回答一覧 - タイミング治療と人工授精 No.10
年齢:36 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:6回 体外受精:1回
 子宮外妊娠(自然)になってから1年ほど治療を休んで、昨年末から治療を再開しました。現在は、クロミッドと注射を服用し、人工授精(AIH)をしています。高温期には注射とデュファストンを服用しています。
 治療再開後、生理周期は規則的ですが、この数か月は生理の量がすごく少なくて不安です。治療前は、生理周期28〜32日と規則的で、基礎体温も2層に分かれていました。高温期には胸が張ったりしていましたが、今月に関しては生理の量も少ないですし、高温期に体温がなかなか上がりません。
 今月を最後にAIHはやめて、体外受精(IVF)にステップアップするつもりです。高額な治療のため結果が出てほしいのですが、この状態で体外受精をしてもうまくいくのでしょうか?

 生理の量が多い人、生理の時のトラブルの強い人などにピルを使って治療をする場合があります。不妊症の治療にも同じような作用を持つホルモンを使う事があり、生理の量が減ったりもします。治療の過程では、子宮や卵巣の機能が変化したり、体温にも影響する場合がありますが、これはホルモンのバランスが一時的に変化するためだと思われます。不妊症の治療中には、卵胞やホルモンのチェックをして排卵を確認しますので、基本的には心配はありません。体外受精についても同様ですが、大事なステップアップですので、気になるようでしたら、もう一度主治医の先生にご相談されることをお勧めいたします。[2011年6月15日]
(産婦人科医:山本 正孝)
年齢:32 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:0回 体外受精:0回
 タイミング法を4周期行いました。
 月経は28日〜32日で規則的です。黄体ホルモン値は低い月が多く、排卵も起こる月もあればない月もあります。フーナーテストの結果は良好で、卵管は通っています。これまでにスプレキュアの点鼻を2回使用しましたが、他の誘発剤は使用していません。卵胞の育ちが少し遅いです。
 このような状態ですが、担当医には体外受精(IVF)にステップアップするように言われました。私はいきなり体外受精を行なう勇気がないので、排卵誘発剤やホルモン剤を使いながらのタイミング法や人工授精(AIH)をしたいと思っています。そのように話をしたら、「排卵誘発剤を使うと体によくないし、今度体外受精をするときも妊娠率が低くなるから無駄な誘発剤は使わない」と言われてしまいました。本当にそうなのでしょうか?

 今の治療では自然周期でのタイミングを行っているのですね。排卵誘発の方法の考え方はドクターによって異なります。あなたの希望が担当医と話し合って通らないようなら他の施設での治療にかえられるといいでしょう。
 不妊の明らかな原因がないときは当院ではタイミング→人工授精(AIH)→体外受精(IVF)とステップアップしていきます。自然周期では卵が1つと妊娠する確率が低いです。誘発剤を使えば卵が複数個できその分確率は上がります。また、たくさん卵ができることで卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などの副作用も出てきます。副作用を十分理解した上で排卵誘発剤を使用してタイミングや人工授精を行うことは問題ありません。一律に排卵誘発剤が悪いということはありません。何事も使い方1つで決まりますが卵巣などの状態を把握して使用していけば副作用を最小限にすることはできるでしょう。[2011年4月18日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:1回 体外受精:0回
 2年半前に初めての妊娠でケイリュウ流産を経験し、その後、なかなか妊娠しないので不妊治療を4ヶ月前から行っています。検査は一通り終わり、タイミング法を2回しましたが、その後、主人の精子の運動量が悪いと言われ、人工授精(AIH)を始めました。
 1回目はAIH前日に鼻スプレーをして、施行日からルトアールを10日間飲みました。AIHの12日後に茶色おりものが1週間続き、その後、量の少ない生理が始まりだらだらと9日間続いている状況です。病院では排卵はしているし、新しい卵胞はできているから様子を見ましょうと言われました。今まで生理が長引いたり、遅れることはなかったので心配です。もう妊娠は無理なのでしょうか。もう諦めるべきか悩んでいます。

