回答一覧 - 妊娠するには・妊娠のしくみ No.12 -
年齢:50 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 50歳以上で妊娠、出産された方はいますか?また、妊娠、出産の可能性はありますか?(2017年7月 第18回セミナーより)

 当院における治療成績になりますが、御本人の卵での妊娠は、49歳が最高齢で2症例ありますが、どちらも流産となっています。出産された方の最高齢は48歳です。
 当院に関係する卵子提供での最高齢は52歳です。50歳以上では8名いらっしゃり、そのうち2名は出産(妊娠9ヶ月帝王切開でお子さん一人、妊娠8ヶ月帝王切開で双子)、4名は妊娠継続中、2名は妊娠に至っていません。
 50歳以上になると妊娠しづらくなり、また妊娠しても合併症(妊娠糖尿病、高血圧症等)が起こりやすく、早産や帝王切開手術による出産となる場合も多いため、危険性は高くなります。[2017年8月26日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:35 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:回
 卵管を結んでしまったのですが、妊娠を希望しています。体外受精でなく、卵管形成手術を行い妊娠することは可能ですか?

 まずどのような方法で卵管結紮を行ったのかを、手術を受けられた病院に問い合わせていただく必要があるかと思います。また卵管の閉塞機転がどこにあるかも不明であるため、卵管造影を含めた評価が必要であると思います。卵管結紮術後の卵管を再疎通させる方法として、卵管端々吻合術というものがあります。しかし卵管という臓器は精子や卵子の通り道としての機能と、卵子をつかまえる機能の2通りの機能を有しており、端々吻合後にどの程度卵管の機能が改善するかは分かりません。また術後の生児の獲得についても症例報告が散見される程度であり、体外受精へのステップアップが望ましいのではないでしょうか。[2017年1月28日]
(産婦人科医:市山 卓彦)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:1回 人工授精:3回 体外受精:1回
 以前、セントマザーで顕微授精して息子を授かりました。その息子も今は3歳になります。
 現在第2子が欲しいのですが、母乳は多くはないですがまだ出ており、おっぱい離れがまだで、暇さえあるとくわえます。年齢を考えると早く第2子が欲しいのですが、自然なおっぱい離れを待っているので、無理にやめさせたくはありません。
 授乳しながらの不妊治療はできないでしょうか? 不妊治療で飲むお薬や注射などの、母乳への影響が知りたいです。

 授乳中の血中プロラクチン値は数か月間正常化せず高値にあります。プロラクチンの過剰は無月経、月経不順、不妊といった性腺機能低下を来します。流産のリスクも高まります。そのため当院では卒乳後3ヶ月あけてからの治療再開を推奨しております。
 また一般的に不妊治療に限らず授乳中に投薬する場合、乳汁への移行性の低い薬剤を使用いたします。そのため担当医に授乳中であることは必ずお伝え下さい。[2016年11月10日]
(産婦人科医:市山 卓彦)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:2回 体外受精:2回
 私は現在38歳、ニューヨークで不妊治療をしている者です。AMHが低く、0.7〜3.5と測定日によって幅があります。
 今までショート法で2回体外受精をしています。
 一度目:17個採卵、7個受精、3日目8分割の新鮮胚を移植後、化学流産
 二度目:16個採卵、10個受精、3日目6&8分割の新鮮胚を移植、妊娠せず
 転院して新しい先生の勧めでDHEA(50mg)を3ヶ月ほど摂取したところ、ホルモンバランスが崩れて高温期がなくなり、32mmの遺残卵胞が出来てしまいました。卵巣機能の向上を狙ってのDHEAだったのですが、普通にホルモンが出ていたにもかかわらず、DHEAを摂取したことによりDHEAが体内で過剰に生成され、結果的に無排卵を引き起こして悪い方に作用してしまったようです。今はDHEAの摂取をやめ、ホルモンバランスが元に戻るのと、遺残卵胞が消えるのを待っています。
 次回はロング法を試す予定だったのですが、次の生理が来た時に遺残卵胞が消えていたらショート法ではじめると言われました。卵子は3ヶ月かけて成熟すると聞きますが、DHEAのせいでホルモンバランスの崩れた3ヶ月の間に育ってきた卵子は、今回ショート法を使って採卵したとしても、質の悪いものが出来てしまうでしょうか?
 ニューヨークでは一度の治療に130万円(プラス薬代50万円)かかるので、状態の悪い卵子が採れる可能性が高い場合には、ホルモンバランスが完全に戻ってから治療したいと考えています。

