回答一覧 - 治療とつきあう・カウンセリング・その他 No.12-
 年齢:45 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 現在45歳で、44歳の時に受けたAMH値検査が0.34と非常に低く、残りの卵子の数を考えると非常に焦りを感じています。
 現在はオーソM21というピルを使い、月経(排卵?)を止めております。月経を止めると、卵子の数は少しでも多く残せるものでしょうか。アポトーシスが起きるから月経を止めても無駄という意見も聞きますが、その期間排卵はないから残る卵子の数が多いという話も妊娠経験者から聞きます。
 アポトーシスは排卵の時に起こるのでしょうか?それとも排卵を止めていたとしても、日々少しずつアポトーシスは起きるのでしょうか?日々少しずつアポトーシスは起きる上に排卵が起きると大きなアポトーシスが起きるのでしょうか?

 細胞にはある一定の決められた寿命があり、それを終えると死にます。このことをアポトーシスと言います。
 ヒトの卵は胎児時期には数100万個あり、出生後は徐々に減少し、月経が始まるころには10分の1の数10万個になっております。この数10万個ある卵子が、月経開始後、約40年以内に0になるためには、1回排卵するたびに約1000個近い卵子を消失する必要があります。このように、卵子にはアポトーシスが運命づけられています。アポトーシスは月経や排卵をホルモン剤でコントロールしたとしても止めることはできません。その変化は目には見えないレベルで日々少しずつ起こっています。
 なぜこのようなことが必要かというと、女性は誰もが閉経を迎えなければならないからです。すなわち、卵子の数を減少させ、徐々に卵巣機能を低下し、最終的には卵子の数を0にするわけです。そういう意味では、アポトーシスは合目的な生理現象だとご理解されてください。
 排卵後の卵胞は黄体化した後消失し、その役目を終えますが、一つの細胞レベルの死とほぼ同じで大きなアポトーシスが起きているわけではありません。[2014年7月2日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:15回 
 セントマザーのホームページを見たところ、「今後の治療は移植・凍結を4・5日目で行う」と変更となっていました。何か理由があるのでしょうか?教えてください。

 従来は採卵2日目より胚の結果の電話連絡を回線が混雑する中で毎日やっており、患者様に非常にご迷惑をかけていました。そこで、患者様の毎日の電話連絡など煩雑さを解消するために今までの治療のデータを解析した結果、4日目で判定することにより今までと同様の臨床成績が得られ、尚且つ妊娠率においては今まで以上の成果が出ることがわかりました。この結果より、治療の流れを簡略化するため、また患者様の連絡などの負担を軽くするため変更を致しました。[2014年4月28日]
(院長:田中 温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:4回
 昨年から他院で顕微授精を計4回行っていますが、結果が出ていません。いずれも5日目胚盤胞を移植しています。
 4月から福岡へ転勤になり、セントマザーへ転院しようと思います。セントマザーは初診で紹介状等を持参すれば、直ぐに採卵へ入ることが出来ますか?恐らく、大体の検査は現在の病院で済んでいると思います。

 月経3日目までに受診していただき、両側卵巣に遺残卵胞がないこと、FSH・LH・E2の基礎値が問題なければ採卵周期に入ることは可能です。当院へは、月曜日から土曜日の午後3時までにご来院ください。ただし、木曜日は午前中のみの診療となります。また、これまでの治療内容や検査データなどもご持参いただけると有難いです。ご不明なことがありましたら、当院へ電話またはメールでお問い合わせください。ご来院お待ちしております。[2014年4月4日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:8回 体外受精:2回 
 現在、顕微授精でお世話になっております。不妊治療と直接関係がないと思って診察では聞けなかったので、質問させてください。
 私は乳腺症と乳腺線維腺腫があります。昨年12月の年1回の定期検査でしこりが大きくなっていたので精密検査をし、今後は半年ごとに検査をすることになりました。やはり不妊治療をしていると、乳ガンのリスクは高くなるのでしょうか?(家族に乳ガン歴あり)
 それと、半年くらい前からあご周りのニキビがひどくなり、皮膚科の先生は「ピルを服用したら良くなりますよ」と仰っていたので不妊治療している事を告げると、ピーリングをしたりビタミン剤を処方されたりしました。しかし、よくなっていません。食事やスキンケアには気をつけていて快便です。男性ホルモンが多いのでしょうか?不妊治療中は仕方のない事なのでしょうか?
 私は流産を2回している抗リン脂質抗体症候群による不育症で、ピルを服用してはいけないといわれましたが、不妊治療以外の目的でもピルを服用してはいけないのでしょうか?

