回答一覧 - 女性が原因の不妊について No.3 -
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:3回 体外受精:0回
 タイミングで妊娠できなかったため、クロミッド、HCGで人工授精(AIH)を3回しましたが、今は薬や注射は休憩していて、またタイミングを見てもらっています。
 クロミッド、HCGをする前は、排卵検査薬の陽性の出た次の日には排卵していました。ところが、クロミッド、HCGをしばらくしていたためか、排卵検査薬で陽性が出てから2〜3日後に排卵するようになってしまい、とても心配になっています。陽性が出てから2〜3日後に排卵した卵子は、古くて受精不可能になったりしませんか?しばらくすると、以前の状態に戻るのでしょうか?
 また、「排卵後には水がたまるっているから排卵している」と言われるのですが、この「水」というのは、何なのでしょうか?今回、排卵前に「水が出きってないからまだ排卵してないね」と言われたのですが、排卵後に出るはずの水が、排卵前に出ていていいのかなと心配で仕方ありません。

 排卵検査薬は患者様によっては早くから陽性が出る場合があります。
 2〜3日後に陽性が出たからといって、必ずしも古い、悪い卵とはいえません。反応が出て、2〜3日後に排卵が確認できるのであれば問題はないと思います。クロミッド、HCGをやめれば、前のように翌日出る可能性はあると思います。
 「排卵後の水」は、卵の入っていた袋の中の液で、卵胞液のことです。排卵すると、卵が腹腔内(お腹の中)に出るときに、卵胞液も一緒に出て、お腹が張ったり、患者様によっては痛みを感じます。これが排卵痛です。
 これだけの文面で、すべてを判断するのは難しいところですが、通常の排卵をしているようですので、問題ないように思いますよ。[2006年7月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:3回 人工授精:0回 体外受精:0回
 クロミッドとフェルティノームで排卵誘発しています。いつも、排卵後の卵巣内で黄体を確認していたのですが、今回(排卵日から7日後)は確認できませんでした。卵巣内の黄体はいつも確認できるものなのでしょうか?

 排卵後には、必ず黄体ができますので超音波で排卵後の黄体は確認できます。黄体化未破裂卵胞(ルフ)となっても、黄体化はするはずです。黄体が確認できなかったということですが、基礎体温は二相性になっていますか。血中の黄体ホルモンは上がっていますか。もしかしたら、今回は卵胞が発育しなかったのではないでしょうか。[2006年7月1日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:7回 人工授精:1回 体外受精:0回
 排卵誘発なしで卵胞が27〜29mmで排卵するようなのですが、これは大きすぎるのではと思っています。どうしてここまで大きくなってしまうのでしょうか?
排卵後は、すぐに胸がはるのですが、前回妊娠した時や、それ以前にこういったことはありませんでした。何か関係があるのでしょうか?ホルモンの値を調べましたが、特に異常はみつかりません。このまま放置していてもよいのでしょうか?

 卵胞の大きさは個人差があります。人によっては20mm未満の小さい状態で排卵したり、30mmを超えないと排卵しない人もいらっしゃいます。
 あなたの場合、今までにホルモンの値も正常ということですので問題はないと思いますが、生理周期の長さと排卵が、月経周期何日目に起こっているのかが、詳しくわかれば、もう少し具体的な回答ができると思います。
 これまでの治療(タイミング7回)は、すべて自然周期で行っているのでしょうか?誘発剤の使用や、ステップアップも考えた方がいいように思います。[2006年6月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:39 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不明 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 卵巣機能不全と診断されました。ハードな仕事とストレス、不規則な生活と、加齢のせいか、気がついたらこんな病気になっていて、かなりショックを受けています。
 今年結婚することになり、彼は長男で私はひとりっ子という事もあり、どうしても子供が欲しいです。年齢的に危機を感じて、地元の病院で治療はしないで、初診からセントマザーに行き、遠距離通院をしています。FSH値が40ちょっとありますが、マーベロン21を1周期飲み、生理3日目よりHMGとスプレキュア予定です。
 FSHが下がったかどうかの確認をしないまま、HMGを注射して大丈夫でしょうか?FSH値が高いままでは、卵ができないとよく聞きますが、院長のご判断なので、神様にでも祈る思いでいます。
 経膣超音波で卵胞らしきものが確認できており、卵ができれば、GIFTもしくはZIFT予定です。私のような病状でも、可能性はありますか?

