回答一覧 - 女性が原因の不妊について No.12 -
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:0回 体外受精:6回
 男性不妊で、顕微授精(ICSI)を行っています。私自身も、左右の卵巣にチョコレート嚢胞があり、卵の数が少ないため凍結できず、採卵は毎回行わなくてはならない状態です。
 10年前の血液検査で、「抗核抗体」の値が1200倍という異常数値がでました。プレドニンを2〜3週間飲めば治る「全身性エリテマトーデス」という膠原病であることが分かりました。症状は、年に1〜2回くらい出ます。最近は、昨年末に発症し、2週間薬を飲んで治りました。
 「抗核抗体」の値が異常な場合、妊娠・着床に影響があるのでしょうか?卵を戻しても着床しないのは、これが原因なのでは・・・と考えるようになりました。もしも影響があるならば、今後の治療は、どのように進めていけばよいのか教えてください。

 膠原病があると流産もしやすくなります。自己免疫異常による流産には『抗リン脂質抗体症候群』という病気が関与している場合もあり、不育症の原因にもなります。一連の検査を追加してみてはいかがでしょうか。
不育症のページ   http://www.stmother.com/art.html#5
抗リン脂質抗体症候群   http://www.stmother.com/databook/woman_01.html#12
検査は、不妊治療専門施設で行えます。
 不妊治療中も低量のプレドニゾロンを続けたり、また「低用量のアスピリン」の内服や「ヘパリン」注射を連日行う治療方法もあります。漢方治療としては「柴苓湯」という薬がしばしば処方されます。[2008年10月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:24回 人工授精:1回 体外受精:7回
 体外受精(IVF)を続け、最初は初期胚盤胞くらいまでに分割していましたが、最近は空胞だったり、質がかなり悪いことが続いています。ずっとマーベロンを飲んでおり、最近になって色々と変えていますがどれもダメ駄目。
 生理3日目のFSHが33と高値の時も卵が育つので採卵を続けていましたが、一度お休みしようかと思っています。ちなみに通常FSHは10〜20台が多く、いい時と悪い(空胞の時)があります。排卵誘発はこの1年間、まったくしていません。
 以前に、ピルを飲まなかった周期に残卵ができたり、FSH44と高くなってしまったことがあるので、お休みの期間はどのようにすればよいのかわかりません。教えて下さい。

 ピルを内服していると、当然、その周期は妊娠のチャンスはありません。月経周期が規則的であるのであれば、しばらく自然周期で様子をみてはいかがでしょうか。以前タイミング治療をしていたようですので、卵管は通過しており、精子もさほど悪い状態ではないだろうと判断しました。
あまり神経質にならずに、排卵日前後あたりに夫婦生活をもつようにしてみることも、ひとつの方法だと思います。 年齢が33才でFSHが高値なのは気になりますが、気分転換も大事だと思いますよ。[2008年10月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:25 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:12回 人工授精:0回 体外受精:0回
 不妊治療を始めて1年がたちました。タイミング法をしておりますが、卵子の成長が遅いということで、治療3ヶ月後からクロミッドを飲むようになりました。
 半年後に治療を休んだ期間があり、1周期だけクロミッドを飲みませんでした。すると、次の診察で卵子ができていないと言われました。それからは、毎月クロミッド゙を飲んでいますが、今後クロミッドをやめたら、卵子ができないのではないかと不安です。一度クロミッドを飲み始めたら、クロミッドなしでは卵子が育たなくなるのでしょうか?
 また、クロミッドを長期的に飲み続けるとよくないということを本で読んだので、主治医に相談してみたところ「飲まないと排卵しないからね。」といわれました。クロミッドを飲まないと卵ができない、でも長期の服用は体にはよくないという情報もあって、どうすればいいのかわかりません。教えてください。