 (1)乳癌のリスクについて
 乳癌の発生・増殖には女性ホルモン(特にエストロゲン)が重要な働きをしています。乳癌のリスクがありますし、ご家族に乳癌の方がいらっしゃるとのことですので、定期検診は必ず受けられることをお勧めいたします。また、不妊治療をすることで乳癌の発生率が高くなることはありません。
 (2)ニキビについて
 女性ホルモン(特にプロゲステロン)の補充により、にきび(ざ瘡)が関係しております。男性ホルモンは、プロゲステロンが前駆物質となっているため関連がありますが、女性もある程度の男性ホルモンは分泌されております。不妊治療とは直接関係ないと思います。
 (3)抗リン脂質抗体症候群による不育症について
 抗リン脂質抗体症候群に関連する合併症は、動脈血栓塞栓症、静脈血栓塞栓症、さらには習慣流産など多彩です。ピルの服用による合併症の1つに静脈血栓塞栓があり、抗リン脂質抗体症候群の診断をされているのであれば、不妊治療以外でもピルの服用は避けるべきでしょう。[2014年4月4日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:30 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 今年に入ってから多嚢胞性卵巣症候群との診断を受けました。イギリス在住で、今すぐではなく、近い将来に妊娠を希望しています。
 日本での3ヶ月間のカウフマン療法を終えましたが、効果があったかどうかが分からないままパートナーの本国へ行く日が迫っております。
 主治医は基礎体温をつけ続けて生理がきちんと来るかどうか、3ヶ月様子を見るようにと話してくれましたが、イギリスでも的確な治療ができるのかとても心配です。
 海外では、カウフマン療法はあまり有名ではないのでしょうか?私が日本人として不妊治療を望む場合には日本での治療が最適なのでしょうか?

 カウフマン療法で用いる卵胞ホルモンと黄体ホルモンの薬剤は、海外にもありますので同様の治療を受ける事は可能です。
 ただし、薬の規格や容量が日本と異なる可能性があります。現在通院している主治医に情報提供書を作成して頂き、イギリスのドクターと相談されてください。[2013年12月21日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:26 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:7回 人工授精:回 体外受精:回
 昨年の秋にセントマザーで治療をしていました。卵管造影検査と夫の精液検査は問題ありませんでしたが多嚢胞卵巣症候群と診断されました。また、プロラクチンの値が高いため薬を処方され、肥満のためダイエットをするように言われました。
 仕事の関係で栄養士にプログラムを立ててもらう事ができ、プールを始めましたが全く体重の変化はありません。痩せてから再度治療にいこうと考えていたら月日はすぎる一方で、不安は増すばかりです。
 生理不順で生理がこないこととお腹のはりがあったので、以前のかかりつけの病院に行きました。しかしセントマザーを紹介してくれた当時の担当医はおらず、新しい先生にお腹のはりの原因を聞くと、その病院では診られないとのことでした。
 もう1年間程あいてしまいましたが再度セントマザーで診察をしてもらうことは可能ですか?

 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)による月経不順、排卵障害でお悩みのこととお察しいたします。
 当院で治療しご妊娠された方がいらっしゃいますので、あきらめずに治療して頂ければと思います。
 まずは奥様の卵巣やホルモンの状態などをお調べしますので、ご都合が良い日の診療時間内にご来院ください。
 尚、年末年始は予約制となり、ホルモン検査は行えませんのでご理解のほどお願い致します。[2013年12月21日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:38 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:1回 
 他院での体外受精が残念な結果に終わり不安な日々を送っていますが、次回の治療も考えています。セントマザーへの受診も考えていますが、県外に住んでいるため悩んでいます。もし、セントマザーに受診する場合、これまでの診療情報提供書が必要ですか?

