛をとるといいとネットで見たので亜鉛が入ったプレミンパパというサプリメントを飲んだり、プレグルという、ミトコンドリアに微力の電流?を流して細胞を活性化するようなサプリメントを摂取しようと思っています。また、ホルモン注射を打って一時的にFSH値を下げて精子を作る働きを休め、またいきなりFSH値を上げて、そこで再度MD-TESEを行ってみる事も考えています。やれる事はやってみて、もう一度、今度はセントマザーの先生にお願いしてTESEをしたいと考えていますが、先生はどのように思われますか?男性ホルモン注射はやってみる価値はあると思いますか?
 セントマザーでは後期精子細胞を使った治療もしているので、それにかけてみたいと思っています。しかし、ジョンソンスコアーでは、セルトリセルオンリー症候群は2、後期精子細胞は7ぐらいと聞きました。この時点で後期精子細胞は見つからないのでしょうか?また、後期精子細胞を使った妊娠は諦めないといけないのでしょうか?  私達夫婦はどうしても、二人の血をわけた子供を授かる事を諦めきれません。TESEの担当の先生にも「ホルモン注射をした所で必ず精子が作られ始めるとは限らない。しかし、セルトリセルオンリー症候群で、動いていないが精子が5匹いたのは大したもの」と言って下さり、私達夫婦は、もしかしたら奇跡が起こるかもしれない!と、ほんの少しの希望がぬぐいきれません。私達夫婦が子供を授かるにはAIDしか残されていないのでしょうか?

 あなたのお受けになられたMD-TESEの内容は矛盾している点があります。ジョンソンスコアでは、セルトリセルオンリー症候群が2点、後期精子細胞が7点ということですが、一般的にこのような言い方はしません。最も進んだ細胞の状態で表しますので、7点が正しい表現の仕方でしょう。また、動いてない精子が5匹いたということであるならば、ジョンソンスコアは10点となります。ただし動いてない精子は、お化け精子という精子と似たような細胞と見間違えることがよくありますので、実際は精子でなかった可能性があります。いずれにしても、当院でMD-TESEを行えば正確な診断はつきます。当院では後期精子細胞のみならず、円形精子細胞を用いた治療も合わせて既に500人以上の正常児が生まれております。後期精子細胞が認められたということは、妊娠する可能性は十分あるということなので、決して諦めずに頑張ってみてください。[2013年11月2日]
(院長: 田中 温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:10回 人工授精:回 体外受精:回
 なかなか子供が出来ないので、不妊検査を受けました。私は34歳でパートナーは35歳です。
 卵管造影検査の結果、片方が細くて通り辛く、癒着も見つかりました。昔クラミジアに感染した事が原因かと思います。精子検査も1度だけ受けましたが、精子は0でした。非閉塞性無精子症だと考えられます。
 ホルモン値はFSH:26.6,LH2:11.0で、染色体検査はまだしていません。睾丸の大きさはやや小さめでピンポン玉ぐらい、硬さは柔らかいです。
 都内では、後期精子細胞で体外受精を行っている病院がありません。地元でMD-TESEを行い、精子がいなかったらセントマザーでまた手術をやるのは遠回りではと思い、彼の負担も考えると1度で済ませたいと思います。わずかな希望に託したいのです。
 セントマザーでTESEを行い、精子なり精子細胞を採取して顕微授精をする場合、遠方から来院する場合はどのような流れになるのでしょうか?

 あなたのおっしゃる通りMD-TESEは1回で終わります。2回目で成功する確率は非常に低くなりますし、細胞の質も落ちますので1回目が勝負とお考えください。そのために最も実績のある当院で行われることをお勧めいたします。MD−TESEの場合、朝早くからの来院となりますので、遠方の方は、当院から徒歩1、2分のところにある「ハウス倶楽部」というデイリーマンションへの前泊をお勧めいたします。当日は、朝7時〜7時半に来院して頂き、8時~8時半くらいから手術となります。手術は1時間程度で、麻酔は30分以内に覚めます。夕方ごろに結果を報告しますので、その間奥様には、自己注射の説明、排卵誘発の仕方や授精の方法などをご説明いたします。翌日退院可能です。[2013年11月2日]
(院長: 田中 温)
年齢: 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 血液検査の結果では「精子を作る指令は出ている」と言われましたが、切って調べたところ、精子が見つかりませんでした。「精子を作る指令は出ている」場合、後期精子細胞が見つかる可能性は高くなりますか?
 また、飲み薬等で治す方法はありますか?