 治療の過程で、子宮や卵巣機能がおかしくなることはあります。ホルモンのバランスが悪くて出血が長引いていると思われますが、必ず定期的に子宮癌検査を行ってください。卵胞ができて排卵が起きているのですから、あとは確率の問題です。年齢が高くなれば卵の質も落ちてきます。人工授精(AIH)を3〜5回行ってみても結果が得られないならステップアップして体外受精(IVF)も視野に入れてみてはどうでしょう。今の段階では諦める必要はないでしょう。[2011年4月18日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:0回 体外受精:0回
 36歳で男の子を自然妊娠出産しました。出産1年後には子宮内膜症で手術をしました。タイミングをとっても2人目がなかなかできず、40歳近くになって不妊治療に通い3ヶ月になります。タイミング療法を2回しましたが失敗、主人が単身赴任ということもあり、次回は体外受精(IVF)を薦められました。1人目が自然妊娠だったこと、検査の結果、主人も私も異常がないこと、経済的なことも考えると体外受精には抵抗があります。長年主人は単身赴任でしたが、ようやく今年の夏には念願の家族での生活ができる予定です。それまではタイミングのままで良いのか・・・それとも年齢のことも考えると治療を進めた方がいいのか・・・とても迷っています。夫婦で話し合いをしていますが、なかなか納得できる決断ができません。アドバイスをもらえると嬉しいです。

 36歳のあなたと39歳のあなたの卵巣機能は明らかに異なります。妊娠の年齢はあなたを待ってくれません。検査結果で異常ない、原因不明の不妊ということはあります。子宮卵管の状態がよくても精子と卵子が受精していない、年齢によって卵の質が下がっているなど、今の状態ではわからない不妊というものもあります。
 体外受精へのステップアップの前に人工授精が可能であれば、何回かされてみてはどうでしょうか。人工授精であれば、体外受精ほど費用もかかりませんし、タイミングよりは妊娠率が上昇します。[2011年4月4日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:30 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:3回 人工授精:3回 体外受精:0回
 第一子の不妊治療では1回の人工授精(AIH)で妊娠しました。私には残存卵胞があったのでカウフマン療法を行い、その翌周期の11日目に行なったAIHで妊娠しました。旦那の精子は、運動率が悪くて奇形が多く、白血球が多いといわれました。
 現在、第二子目の不妊治療中ですが、仕事の関係で第一子の時とは違う病院に通院中です。月経17日目くらいで3回のAIHを行ないましたが妊娠にはいたらず、治療方針の違いにも少し悩んでいます。
 第一子の時は、月経中でも内診があり、卵胞チェックや排卵チェックなど受診回数も多かったです。現在の病院は排卵近くなったら受診してAIH、その時に翌周期のクロミッドも処方されるので、受診回数もかなり少ないです。ただ、それだけでは、きちんと排卵をしたのかどうかもわからないのではないでしょうか・・・?現在は、ただただAIHの回数を重ねているだけのような気がします。元の病院に戻るべきか、今の病院で生理中でも内診してもらうように言ってみるべきか悩んでいます。アドバイスをお願いします。

 正確な治療をするには生理中、排卵、排卵後の状態を診て、タイミングを合わさなければ妊娠率は上がらないと思われます。ただ、不妊治療の方法は施設で異なります。今と前の病院の違いは明らかですね。
 今の病院に疑問をもっておられるのですから、通院の回数に問題がないならば、主治医に相談してはいかがでしょうか。相談しても無理ならば、前の病院へ戻るなどの転院も考慮に入れて、前の病院のやり方に切り替えて、ご自身が納得した上で治療をされることがいいと思います。[2011年4月4日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:2回 体外受精:回
 人工授精(AIH)のために卵胞チェックをしたら、排卵直後だと言われましたが、翌日は休診だったので、翌々日に人工授精をしましょうと言われました。心配だったので、排卵2日後の人工授精で妊娠する確率はあるのかどうかを確認したところ、「排卵後40時間以内なら大丈夫だし、精子の奇形が多いから(75%前後)、あなたの場合は排卵前より排卵後の方が妊娠しやすい」と説明されたので、主治医を信じて人工授精をしました。しかし妊娠しませんでした。 本当に排卵後40時間以内であれば妊娠する可能性があるのでしょうか?また、精子の奇形率が75%位だと、排卵後の方が妊娠しやすいのでしょうか。