 高齢の方の場合には、FSHの値と卵胞の発育とは相関しないと言われておりますので、FSHの値が40でも20でもおそらく差はないものと思います。但し、FSHの値が40よりも15以下の方が良い状態ですから、マーベロンを飲んでいただいております。
 体外受精の予後を推測する方法としては、FSHの値よりも、月経初期の卵巣内の卵胞(胞状卵胞)の状態を観察することが有効ですので、FSHの値は調べなくてもよいものと考えております。しかし、御希望があれば、FSHの検査をすることは可能です。1時間程で検査結果が出ますので、御希望の場合はお気軽にお申し出下さい。[2006年6月15日]
(院長:田中温)
 FSHが上昇していると御指摘の通り卵ができにくいと思われます。マーベロンを服用することによって卵巣のホルモンを補充し、下垂体へフィードバックをかけ、FSHを下げることができます。マーベロンによって下垂体への抑制が効いていればFSHが下降し、HMGに反応、卵ができることと思います。経膣超音波で卵胞らしきもの(胞状卵胞)が見えているということですから、様子を見ましょう。卵ができない場合や、FSHが高いときには、御一報ください。[2006年6月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:36回 人工授精:10回 体外受精:0回
 腹腔鏡検査など一連の検査を行いましたが、すべて異常なしでした。3年間、ホルモン注射を用いて治療を続けてきましたが、注射の副作用がひどくて子宮がはれてしまいます。これまでは、しばらくお休みして、腫れがひいたら治療再開、それでもまた腫れて…のくり返しです。ホルモン注射以外の不妊治療や何かよい方法があったら教えてください。

 ホルモン注射というのは、排卵誘発剤のことでしょうか。排卵誘発剤であれば、子宮が腫れているのではなく、卵巣が腫れているのではないかと思います。この回答を読まれましたら、具体的にホルモン剤の内容を教えて下さい。再度お答えいたします。
 治療経過からすると、タイミングも人工授精も回数行っているので、そろそろ体外受精も念頭に入れてもいいと思います。より自然ということを考えられているのであれば、漢方治療も有効だと思います。体型や生活習慣にあった漢方があるので専門医に相談してみてはいかがでしょうか。[2006年5月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:1回 人工授精:1回 体外受精:1回
 現在、結婚2年半で、8ヶ月前から病院に通院しています。検査は、卵管造影・超音波検査・精子検査・血液検査を行い、超音波検査の時に筋腫が見つかりました。その後、MRIで筋層内に2つの筋腫を確認しました。そのうち、1つが5cm大で、卵管造影検査をした時には、子宮の形が正三角形より少し右に伸びていました。(卵管は通っています。)
 3ヶ月程前に、筋腫核手術をすすめられましたが、まだ手術は受けていません。このまま妊娠すれば、手術の必要性はないとのことで、半年くらい基礎体温でタイミングをみてきましたが、なかなか妊娠しません。受診時には、排卵しているかと担当の先生に聞きますが、基礎体温の表をみて、排卵していると言われます。実際にエコーでは確認したことはありません。(どちらかの卵巣が分かりづらい位置にあるようです。)
 このような状況ですが、手術をした方がよいのか、手術はしないで、まず不妊治療を始めた方がいいか悩んでいます。アドバイスをお願いします。