 血液検査とはFSHのことだと思います。指令が出ているという事は、FSHが正常に分泌されているということでしょう。FSHが正常であるならば本来ならば精子が見つかるはずですが、精子が見つからない場合は、精子の一歩手前の精子細胞があります。しかし、精子細胞が見つかる確率は50〜60%だと考えられます。また、この精子を作る機能に関しては、生まれつきの問題ですので、お薬は全く効きません。[2013年9月21日]
(院長: 田中 温)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:3回
 主人が非閉塞性無精子症で、現在第二子を希望しています。第一子は6年前にTESEせずに顕微授精で授かることができました。
 1度片側だけMD-TESEをしましたがまったく採取できず、ホルモン注射を週に何度か打つ治療を続け、再度手術をすることを提案されました。ホルモン治療の効果はどの程度期待できるものなのでしょうか?
 また、現在のホルモンの値はテストステロン:79.3、プロラクチン:18.2、LH:6.0、FSH:22.2です。このような状態で精母細胞が採取できる可能性はあるでしょうか?

 現在のホルモン値でのホルモン注射は、ほとんど効果がないと考えます。ただし第一子を6年前に授かっているという事は、かつては精子を作る能力はあったということですので、たとえ精子が見つからなくても精子細胞が見つかる可能性があります。精子細胞が見つかれば妊娠・出産は可能となります。ただし、その成功率は精子の半分以下となります。[2013年9月21日]
(院長: 田中 温)
年齢:34 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 セントマザーでMD-TESEをした後から、射精のときの精液が勢いよく出なくなりました。これは、何か手術と関係があるのでしょうか?

 MD-TESEを行った後、男性ホルモンが下がることはあります。そのような場合には、性欲が低下したり体調が悪くなったり、やる気がなくなったりというような状態が見受けられますが、男性ホルモンを分泌する細胞は増殖していきますので、時間がたてば必ず元の状態に戻ります。射精時の勢いがないことは、性欲との関係もあると思います。もう少し時間をかけて様子をみてはどうでしょうか。また、どうしても回復の兆候が見られない場合には男性ホルモンを測定してみてください。値が低い場合には、男性ホルモンを注射するという方法があります。[2013年8月31日]
(院長: 田中 温)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 夫が非閉塞無精子症だと診断されました。現在クロミッドを内服していますが、効果の有無、遺伝子検査とともに結果待ちの状態です。
  今後MD-TESEを行う予定ですが、何度まで実施可能なのでしょうか。
  精子が見つからなかった場合はセントマザーでの受診を検討していますが、最初から後期精子細胞も採取可能なセントマザーでの受診がよろしいでしょうか?
  夫の休日が取り辛く、まとまった休みとなるとお盆や正月くらいしかないので悩んでいます。
 

 MD-TESEは大変つらい検査で、非常に負担がかかりますので、1回で終わりにしたいと思います。2回目以降のMD-TESEの成績はかなり低下しますので、1回目が勝負だとお考えください。
  FSHの値が高く睾丸が小さい場合は、非閉塞性無精子症で、良好な精子が見つかる確率は非常に低くなります。しかし、精子細胞の見つかる確率は、精子よりも明らかに高くなりますので、この精子細胞を用いた治療も合わせて可能な当院でMD-TESEを行うことをおすすめ致します。
  当院は大変込み合う場合がございますので、遠方の方は何度も通院することが大変だと思います。前もって予約されれば初診時にこの検査を行うこともできますが、その場合には事前に術前検査を地元の病院で受けられて、その結果をご報告していただく必要がございます。なお、お盆、正月、木曜日、日曜日、祭日は行っておりませんので、ご注意下さい。[2013年7月31日]
 
(院長:田中 温)
年齢:41 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回 
 以前に地元の総合病院で不妊治療を行った際に、染色体の検査で47XXYクラインフェルター症候群と診断されました。今年MD-TESEを受けた結果、精子および精子細胞は存在せず、精細管も形を成していない、との診断を受けました。
 不勉強で申し訳ないのですが、精子を作り出すのは精巣なので、精細管が無くても精子は作り出せると思っているのですが、この考えは正しいでしょうか?また、セントマザーで手術を受ければ精子を発見できる可能性はありますか?もしあるとすれば、一般的なMD-TESEと何か違いがあるのでしょうか?

