回答一覧 - 女性が原因の不妊について No.8 -
年齢:32 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:22回 人工授精:2回 体外受精:0回
 不妊治療を始めて3年になろうとしています。クラミジアの反応があり、去年の11月にラパロを受けましたが、不妊につながる原因はみつかりませんでした。
 今は毎月、クロミッド1錠とヒュメゴン・パーコーグリーンなどの注射を2〜3回して、HCGで排卵させています。高温期には、プロゲデポーの注射を2回とデュファンストンを1日2錠服用しています。
 ただ高温期が低く、体温が上がってもすぐにガクッと落ちたりして、自分の納得いく高温期間が保持されたのは過去3〜4回だと思います。担当医は、基礎体温はあまり気にしなくてもいいと言いますが、他にいい治療法があれば知りたいと思います。いかがでしょうか?

 基礎体温(BBT)を気にしすぎのように思います。BBTを参考にすることは必要ですが、これに振り回されることには感心しません。黄体期ホルモン療法を行なっているのであれば、BBTにこだわるよりも、治療がうまくいかない原因が別の部分に隠れていることも考えて、治療内容を再検討されてみてはいかがでしょうか。例えば、卵子のピックアップ(取り込み)障害や卵子を精子の受精障害が原因となっている可能性もあります。
 原因不明の場合でも、「難治性不妊症」ということで、体外受精(IVF)の治療を行なうご夫婦も多くいらっしゃいます。原因を調べることも大切ですが、一般の検査では見つけられない不妊原因もあります。女性は年齢によって、卵子の質の低下や排卵誘発剤への反応性の低下(卵胞数の低下)は避けられません。ですから、年齢が高くなると、高度生殖医療技術(ART)を用いても、妊娠率は低下し、流産率は増加してきます。
 考え方や事情はそれぞれのご夫婦で大きく異なってきますので、最終的な治療方針は、お2人でご相談して決める必要があります。[2007年4月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:2回 体外受精:0回
 不妊治療開始と同時にポリープが見つかり、子宮鏡下にて手術しました。その後、セキソビットで排卵誘発していますが、月経周期も規則正しくホルモンも異常ありません。主人の精子の運動率が30%ということもあり、人工授精(AIH)を2回しましたが、妊娠反応は陽性になりません。
 本題ですが、ポリープの手術から1年も経っていないのですが、子宮内膜ポリープが5mmと7mmの2個も再発してしまいました。低温期に入ったら、2回目の手術を予定しているのですが、ポリープはそんなに頻繁に再発するものなのでしょうか?もし、腫瘍が癌だったら・・・と思うとすごく不安です。初期の癌だったら子宮は温存できますか?よろしくお願いします

 
 ポリープはほとんどが両性ですが、極稀に悪性のこともあります。ポリープ切除をすれば、病理組織検査を行ないますので、その結果を確認しておくことが大事です。また、ポリープは再発したり、複数できることも多いので、再度とらなければならないということは珍しいことではありません。ポリープが癌である可能性は非常に低いですが、万が一、そこに癌組織が見つかっても、極初期であれば、子宮は温存できるはずです。 [2007年4月1日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:2回 体外受精:1回
 主人が中度〜重度の乏精子症、精子無力症で、これまで、タイミング、人工授精(AIH)を経て、顕微授精(ICSI)を1回行いました。
 その後、1年ほど治療をお休みして、病院をかえて、子宮鏡検査をしたところ、ポリープや内膜症はなく、状態は悪くはないと言われました。ただ、子宮の壁がデコボコしていてなめらかではなく、壁全体が厚みをましてきており、評価は5段階中3くらいだと言われました。
 新しい病院で、人工授精を3回して妊娠しなかったら、内膜掻爬を考えましょう。と言われましたが、本当に必要でしょうか?掻爬をするリスクもあわせて教えてください。