 「クロミッドを飲み始めたら、飲み続けなければならない」ということはありません。あなたの場合は、もともと排卵障害(卵の成長が遅い)があるために、クロミッドを使わなければ卵ができにくいのだと思います。毎月、卵が成長することにこだわらない方がいいかもしれません。
 たとえば3〜4ヶ月間クロミッドを飲んだら、1〜2ヶ月は生理周期を整えるためにホルモン剤で生理をおこすようにするとか、クロミッドを長期に飲むことに不安があれば、定期的に血液検査(貧血症、肝機能、腎機能)のチェックをされてみてはどうでしょうか。また、定期的に子宮癌検診も受けておくと不安解消になるのではないでしょうか。
 また、排卵誘発剤として、クロミッド以外にセキソビットもありますから、時々セキソビットを飲んでみるというのはいかがでしょうか。[2008年10月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:0回 体外受精:0回
 4年前に心拍確認後の流産、不妊治療をして1年後に妊娠し1人目を出産しました。その後、治療を再開し、2ヶ月前に妊娠しましたが、心拍確認後に再び流産しました。
 排卵までが長く(約17日)、高温期が短い(約9日間)ことから、不妊の原因としては、排卵障害と黄体機能不全(高温期のP値=6、E2値=80)といわれました。また、軽い子宮腺筋症(月経痛や月経過多はなし)があるが、そちらは治療の必要はまだないということです。月経周期は安定しています。
 これまでの治療は、黄体ホルモンの内服とタイミング療法でした。クロミッドには反応しすぎて、周期7日目(投薬44日目)に排卵してしまってからは使っていません。これまでの3回の妊娠は、たまたま病院に行けなくて投薬をしていませんでした。
 質問ですが、これまで、潜在性高プロラクチン血症の検査をしたことがありませんが、必要でしょうか?また、クロミッドは合わなかったですが、他の方法で排卵障害の治療をした方がよいでしょうか?よい方法があれば、教えて下さい。

 クロミッドを飲んで7日目の排卵は1回だけですか。また、その時は、1日1錠でしょうか、2錠でしょうか。また、クロミッド内服でできた卵の数は1個ですか、複数個できましたか。
 毎回卵ができて排卵しているのであれば、排卵障害ではないように思いますので、クロミッドはなしでもいいのではないかと思います。
 今後のこととしては、プロラクチンの検査をした方がいいでしょう。問題は2回の流産の既往があることです。一般的には、3回以上は習慣流産とされますが、当院では2回の流産の既往があれば、習慣流産の検査を行うようにしています。血液検査してみてはいかがでしょうか。[2008年10月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:36 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:0回 体外受精:2回
 3年前に卵管閉塞(卵管がむくんで閉塞している)と診断され、体外受精(IVF)の治療中です。実は、体外受精に入る前に2回通水検査を行ったのですが、2回目の検査時に痛みが酷く、過呼吸を起こしてしまい検査を中止してしまったという経緯があります。最近になって、再度通水検査を受けたほうがいいのでは・・・と思い始めました。
 というのも、「卵管閉塞だといわれて、通水を何度かしたら妊娠に至った」という知人の話を聞いたからです。通水で、卵管のとおりがよくなったからだと理解してります。
 私の場合、良い卵は育つのですが、着床に至りません。主治医からは「もしかしたら詰まった卵管から余計な汚物が出て着床を妨げているのかもしれない」と言われました。なので、卵管のとおりを少しでもよくしたいのです。通水は意味があるでしょうか?