 子宮筋腫があっても妊娠は可能ですが、その大きさや個数、できた場所によっては不妊や流産の原因となります。手術をした方が良いのか、手術をせずに不妊治療を続けるべきかは、筋腫の状態によりますので、どちらにするかは医師としても迷うところです。
あなたの場合は5cm大の筋腫が2つ、子宮の内腔の形に変形もあり、体外受精を受けて妊娠に至っていないこと、また主治医より手術をすすめられていますので、筋腫核出術を行って、不妊治療を再度行う方が良いように思われます。
 また、手術を受けるのであれば、手術時に卵巣や卵管の状態も十分観察してもらい、体外受精に入るべきかどうかを再検討してもらって下さい。[2006年5月4日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:28 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:0回 体外受精:0回
 はじめまして。結婚して2年です。過去に5回の中絶経験をしてしまい、結婚後、妊娠できず治療しています。
 先日、卵管造影検査をした結果、卵管は通っていましたが、子宮に掻爬した時にできた欠損部分が見つかりました。担当の先生からは、自然妊娠は難しいと言われました。あと少し、排卵誘発の注射治療を続け、様子をみて、妊娠しないようであれば手術と言われましたが、本当に妊娠は難しいのでしょうか?手術とは、どのような手術なのでしょうか?自分の過去を後悔し、誰にも言えず、毎日悩んでいます。将来、妊娠できるでしょうか?

 中絶で「子宮が欠損する」ということはありませんが、卵管が閉塞したり、子宮内腔が癒着したりすることはあります。そのために子宮卵管造影検査を行ったときに、造影剤がいきわたらない欠損部分ができているのかもしれません。
 原因は、子宮内感染や、子宮内膜にできた部分的傷害による癒着が多いと思われます。子宮鏡検査や子宮内膜全面掻爬術を行うのも1つの方法です。その後、子宮内に避妊用のリング(IUD)をしばらく挿入しておくことによって、癒着を予防できます。原因菌としては、クラミジアや淋菌などの性行為感染症の他、大腸菌などの雑菌による場合もあります。卵管の閉塞については、通水治療や卵管カテーテルによる治療法がありますが、体外受精(IVF)が必要となる場合もあります。[2006年04月17日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:6回
 前回の卵を作るときに、生理1日目よりスプレキュアを1日3回、生理3日目よりHMGの注射を打つ排卵誘発をして、体外受精をしましたが、その後、突然、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になりました。
 妊娠をしたのですが、残念ながら流産してしまいました。次回は治療方法を変えた方がよいでしょうか?一度OHSSになると体質的になりやすくなるのでしょうか?

 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になるかどうかは、前もって予測がつきます。まず多嚢胞性卵巣(PCOS)であるかどうかを確認して下さい。生理が不順であり、血中のLH濃度がFSHよりも高く、超音波でネックレス様のたくさんの未成熟な胞状卵胞を認める場合はPCOSです。この場合には、通常の量のHMGをうつと非常にOHSSになりやすいので、排卵誘発法を十分に検討する必要があります。
 すなわち、まずは卵胞の数を少なくするために、ピルなどの薬を前もって投与し、その後、GnRHアゴニストやGnRHアンタゴニストを用い、数をあまり増やさないようにすることが重要です。また一旦腫れた場合には、全胚凍結をし、自然周期に戻した方が良いです。自然で生理がこない場合には、ホルモン剤で内膜をつくると、妊娠率が高くなります。いかにしていい卵を適度につくるかが重要となります。[2006年4月17日]
(院長:田中温)
年齢:29 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:9回 体外受精:1回
 子宮内膜症で片方の卵巣を摘出し、片方も病巣部分を削りました。結婚をしてから、内膜症が悪化したため、不妊治療と平行しながら、2度目の病巣部分の手術をしました。そして、顕微授精にて第1子を授かる事ができました。
 現在では、生理も再開し、2人目を望んでいて、1年前より自然に任せているのですが、妊娠する兆しはありません。内膜症は、生理がくる度に進行していく病気なので、早めに作ったほうがいいと言われていますが、金銭的にも余裕がありません。やはり、2人目を望むのであれば、治療を再開しないと妊娠しにくいのでしょうか?