 当院の初診は木曜日を除く、月曜日から土曜日までの午前9時から午後3時まで受付しております。木曜日は午前中のみの診療で午前9時から12時までの受付となります。予約制ではございませんので、ご夫婦のご都合が良い日にご来院下さい。
 その際、他院で治療をされていらっしゃる場合は診療情報提供書があると当院での治療の参考と致しますのでご持参いただけると幸いです。その他奥様の基礎体温表、ご主人の精液検査所見、ご夫婦の感染症や血算・生化学等の血液検査もありましたら一緒にご持参ください。必要な検査は問診後に行い、一通りの検査を終えてから治療方針を決定します。
 ご不明な点がありましたら、お電話やEメール(incho@stmother.com)で当院にご連絡ください。ご来院お待ちしております。[2013年9月21日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:36 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回 
 基礎体温は二相性ではあるもののギザギザで、ホルモン値はAMH:0.8,LH:3.82,FSH:12.71と思わしくありません。以前、クロミッドとHMGを使用しても卵が1個しか育ちませんでした。
 卵巣を休ませたり、タイミング法を試すためにピル(マーベロン)を服用したりしているのですが、マーベロンは作用が強いので卵子が育ちにくく、高齢者は気を付けるべきなどと聞きました。しかし、不妊Q&Aには「作用の強さはマーベロンの方がドオルトンよりも強くなります。ですから、高齢の方や卵の数が少ない方がドオルトンを使用しますと、卵の数が減りすぎることがありますので、ご注意下さい。」と書いてありました。これだと作用の弱い方が卵の数を減らしてしまうということになりますが、どちらが正しいのでしょうか?
 もし作用の弱い方が問題であったとして、生理周期を整える目的でマーベロンを使用するにしても、卵子の数が少ない高齢者にはあまり良くないのでしょうか?もしくは三相性のピルならいいのでしょうか?来年結婚予定なので、できるだけ卵を無駄にしたくありません。

 ピルは、本来妊娠をさせない為の避妊薬ですので、一般的には卵の数が減り、内膜も薄くなりますので使い方に十分注意されてください。詳しいことは、月経3日目までの月経中の左右卵巣内の胞状卵胞の数、大きさ、E2、LH、FSHの値により排卵誘発を決めることが良いと思います。左右卵巣内の胞状卵胞数が5〜6個ずつ認められれば問題ありません。[2013年9月21日]
(院長: 田中 温)
年齢:48 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 初めて顕微授精を行いましたがうまくいきませんでした。次回挑戦する際には、何か月間隔を空ければよろしいのでしょうか。

 治療を行った翌周期でも、月経開始時に前周期の遺残卵胞が無いこと、ホルモンバランスに問題ないことが確認できれば続けて治療することができます。もちろん、1〜2周期空けて治療を再開する方法でも結構です。
 来院される際に、主治医にご相談ください。[2013年8月31日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:32 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 不妊症を予防する上で一番大事なことは何ですか?

 非常に難しい質問であり、答えは何通りもあると思います。
 私の意見としてお答えするなら、少なくとも半年〜1年に一度婦人科を定期的に受診したり、基礎体温を記録し、自分の体の状態を知ることだと思います。
 簡単なように思われますが、継続することは意外と難しいことだと思います。本格的に治療を希望される際はまたご相談ください。[2013年8月31日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:38 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:5回 人工授精:5回 体外受精:2回 
 妻の年齢のこともあり子づくりの機会を確保したいのですが、妻が医師から「男性の風疹予防接種後も避妊期間が必要」との話をされ、躊躇っています。 風疹予防接種後、女性の場合は2ヶ月程度の避妊が一般的かと思いますが、男性の場合は情報が少なく正確な避妊期間が分かりません。 妊婦が風疹に感染すると問題がある、ということは理解していますが、男性側の予防接種後の避妊要否について教えてください。また、麻疹と風疹、その他生ワクチン接種で対応が違うのでしょうか。