 子宮の壁がデコボコしているからといって、必ずしも「着床障害」が妊娠できない原因とはいえません。
 たとえ、子宮卵管造影検査で卵管が通過していることが判明していても、卵子のピックアップ(取り込み)障害があれば、タイミング法や人工授精(AIH)では妊娠することが難しくなります。その場合、体外受精や顕微授精(ICSI)も考慮に入れて、治療を進めることが必要になります。
 掻爬のリスクを挙げるとすれば、掻爬後、子宮内膜が薄くなる方がいらっしゃる点でしょう。但し、必ずそうなるということではありません。体外受精(IVF)において、子宮内膜が薄い方は、比較的着床率が低くなると言われています。[2007年4月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:8回 人工授精:8回 体外受精:1回
 他院に通院していますが、セカンドオピニオンをお願いします。どうぞよろしくお願いします。
 体外受精(IVF)にて、初めての妊娠反応がでたのですが、残念ながら繋留流産となり掻爬術を受けました。掻爬の際、1cmの筋腫も削る予定で、全身麻酔で子宮鏡にて施術したのですが、子宮筋層に裂け目が見つかりました。子宮口からの入り口は1つですが、途中から2つにわかれているようですが、中隔子宮などの子宮奇形ではないと断言されました。
 子宮筋層にまで達している裂け目は大きいようですが、今までの治療中に(人工授精・子宮鏡検査・採卵・移植・掻爬)、量の出血や腹痛はなく、いつできたものなのかわかりません。
 まれに掻爬で子宮に穴があくことはあるようですが、大きな裂け目ができることがあるのでしょうか?子宮後屈のために器具は入りにくいようですが、鋭いメスを使った治療は受けていませんし、担当医からも初めての症例だと言われました。
 暫くは傷が塞ぐのを待ち、MRIで傷の深さを確認して妊娠に耐えられない状態ならば、傷を縫い合わせた方が良いと言われましたが、果たしてこのまま不妊治療を続けても良いのか悩んでいます。もしも、妊娠・出産に大きなリスクが伴うのであれば、断念しなければならないと思います。不妊治療を長年続けていればこのようなこともまれにあるのでしょうか?このような症例をもしご存知であれば教えてください。

 もともとは無かった「傷」が、子宮の中に最近新たにできてしまった、ということでしょうか。流産手術や子宮鏡下に子宮筋腫の手術をしたことによってできてしまった可能性は考えられますでしょうか。
 今回のケースは文面だけでは判断が難しく、実際に診察していない立場では、あまり無責任なお答えはできません。
 傷の状態をみるためには、MRIの他にも、子宮卵管造影検査や、通水や造影剤を注入した上で経膣超音波で調べる方法、子宮鏡検査も有効だと思います。このような検査を再度行ってみてはいかがでしょうか。[2007年3月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 結婚前に生理が5ヶ月程とまったり、結婚後も来ない月があったりと月経不順ですが、幸運にも自然妊娠をしました。しかし、妊娠をしましたが、心拍確認前に流産をしました。
 流産後1ヶ月目は生理がきましたが、2ヶ月目はこず、3ヶ月目にきました。不妊治療を始めた方がよいのかどうか悩んでいますが、どうすればいいでしょうか?また、薬を飲むのに抵抗があるのですが、問題はないのでしょうか?