 そもそも精子は、精細管という管で産生されます。その管腔構造を輪切りにすると、外側から内腔に向けて未熟な精祖細胞から精子までの成長過程の順にびっしりと並んでいます。
 つまり、精細管はただ単に精子を運ぶ管ではなく、精子形成のための場でもあり、精巣の本体であるため、精細管が形を成していなければ、精子・精子細胞は存在しません。しかし、採取した組織を用いてどのように診断したかによって結果は異なってきます。病理診断は切片一枚で全体像を判断していますので、実際には精子細胞が存在する可能性はあります。採取した組織に酵素処理を行いバラバラにした細胞を観察していく方法をとるならば、あなたの場合精子が見つかる可能性はかなり低いと思いますが、精子細胞が見つかる可能性はあります。
 当院では、クラインフェルター症候群の方のTESE は1年間に約30件行っており、精子および精子細胞の発見率は70%弱です。参考にされてみてはいかがでしょうか。
 一般的なMD-TESEとは大きな違いはありませんが、一部の正常な部位を発見できるかどうかは、実際、手術を行った経験数によるものもあると思います。[2013年6月15日]
(産婦人科医:御木 多美登)
年齢:28 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 主人は今22歳で健康です。私は産婦人科で調べたところ、卵子などどこにも問題はないそうです。しかし、結婚して8ヶ月たった現在、夫婦生活をもっていても妊娠する気配がありません。
 ただ、実は旦那がポルノ依存性という事を最近打ち明けられ、ここ5年近く一日に4〜5回自慰行為をするそうです。妊娠する気配が全くないのは、自慰依存性と関係がありますか?

 一日に複数回自慰行為をすれば、当然精子濃度、運動率ともに低下しますので妊娠率は下がると思います。排卵日近くは少し控えるようにされてください。[2013年5月17日]
(院長:田中 温)
年齢: 基礎体温: 生理周期: タイミング法:2回 人工授精:回 体外受精:4回 
 精子細胞(sb1)での治療です。1回目の顕微授精では桑実期胚と、他も10細胞以上まで分割してくれましたが、2回目以降はずっと4〜6細胞期までしか分割せず、スピードも遅いです。卵はG1が採れています。
 1回目と2回目以降の差は何なのでしょうか?凍結している細胞でも、使う細胞によって分割が変わるのでしょうか。それともG1が採れたからといって、必ずいい卵とは限らないのでしょうか?最近は6細胞期以上に分割しないので、これが治療の限界なのかと感じ始めています。

 精子細胞は精子に成熟する一歩手前の細胞ですので、臨床結果が下がるのは仕方ありません。精子細胞を用いた治療の限界です。1回目と2回目以降の差は、凍結した精子細胞のグレードの違いによるものと考えられます。[2013年3月16日]
(院長: 田中 温)
年齢:24 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 精細胞の成長が第一次精母細胞か第二次精母細胞までで止まっていると言われました。精巣内の細胞もかなり少ないそうです。
 このままでも妊娠できる可能性はあるのでしょうか?また、成長が止まってしまった細胞はどうすれば正常に成長しますか?

 この診断は、病理診断だと思われます。病理診断は組織のごく一部分を顕微鏡下で観察し、全体像の診断を下すと言う方法です。
 精巣の組織のなかには5段階の細胞があります。第二精母細胞が病理診断にて認められたということは、組織の一部をバラバラにして1つずつ診ていく精巣生検の方法であるならば、精子細胞が見つかる可能性は非常に高いと思います。精子細胞が見つかれば、その細胞を用いて妊娠・出産は可能です。
 第一、第二精母細胞を体外培養して成長させるという実験の報告はありますが、成功率が非常に低く臨床には至っておりません。臨床妊娠が確実に可能なのは精子細胞以上発育した場合のみです。[2013年2月1日]
(院長: 田中 温)
年齢:27 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 8月に通院中の泌尿器科でMD-TESEの手術を受けました。担当医から「手術中には精子を確認できなかったが、後の病理検査で精子細胞と少しの精子を確認出来た」との説明を受けました。そして、術後の経過を見て、11月ごろからホルモン注射を用いて男性ホルモンを刺激し、精子の造成を促す治療を勧められました。精子細胞が見つかったということは、精子の造成能力はあると認識してよいのでしょうか?また、このようなケースの場合、ホルモン治療はどのくらい効果が期待できるものなのでしょうか?

