回答一覧 - 女性が原因の不妊について No.15 -
年齢:25 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 子宮内膜症の治療のため、1年前からピル(オーソM)を飲んでいましたが、先月は様子を見るため、1ヶ月だけピルを中止しました。ピル中止後は、生理予定日を過ぎても生理はきていません。
 先日、右の卵巣は6センチ前後のチョコレートのう腫ですが、左はとても綺麗だと診断を受けたばかりです。基礎体温を測っていないため、はっきりしたことはわかりませんが、排卵時期と思われる時期に性交渉を持ちました。先日から、妊娠検査薬を2回使いましたが、陰性でした。現在は、ピル中止後の生理予定日から5日遅れている状態ですが生理は来ていません。妊娠の可能性はあるでしょうか。また、このまま生理がこない場合、いつ頃受診をするのがベストなタイミングでしょうか。

 このケースの場合ピルを止めてから一度も月経が来ていないので、排卵時期が特定できません。一般的に排卵から約2週間で妊娠検査が陽性になりますので、もう1週間様子を見られても良いでしょう。[2009年11月5日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:30 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 中国の病院で卵管に水がたまっているので、妊娠できないと言われました。
 そのような症状は実際にあるのでしょうか。また、そのような症状がある場合は、どのような治療法がありますか。教えてください。

 卵管に水が溜まっているという表現は、卵管水腫を示しています。卵管に炎症があるために卵管が閉塞し、卵管内分泌液が徐々に駐留して水腫となった状態です。
 このような状態では、自然妊娠はまず不可能と考えられます。ですから、体外受精(IVF)での治療となりますが、卵管水腫内の内容液が子宮内にも移動して着床を阻害するということが証明されていますので、まずは、腹腔鏡下に子宮と卵管の交通制を絶つ手術をされることをお勧めします。[2009年10月16日]
(院長:田中温)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:7回 人工授精:0回 体外受精:0回
 卵管造影検査をしたところ、右側が狭窄もしくは閉塞の疑いと診断されました。左側はしっかり通っているので、左側でタイミングをとることを勧められました。
 このサイトで色々と検索してみると、卵管が閉塞している原因のひとつに感染症があるとのことでした。また感染症にかかっていると、片方の卵管にだけに影響を及ぼすわけではなく、子宮卵管造影上、通過していると思われている反対側の卵管にもなんらかの影響を及ぼしていることもと考えられるとありました。
 わたしはクラミジア、淋病など一通りの検査は陰性でした。その場合は卵管閉塞の原因として、どのようなことが考えられますか?腹腔鏡検査をして、腹腔内や卵管の状態を検査したほうがいいのでしょうか?

 タイミング法を7回されていますから、人工授精(AIH)にステップアップされることを考えてもよいでしょう。また、ステップアップの前に腹腔鏡検査をして、対側(左側)の卵管の状態を確かめてから治療をすすめることもいいと思います。
 卵管閉塞の原因には、感染症、子宮内膜症、腹腔内の手術(虫垂炎、卵巣のう腫、子宮筋腫の手術)などがあります。そのような手術か既往はありませんか。小さい頃(小児のとき)に腹部を打撲したり、炎症を起こして時間が経っている場合など、原因自体がはっきりとしない場合もあります。現時点では、ステップアップするかステップアップ前に腹腔鏡検査を行うかの2つの選択肢があります。主治医と相談して決めてください。[2009年10月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:1回 体外受精:0回
 不妊治療を始めて半年ぐらいになります。 以前から、生理後から排卵期あたりまで、下痢気味になる事が多々あり、基本的に便秘と下痢をくりかえしているような状態です。これは、不妊の要因のひとつもしくは、何かの症状と考えられるでしょうか。