 薬を使わずに月経が順調に来るのであれば、飲む必要はありません。月経不順に対しては、1.睡眠や食事などの規則正しい生活をすること、2.肉体的・精神的ストレスを避けること、3.体重の急激な変動を避けること、4.太っている人は徐々に減量(スポーツ、食事療法など)することなどが挙げられます。それに加えて、主治医の先生と相談して、抵抗はあるかもしれませんが、必要に応じて薬物療法も併用してはいかがでしょうか。また、なかなか妊娠しないようであれば、ひととおりの不妊症スクリーニング検査を受けてみても良いかもしれません。
 1回の流産は、さほど珍しくありません。たまたま結果が悪かった場合が多く、次回は無事出産される方もたくさんいらっしゃいます。[2007年3月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:28 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 月経が来ないため婦人科に通い、クロミフェンの飲み薬をもらって、HCG注射を受けています。通院を始めて10ヶ月程経ちますが、HCGを1回しかしない月は月経がこないようです。自然に排卵し、月経がくるようになるにはどれくらいの期間が必要でしょうか?
 先日、基礎体温表を見た看護師さんから「なかなか上がらないね。成績悪いね。」と言われました。なかなか効果の出ない私は、順調に妊娠・出産している女性と比べて、女性として劣等生なのでしょうか?とても辛いです。
 自然排卵は人によって異なります。1〜2ヶ月で排卵誘発剤の内服のみで排卵がみられる人もいれば、排卵誘発財の注射をしなければ排卵が見られない人もいます。もちろん、それでもなかなか排卵が見られない人もいます。
 不妊症をひとつの病気として捉えたとして、そのゴールが妊娠・出産と考えるのであれば、その経過は人それぞれです。苦悩の道を歩む人もいれば、楽にゴールに到達する人もいいます。苦悩の道を歩む人が決して劣等生などということはありません。生理を起こしたり、排卵を起こしたりと、色々な方法がありますから、リラックスして、あまり周囲の声に振り回されず、治療を受けられてくださいね。[2007年3月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:31 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:12回 人工授精:0回 体外受精:0回
 結婚して3年目になりますが、まだ子供に恵まれません。近くの総合病院で1年ほどタイミング指導を受けております。
 私は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で排卵しにくく、現在までに、フェルティノームを注射しながらの治療を5周期しました。しかし、過敏に反応する時は十数個も卵ができ、逆に無反応の周期もあります。また、片方の卵管が閉塞しています。
 主治医は、私の場合は人工授精(AIH)よりも、体外受精(IVF)の方が効果的だと言います。費用がかかることもあり、なかなか踏み込めませんが、人工授精を繰り返すよりも体外受精をする方がよいのでしょうか?
 卵管が閉塞しているのであれば、人工授精(AIH)では良い結果は得られないと思います。卵管閉塞の場合は、体外受精(IVF)が唯一の方法となります。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の場合には、排卵誘発に過剰に反応し、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になり、重篤な合併症を引き起こすことがありますので、十分な注意が必要です。
 PCOSの場合の体外受精の方法は2通りあります。
 ひとつは、前もってピルを2周期程服用して、排卵するために成長する卵胞の数を減らす方法です。もうひとつは腹腔鏡下に卵巣を焼灼し、卵巣機能を高める方法です。焼灼する方法は大変有利な方法です。有効期限が1〜1年半と制限はありますが、OHSSになる確率も少なく、良質の卵が採れるという意味で、私たちは焼灼する方法をお勧めしております。[2007年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:28 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:0回 体外受精:0回
 はじめまして。19歳のときに卵巣嚢腫で右側の卵巣を全摘出、左も一部切除しております。
 結婚して1年半になりますが、妊娠の兆候がありません。やはり卵巣を切除していることが原因で、妊娠の可能性が低くなっているのでしょうか。
 基礎体温は全体的に低温ながらも二相性となっており、子宮造影検査でも異常はありませんでした。
 少しでも卵巣が残っていれば妊娠の可能性はあるといわれていますが、やはり不安です。実際に卵巣を切除した方で自然妊娠された方は多くおられるのでしょうか?または早めに人工受精(AIH)などを行った方がよいのでしょうか。アドバイスをお願いいたします。
 残った左の卵巣部分で卵子が発育していれば妊娠は可能ですが、自然妊娠や人工授精法(AIH)で妊娠するためには、左の卵管の機能が保たれている(卵管周囲癒着や卵管閉塞などがない)必要があります。もしも、卵管に障害があっても、体外受精(IVF)を行えば、妊娠は可能です。
 但し、他の不妊原因が潜んでいることもありますので、不妊専門施設で早目にスクリーニング検査を受けられることをお勧めします。[2007年3月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:4回 人工授精:1回 体外受精:0回
 これまでに、タイミングを4回行いましたが、1回目は「排卵しています」、2回目は「おそらく排卵しているでしょう」とのことでした。3、4回目はタイミング後の排卵確認をしてもらえませんでした。2回目のようなコメントがあるということは、排卵の確認は、専門のお医者様でも判断が難しいものなのでしょうか?
 また、先日、初めての人工授精(AIH)を行いましたが、翌日より3日間左下腹部がチクチクと痛み、その間おりものが非常に多くみられました。排卵は左側からでした。4日目で痛みは消えたものの、ずっと左下腹部に張った感じが続いています。実は、初めてのタイミングの後(卵管造影の直後)にも同じような症状がありました。これらは黄体化非破裂卵胞(LUF)と関係があるのでしょうか?
 AIHの後も、排卵確認はしていただけず、少々不安に思っておりますが、問題はないのでしょうか?
 排卵後の下腹部痛と黄体化非破裂卵胞(LUF)の関連性は、あまりないと思います。人工授精(AIH)で精子浮遊液注入や卵管造影液注入と排卵とが重なって、腹膜刺激症状がより強く起こったのではないかと思われます。実際に、卵胞から卵子が排卵された直後に袋の中に黄体(黄体のう胞)が形成されることもしばしばあり、経膣エコーでの検査では、「排卵した」ことを断定しづらいこともあります。
 腹腔鏡検査によって、卵巣周囲癒着などの所見の有無を調べてみてもよいかもしれません。通常は、卵巣で発育した卵胞から卵子が排卵されて、卵管采から取り込まれた後、卵管内を子宮内腔へ運ばれていきますが、その途中で障害がある場合には、体外受精(IVF)が必要となります。
 人工授精(AIH)でなかなか妊娠できない場合にも、体外受精へのステップアップを考える必要もあるでしょう。また、精子と卵子が出会っても、受精できない場合には、顕微授精(ICSI)の適用となります。[2007年3月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
 子宮内膜症と診断されて、治療を始めることになりました。ホルモン剤を飲んで生理をとめるといわれたのですが、生理を止めてしまっても将来は大丈夫なのでしょうか・・・?治療だということはわかっていますが、もしも元に戻らなかったら・・・と思うと心配でなりません。