 妊娠と出産は、子宮内膜症に対して改善する方向に働きます。ところが月経が再開すると、再び内膜症が進行してくることも稀ではありません。内膜症の進行で妊娠にも悪影響を与え、不妊の度合いを増すことになります。従って2人目を望むのであれば、早めに治療を再開して下さい。治療法については、十分な検査をされて、担当医と話し合って決められると良いと思います。[2006年4月17日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:2回 体外受精:0回
 前回、人工授精(AIH)をする時に、内膜の厚さが7mmと薄かったのですが、そのまま処置されてしまいました。
 担当医からは「内膜が薄いので、次回からは軽い排卵誘発剤を飲んで下さい」と言われて、セキソビットを処方されました。排卵誘発剤は内膜を薄くすると聞いたことがあるのですが、大丈夫でしょうか?
 私は、双角子宮と診断されています。担当医からは、妊娠には問題はないと言われましたが、流産率が高いと聞いて不安に思っています。治療法は無いのでしょうか?

 セキソビットの排卵誘発剤の内服は、内膜にはあまり影響しません。クロミッド(セロフェン)という排卵誘発剤では、内膜が薄くなる方がいらっしゃいます。これはクロミッド(セロフェン)の抗エストロゲン作用によります。ただ、当院で調べてみると、個人差が大きく、内膜が変わらない患者様もおられます。ですから、クロミッド(セロフェン)を使っても、一律に内膜が薄くなるというわけではありません。
 双角子宮の根本的治療というのは、手術療法になります。ただし、程度の問題ですので必ず手術しないといけないわけではありません。何回も流早産を繰り返すようであれば手術を受ける方がよいでしょう。双角子宮などの子宮奇形がある場合は、流早産が高いのは事実ですが、厳重な管理、通院で症状がなく出産される患者様もいらっしゃいます。(ただし、帝王切開率が高くなります。)担当医から問題がないといわれているようであれば、まず妊娠の治療でいいと思いますよ。[2006年4月17日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:26 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:0回 体外受精:0回
 不妊治療をはじめて、半年になりました。これまではお薬なしのタイミングをしていたのですが、今回はじめてお薬を飲むことになりました。卵のチェックに病院に通っていますが、卵がたくさんできているので、不安になっています。多嚢胞症候群(PCOS)が心配で、先生に聞いてみたところ、「卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は大丈夫ですよ」と言われました。色々調べると、多嚢胞症候群の人は卵巣過剰刺激症候群になりやすいと書いてありましたが、はっきりとわかりませんでした。多嚢胞症候群とは治療に関係なくなるもので、卵巣過剰刺激症候群は排卵誘発剤の副作用のひとつなのでしょうか?違いを詳しく教えてください。

 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)とは、排卵誘発剤の副作用の1つです。通常の人では、10個未満の卵胞が発育しますが、OHSSの場合は20〜30個以上の卵胞ができてしまいます。その結果、エストロゲンの濃度が高くなり、血液中の水分が腹水として体外に漏出するため、血液の濃度が高くなり、血栓や塞栓などのリスクが高くなります。この症状の総称をOHSSといいます。
 このOHSSの原因の1つとして、多嚢胞性症候群(PCOS)があります。日本産婦人科学会の多嚢胞性症候群(PCOS)診断基準は、3つあります。1番目は月経が不規則で排卵障害を伴うこと、2番目は血中のLH濃度がFSHよりも常に高いこと、3番目は超音波で卵巣に10個以上の未成熟な卵胞がネックレスのように見えることです。
 これらの診断基準となっていますが、各国においてかなり差があり、欧米ではこの他に男性ホルモンが高くなることを重要視している場合もあります。しかし、日本では、男性ホルモンが高くなる頻度はあまり高くないようです。PCOSの方は、LHが高いために正常な排卵が起きず、中途で発育が止まった卵胞がたくさん卵胞に残ってしまいます。ですから、通常の排卵誘発剤を使うと、過剰に反応して、たくさんの卵胞ができ、OHSSとなってしまいます。
 このように、OHSSの原因としては、PCOSが第一に考えられますが、PCOSではなく、正常な卵巣機能を有する方でもOHSSになることはよくあります。またPCOSの方がすべてOHSSになるわけではありませんが、その可能性が非常に高く、十分な注意が必要となります。[2006年4月1日]
(院長:田中温)
年齢:30 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:0回 体外受精:0回
 不妊治療で通院中に甲状腺機能亢進症が見つかり、検査した結果、バセドウ病でした。半年間の治療の中で排卵検査薬が1回も陽性になりませんでした。卵胞の大きさもHMGを数回続けて打っても大きくなりません。バセドウ病と関係が原因なのですか。バセドウ病と不妊症は関係がありますか?