 人工授精(AIH)での妊娠率は10〜15%ですので、今回妊娠しなかったことが人工授精をするのが遅かったからなのかどうかは、はっきりとは言えません。ただ、40時間以内であれば大丈夫ということに関しては少々長く(遅く)、奇形率75%では数字的に高めであると思います。排卵直後と言われたその日に人工授精という選択もあったかと思いますが、もしかしたら、その当日はご都合が悪かったのでしょう。
 精子濃度(精子の数)はどのくらいでしょうか。現在の奇形率で数が少ないのであれば、早めのステップアップが望ましいかと思います。[2011年3月3日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:29  基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:5回 体外受精:回
 卵管造影検査はとても痛みが強く、検査後は気分不良でしばらくベッドで横になっていました。結果は右卵管が少し詰まり気味と診断されました。 人工授精(AIH)をはじめましたが、毎回チューブで精子を子宮内に送り込む時に、吐き気と痛み(卵管造影時よりは軽いですが圧痛)があります。治療前に通水検査も行うのですが、その時は全く痛みはありません。
 主治医は、まれに精子を入れると痙攣を起こして痛みがでることもあるが、痛みの出る人は珍しいと言われました。処置で内膜が傷ついているのか治療後2日間位出血があります。
 主治医のいうように、精子を入れると卵管が痙攣することはあるのでしょうか?痙攣して精子の通りを妨げていないか心配です。もしくは、なにか薬剤なのにアレルギーのような反応をしているのではと心配です。人工授精は痛みのない治療だと思っていたので毎回苦痛なのですが、痛みを訴える方は少ないのでしょうか?

 子宮卵管造影検査と人工授精のときに痛みがあって、通水治療のときには痛みがないということですね。精神的に緊張したときに痛みを伴っている可能性があると思います。リラックスできる状態で(時間をとって)ゆっくり人工授精をするとか、人工授精の前にきわめて軽い安定剤等のお薬を内服することも効果があると思います。 上記以外のこととなると、子宮に角度がある場合(前や後ろへの子宮の傾きが強いとき)に、チューブが入りづらくて痛みが出るなどです。このような方の場合はチューブが入りづらいため、ややかためのチューブを選択して人工授精をしますので、毎回痛みを訴える方はいらっしゃいます。[2011年2月17日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:32 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:5回 人工授精:15回 体外受精:1回
 セントマザーにて1年前に体外受精(IVF)にチャレンジしましたが、妊娠せず治療をお休みしていました。 最近は鍼灸に通い始めて、なんとなく基礎体温も二相性になってきましたので、そろそろ治療を開始しようかと悩んでいます。ただ、体外受精は経済的に厳しいので、今年は人工授精(AIH)からチャレンジして、助成金申請ができる来年度から体外受精も視野に入れて・・・と考えているのですが、そんな治療法の希望でも受け入れてもらえるでしょうか?また、フーナーテストは受けていないのですが、気にしなくてもいいのでしょうか?

 1年経って再度人工授精(AIH)を始めるということですね。体外受精(IVF)と比較すると人工授精の妊娠率は落ちますが、決してだめということはありません。どこまで治療を希望されるかは個人によって異なりますから、人工授精の治療を始めることに問題はありませんから、診察時に積極的にご希望を教えて下さい。
 ただ、以前の検査から1年以上経過していますから、できれば子宮卵管造影検査は再度受けていただいた方がいいかと思います。人工授精の方針で進めるならば、フーナーテストに関しては、受けなくても問題ありません。精子の状態も人工授精のときに分かりますが、前もって希望があれば、検査は可能です。[2010年12月2日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:0回 体外受精:0回
 ドクターから言われる排卵予定日と、伸びるおりものが出る日がいつも異なる(予定より3日ほど前)のですが、やはり超音波検査の結果を一番に信じていればいいのでしょうか。
 基礎体温は、排卵しても数日基礎体温が上がらなかったりします。低温期の血液検査で、ホルモンバランスが逆になっていると言われたのですが、おりものと排卵予定日の違いもホルモンバランスが関係しているのでしょうか。