 子宮内膜症の治療の基本は排卵を抑えることです。排卵を抑えることによって、生理を止めてしまいます。しかし、あまり長く月経を止めてしまいますと、子宮の内膜が萎縮し、将来出産・妊娠に影響を与える場合がありますので、大体半年を目安にしております。[1周年特別企画 2006年12月20日]
(院長:田中温)
 こんにちは。今まで子宮内膜症の治療で病院に通っていたのですが、先日、もうお薬は飲まなくても大丈夫だと言われました。副作用などもあって、辛い治療だったので、安心して帰宅しましたが、子宮内膜症は完治することはない病気だと聞いて、心配になりました。完治していないのにお薬をやめてしまってもよかったのでしょうか・・。再発という可能性もあるのでしょうか。特に指示はされませんでしたが、定期的に検査に行かなければならないのでしょうか?

 子宮内膜症の治療は完全に治るということは、まず期待しないで下さい。軽減、縮小はありますが、また再発することもお考えに入れておいてください。ですから、もし不妊症の方であれば、症状がよくなったりしたときに、早く妊娠・出産されることをおすすめします。[1周年特別企画 2006年12月20日]
(院長:田中温)
 結婚して2年半になりますが、なかなか赤ちゃんができないので、思い切って病院を受診しました。卵管造影検査を受けると、右側の卵管が閉塞しているということでした。左側も通りが悪いようです。次回、通水療法をすることになりましたが、友人に痛いと聞き、少し怖くなってきました。なぜ卵管が閉塞してしまったのでしょうか?原因を教えて下さい。