 女性は、黄体ホルモン等の影響で、腸管の動きが悪くなったりよくなったりして、便秘や下痢になりやすいということはあります。生理周期に合わせて、便秘と下痢になるのであれば、ホルモンの影響が考えられます。
 ただし、潰瘍性大腸炎やクローン病などの場合、大腸等の消化管の異常でも便通の異常をきたすことがあります。一度、外科もしくは内科で消化管の検査(大腸内視鏡など)を受けて、異常がないかどうか検査を受けられることをお勧めします。上記のような自己免疫疾患のような病気が、二次的に不妊の原因になっていることも否定できません。 下痢や便秘の原因が生理周期に合わせたホルモンによるもので、症状的に軽度であれば、不妊には問題ないと思います。[2009年10月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:31 基礎体温:無関係 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 妻は、妊娠できない主な原因として、頭蓋咽頭腫視神経萎縮で、3歳の時に下垂体を摘出しています。ホルモンが出ないために生理も自然には起きません。視神経萎縮ですから盲目に近い状態ですので、夫の私がかわりに質問させていただいています。
 不妊治療を始めるにあたって、自宅にて自分で打つペンタイプのホルモン剤や、リコンビナートFSH製剤を使って治療を進めて行く方針です。しかし、頭蓋咽頭腫の女性が出産したという情報はインターネットや医学書にも見あたりません。妊娠出産の可能性がたった1%未満であっても、望みをもちたいという妻の気持ちを痛いほど共感しています。このような状態ですが、不妊治療を行うことで、望みはありますか?また、妊娠した場合、出産のリスクなどについても教えてください。

 下垂体性の無月経ですね。ホルモンだけのことを考えるならば、本来、脳下垂体から分泌されるFSHとLHを投与すれば排卵してきますので、妊娠は可能です。ただ問題は、妊娠の経過および出産後、奥様自身が、育児ができるかどうか、お子様のいる生活が可能であるかということです。妊娠出産は可能でも、その後の育児がかえって負担になるということはありませんか。その点までよく考えて判断されてみてください。
 私の知人で、ほぼ全盲の方で出産をされた方がいらっしゃいます。育児の際は、ご自身とお子様を紐で結び、いつも鈴をつけていたそうです。2人目をご希望で来院され、育児の点についても十分に話し合った結果、大丈夫ということで治療に入りました。このようなことも十分にご検討されてくださいね。[2009年10月1日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:3回 体外受精:3回
 不妊治療を2年ほどしています。初めて生理20日程も長引き、近くの産婦人科へ受診したところ、子宮の袋が2つあると言われ、MRIをとると真っ二つにわかれていると言われました。今まで体外受精(IVF)をしていた不妊施設の医者からは一度も言われたことはありません。わからないものでしょうか・・・
 結局、生理の異常は子宮奇形とは無関係で、体外受精(IVF)によるホルモン補充でバランスがおかしくなっているとのことで、お薬で生理をリセットすることになりました。
 生理のことはそれでよかったのですが、突然、子宮奇形と言われて頭が真っ白です。中隔子宮だと自然妊娠は不可能でしょうか?そもそも、中隔子宮が原因で妊娠しないのでしょうか・・・?今後どのような治療をすべきでしょうか?妊娠しても出産ができるのかどうか・・・もう不安でしかたありません。子宮奇形について詳しく教えて下さい

 今まで子宮卵管造影検査はされていなかったのでしょうか。もし子宮が1個であれば、単頸双角子宮か、あるいは不全双角子宮や中隔子宮ということなのかもしれません。子宮口が2個あっても、片側が膣中隔によって圧迫されて分かりづらいこともあります。手術を受けるべきかどうかを判断するには、もう少し詳しく調べてもらう必要があると思います。子宮奇形によって流産を繰り返す(不育症)の方がいることも事実ですが、そのような異常があってもスムーズに妊娠して無事に出産する方もいます。[2009年9月17日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:25 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:2回 人工授精:回 体外受精:回
 不妊治療を始めて3ヶ月、今周期からクロミッドを飲み始めました。
生理開始の4日目から5日間、夕食後に1錠のみです。
 もともと、生理が10日ほどダラダラと長引きますが、クロミッドを飲み始めたせいか、生理8日目にも生理の量が少なくなりません。強いて言うなら、3日目ぐらいの量だと思います。
 このQ&Aでも、色々と探しましたが、「クロミッドを飲み始めて生理の量が減った」という相談は何件かありましたが、逆に量が減らないというものが見当たりませんでした。
 もともと10日ほどダラダラと続く体質だし、今周期はたまたま量が減りにくいだけでしょうか?

