回答一覧 - 最新医療(着床前診断・産み分け 他) No.3 -
年齢:45 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 以前、イギリスのみで認可されている卵子の核を若い卵子に移植する方法を伺いました。そのときはまだ日本では認可されていませんでしたが、進展はありましたでしょうか?(2017年7月 第18回セミナーより)

 卵細胞質置換によって妊娠率、出産率が高くなることは既に動物実験で証明されております。そこで当院でも日本産科婦人科学会の承認のもとに基礎研究を行っております。その結果、胚発生率が有意に高くなることが認められましたが、臨床応用されるまでには至っておりません。[2017年10月31日]
(産婦人科医:市山 卓彦)
年齢:45 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 もうすぐ46歳になります。
 体外受精を考えていますが染色体異常が心配です。どのくらいの確率で染色体異常が生じるのでしょうか。また、着床前診断等を行うと染色体異常の確率はどのくらい下がるのでしょうか。(2017年7月 第18回セミナーより)

 46歳での染色体異常に起因する流産率は70%以上と非常に高くなります。
 着床前診断は、夫婦間に均衡型転座の染色体異常を認めた場合に、さらなる流産を予防するために行われます。
 あなたの場合には、数的異常が原因で流産を来たすことが考えられますので、着床前スクリーニングという方法が効果的で流産率は10%以下になりますが、まだ試験導入段階です。[2017年9月8日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:45 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 卵子提供の限界について教えて下さい。45歳を過ぎると卵子提供でも妊娠は難しいですか?
 卵子提供で妊娠しても心拍停止でいつも流産します。卵子に問題はないと思いますが、やはり母体の老化のせいでしょうか?(2017年7月 第18回セミナーより)

 卵子提供の限界は2つあります。これは提供者と被提供者の年齢に起因します。提供者の場合は、大体30歳ぐらいの若い方が理想的で、被提供者は40〜45歳です。45歳でも体格が良くて健康な方であれば、妊娠出産は充分なケアの元であれば可能だと思いますが、妊娠出産というのは想定できないリスクを伴うものですので、やはりなるべく早く出産されることをお勧めいたします。
 卵子提供での流産の原因は着床とはあまり関係ないと思いますよ。やはり胚の問題でしょう。できれば流産した際の絨毛の染色体を是非調べてみて下さい。詳しいことが分かると思いますよ。[2017年8月26日]
(院長:田中 温)
年齢:40 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 流産は精神的にも肉体的にも負担が大きいです。流産を繰り返したくないので、着床前診断で少しでも流産率が下がるのならば、やってみたいと思います。着床前診断のメリット・デメリット(奇形・障害など)について詳しく教えて下さい。(2017年7月 第18回セミナーより)

 メリットは、流産率が明らかに下がることですが、ゼロにはなりません。染色体遺伝子に異常がなくても流産することは10〜15%ほどありますので、それが限界とお考えください。
 染色体構造異常、すなわち均衡型転座の保因者の場合は流産率が高くなりますので、着床前診断をすることにより流産率は明らかに下がります。ただし、良好な胚がやはり3〜4個採れることが条件となります。
 デメリットは、通常の体外受精時も染色体の正常な胚の数が減りますので、体外受精をする回数が多くなり、経済的・精神的・肉体的にも負担が増えるということです。
 また、良好胚だけを戻すということで妊娠率も少し高くなるという報告もございます。[2017年8月26日]
(院長:田中 温)
年齢:29 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 2012年にピッツバーグ大学の研究者の論文で、不妊男性の皮膚細胞から精子を生成することに成功したという記事を読みました。主人はセントマザーにてTESEをしてもらいましたが細胞すら見つからない完全なる無精子でしたので、子供を諦めざるを得ませんでした。ですが、この記事を見て少し希望が持てました。
 日本でも、いつかは男性の皮膚細胞から精子を生成することができるようになるのでしょうか?

 現在iPS細胞の研究は本邦で盛んに行われており、2014年の九州大学の林克彦先の報告ではマウスのiPS細胞から始原生殖細胞、配偶子と分化させ受精、産仔を得ています。今後このような技術がどのようにヒトの臨床の現場に応用されていくかはまだ分かりません。更なる研究が待たれます。[2016年11月10日]
(産婦人科医:市山 卓彦)
 年齢:36 基礎体温:無関係 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回 
 私には生まれつきミオチュブラーミオパチという筋肉の病気を持った子供がいます。仮死状態で産まれました。気管切開をして呼吸器をつけて生活をしています。遺伝検査をすると、母親からの遺伝とわかりました。この病気は、女性では発症しないものの二分の一の確率で病気の遺伝子を持ち、男性なら二分の一で発症し、重度の障害を持つそうです。
 第二子は女の子でしたが、その時は着床前診断や出生前診断を知らず産みました。妊娠期間が怖かったです。
 第三子を考えています。生まれてくる子を安全に産みたいのですが、セントマザーなら着床前診断はできますか?

 お子様の育児にご苦労されていることとお察しします。
 この疾患は人間の体を作る24種類の染色体のうち、性別を決める際に必要なX染色体に遺伝子変異が起きているために発症すると考えられています。X連鎖劣性遺伝といい、女児はX染色体が2本あり、1本の正常な染色体が打ち消すため発症はしませんが、50%は遺伝子変異を受け継ぐ保因者となります。一方、男児はX染色体とY染色体が1本ずつでY染色体は打ち消すことができないため、50%は正常ですが、残り50%はこの疾患に罹患してしまいます。
 当院には、このような単一遺伝子疾患に対する受精卵の遺伝子診断の技術はありませんが、体外受精を当院で行い、遺伝子診断を外部の検査機関に委託する方法での着床前診断の導入を検討しています。当院でのカウンセリングをご希望される場合は、当院にご予約いただき、奥様やお子様の遺伝子検査結果と遺伝カウンセリングを受けられている場合はその報告書をご持参のうえ、ご来院ください。[2015年4月7日]
(産婦人科医: 伊熊 慎一郎)
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