 バセドウ病は、甲状腺機能亢進を示します。甲状腺は、からだの代謝をコントロールする臓器です。排卵をコントロールする視床下部、下垂体系とも関連があるともいわれています。甲状腺機能低下も不妊症や習慣流産とも関連しています。従って甲状腺機能異常を指摘された方は、内科的管理が重要です。内科的管理によって、ホルモン値が正常範囲内にコントロールされていれば、排卵の状態や卵胞の大きさの状態も徐々に改善すると思います。しっかりと内科的治療を行って下さい。[2006年3月15日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:不明 タイミング法:10回 人工授精:8回 体外受精:1回
 31歳でFSHが高値となりましたが、排卵はあったので人工授精(AIH)を続けましたがうまくいきませんでした。カウフマン後にロング法を行い、初めての体外受精(IVF)で17日間刺激し、1個採卵できましたが未受精でした。その後、またカウフマンしましたが、FSHは下がらず、今では自然排卵ができなくなり(未破裂黄体化卵胞(LUF)あり、卵胞発育はなし)、FSHは71まで上がりました。
 次回はクロミッド周期の予定ですが、FSHが高いまま誘発しても良いのでしょうか?それともFSHが下がってから誘発した方が良いですか?
 また、未破裂黄体化卵胞(LUF)が多いのですが、これは卵巣機能低下や早発閉経となる可能性を意味しているのでしょうか?
 カウフマンばかりであればタイミング療法で..とも思いますが、高度医療の方が妊娠への近道のように感じます。担当医は若いから、卵の質はいいはず、とおっしゃいますが・・・。今後、どういった治療をすればよいでしょうか?どうかアドバイスをお願い致します。

 FSHが高値の場合、卵巣に問題がある可能性があります。年齢的に若くても、排卵誘発法を行って採卵1個で、しかも未受精ということは、卵巣機能が悪いことが予想されます。FSHが高値を示している状態では、卵胞形成は難しいと思います。ですから,1.カウフマンを3〜4周期行う 2. GnRH(アゴニストやアンタゴニスト)を使用して、FSHを下げるといったことを行う必要があります。またFSHだけの問題ではない場合もありますから、LH・E2・Pの値を測定することも寛容かと思われます。[2006年3月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:39 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:2回 体外受精:0回
 現在、アメリカに在住していて、アメリカの病院で不妊治療をしてきました。初潮の時から生理不順で、毎月、薬に頼りながら生理を起こしています。生理不順の治療のため、20代後半〜30代前半には、低用量ピルを服用していましたが、結婚の1年前あたりから飲むのをやめました。その後、やはり生理は不順で、不妊治療のクリニックにて、体外受精(IVF)以外の治療は全部試しました。1度だけ、卵管造影検査の後に自然妊娠しましたが、私の不注意から流産してしまいました。不妊治療はストレスが多かったため、今、一時的にストップしています。
 先日の検査にて、多嚢胞性卵巣症候群の疑いがあるということです。正式に診断された場合、ずっと多嚢胞性卵巣症候群の治療をせずに過ごしてきたため、妊娠するのかということよりも、将来、私自身の健康にどう影響するかということがとても不安です。39歳という高齢になるまで放置しても、今後の健康に影響しないような治療があるのでしょうか?本当は、健康にも影響がなく、しかも、子どもも生むことができたらと思うのですが、どういった治療が一番有効なのでしょうか?