 クロミッドの量と期間を考えると、クロミッドで経血量が増えているとは少し考えにくいのではないかと思います。子宮卵巣の状態には特に問題ないのでしょうか(例えば、ポリープがある、子宮内膜に子宮筋腫があるなど)。
 ポリープや子宮筋腫があることによって、生理が長引いたり量が多くなる方はいらっしゃいます。その他子宮の入り口のびらんが強く、出血が長引く人もいらっしゃいます。長引いたり量が多い原因を検査してもらって下さい。[2009年9月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:26 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:2回 人工授精:回 体外受精:回
 3ヶ月前に治療を開始し、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断され、タイミングを2回行いました。しかし、2回目の排卵誘発(セロフェン+フォリルモンP150)で右に2個、左に3個の卵胞ができてしまいました。
 そのため、多胎を避けるために、卵胞を注射のような長いもので採取されました。その後、抗生剤をもらって飲んでいましたが、1週間経っても、卵巣のあたりにチクチクとした痛みがあります。次の診察の時に、内診したところ、水がたまっているので塩分は控えるように言われました。
 上記のような状態ですが、これは通常どこの病院でも行われる方法なのでしょうか?痛みが少しあったので、次回もまたこの治療なのか気になります。セントマザーでは卵胞が育ちすぎた場合はどのようにされているか教えてください。

 フォリルモンは何日打ったのですか。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方は卵胞がたくさんできるか、無反応という事がよくあります。実際に、当院であなたの状態を診ていないので正しい評価ができるとは限りませんが、当院では、卵が5個という数だけを考えると、まず血算をして卵巣の状態、腹水の状態をみます。体調に変化がなければ、卵胞が20mm前後まで成長するのを待ってから、タイミングないし人工授精(AIH)を行います。卵が20個以上と多い時は、注射などを中止し、原則として生理が来るまでは定期的にモニターをしていきます。[2009年9月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:45 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:1回 体外受精:2回
 生理3日目までのホルモン値は、FSHが10未満、E2が20未満であることが理想だと知りました。
 私のホルモン値は、1年前には、FSHが12、E2が90だったのが、半年後には、FSHが19、E2が50になり、現在は、FHSが25、E2が40となりました。E2だけ見てみれば、理想値に近づいていますが、最近排卵が遅れ気味になり、E2が高かったころの方が調子がよかったような気がします。
 ちなみに過去に2回の体外受精(IVF)での誘発法はセロフェンです。1回目では3個採卵、2回目では空胞でした。年齢的にFSHが高くなっていることがよくない原因だとは思いますが、E2の値は高い方がよいのでしょうか?

 FSHは12-19-25、E2は90-50-40と、FSHは上昇、E2は低下していますね。卵巣機能の低下に伴って、下垂体からのFSHが卵巣を刺激しようとしている状態です。これはいわゆる更年期のホルモン状態と思われます。年齢のことも考慮しますと、ホルモン的には厳しい状態へ変わっていると思います。
 ただ、ホルモン値は1点で全てを証明するものではありません。月経周期によっては卵巣状態が一時的によく、いい卵胞ができることもあります。毎月卵胞ができなかったり、採卵しても空胞となれば難しいでしょう。E2の値だけが問題になるわけではありません。[2009年9月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:34 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:6回 人工授精:2回 体外受精:0回
 フーナーテストを4回行いましたが、すべて結果はよくなく、タイミングでは妊娠が難しいと考えて、人工授精(AIH)に進みました。
自力で卵胞は育たず、フォルリモンP37.5を1週間注射して卵胞を育てています。ですが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)のため、左右の卵胞が15個以上も大きくなってしまいます。そこで、4〜5個の卵胞が17mmになったところで、HCGを打って排卵をさせています。クロミッドはあわないようで、強い副作用が出るので、使用できません。
17mmの卵胞では妊娠は難しいのでしょうか?
PCOSの人に有効なドリリングという方法もあるようですが、腎不全で透析をしている私に全身麻酔の術法はすすめられないようです。
主治医からは人工授精をあと1〜2回行っても結果が出なければ、もう諦めたほうがいいかもといわれ、内心焦っています。局部麻酔では、ドリリングはできないのでしょうか。また、17mmの卵胞というのは、成熟しているのでしょうか?小さすぎる卵胞が胎児に影響を与えないのか・・・そもそも妊娠ができるのか心配です。