 風疹のワクチンは、接種してからそれが抗体になるまでに、50〜60日かかります。そのため、女性はワクチン接種から治療までは2ヶ月あけていただくようにご説明しています。男性の場合ですが、ワクチン接種後、精子に風疹ウイルスが移行したという報告は今のところありませんので、採精や性交渉に期間をあける必要はありません。しかし、奥様に風疹抗体がない状態で旦那様がワクチン接種してしまうと、奥様に移ってしまう可能性があるため、旦那様は奥様の抗体値を調べられてからの接種をおすすめします。[2013年6月15日]
(産婦人科医:笠原 華子)
年齢:28 基礎体温:不明 生理周期: タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 生理の出血量が少なく周期は不規則なため、カウフマン療法(プレマリン、デュファストン)を行いました。 カウフマン療法を行うまでは、毎月不規則ながらも基礎体温が二相性になっていたのですが、薬を飲んでからは高温期がなくなってしまいました。3クール続けた後、結婚もあり薬を止めました。現在生理20日目ですが、未だに低温期のままです。今ではおりものもほとんどありません。カウフマン療法を行わなければよかったと後悔しています。
 私の場合、カウフマン療法は逆効果になってしまったのでしょうか?これからは、薬を飲んでいた時みたいに低温期のまま生理がきてしまうのでしょうか?

 カウフマン療法はホルモン剤により月経周期と同じホルモン動態となりますが、治療中は卵巣の機能が一時的に休んでいる状態となるため、治療を終了してから卵巣がもとの状態に機能するまでは多少時間がかかります。又、卵巣にプレマリン(卵胞ホルモン)の影響で嚢腫が生じることもありますが一時的なものです。まずは自然に月経が発来するのを待って頂いて良いと思います。もともと月経が不規則でいらっしゃるので、次の月経周期は自然に排卵するかをモニターして頂き、排卵障害がみられる場合はLH-RH負荷試験を行い、ホルモンバランスに問題がないか調べてみることをお勧めします。[2013年6月15日]
(産婦人科医:伊熊 慎一郎)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 19歳頃から、月経が終了して3日〜5日後に、不正出血が3日〜5日程度あります。月経期間は7日程度です。不正出血の量は、月経量よりは少なめですが、生理痛に軽く似た痛みがあることが多いです。
 生理周期は32〜40日でややばらつきがあります。高温期は、だいたい14日程度が多いため、排卵までの期間にばらつきがあるようです。
 子宮内膜症や子宮癌、性感染症などは、検査したところありませんでした。
 このような卵胞期の出血は、不妊と関係があるのでしょうか?

 お話を聞く限りでは、月経がダラダラと続いているのではないかと推測されます。
 高温相が14日程度あるのであれば、排卵はきっちりとありますので、あまり不妊との密接な関係は考えにくいのではないかと考えます。不正出血がある時点で不妊治療の専門医の受診をお勧めします。子宮筋腫、ポリープの有無などもチェックする必要があります。[2013年2月1日]
(産婦人科医: 御木 多美登)
年齢:43 基礎体温:二相性 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:1回
 日本不妊治療学会JFTSというところで、卵子を若返らせる効果があると言ってミトコンドリアES-46というカプセルが売られていますが、効果はあるのでしょうか?
 先日顕微授精で陽性反応が出て喜んでいたのですが、9週で繋留流産という結果になりました。またチャレンジしますが年齢的に時間もなく藁をもすがる思いのため、少しでも可能性をあげたいので飲んでみたいのですが、どれほどの信頼性があるのでしょうか。

 ミトコンドリアは卵子の老化に影響はありますが、これを若返らせる為のサプリメントは、全く効果が無いと思います。キャッチフレーズに惑わされないように注意して下さい。[2012年12月27日]
(院長: 田中 温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:4回
 夫が無精子症のため、後期精子細胞を用いて治療しています。
 凍結保存している精子細胞がもうすぐなくなりそうなので、もう一度手術するか、諦めるか考えています。
 iPS細胞から精子が作れると聞きましたが、臨床応用できる可能性は近い将来あるのでしょうか?