 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS):polycystic ovarian syndromeの診断は、難しくありません。まず月経不順、これはあなたに当てはまります。次に血中のLHがFSHよりも高いこと、3番目は超音波でたくさんの小さな卵胞が見えることです。この3つを満たしていれば、多嚢胞性卵巣症候群と診断します。
 この症状をよくするには、まず、体重を落とすことをおすすめ致します。またPCOSには、インシュリン抵抗性がある、また男性ホルモンが高い、太りやすい、多毛であることなど、色々な症状があります。このような症状の根幹はすべてLHが高いということからきていると思います。このLHの濃度を下げる意味でもダイエットをし、理想の体重に戻すことは効果がありますよ。
 それから、流産は、あなたの不注意ではありません。ほとんどが胎児の生命力ですので、そのようにお考え下さいね。[2006年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:4回 体外受精:0回
 腹腔鏡検査にて、子宮内膜症のI期(4点)、完全中隔子宮であることがわかりました。プロラクチンは高め(18.4)ですが、薬を飲むほどではないと言われています。現在、クロミッドを使用しながら人工授精(AIH)を受けています。また、精子の状態があまりよくなく(昨年12月は600万/ml)、クロミッド半錠と漢方を服用しております。現在、人工授精の回数の目安は6回と言われていますが、私達夫婦の場合もあてはまりますか?人工授精を続けてもあまり意味がないのであれば、体外受精に踏み切ろうと考えております。
 また、体外受精にステップアップした場合ですが、子宮内膜症や完全中隔子宮によって、着床率が悪くなることはあるのでしょうか?

 精子の状態からすると、体外受精に入られることをお勧めします。子宮内膜症は、まだI期ということでしたら、問題はないと思います。子宮内膜症は進行すると、卵の質はあまり変わらないものの、数がどんどん減っていきますので、条件の良い時に体外受精に入られるほうがよいでしょう。
 完全中隔子宮ということですが、手術は勧められませんでしたか?もしも、手術が必要であれば、早目の手術がいいと思います。子宮奇形がある場合は、妊娠しても流産や早産の率が、子宮奇形がない人に比べて高くなります。子宮内膜症と完全中隔子宮の状態を検討し、手術が必要であれば、手術をしてから体外受精に入られることをお勧めします。[2006年3月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:38 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:10回 人工授精:0回 体外受精:0回
 1年前から近医に通い、漢方薬とタイミング法をしています。現在は、クロミッドも1錠から3錠に増え、HCGも注射して、卵胞の大きくなるのをエコーで毎日診察しています。先生に「明日頃排卵ね」と言われますが、翌朝病院に行くと卵がエコーに映りません。来院前に市販の検査薬では濃い陽性だったのに、病院での尿検査では反応がありませんでした。基礎体温が二相性ではなく、低温がダラダラと続いているので、排卵していないと言われました。卵はどこに消えてしまったのでしょうか?
 生理不順で、毎回プロベラを10日間服用して起こしています。また、血液検査で黄体ホルモンも卵胞ホルモンも数値が低く、妊娠は難しいということで、力を落としています。しかし、私は再婚で、前夫との間には1人出産しています。何としても妊娠を期待したいのですが、妊娠は不可能なのでしょうか?

 ここでの「卵」が、卵胞のことを指しているのであれば、卵胞は排卵をすれば消失しますので、排卵をしたということではないかと思います。
 排卵を確認するには、基礎体温はそれほど正確ではありませんから、尿中のLHの測定を1日3回(起床時、午後、就寝時)、排卵予定日2日前から行って下さい。尿が陽性となってから24時間後に排卵しますので、タイミングを見つけることは可能です。
 血液検査にて、卵胞ホルモン、黄体ホルモンの値が低いということですが、排卵すれば必ず排卵前後で卵胞ホルモン、黄体ホルモンの値は高くなりますよ。「経膣超音波」で卵胞を確認されていますか?卵胞は1日におよそ2mm大きくなります。担当の先生にもう一度診ていただいて下さい。[2006年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:5回 体外受精:2回
 はじめまして。いつもとても参考にさせて頂いております。これまでに、体外受精を2回行い、2度目で陽性反応が出たものの、血液検査での数値が低く、自然流産と言われて生理になりました。先日、知人に、「卵管に水がたまる体質で、これまで受けた体外受精では、受精卵が押し戻されて着床しなかった」という話を聞きました。
 水がたまるというのは卵管水腫の事かな?と思うのですが、それを聞いて、私も検査をした方がよいのでは・・と思っています。体外受精を何度もする前に、卵管水腫の検査をした方がよいのでしょうか?また、卵管水腫は内診ではわからないのでしょうか?どういった検査なのかを具体的に教えてください。