 子宮内膜症の有無やクラジミアにかかった既往症はいかがでしょうか?クラジミアは現在完治していても、以前の感染で卵管が受けたダメージはその後も残ります。 通水しても効果がない場合もしばしばあることを理解した上で、何回か通水を行い、その後に子宮卵管造影法を再検査してみる方法はあります。
 また、全身麻酔で腹腔鏡検査下に卵管通色素検査を行って、両側卵管の通過状態を確認することも可能です。この場合は、麻酔をしているので、圧力を強く加えることが可能です。軽い癒着が卵管や卵巣周囲にある場合には、剥離手術を行うことが有効な場合もあります。
 片方あるいは両方の卵管が使えないと切除された場合、子宮と卵管の接合部分で切断手術を行う治療もあります。(卵管水腫の液が胚の発育に悪影響を与えたり子宮外妊娠を起こしたりする可能性があるため)[2008年10月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:2回 体外受精:1回
 2年前に自然妊娠したものの、6週目で切迫流産をして以来妊娠していません。
以前、卵巣嚢腫があり、3年前に体外受精(IVF)を行った際、採卵時に、ついでに取っていただきました。(詳しくはわかりませんが、卵巣嚢腫エタノール注入法というのでしょうか・・?)
ところが、先日、別の病院で子宮がん検診を受診した際、また5cmほどの卵巣嚢腫ができていることがわかりました。不妊の原因を調べることも含め、腹腔鏡の手術を勧められましたが、どうせ全身麻酔をして、お腹に穴をあける手術をするのなら、もう一度体外受精を行って、前回と同じように嚢腫を取る方が良いのではと思っています。
腹腔鏡による卵巣嚢腫摘出と、膣から針を刺して吸い取る方法では、何か違いがあるのでしょうか。
また、腹腔鏡を受けた場合は、体外受精へと順序を踏んでいくのが良いのかと思っていますが、いかがでしょうか?

 排卵時(採卵時)に行うのは穿刺針で卵巣嚢腫の内容液のみを吸引し、内腔をエチルアルコール(エタノール)で数回洗浄する治療です。この場合は、卵巣嚢腫の袋自体は卵巣内に残りますので、しばしば再発することがあります。
 腹腔鏡下手術では、卵巣から袋全体を除去するので再発することは少なくなります。
 手術後、卵巣周囲が癒着する可能性もあります。手術後しばらくしても妊娠しなければ、体外受精(IVF)を考えても良いと思います。手術した方が良いかどうか断定することは難しく、ケースバイケースで考える必要がありますし、ご自身の希望や考え方も重要になってきます。また年齢的にも、体外受精での妊娠率が下降していく年齢に入っていますので、早めに対応されることが望ましいと思います。[2008年10月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:27 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:40回 人工授精:0回 体外受精:0回
 15歳に初潮がありましたが、2回生理が来た後に無理なダイエットで月経が止まってしまい、2年間放置してしまいました。2年後に婦人科へ行き、カウフマン(注射)を8年間つづけました。
 3年前に結婚して、精液検査や卵管造影検査に異常はなく、タイミング療法を始めました。クロミッドと注射(フェルティノーム150単位)で誘発しましたが、まったく卵胞が大きくなりませんでした。誘発を続けて、治療1年後に初めて排卵させることができた時、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になりました。その後はHCGとHMGで排卵できるようになり、1年半前に妊娠しましたが、成長せずに小さな胎嚢確認後、流産となりました。
 流産後は、フォリスチムを使っても卵が育たず、不妊専門病院に転院しました。転院後の検査結果では、(負荷検査の結果:LH負荷前0.58→30分後 2.89、FSH負荷前2.45→30分後3.47)と、FSHとLHの値が低すぎるといわれました。
 今回、テイゾー225を6回うって、ようやく卵胞が17mmになりましたが、今度はOHSSになる可能性が高いために、HCGを打ってもらえず、周期18日目にもう一度診察することになりました。私はLHの値が低いので、おそらく次回の診察では卵胞が小さくなっていて、薬でリセットになると思います。
 私のようにホルモン値が低くて、軽い注射だと排卵できず(フェルチノーム150単位を17回打たないと、20mmまで成長しません)、強い注射だとOHSSになってしまう場合、どのような誘発をすればよいのでしょうか。体外受精(IVF)をするしかないのでしょうか・・・。ずっとOHSSを避けた治療をしているので、排卵すら起きていません。せめて排卵だけでもおきてほしいのですが。