 自然周期で排卵日を特定するためには、1.基礎体温 2.子宮顕管粘液の量・伸長度・結晶のサイズ 3.経膣エコーでの卵胞径 4.尿中LH検査(5.採決によるホルモン値E2,P)などを調べて判断します。
 すべてが矛盾なく排卵時を予想できることもありますが、それぞれの結果が合わない場合もあります。経膣エコーでの大きさは排卵日を調べるためにかなり有効だとは思いますが、排卵直前のサイズは個人差もあり、同じ人でも周期によって異なる場合がしばしばあります。
 また、排卵予想日にタイミングをとったあと、翌日経膣エコーで排卵の有無を確認することも重要だと思います。基礎体温の上昇も参考にはなります。[2010年11月17日]
(産婦人科医:粟田 松一郎)
年齢:34  基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:8回 人工授精:0回 体外受精:0回
 1年前に子宮頸管ポリープからの出血による感染症で、第2子を15週で流産しました。第1子が帝王切開だったため、その傷からできたポリープだったらしく、根が太かったので様子を見ていた矢先の事でした。
 そして流産から4ヶ月後に子作りを再開しましたが、一向にできる気配がありません。これまでは自然妊娠で欲しいと思って1〜2ヶ月で妊娠しています。(1人目31歳、2人目33歳です)
 ホルモン値を調べてもらったら少し低かったので、排卵後にHCG5000を2回注射しています。気になって通気検査や子宮鏡検査、フーナーテストをしましたがまったく問題はありませんでした。子作りを再開してまだ8ヶ月なのですが、これまでのことがあるので、とても長く感じています。
卵管造影検査を行ってみようか・・・など色々と考えていますが、どうするのがよいでしょうか。このままタイミングを繰り返すしかないでしょうか?

 2回妊娠、1回流産ということで宜しいでしょうか。1人目、2人目とも自然で妊娠されているのはとても幸運なことです。流産後、タイミングをとって8ヶ月ほどたっているようですが、タイミング療法での1回の妊娠率はそれほど高くないので、いままで妊娠に至っていなくても不思議ということではないと思います。
 子宮鏡で異常がなかったということなので、ポリープに関してはもう問題ないのでしょう。今後の検査としては通気ではなく子宮卵管造影をお勧めします。この検査で異常が無く、さらにタイミング療法を繰り返しても妊娠に至らない場合は人工授精(AIH)を考慮に入れてください。[2010年11月4日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:3回 体外受精:回
 産み分けで人工授精(AIH)をしてくれる病院が遠方なので、近医で卵胞を診てもらっています。
 なかなか妊娠に至らないため、今回クロミフェンを飲みHMGをうちました。AIHを行っている病院の先生にその旨を伝えると、「あなたは自然に排卵しているから、今後誘発剤は使わないでください。過剰に刺激したくない。今回は卵胞が2つだからAIHは行いますが、卵胞が3つ以上あれば中止」と言われました。
 今後、本当に誘発剤は使わない方が良いでしょうか?

 卵胞を診ている病院と人工授精(AIH)をしている病院と違うのですね。
 この場合、人工授精をしている病院の方針が、卵胞が3つ以上成長していたら中止するということですから、その方針に従わないと人工授精を行ってもらえないと思います。
 自然周期では卵胞は1つしか育たないため、自然排卵していても確率が低いものです。クロミフェンやHMGを使用すれば複数個の卵が育ち、少しでも妊娠率は上がります。卵胞が複数個できる事は、妊娠の際に多胎の可能性が出てきます。卵胞計測をしている施設では人工授精によって多胎を経験し、数を制限しているのではと思われます。このままその施設でお願いをするか、他の施設で行うかは、人工授精を行っている施設の先生とも良く相談されて決められることをお勧めします。[2010年10月18日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:5回 体外受精:回
 タイミング療法の時には、漢方薬を飲んでHCG注射を打っていましたが妊娠に至らず、精子の運動率が30%前後ということで、人工授精(AIH)を5回行いましたが、いまだ妊娠しません。
 人工授精では、薬や注射はしないで、人工授精直後のHCG注射を1回のみを行っています。
 主治医からは、人工授精を何度おこなってもいいとだけ言われていますが、今後の治療については説明をしてもらっていません。体外受精(IVF)には抵抗がありますが、やはり体外受精へステップアップをするしかないでしょうか?