 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の場合には、腹腔鏡下卵巣焼灼術(ドリリング)がもっとも効果的ですが、腎不全で透析をされているのであれば、難しいかもしれません。局所麻酔では無理だと思います。しかし、麻酔科の専門医がおられるのであれば可能ではないでしょうか。それほど時間もかからず負担も少ない操作ですよ。
卵胞が17mmというのは成熟している過程です。17mmで排卵するということはありません。また、胎児への影響も考える必要はないでしょう。[2009年8月1日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:8回 人工授精:7回 体外受精:0回
 最近、雑誌で抗ミュラー管ホルモン検査(AMH)についての記事を目にしました。2回目の人工授精(AIH)で妊娠しましたが、心拍確認できずに流産しました。流産から1年が過ぎ、体外受精(IVF)へのステップアップをすすめられています。ただ経済的に余裕がないため、もう少しAIHを続けながら、貯蓄してIVFをしたいと考えています。
 しかし、年齢的にはとても焦ります。AIHをしないで就職して、働きながらIVFをする方が近道なのか・・・と色々と悩みます。
 そこで、まず、AMH検査がどのくらい有効であるのか、セントマザーでも検査ができるのか(遠方からです)を教えてほしいです。AMH検査で治療方針を考えることは可能ですか?

 抗ミュラー管ホルモン検査(AMH)は卵巣機能がどの程度残っているかを調べるためには有効ですが、体外受精(IVF)の成功率を予測する上では、E2、LH、FSHの方が有効です。
 あなたの場合は、流産をされている(=妊娠されておられる)こと、年齢的にも、AMHの測定はあまり必要ないのではないでしょうか。それよりも、月経3日目までの胞状卵胞の数、大きさ、E2、LH、FSHの値を参考にして、排卵誘発法をうまく選択する方が有効だと思います。[2009年7月2日]
(院長:田中温)
年齢:44 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:8回 人工授精:8回 体外受精:4回
 卵巣年齢検査(AMH)の結果が6.4以下で測定不能とでました。FSHが40〜70という数値がありましたので、覚悟はしていましたがやはりショックです。今後、排卵誘発して良い卵ができる可能性はありますか?

 基礎体温が不規則でAMHが6.4以下、FSHが40〜70ということは、おそらく胞状卵胞も見えないと思います。
 原始卵胞が不足している、すなわち、閉経の状態だと考えられますので、排卵してよい卵ができる可能性は非常に低いと推測されます。しかし、カウフマン療法などで卵巣の機能を刺激してみることも1つの方法ですので、できれば試みてはいかがでしょうか。[2009年7月2日]
(院長:田中温)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 先日、子宮がん検診目的で生理終了後9日目に受信をしました。
 診察にて、性交時に下腹部激痛が多々ある旨と、過去5〜6年は体外射精(コンドームなし)の性行為があるが、妊娠の経験はないことを話しました。内診をした結果、子宮内膜症と診断されましたが、軽度のため治療は不要ということでした。その後、採血をして、1週間後の検査結果までに、基礎体温を測って持参するように指示がありました。6日後の検査結果では、子宮がんの疑いはありませんでした。ただ、LH=9.2、FSH=4.0、プロラクチン=16.2で、FSHが低すぎるため、ホルモンバランスを整える必要があると説明を受けました。現時点では妊娠を望んでいないことを伝えましたが、結局クロミッド50mg×5日間を処方されました。生理5日目から開始し、3日後に診察内診するということでした。ただ、私としては、妊娠を望んでいない状態で、無排卵かどうかもよく調べていないような状態で、突然ホルモン剤を飲むように指示をされたことが不安でなりません。母からも、ホルモン補充に頼ると、自力で卵ができなくなってしまう可能性もあるのではとも言われ、本当に必要なのかどうなのか悩んでいます。本当にクロミッドの服用が必要でしょうか?