 あなたの状態はホルモンのLHRテストの結果から言うならば、下垂体性の排卵障害となりますが、下垂体の手術や腫瘍がない点より、下垂体型となります。これは多分、視床下部性の状態が長年続いたために下垂体性と似たようなホルモン状態になったのだと思われます。
 身長、体重は分かりませんが、ダイエットの前は肥満だったのではないでしょうか。無理なダイエットをする事によって、脳下垂体、視床下部に影響を受けますとあなたのような状態になる事はあります。
 現在の体重はどのような状態でしょうか。自然排卵させるためには十分な検査と対応が必要だと思います。 体外受精を行う場合には、排卵誘発を十分注意する必要があると思います。
 月経3日目までの左右卵巣内の胞状卵胞の数、位置、大きさ、E2、FSHの値が分かれば、もう少し詳しいお話が出来ると思います。[2008年9月16日]
(院長:田中温)
年齢:24 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 子供が1人います。現在、再婚して2年になりますが、子供ができません。
 以前、生理が1ヶ月以上続き、病院へ行ったところ、卵巣機能低下症で無排卵月経の可能性があると言われました。現在は、基礎体温をつけようとしているのですが、起床時間がバラバラで、何度も挫折しています。排卵の有無は基礎体温を測らないと分からないのでしょうか?また、何か治療が必要でしょうか?

 基礎体温がうまく測定できないのであれば、何日か病院に通院されて、「卵胞が成長しているかどうか」や「生理周期の初期・排卵頃・黄体期のホルモン」を診てもらってはどうでしょうか。
 卵巣機能が下がっているようであれば卵胞を成長させるために排卵誘発剤の内服をしたり、黄体期の状態が悪いようであればホルモン剤の内服・注射等の治療をされることをお勧めします。[2008年9月16日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:41 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:15回 体外受精:2回
 長年の不妊治療で原因がはっきりしないまま、ひと通りの治療を行っても結果が出ませんでした。私と同じような方が卵巣焼灼術をすると、80%の方が自然妊娠をしたと聞いたので、私も行ったみたところ、すぐに自然妊娠をする事ができました。
 私の場合、生理も規則的(28日周期)にきて、卵胞も育っていて14日目にきちんと排卵していました。ネックレスサインがあるといったことも言われたことがありません。糖尿病の検査も異常ありません。このような場合でも、卵巣焼灼術が有効であったということは、多嚢胞性卵巣(PCO)が不妊原因ということになるのでしょうか?気になる点を挙げてみると、以前、排卵誘発剤で入院が必要なくらい重度の卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になったことや、男性ホルモンが異常に高いということです。
 できることであれば、もう1人欲しいと考えているのですが、また卵巣焼灼術を行なうべきなのでしょうか?

 あなたの症状(つまり多嚢胞性卵巣(PCO))と、男性ホルモンが高いことを考えると、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性が高いといえます。PCOSに対して、卵巣焼灼術は非常に有効的で、80%近くの方でよい結果が出ます。ただし、1〜2年で効果が消滅する事もありますので、2人目をご希望の場合には、再度行ってみてはどうでしょうか。
 効果がまだ残っているかどうかは、月経が規則正しいかどうか、男性ホルモンの値が正常値であるかなど、現在の状態から判断し、状態がよければ、施術しないままトライされてはどうでしょう。ただし、男性ホルモンが異常に高くなっているのであれば、再度されてみる方がよいと考えます。
 PCOSとPCOは異なります。あなたの場合は、ホルモン異常が認められ、また、前回も効果が出ていますが、ホルモン異常を伴わないPCOの方に卵巣焼灼術を行いますと、かえって卵巣機能が低下することがあります。ですから、術前の検査を慎重にされることが必要です。[2008年9月16日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:5回 人工授精:0回 体外受精:0回
 周期12日目に卵胞チェックをしたところ、卵胞13mm、子宮内膜8mmでした。エコーの結果、排卵したばかりかもしれないし、この卵胞が育ってくれば、4日後くらいに排卵するでしょうと気になる言い方をされました。
 4日後の周期16日目に再度エコーをしたところ、卵胞は消えており、子宮内膜は13mmとなっていました。
 この場合の排卵日は、何日目と考えるのでしょうか?