 卵管閉塞の原因は大半が感染です。女性は膣から子宮、卵管と腹腔内に連続して続いておりますので、膣内からの感染の危険は常にあります。体調の悪いとき、抗生剤などのお薬をたくさん飲んだとき、他の病気でお腹を切ったりしたときなど、感染する可能性はいくらでもあります。ですから、いつ卵管閉塞になったとしてもおかしくないわけです。
 問題なのは、その卵管閉塞、卵管障害が治療して治るものなのかといったところです。卵管障害があった場合の不妊の確率は卵管障害の程度によりますが、半分以上障害している場合には、自然妊娠は非常に難しくなると思います。[1周年特別企画 2006年12月20日]
(院長:田中温)
 性交痛が激しく、病院にかかると骨盤内炎症だと診断されました。現在は炎症もおさまりましたが、卵管障害を併発してしまい、不妊治療をしています。治療が辛く、最近ではなぜこんなことになったのだろうと悔やんでいます。わたしの場合は、性交痛以外に特に症状はありませんでしたが、他にも自分では気が付かない自覚症状があったのではと思います。骨盤内炎症の症状は性交痛以外にどういったものがありますか?また、卵管障害は必ず併発するのでしょうか・・・。希望を持って治療をしなければと思っていますが、なかなか妊娠できなくて不安です。

 骨盤内炎症、すなわち骨盤腹膜炎を起こす原因としてはまず、卵管内の感染が考えられます。卵管内の感染が骨盤腔内に波及して腹膜炎となるわけです。ですから、骨盤腹膜炎と診断された場合には卵管内にも炎症が及び、卵管は障害されていると考えられた方がいいと思います。[1周年特別企画 2006年12月20日]
(院長:田中温)
 子宮後屈と診断されましたが、「あなたの場合は内膜症を併発していないので、気にすることはありませんよ」といわれました。子宮後屈と内膜症は何か関係があるのでしょうか?先生は、気にしなくてもよいとおっしゃいましたが、やっぱりよくないのではないかと毎日不安です。治すことはできないのでしょうか?

 子宮後屈が不妊の原因であると言われた時代もありますが、現在では不妊症と関係ないということがはっきりしております。子宮は前方、または後方に屈曲しているのが正常であり、後屈は異常ではありません。また、内膜症とも関係はありません。昔は後屈を治す手術(子宮を支持している靱帯を手術的に短くして前方へ牽引する方法)を行っておりましたが、現在では行っておりません。ご心配なさらなくても結構です。[1周年特別企画 2006年12月20日]
(院長:田中温)
 月経が重く、婦人科を受診したところ、小さな筋腫があると言われました。将来、妊娠を望むことを考えて、「筋腫の状態をよく知っておくように」といわれましたが、筋腫があると不妊症になるのでしょうか?筋腫は必ず取り除いた方がよいのでしょうか?

 子宮筋腫が不妊の原因となる場合は2通りあります。1つ目は筋腫自体が非常に大きくて(約10cm以上)、卵管の位置を変化させてしまい、卵管が排卵した卵子をピックアップしにくくなっている場合です。2つ目はサイズが小さくても子宮の内腔にできた粘膜下筋腫の場合で、着床不全をもたらします。また、この場合は、流産を繰り返すという不育症の原因となることがあります。(前者は不育症の原因とはなりません。)この両者が典型的な場合には手術が考えられます。
 しかし、一般的には筋腫があること自体が不妊の原因となる場合はあまりないと思います。最終的には腹腔鏡で筋腫と卵管、卵巣の位置関係を確認することが必要だと思います。[1周年特別企画 2006年12月20日]
(院長:田中温)
 子宮奇形があると言われましたが、子宮の奇形と不妊は関係があるのでしょうか?奇形にも種類があると思いますが、どういった奇形だと問題がありますか?妊娠できないような奇形もあるのでしょうか...