 遠慮されずに、主治医になぜクロミッドを飲む必要があるのかという事をお尋ねになると良いでしょう。
 クロミッドはホルモン補充療法ではありませんし、1回の内服のみで自力で排卵できなくなるということはありません。主治医とどのようなお話が合ったのか詳細が判りませんが、5〜6年間の不妊期間がありますので、まったくの自然排卵でのタイミング療法では難しいと判断されたのではないでしょうか。
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:32 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:10回
 重度の子宮腺筋症で、先日、腹腔鏡にて核出手術を行いました。現在、手術後12日目ですが、1日に1〜3回ほど大きめの昼用ナプキンでも漏れる位の出血があります。1〜3cmほどのレバー状の塊も出ます。また、腰やおしり近辺に痛み(子宮の痛みが、腰やおしりに響いているような感覚)もあります。
 手術した病院へ電話しましたが「様子をみてください」としか言われません。このような症状は手術後にはよくある事で、特に心配はいらないのでしょうか?放置していてもよいのかと、とても心配なので、セカンドオピニオンをお願いします。

 腹腔鏡で核出術を受けたという事ですが、内容はどのような手術だったのでしょうか。卵巣の中の内膜症の部分を切開、切除したのでしょうか。症状は、以前と比べて変わってない、あるいは酷くなったのでしょうか。
 重度の子宮内膜症がある場合は、なかなか症状の改善のみられないことがよくあります。出血や痛みの症状が酷くなっているようでしたら、早い時期に病院を受診して、何処に問題があるかをみていただいた方がいいかと思います。長く放置しますと、出血による貧血が進行してしまいますので、気を付けて下さい。[2009年6月3日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:3回 体外受精:1回
 私の卵管は通っていて、主人は少し運動率が悪い(43%位)が、スイムアップ検査は問題ありません。これまでに、体外受精(IVF)にて、新鮮胚移植を1回、凍結胚移植を1回行っていますが、いずれも結果が出ていません。
 血液検査では、多嚢胞性卵巣(PCO)と診断されています。色々と調べていて、PCOだと内視鏡で焼く手術が効果ありと見ました。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と多嚢胞性卵巣(PCO)は違うとありますが、PCOの場合もその手術は有効なのでしょうか。
 セントマザーに転院した場合、患者からその手術を希望してもよいのでしょうか?また、遠方からですが、何度か通ってからの手術になりますか?診察の時に、なかなかドクターに質問ができない性格なので、不安ですが・・・