 基礎体温表はつけていますか。また、生理周期は順調ですか。
 12日目に卵胞が13mmで、速度的には排卵が3〜4日後(15〜16日目)ではないかと思われますが、正確なところは分かりません。
 尿での排卵チェックの検査はどうでしょうか。尿の排卵チェックなどの検査をしていなければ、正確にはわからないこともあります。
 16日目が排卵したばかりと考えることもできます。あなた自身ができることとしては、基礎体温を測ることですから、明日からでも測られて、次回に備えられるのが良いかと思われます。また次回も同じような条件ならば、14日目にもチェックをしてもらってはどうでしょうか。[2008年8月20日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:36 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:初回 人工授精:0回 体外受精:0回
 生理不順が10代からあり、定期的に婦人科でホルモン療法(カウフマン療法だと思います)を受けていました。
 過去の血液検査で、無排卵はプロラクチンの値が高いためと言われましたが、「高プロラクチン症」とは診断されていません。
 不妊治療を開始し卵胞刺激ホルモン注射を1〜2日おきにしています。エコーと血液検査で、卵子がなかなか大きくならず、先週から今週にかけて、卵胞が14.3mmから9.0mmに小さくなり、成熟を示す値も200以上から68に下がりました。この結果から、排卵の疑いはないのでしょうか。主治医からは、HCGの量を75から100に増加して、続けると言われていますが、1ヶ月以上注射を打ち続けて問題はないのでしょうか。

 注射の量は何単位を1〜2日おきに打っていますか。また、これまで何回の注射を打ちましたか。今の状態は卵巣がうまく反応せず、卵胞が育っていないのではないかと思われます。すでにかなりの日数打っておられるのなら、今周期は中止して、来周期に再開した方がいいかと思います。
 また、注射の打ち始めは月経周期の何日目からでしょうか。反応が悪いようでしたら、3〜5日目に300単位から連日投与で開始して、卵胞の大きさをみて頂いたらどうかと思います。[2008年8月20日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:26 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 現在、カナダで不妊治療を行っております。
 FSHは正常なのですが、LHが高く、ドクターには、「35歳以上の卵巣だ」と言われています。その後、子宮内膜症が見つかり、先週ラパロで焼却しました。夫の精子を調べたところ、90%の奇形率とのこと。卵管造影検査の結果は、両方の卵管は通っており、良好です。
 今周期からクロミッドを3ヶ月服用して、様子をみようと言われていますが、LH値の事もあり、体外受精(IVF)に踏み切ろうか悩んでいます。(もしそうなれば、日本での治療を考えています。)
 先生なら、どのような治療をすすめますか?

 LHが高い場合には、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と言いますが、その場合には月経周期が必ず不規則となります。あなたの場合は、規則的なようですので、それ程ひどい状態ではないと思います。
 胞状卵胞の数はいくつぐらいあるでしょうか。月経周期3日までの左右卵巣内の胞状卵胞の数、大きさ、位置を教えていただければ、より詳しいお話ができると思います。
 精子の所見で、90%の奇形は、やはり高いですね。正常は50%未満です。体外受精(IVF)が必要だと思います。奇形率が高いので、顕微授精(ICSI)をされることも考えるほうがよいでしょう。私があなたの主治医ならば、顕微授精をされることをすすめ、卵巣の状態をよく見て、排卵誘発を決めると思います。[2008年8月20日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:0回 体外受精:0回
 多嚢胞卵巣症候群(PCOS)で4月にラパロをしました。その後、自然排卵を期待したのですが、生理がこないので、プラノバールで生理をおこしました。生理後、排卵するか様子をみましたが、周期21日経っても、卵胞は左右3個5mmのままでした。
 ラパロをする前も、FSH注射を20本近く打っても排卵しませんでした。担当医には「普通の多嚢胞性卵巣症候群ではありませんね・・」と言われてかなり落ち込んでいます。今日からは、またプラノバールを2週間飲み、クロミッド1錠を服用します。PCOSにはラパロが大変有効ということですが、卵胞がまったく大きくならないというのは、どのような原因があるのでしょうか?また、今後、どのようにしたらよいのでしょうか?