 人工授精(AIH)は基本的には、不妊治療施設でのタイミング法で妊娠できなかった人に行う治療方法なので、1回の治療での妊娠率はさほど高いものではありません。通院しながら排卵日を特定し、その日に夫から採集した精液から精子を洗浄・濃縮して活発な動きの精子を子宮の内へ直接注入する以外は、タイミング法とほぼ同じ内容です。翌日排卵を確認した上で、合成黄体化ホルモン剤を処方することもしばしばあります。各施設で排卵誘発の方法、排卵日を特定する方法、精子処理の方法、黄体化ホルモン補充の方法について多少の違いはあるかもしれません。
 当然、子宮卵管造影検査は行っておられるかと思いますが、スムーズに通過しているでしょうか。また過去にクラミジアに感染した可能性(クラミジアIgG・IgAの採血による検査)はないのでしょうか。子宮内膜症を合併している可能性はないのでしょうか。
 例え卵管が通過していても、骨盤内癒着(子宮、卵管、卵巣、腸管など)があると、卵巣から排卵した卵子を子宮内まで取り込むことができません。腹腔鏡検査を行うことも1つの選択肢になってきます。
 精液検査の所見も重要です。数が少なかったり、動きが弱い場合には、体外受精(IVF)や顕微授精法(ICSI)などを考えるべきこともあります。
 たとえ精子と卵子が出会っても、精子が卵子の殻を貫いて受精することができない場合もあります。この場合顕微授精(ICSI)が必要になります。
 現在一般的に行われている検査では全く異常が見つからないにもかかわらず、40歳を過ぎても妊娠できない夫婦はたくさんいらっしゃいます。「異常が見つからない」ということと「異常がない」ということは決して同じではありません。体外受精や顕微授精法などを行わなければ妊娠しない不妊の原因が隠れているかもしれません。
 女性の年齢が高くなる前に、ご夫婦でよく相談してステップアップも考えてみて下さい。体外受精でも、卵巣の能力や卵子の質を考えると、加齢による影響は大きいと思いますし、流産率も上昇します。早めの対応をお勧めします。
 また、まれには体外受精で排卵誘発や採卵などを行った後で、自然妊娠された方もいらっしゃいます。メカニズムははっきり分かりませんが、体に何らかの良い変化をもたらしたのかもしれません。[2010年9月24日]
(産婦人科医:粟田 松一郎)
年齢:34 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:5回 体外受精:回
 高プロラクチン、多嚢胞性卵巣(PCO)、早期閉経、黄体機能不全です。フーナーテストは3回行いました(2回は精子数が0、1回は精子数が1)。
 生理3日目からフォリスチム25単位の自己注射を14日投与し、生理18日目で卵胞が22mmと16mmの2つ育ちました。生理18日目にゴナトロピン1万単位を注射し、生理19日目に人工授精(AIH)を行いましたが、生理22日目に排卵していない事がわかりました。その時には2個の卵胞が33mmと20mmになっていて、それ以外にもうひとつ20mmの卵胞がありました。この20mmの卵胞が排卵する可能性があるとの事で、追加で、ゴナトロピン5000単位を注射しました。生理25日目には、エコーで3つ排卵を確認できました。
そこで、疑問が生じています。私は今まで自力で卵胞が成長したことはなく、今回も、 フォリスチムで卵胞を育てました。このような状態なのに、フォリスチムの注射を生理17日目で終了し、18日目に排卵誘発剤のゴナトロピンを注射していますが、18日目以降に卵胞が育つ事はあるのでしょうか?また、排卵誘発剤使用後に育った卵胞の質はどうなるのでしょうか?
 人工授精後から5日後くらいに排卵をしたようですが、精子はどのくらい生きているものでしょうか?