 卵管水腫の診断には、子宮卵管造影で腫大した卵管を造影することと、経膣超音波で水腫状の卵管を観察する、この両方の所見が必要です。もしもこの2つの検査で卵管水腫が確認されたのであれば、体外受精の前に手術をした方が着床率は間違いなく高くなります。卵管水腫の周りには、癒着が強く、摘出が困難な場合がありますので、その場合には卵管と子宮の起始部で交通性を遮断するだけでも効果があります。腹腔鏡下に手術はできますので、それ程負担にはならないと思います。
 他に気になる点は、「血液検査での妊娠反応」です。最近の血液検査では、非常に感度の高い検査試薬がありますので、実際には妊娠していないかったということもあります。その辺ももう一度確認されておいて下さいね。[2006年3月1日]
(院長:田中温)
 人工授精(AIH)で、なかなか着床せず、次回からは体外受精(IVF)にステップアップしようと考えていた矢先、卵管水腫が見つかりました。今まで、うまくいかなかったのは、この卵管水腫のせいだったのでしょうか?体外受精にステップアップする前に切除手術をした方がよいでしょうか?

 卵管水腫があると体外受精後の着床率が下がることは明らかです。ですから体外受精に入る前に、卵管水腫の手術されることをおすすめ致します。卵管水腫の原因には色々なものがありますが、ほとんどの場合、炎症の結果であり、周囲の組織との癒着がひどくなり、完全に取り除くことは難しいことがあります。このような場合には、腹腔鏡下に卵管と子宮の間の交通を遮断するというだけでも効果はあります。[2006年2月15日]
(院長:田中温)
 毎日倦怠感があり、初めはただの疲労かと思っていましたが、長く続くので病院にて診察を受けたところ、アジソン病だと言われました。担当医から妊娠は難しくなるかもしれないと言われ、不安になってメールをしました。子供は諦めなければならないのでしょうか?

 アジソン病では、副腎機能が低下していますが、内科治療などにより副腎機能が元に戻るのであれば妊娠は可能です。重度の場合には、アジソン病の場合にはCushing症候群よりもその成績は下がってきます。[2006年2月15日]
(院長:田中温)
 あまりに生理がおもいことを見かねた母にすすめられて、検査をしたところ、子宮線筋症と言われました。まさか、病気だったなんて...と頭が真っ白になり、落ち込んでしまい、先生の説明も頭に入らない状態でした。帰宅して、落ち着いてみると、自分の病気のことが気になって仕方がありません。子宮線筋症とは一体どのような病気なのでしょうか?具体的には、どのような治療法があるのでしょうか?

 子宮腺筋症とは子宮内膜症が子宮の筋肉の中にのみ広がった状態です。子宮の筋層内に内膜症が広がった結果、子宮筋腫と同じように、子宮が大きく腫大していきます。但し、子宮筋腫と異なり、はっきりとした腫瘤を形成するわけではありませんので、この子宮腺筋症の部分だけを取り出すということは不可能です。子宮線筋症の場合、月経痛がひどく、月経の量が多くなり、かなり辛い症状が出ます。最終的には痛みが強いために痛み止めを飲む方が多くいらっしゃいます。卵巣嚢腫との合併症がある場合には、これ以上お子さんが必要でない方には、最終的には子宮と卵巣を摘除するという方法に至る場合もあります。
 ちなみに、子宮内膜症が卵巣の中に広がり、血液が卵巣の中に溜まった状態を卵巣チョコレート嚢腫といいます。(血液が古くなり、チョコレートのような色調をおびるために、チョコレート嚢腫といわれています。)子宮腺筋症の場合でも、子宮の壁の中に古い血液がチョコレートのように溜まることがありますが、その頻度は卵巣に比べて、かなり低くなります。[2006年2月15日]
(院長:田中温)
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