 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の定義は、「LHの濃度が高いこと」「FSHよりもLHが高いこと」「排卵障害」「男性ホルモンが高いこと」「超音波で一側の卵巣に小さな卵胞が10個以上」です。このようなPCOSに対し、FSHを20本打っても排卵しないということは、普通は考えられません。また、PCOSであれば、腹腔鏡下卵巣焼灼術は大変有効で、施術後は、60%の方が自然排卵し、残りの40%の方はクロミッドで排卵します。
 LH-RHテストという検査は受けていますか。このLH-RHテストのプロラクチンの値の結果を教えてください。それによって、もう少し詳しい回答ができるかもしれません。[2008年7月15日]
(院長:田中温)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:0回 体外受精:0回
 不妊専門のクリニックに昨年10月から通院しています。
 右側の卵管が狭窄しているため卵管形成術を受けました。その後造影剤で確認した際、手術した卵管は十分に通っているとのことでした。
タイミング療法でも妊娠に至らず、検査をしたところ、「抗精子抗体陽性」である事が分かりました。フーナーテストでは、視野に若干運動している精子が2匹いたそうです。(私には確認できませんでした。)
 担当医は、抗精子抗体陽性であっても自然妊娠するケースもあるが、その確率は低く、年齢を考えると人工受精(AIH)をすすめるとおっしゃいました。
 一般的に、抗精子抗体陽性の場合でも、まず、人工受精を選択するものでしょうか?体外受精(IVF)を選択するクリニックもあるのでしょうか?できるだけ自然妊娠を望んでおり、人工受精に踏み切るにはまだ決心がついていません。セカンドオピニオンとして、先生ならば、どのような方針をされるのか教えて下さい。

 抗精子抗体があるからといって100%妊娠できないとは言えませんが、主治医の判断で良いと思います。
 ご本人が希望であればもう少し、タイミング法をしてみても良いかもしれませんが、それから半年〜1年ほど人工授精(AIH)を行っても妊娠できなければ、体外受精(IVF)なども考えてみてはいかがでしょうか。
 不妊の原因は必ずしも1つとは限りません。別の原因が、もっと大きなウエイトを占めているかもしれません。
 例えば、たとえ卵管を手術で通りやすくしたとしても、いつまでも正常の状態が保たれているかは分かりません。排卵した卵子を卵管の先端(卵管采)が卵管の中へ取り込む操作が上手くできていないこと(ピックアップ障害)もあります。
 また、卵子が子宮の中まで運ぶ作業は卵管に要求され、卵管の内壁がダメージを受けていると、途中で卵子が引っかかって通過障害となることも考えられます(例えば「水や空気」は流れる事ができたとしても、固形物は止まってしまう状態です)。
また、精子と卵子が出会ったとしても、1匹の精子が卵子の殻(透明帯)を貫いて卵子と受精できているのかどうかも、普通は確認できません。自然妊娠を希望されるお気持ちはよく分かりますが、ご夫婦でよく御検討なさった上で結論を出してください。[2008年7月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:1回 体外受精:0回
 子宮内膜異型増殖症と診断され、ホルモン治療を受けたのですが、完治しません。完治していない状態ですが、主治医の許可を得て、期間限定で不妊治療を開始しました。
 まずは、人工授精(AIH)をしました。クロミッドやHMG、HCGの注射への反応はいいようで、排卵できました。現在は結果待ちですが、生理になりそうです。
 卵管が少し細いことと、年齢のことも考え、次回は体外受精(IVF)にステップアップしようかと考えています。私のような症状を抱えたままで、妊娠できるでしょうか。また、最善の治療方法を教えて下さい。