 DHEA(dehydroepiandrosterone) はテストステロンやエストロゲンと言った性ホルモンの前駆体です。動脈硬化や老化の防止、卵子の質の改善に効果があるとする報告があり、不妊治療においてはサプリメントとして広く使用されています。しかしその詳しい作用機序についいては明らかにされていません。ホルモンには多くの要因が関わるため、3ヶ月間のDHEA摂取のみが遺残卵胞や月経周期や基礎体温の乱れを生んだとも限りません。
 またホルモンバランスの崩れは多くの場合一過性ですし、ホルモンの評価は上記のみで行われるものではないため、治療に入るタイミングについては担当医とよく相談されてください。[2016年11月10日]
(産婦人科医:市山 卓彦)
年齢:29 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 妊娠を望んで活動を始めて、どれくらいの期間妊娠しなかったら病院で検査を受けた方が良いですか?(2016年7月 第17回 セミナーより)

 不妊症とは、健康な男女が避妊なしで夫婦生活を営んで2年間妊娠しない場合を指します。どのくらいの期間という決まりはありませんが、近年の晩婚化もあり約半年くらい夫婦生活を営んで妊娠されない場合に医療機関を受診される御夫婦が多いように思います。[2016年9月20日]
(産婦人科医:市山 卓彦)

年齢:27 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 交代勤務でどうしても生活が不規則になってしまうのですが、その中でも気をつけた方がよいことはありますか。
 また不規則な生活は不妊へ何か影響を与えますか。(2016年7月 第17回 セミナーより)

 不規則な生活というのは、おそらくお仕事の時間が不規則ということでしょう。
 これはお仕事ですので仕方がないでしょうが、その中でもなるべく規則正しい食生活と適度な運動をすることをおすすめします。特に就寝前の飲食では高カロリーの摂取は避けたほうが良いと思いますよ。
 ぜひ基礎体温をお付けください。[2016年9月10日]
(院長:田中 温)
年齢:31 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 以下の3点について伺いたいです。
 ・排卵障害を自力で治すために何かできることはありますか?
 ・流産後はどうして妊娠しづらくなるのですか?
 ・体に特に問題がなく、タイミング法で時期も回数もばっちりなのに、妊娠しない原因は何が考えられますか?(2016年7月 第17回 セミナーより)

 ・排卵障害は下垂体性・視床下部性排卵障害といった中枢性の排卵障害、高プロラクチン血症や高アンドロゲン血症といった内分泌性の排卵障害、PCOSや黄体機能不全などが主な原因としてあげられます。一般的に排卵障害に対して御自身で出来ることとしては、規則正しい生活習慣と食事や体重のコントロールかと思いますが、原因によって治療方針やアドバイスを差し上げられる内容が異なりますので、一度排卵障害の原因について担当医と相談なさってはいかがでしょうか。
 ・流産手術時に大きな合併症等がない場合を除いて、流産後に妊娠をしづらくなるということはありません。
 ・タイミング療法はどのくらいされたのでしょうか。タイミング法での妊娠率は約8〜10%です。体に問題がないとのことですが、不妊症の原因はまず女性因子、男性因子に大別され、女性因子においては子宮因子、卵管因子、卵巣因子があげられます。当院では6回程度タイミング療法をされても妊娠に至らない場合は、腹腔内の癒着による卵管の卵子のキャッチアップ障害がないか腹腔鏡検査をおすすめしております。[2016年9月10日]
(産婦人科医:市山 卓彦)
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