 子宮奇形には色々な種類がありますが、基本的には子宮に奇形があっても直接不妊の原因にはならないと思います。但し、流産を繰り返す不育症の原因になる可能性があります。そのような場合には手術が適用になる場合もあります。詳しいお話は子宮の奇形の種類と程度を見ながら決めることになります。[1周年特別企画 2006年12月20日]
(院長:田中温)
 流産を繰り返すため、子宮鏡検査を行った結果、子宮腔内に癒着があると言われました。アッシャーマン症候群と言われたのですが、それはどういうものなのでしょうか?このまま癒着がとれなくて、ずっと出産できないのではないかと不安です。もうあきらめた方がいいのでしょうか。

 アッシャーマン症候群とは、子宮腔内癒着がひどくなり、無月経や月経困難症・月経過多などの原因となる状態を指します。この子宮腔内癒着の原因として、多数回の中絶手術、子宮鏡下の子宮筋腫の手術、出産などがあります。1度できた癒着を剥離しても、内膜の状態はあまり改善しませんが、可能性はゼロではありませんので、最も適した治療をされることをお勧めします。[1周年特別企画 2006年12月20日]
(院長:田中温)
 先日、婦人科で頚管粘液の状態が悪いと言われました。頚管粘液とはどういう働きをするものなのですか?妊娠に関係があるのでしょうか?

 頚管粘液は排卵近くなるに従い、分泌量が増え、粘調性が低下してサラサラとなり、精子が子宮腔内に入りやすくなる働きをしております。しかし、この頚管粘液が少なくなったり、粘調度が高くなることは、精子の侵入を妨げる結果となり、不妊の原因となることがあります。[1周年特別企画 2006年12月20日]
(院長:田中温)
 抗精子抗体の検査で、陽性となりました。抗精子抗体とはどういった状態のことでしょうか?インフルエンザの抗体などと同じ意味で主人の精子を攻撃してしまうということなのでしょうか...。友人から抗精子抗体は不育症の原因になるといわれましたが、本当ですか?もう望みはないのではと毎日涙が止まりません。治療法を教えて下さい。

 抗精子抗体とは精子に対する抗体です。その原因については、まだはっきりしたことはわかっておりません。しかし、女性の身体の中に精子に対する抗体ができてしまうと、精子が卵管に辿り着くまでに精子が上昇できなくなり、卵子と巡り会えないということになってしまいます。
 抗精子抗体があると、受精ができませんから、妊娠する可能性は下がりますが、それが不育症の直接的な原因にはならないと思います。
 抗精子抗体の治療方法としては、まずは、人工授精(AIH)で子宮内に直接精子を入れる方法があります。その方法でも妊娠しない場合には体外受精(IVF)や、顕微授精(ICSI)という方法にステップアップするようになります。抗精子抗体は2通りあり、女性の体内にできる場合と、ご主人自身にできる場合があります。ご主人自身にできる場合は、睾丸や精管の手術(精管再生術、複数の精巣生検)などが原因になる場合があります。しかし、その原因がはっきりしない場合がほとんどです。
 抗精子抗体により、精子の運動性が低下した場合には、顕微授精という方法がありますので、精子が動いている場合には妊娠の可能性は充分あります。[1周年特別企画 2006年12月20日]
(院長:田中温)
 何度もタイミングをとっていますが、なかなか妊娠しないので、精子が子宮に入りやすい状態であるかどうかを調べるため、頚管粘液検査を行いました。その結果がとても悪かったので、人工授精(AIH)をすすめられています。できれば自然妊娠を希望しているので、色々と調べたところ、エストロゲン剤がよいと聞きました。エストロゲン剤で頚管粘液の状態を良くすることはできるのですか?具体的には、何というお薬なのでしょうか?

 頚管粘液がもともと量が少なかったり、粘調度が高いような場合には、エストロゲンを投与することが効果がある場合があります。飲み薬を少量ずつ服用する方法です。また、貼り薬もあります。飲み薬はプレマリン、貼り薬はエストロゲンの貼り薬のエストラーナなどがあります。[1周年特別企画 2006年12月20日]
(院長:田中温)
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