 マウスではiPS細胞から精子を作成し、子どもが生まれる事が京都大学で報告されておりますが、その過程においては、人体では難しい他の細胞との共同培養があります。ですから、実際に人に応用して子供になるには、たくさんの障害があると思います。少なくとも10〜20年はかかるのではないでしょうか。また、全く不可能という結果になる可能性も十分あり得ます。[2012年12月27日]
(院長: 田中 温)
年齢: 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 女性の卵子の老化などの事は、不妊治療を進めている中で知ることができました。治療を経験された方は、これらのことに対する興味関心が高く、知識も豊富だと思いますが、社会の関心は低く、知らない方も多いと思います。私たちと同じような思いをさせないためにも、子どもなどの早い段階から不妊に関する教育を行うことがとても重要になると思います。これからの教育について、どうお考えですか?(2012年7月 第13回 セミナーより)

 中学・高校の授業の一環として、妊娠に関する項目で不妊症を取り上げていくことは今後大切になってくると思います。
世間では、女性の社会進出、晩婚化、少子化が進み、日本の国をこれから支えていく子供たちの人口が減り、老人国となり、国の存亡にもかかわる事態が近い将来起きようとしています。避妊についての授業はあるものの、女性の結婚年齢が高くなるにつれ妊孕能力が下がり、不妊が増えているという現状を子供たちにも知ってもらうべきだと思います。そのためには、20代〜30代前半の早い時期に妊娠することを推奨することと、社会の受け入れシステムが完成されることが大切です。[2012年9月15日]
(産婦人科医: 永吉 基)
年齢:42 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:1回
 主人は外国籍、私は日本国籍で、現在フランスに在住しています。不妊の原因は、主人の重度の男性不妊(精子奇形率100%)と、私の年齢なものと大きな子宮筋腫があることです。先日1回目のIMSIを行いましたが妊娠しませんでした。フランスでは43歳になると不妊治療を受ける事が出来ない為、日本での治療を考えています。その場合、滞在期間は最低でもどれくらい必要でしょうか?主人は1ヶ月間の休暇が可能ですが、それ以上必要でしょうか。

 ご主人の精子は凍結すれば、その後の来院は不要です。奥様の滞在はやはり2週間は必要だと思います。[2012年9月1日]
(院長:田中 温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:30回 人工授精:回 体外受精:2回
 2009年に不妊治療を開始し、3年位前にセントマザーで腹腔鏡による卵管閉塞のOPEをしていただきました。
 その後、タイミングをとっても妊娠にいたらず、体外受精(採卵1回、移植2回)を他院で行いましたが、全て陰性でした。
 今年に入って体調を崩し、リウマチを発症しました。それと同時期の今年3月に初めて自然妊娠しましたが、9週で繋留流産となりOPEをしました。リウマチは今のところエンブレルの自己注射で治療をし、妊娠した時点で薬はやめて、出産後に治療を再開するという方針でリウマチ科と婦人科で話をしてもらっています。
 主人の転勤により今は沖縄で治療をしていますが、来年の3月末には福岡に転勤になりそうです。リウマチを持っていてもセントマザーで治療をすることは可能でしょうか?