 移植方法は大きく分けて凍結胚移植と採卵周期胚移植があります。採卵周期胚移植は、採卵後、培養して子宮内に戻します。黄体補充機能として黄体ホルモンなどを投与することもあります。
 また、凍結胚にして戻す場合には、自然周期とホルモン補充周期がありますが、一般的に40歳未満で基礎体温が規則正しく、二相性になっている場合には、自然周期が有利だと思います。
 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と多嚢胞性卵巣(PCO)とは全く異なります。PCOSの定義は、月経が不規則で、超音波で両側の卵巣に数多くの卵胞を認め、男性ホルモンまたは黄体ホルモンの異常のすべてがそろった状態を言います。しかし、あなたの場合には基礎体温が二相性で月経周期が規則的とありますので、PCOSではありません。ただ、超音波で左右卵巣のたくさんの嚢胞が見える状態だと思います。この場合には、内視鏡で焼く手術はかえって、卵巣の機能を低下させるリスクがありますので、避けるべきだと思います。あなたの場合には、卵巣焼灼ではなくて、数が少なくなるように排卵誘発法を工夫すれば、十分妊娠は可能だと考えます。[2009年6月3日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:30回 人工授精:8回 体外受精:0回
 今後、体外受精(IVF)を検討中ですが、数年前に軽い卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になった経験があり、迷っています。
 OHSSになった時には、月経周期12日目に卵胞の育ちがあまり良くないために、HMGを1本だけ打ちました。その際、副作用が怖いと伝えましたが、「今の時期に打つのはあまり影響が無いし、量も少量だから問題ない」という説明を受けて安心していました。その後、月経周期14日目にフォリルモンPを1回打ち、翌日の内診で軽度のOHSSがわかりました。その時は、HCGを打ち排卵させたのですが、排卵後のエコーでは、片側の卵巣に8個ぐらいの卵胞の痕が確認できました。
 このような経験があるので、今後、IVFにすすんで、連日排卵誘発注射を打つのが怖いです。前回、たった1回の注射で、片方の卵巣に8個できるということは、連日の注射では重症のOHSSになる可能性があるのでしょうか。その場合、どのようなことに気をつけて治療を進めればよいのかも教えてください。

 個人的には、HMGやFSH製剤をたった1回投与しただけで卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になるということは、よほど特殊な症例でなければ、まずありえないと思います。前回の件がはたして本当にOHSSと呼べるものなのか疑問です。
 また、連日FSHやHMGを投与してOHSSになるかどうか判断する上で有用なデータは、月経3日目ころの両側の胞状卵胞の数(多いと危険)と多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の疑いがあるか(月経不順、経膣超音波検査での卵巣のネックレスサイン、LH-RHテストなどのホルモン値)という点が重要です。
月経周期が規則的であることは、重症のOHSS発症の可能性という観点から見ると良いことです。[2009年5月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:回 体外受精:回
 プロラクチン値が50と高かったので、テルロンを3ヶ月間飲みました。先月の血液検査で、プロラクチン値が5まで下がったので薬をやめることになりました。テルロンはプロラクチンが高い原因を治すわけではなく、値を抑える薬なので、服用をやめると前よりも値が高くなることもあると聞いていたので、質問をすると「また高くなったら飲み始めましょう」と言われました。
 また高くなる(以前よりも高くなる)のが不安なので、お薬の量を少なくして(毎日を週に1回にするなど)でも服用を続けたいと思っていますが、それは意味がないでしょうか?やめなければならないのは、今回の結果が低すぎるからなのでしょうか?また、プロラクチンを下げるお薬は、テルロンとカバサールがあるそうですが、それらの違いを教えてください。

 テルロンはプロラクチンを産生している脳下垂体に直接作用してプロラクチンを下げます。作用は内服をやめてもしばらく続くので、正常値にまで下がったなら一度、内服を中止するとよいでしょう。その後、月に1度ほどプロラクチンを測定して、また上昇しているようであれば、内服を再開してください。
 カバサールは週1回の内服で済むので、毎日薬を飲むのが気になるようであれば、主治医の先生に相談され薬を変えてもらったらよいでしょう。[2009年5月2日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
 年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:3回 体外受精:1回
 今月採卵をして、3つの胚盤胞を凍結してもらいました。次の生理がきたら、ホルモン補充周期で初の胚移植をする予定です。
 移植周期の予定を病院に問い合わせたところ、周期15日目あたりに内膜の厚さをチェックし、ある程度の厚さになっていたら、内膜をこすって傷つける「内膜ブラシ」という処置を施すと説明がありました。内膜をこすることによって、内膜をさらに厚くして、着床しやすくするということです。
 内膜を傷つけると聞いて、少し心配になり、インターネット検索などで調べましたが、メジャーな方法でないのか、十分な情報を得ることができませんでした。この「内膜ブラシ」とは有効な方法なのでしょうか?危険性はないのですか?そして、着床率が上がるという実績が出ているのでしょうか?教えてください。