 現状で妊娠が可能であるならば、もっとも妊娠率の高い体外受精(IVF)にはいられてはどうでしょうか。HMGの反応が良好であるならば、今までのホルモン治療の影響は考えなくてもいいと思います。妊娠中の黄体ホルモンは胎盤が長期に分泌しますので、子宮内膜の方はかえって縮小し改善するかもしれませんね。[2008年7月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:32 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不明 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 以前、8ヶ月目で子宮内胎児死亡を経験し、その後生理が止まってしまって悩んでいた者です。6ヶ月経過しても生理が始まらないので、病院へ行きました。生理が始まる様子がみられないということで、プラノバールを2週間服用し、生理が始まりました。
 その後、先日の生理予定日に少量の出血があったので、そのまま生理がくるのかと思ったら、出血は1日で終わってしまいました。これは、不正出血なのでしょうか。基礎体温も付け始めましたが二相性にならずバラバラです。閉経したのではないかと心配です。どうすればよいのでしょうか。

 妊娠前は、生理は順調だったのでしょうか。おそらく、子宮内胎児死亡後、卵巣機能が正常に機能していないのでしょう。閉経になったわけではないと思いますよ。
 プラノバールを飲んで生理がきていますから、リズムを整えるために、しばらく(2〜3周期)内服して、そのあとにクロミッドなどの排卵誘発剤を併用し、排卵を促すようにしてみてください。ただ、生理がきても無排卵であることはありますから、生理のリズムを整えてから排卵を起こす治療を受けることが大切です。[2008年7月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 不妊治療を始めて、2ヶ月が経ちました。超音波検査で、右の卵巣にデルモイト腫瘍があると言われました。
 主治医には、この腫瘍は良性だから、妊娠でき出産する時に取り除けばいいと言われました。しかし、医療従事者である友人に尋ねると、取り除かなければ、どんどん大きくなってますます妊娠できにくくなると言われました。
 また、先月、卵管をひろげる日帰り手術(FT手術)をしました。卵巣にデルモイト腫瘍があると、卵子ができないのではないか、妊娠できないのではないかと、年齢のこともあり、不安でいっぱいです。
 卵子ができているかどうかは、どのような検査を行なえばわかりますか?また、デルモイト腫瘍の影響について、詳しく教えてください。

 FT手術をしたという事は、卵管の通過が不良なのでしょうか。
 一般的に卵巣嚢腫があっても自然妊娠する可能性は期待できますが、場合によっては、排卵した卵子を卵管采がキャッチすることができず、卵管に卵子を取り込むことができないために、妊娠できないということもあります。さらにFT手術が必要なくらいの卵管通過障害があるのであれば、体外受精(IVF)も1つの選択肢として考えるべきかもしれません。
 確かに、卵巣嚢腫は年々どんどん大きくなっていくと思われます。大きくなると卵巣の正常の部分が引き伸ばされて、薄い膜のようになり、卵細胞がダメージを受けることも考えられます。卵巣の正常部分がまだ固まりとして残っているうちに、手術で切除することも1つの方法だと思います。[2008年7月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:13回 人工授精:7回 体外受精:0回
 不妊治療を始めて2年になります。黄体機能不全、潜在性高プロラクチンで、クロミッド、フォリルモンP、HCGを使って、タイミングと人工授精(AIH)を行っています。テルロンを朝夕と、高温期にはデュファストンを服用しています。
 高温期7日目に血液検査をしていますが、P4がいつも1.5〜4と低く、オオホルミンルテウム注射で補っています。それでも4.2と低いままですが、薬が効いてないのでしょうか。次回からは、黄体ホルモン膣剤で補充するといわれていますが、P4が低いと妊娠はしないのでしょうか。何が原因となって不妊なのか不安です。