 まず、リウマチの状態が安定しており、内科からの妊娠許可が下りている事が不妊治療の大前提となります。
 リウマチの方で上昇する、RAという血液検査があります。その検査はお済でしょうか?
 当院では、不育症(流産を繰り返される患者様)が疑われる患者様のスクリーニングでは、RAをスクリーニングするようにしています。
 RAの上昇を認めた場合、どのように治療するかは明確な指針はありませんが、当院では低用量アスピリンの内服をしていただく事にしています。また、リウマチは自己免疫疾患ですので、弱いステロイド作用のある柴苓湯の内服も効果があるかもしれません。(多くの文献で、不育症患者に対する柴苓湯の有用性が報告されています。)
 当院でも対応可能と思われますので、一度受診されることをお勧めいたします。[2012年9月1日]
(産婦人科医:茅原 誠)
年齢:29 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 私の彼は性同一性障害で、もう6年もホルモン注射をおこなっています。見た目や力は男性そのもので、誰も元女性だとはわかりません。彼は私に「性同一性障害の人でも子供をつくることができるんだよ!」と言います。
 精子も個人差があるとは思うのですが、彼の言うとおりスポイトなどで注入すれば、子供ができる確率があるのでしょうか?

 性同一性障害で手術を行ったのちに男性になった場合、戸籍上男性として登録できますので非配偶者間人工授精(AID)を用いてお子さんを作るということはできますが、ご主人は精巣がありませんので精子を作ることは出来ません。妊娠・出産する方法としてはAIDしかないとお考えください。そして、それは法的に認められています。[2012年6月16日]
(院長: 田中 温)
年齢:42 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 現在、フランスで治療を行っています。治療を始める前のホルモン数値は、プロラクチン:14.2ng/ml、FSH:10.70mUI/ml、LH:4.50mUI/ml、エストラジオール:10pg/mlでした。また、私には大きな子宮筋腫と内膜症があります。主人の精液検査の結果は、精液量:3.9ml、PH:8.9、精液濃度:320万/ml、運動率:21%、速度(速):3%、速度(遅):3%、不動精子:3%、奇形率:100%で、主人は大きな病気をしたことがなく現在もいたって健康ですが、精子無力症と診断されました。精液検査は2回行ったのですが、どうしてこのような結果になるのか主治医もわからないとのことでした。
 年齢的にもリミット状態の為、顕微授精(IMSI)をするためにスケジュールをたてて治療を始めました。すべての注射を終え卵胞の状態を確認後、HCGを受けて採卵というはずだったのですが、子宮筋腫が腫れて大きくなってしまっている状態のためまったくもって採卵が出来ないという状況で、約2週間の薬剤投与と治療が無駄になってしまいました。1ヶ月ほどあけて主治医の診断を受け、今後について決めて行くという事になりましたが、今はどうしてよいのかわかりません。子宮筋腫の手術をすると多くの時間をなくすということで、手術をせずに不妊治療を始めたのですが不可能なのでしょうか。参考のため、今回の治療スケジュールを以下に記載します。アドバイスをお願いいたします。
 <今回の治療スケジュール>
 ・3/27〜4/7 : 最終月経
 ・4/17〜28 : Decapeptyl 0.1ml(日本では使用されていないのでしょうか)
 ・4/26 : 血液検査とエコグラフィー。E2が113mlと異常に上がっているとのことで妊娠している可能性があるため妊娠検査薬を試すも妊娠しておらず。
 ・4/28〜5/2 : DecapeptylとGonalF : 300UI
 ・5/3 : 子宮筋腫が大きくなって腫れている。Decapeptyl(今までとは別のもの)を1回だけうち、1ヶ月間は何もせず状況をみるとのこと。また、4/30から出血があり主治医に確認したところ、生理ではなく薬剤のためとのことだったが、その後の出血量も生理と同じようにかなり多く、激しい痛みもあったので、ボルタレン座薬を使用した。

 精液検査所見異常の多くは、本人の健康状態とは無縁であり、今の状態では顕微授精がベストの方針と思われます。ただ、子宮筋腫に関しては、大きさやできる部位によって、妊娠への影響は様々であり、いちばん身近で診て頂いている主治医の先生との相談で決めていくのがいいかと思います。
 特に、巨大な子宮筋腫は妊娠成立後も切迫流産、切迫早産などになる可能性も非常に高いため、妊娠成立後のことも含め主治医の先生とよく話し合われてはいかがでしょうか。[2012年6月16日]
(産婦人科医:御木 多美登)
質問一覧に戻る   |    このページの最初へ   |    TOPページに戻る