一時期、内膜に傷をつけると着床が良くなると言われたことがありますが、科学的に証明されたものではありません。出血などすることがありますので、あまりメリットはないのではないでしょうか。
 わざわざ凍結して、自然周期に戻すわけですから、そのまま自然周期で戻された方がいいと思います。しかし、この治療に対して担当の先生が自信があり科学的に証明されるようなデータをお持ちであれば、試されるのも1つの方法かもしれません。[2009年5月2日]
(院長:田中温)
年齢:32歳 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:3回 人工授精:4回 体外受精:4回
 2年半前に不妊治療を開始しPCOと診断されています。段階を踏んで、体外受精(IVF)まで行いましたが妊娠に至らず、子宮鏡を行いました。子宮鏡の結果は、内膜にバラつきがあるものの特に大きな問題はないということでした。その周期は生理がありませんでしたが、もうすでに次の周期に入っており、卵胞も育っているということで、人工授精(AIH)を行いました。AIH後はルトラールを14日間内服し、13日経過しても生理がないため受診したところ、妊娠しておらず、また次の周期に入っていると説明されました。生理がないまま次の周期に入り、治療をしてもよいのか不安ですが、どうでしょうか。
 体外受精での胚移植は、4回とも同じ周期に採卵した受精卵で行っています。治療を行っても結果が出ないのでとても不安です。PCOの場合に気をつけることがあれば教えてください。

 あなたはPCOではなく、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)ではないでしょうか。PCOとは超音波でたくさんの小さな嚢胞が卵巣内に認められる状態で、ホルモン異常を伴いませんので、月経は規則的となります。
 あなたの場合は月経周期が不規則ですので、おそらく多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で、そのために月経がこないのだと思います。ルトラールだけで出血がないということは第2の無月経ということになります。排卵障害は、第1の無月経(ルトラールで出血が起こります)の場合よりも、重くなります。まずは、ホルモン検査をして、どこがどの程度障害されているかを正確に診断する事が重要です。子宮鏡問題は二の次だと思います。[2009年4月18日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:6回 人工授精:1回 体外受精:0回 
 高プロラクチン、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)です。治療する前まで6年間生理がありませんでした。治療歴は2年で、卵管造影検査と精液検査では異常はありません。フーナーテストは4回全てよくない結果です。
 いつもの治療は、デュファストンを7日間服用し、生理5日目からフォルリモンP75単位を注射し、ゴナトロピン5千単位で排卵という流れです。(クロミッドは副作用が出るので使用できません)
 しかし、フォルリモンが効きすぎて卵胞が20個ほどでき、そのうち20mm前後の卵は8個、ゴナトロピンで排卵はするものの、卵巣が腫れて毎回治療が中止になっていました。
 今回、フォルリモンPを37.5単位に減らし、卵の数を減らしました。そして、3個の卵胞が17mmになってからゴナトロピン1万単位をうち、人工授精(AIH)をしましたが、ゴナトロピンを2倍の量にしたにも関わらず、排卵している形跡がありません。エコーでは、黒く丸い26mmの影がありました。これは、フォルリモンを打ち終えて4日後のことです。6年間生理がなく、薬でしか卵胞が育たないのに、薬をやめてから卵胞が成長するということが理解できません。フォルリモンの注射をやめても卵胞は成長するのでしょうか?また、なぜ、ゴナトロピンの量を増やしたのに排卵しなかったのかも教えて欲しいです。せっかく、人工授精、排卵日と3日以上のズレがあると、無駄に思えてなりません。今後の治療についてアドバイスをお願いします。

 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)だと思われます。このような場合には、排卵誘発ではいい卵はなかなか採れません。PCOSの場合、腹腔鏡下に卵巣をドリリング(卵巣に小さな穴をあける)する方法(卵巣焼灼術ともいわれます)が最も効果的です。是非この方法をお受けになられてください。1日入院で保険が効きますので、経済的にも肉体的にもそれほど負担にはなりません。効果は1年〜1年半続きます。[2009年4月18日]
(院長:田中温)
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