 高温期7日目で1.5〜4は確かに低いと思います。黄体ホルモンの膣状を使ってみるか、注射を打たれてみてはいかがでしょか。基礎体温で高温相は2週間近くあり、低温相と高温相がはっきりと分かれていますか。また、内膜はきちんと厚くなっているでしょうか。このようなことがわかれば、もう一度ご連絡くださいね。もう少し細かいお話ができると思います。[2008年6月16日]
(院長:田中温)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:4回 人工授精:0回 体外受精:0回
 クロミッドを飲み始めて3周期が経過しましたが、卵胞が大きくならないうちに排卵しているようだと言われています。前回は、卵胞の直径20mmの時に採血でホルモン検査をしたところ、黄体ホルモンが高くなっていて、翌日には排卵してしまっているだろうと言われました。これまでに確認できた最大の卵胞の大きさは、この時の20mmです。
 また、クロミッドを飲み始めてからの排卵日が遅いと言われています。生理開始から20日前後で、卵胞の大きさが20mmくらいになるようです。上記の点に関しては、原因があるのかどうか説明はなく、ただただ心配であることと、これからどのような治療をすればよいのかわからず困惑しています。今のところ、クロミッドの内服を継続することと、プレドニンの1週間内服が追加になりました。
 基礎体温は、高温期と低温期で0.6度くらいの差はありますが、高温期に入る時には3〜4日かけて、ゆっくりと上がっていきます。各種ホルモン検査と卵管造影検査では、異常はありませんでした。治療を始める前は、毎月生理はありましたが、35日〜45日周期でした。現在の私の問題と、今後の治療の方法についてアドバイスをください。

 卵の成長速度や大きさには個人差があります。月経周期の日数は排卵までの日数で決まり、卵の成長速度が速い人は周期が短く、遅い人は周期が長くなります。大きさは、18mm前後で排卵する人もいれば30mm近くならないと排卵しない人もいます。文面から見ると、卵の成長が遅い方で、18mm前後で排卵しているので特に問題ないように思われます。もしも問題があるとすれば、高温期のホルモン状態ではないでしょうか。(黄体機能不全の可能性があるかもしれません。)主治医に相談してみてください。[2008年6月16日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:0回 体外受精:0回
 子宮内膜症で、左右卵巣に2センチ程度のチョコレート嚢腫があり、卵管も両側とも詰まり気味です。妊娠を望んで1年半がたち、タイミング療法からのステップアップを考えています。
 担当医からは、体外受精(IVF)に進むか、薬物療法で子宮内膜症を緩和して自然妊娠にトライするのか、どちらかを選択するように言われました。
 そこでお尋ねしたいのは、次の2点です。
 1.子宮内膜症がある場合、体外受精の方法として、刺激周期と自然周期とではどちらのほうが望ましいのか。
 2.薬物療法で子宮内膜症を緩和することによって、卵管の詰まりが軽減されることはあるのか。
 もし、薬物療法で卵管のつまりが軽減することがあるのなら、薬物療法を行って、再度タイミング療法にトライしたい気持ちもあるのですが、あまり期待できないようでしたら、体外受精を考えたいと思っています。

 1.体外受精(IVF)にかかる高額の治療費を考えると、まずは卵巣刺激を行った上で治療を進める方が良いでしょう。高齢などの為に、過排卵処理をしても卵子が1個しか採卵できない状態であれば話は異なってきますが…。子宮内膜症で卵巣チョコレート嚢腫が進行すると採卵できる卵子の数や質にも影響が出てきます。
 2.卵管のつまりが軽減されることもありうるかもしれませんが、特殊なケースに限定されると思います。(もともとさほどダメージがなかった場合など)。通水治療などと併用してもよいかもしれません。
 3.子宮内膜症に対する薬物療法は、その数ヶ月の治療期間の間は排卵を止めてしまうことになります。さらに年齢が進行するデメリットはあります。[2008年6月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
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