 精子細胞だけでなく少量の精子も発見されたという事は、造精能力は、ある程度あると考えてよいと思います。ホルモン検査はされたのでしょうか?ホルモン値によって精腺刺激ホルモンの低下による男性不妊、精腺そのものの影響による男性不妊など、ある程度の原因ははっきりします。あなたの場合は、おそらく非閉塞性無精症なので、テストステロンの効果は少ないと考えます。
 男性不妊の原因によって、ホルモン治療の効果は様々です。担当の先生に聞いてみて下さい。[2012年12月27日]
(産婦人科医: 御木 多美登)
年齢:37 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 主人の無精子症が分かりました。
 医師より「睾丸がとても小さく、LH,FSHが高く、テストステロンが1.19と低すぎるため、TESEをしても精子が見つかる可能性は低い。TESEをすることにより男性ホルモンが低下し、更年期の様な症状が出るため、生涯ホルモン注射を打ち続けなければならない。」と診断され、主人は酷く塞ぎ込んでしまいました。
 本当にこのような事になってしまうのでしょうか?だとすれば、もう望みはないのでしょうか?

 テストステロンは精巣で産生されるホルモンです。
 TESEを行うと一時的にテストステロンの産生量が少なくなり、更年期の症状が出現することがあるという報告があります。
 しかし、TESEで採取するのは精巣組織の一部であり、当院のTESE後に更年期症状が出た方はほとんどいらっしゃいません。しかし、体がだるかったり、性欲減退などの症状が出た場合はTESEを行った主治医とご相談ください。[2012年11月20日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:38 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:回 体外受精:回
 インターネットで、その場で採精した精子を用いる場合と凍結精子を用いる場合とでは妊娠率に違いが あるのかどうかについて書かれているのをよく目にします。
私はセントマザー産婦人科医院で人工授精を試みたいと思っており、仕事の都合上、事前に凍結した精子を用いる方法を希望しますが、当日に採精した方が妊娠率に良い影響を与えるという事であればそちらを選択したいと思っております。少しでも可能性の高い方を選択したいと思いますので、凍結精子が妊娠率に与える影響について教えて下さい。
 また別件で、DHEAの服用についてもよく目にしますが、服用すると良い影響を与えるのでしょうか?

 凍結は約-200℃で行いますので、精子は融解直後は正常に戻りますが、その後の運動率の低下は極端に進んでいきますので、人工授精を行う場合には極力新鮮精子を使用することをお勧めします。ただ、出張などで排卵日に不在の場合には、この凍結精子を使わざるを得ないと思います。妊娠率だけを考えるならば、新鮮精子を使うことをお勧めします。
 なおDHEAの服用は卵巣機能を高めるということで効果はあると思いますが、ご主人にはあまり効果はないと思います。[2012年11月20日]
(院長: 田中 温)
年齢:29 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 現在、私は精子細胞を凍結中で、妻の採卵準備を行っている段階です。治療には莫大な費用がかかり、無精子症の私だけでなく、いたって健康な妻にも大変な思いをさせます。今後、治療回数は二人で話して決め、それ以降は他の生活を考えようと思います。
 精子細胞(後期精子細胞)での妊娠・生産率とAID(提供精子)での妊娠・生産率では、後者のほうが確率は高いのでしょうか?
 また、あまり聞く質問ではないのですが、もし妻が自然妊娠を望み、離別した場合、今回の治療が将来の妻の生活(自然妊娠)に影響するのでしょうか?

 AIDの妊娠率は非常に低いもので、数%とお考えください。どちらを選ぶかは、2つのポイントが重要です。1つは自分の血を分けた子供が欲しいのか、もう1つはお金がかからず早く欲しいのか、この2点に絞られると思います。
 もし奥様が自然妊娠を望み、離別した場合でも今回の治療は将来に影響はございません。[2012年11月20日]
(院長: 田中 温)
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