 上記のように、33mm、20mm、20mmと大きくなっていますから、ゴナトロピンを打った後も排卵していない場合、卵が成長することはあります。予定に反して排卵しない場合もあります。
 卵の質はいい場合も悪い場合もありますが、直接見えないのでわかりません。正確には体外受精で卵子を体外に採り出さなければ(採卵)、卵の質の評価は難しいです。
 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)では排卵障害、卵胞形成不全がありますので、上記のようなことは起こりやすいことと思います。
 精子の状態は、数、運動率、体内に入ってからの状態で変わりますので、どのくらい長く生きるかは正確なところ不明です。人工授精(AIH)から日数がたっている場合には、当院ではゴナドロピンを打った翌日にはタイミングの指導を行っています。[2010年9月24日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:回 体外受精:回
 セントマザーでラパロを受けたところ、左の卵管采に癒着がみられ、ある程度剥離はしていただきました。ただ、先生から年齢のこともあるので、体外受精(IVF)をすすめられました。右は異常なしなのですが、自然妊娠は無理でしょうか?

 可能性としては、右は異常がないのですから、自然妊娠の可能性はあります。癒着の程度などはビデオで見て確認できていると思いますが、年齢から体外受精(IVFD)を勧められたということですね。
 今後のことを考えると、自然妊娠の可能性もありますが、
 1.人工授精にステップアップして、早期に体外受精へ移る。
 2.初めから体外受精に移る。
 3.今まで通りタイミングで治療を行う
 といった選択肢があります。
 お二人でよく考えられて、どれを選択するかは患者様次第です。ただ医学的には年齢を考慮して早い時期のステップアップをお勧めします。[2010年8月23日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:46 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 もうすぐ47歳になります。
 不妊検査をしたところ「FSH値=45で順調に閉経に向かっています。今現在、排卵が起きていない可能性があります。」との結果でした。排卵誘発剤を服用したタイミング治療を勧められました。
 私の年齢からのタイミング治療での出産率はどうでしょうか?過去のQ&Aを拝見する限り、とても低いように思えます。このままタイミング治療を2〜3年続けて、その後、人工授精(AIH)に切り替えた場合の出産率は更に低くなってしまうのではと思っていますが、どうでしょうか?年齢的な事、経済的な事もあり、それ以上の長期治療は難しいかと思っていますが、どうすればよいでしょうか。

 いずれにしても妊娠はかなり厳しい状況だと思います。妊娠を望むのであれば、体外受精に入られる方がいいのではないでしょうか。タイミング・人工授精でも、もちろん可能性はゼロではありませんが、年齢のことも考慮すると、体外受精に比べるとやはり妊娠率は低下すると思います。[2010年8月3日]
(院長:田中 温)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:回 体外受精:回
 セロフェンによる治療を3周期行って、その後お休みをして2周期経つのですが、生理の量が減ってしまって悩んでいます。年齢のせいかとも思うのですが、誘発剤を飲んで、やめてから生理の量が減ることはありますか?今回は生理がたったの2日で終わってしまいました。妊娠しづらくなっているのでしょうか。それともお薬の影響でしょうか?

 セロフェンやクロミッドによる排卵誘発によって月経血量が減少する方は時々いらっしゃいます。子宮内膜の厚さが薄くなっているためだろうと思います。しばらくその薬剤の投与は中止して様子を見て下さい。
 卵胞ホルモンと黄体ホルモンを用いたカウフマン療法やプラノバールなどの中用量ピルを21日間内服して消退出血を起こす方法(pincus療法)などで月経出血が増加するか試してみても良いかと思います。またセロフェンよりも弱い作用の薬であるセキソビットを代わりに使用する方法もあります。流産手術などによっても子宮内膜の厚さが薄くなる人もいます。子宮内膜が薄いことも着床障害の原因になりうると言われています。[2010年6月21日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:35 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 昨年末に流産後、FSH・LH・E2・P・テストステロンが基準値より極端に少ないことが分かりました。主治医からは、視床下部性排卵障害と言われました。また、内膜も6mm以下と薄く、すべてにおいて「少ない、低い」状態です。 妊娠前にも同様の検査を受けましたが(妊娠前)、特に指摘はなかったため、流産後、回復できていないのかもしれません。
 今後の方針は、排卵誘発として、(フェマーラで反応弱いため)フェマーラと注射を併用し、排卵時に点鼻薬、排卵後に服薬の予定です。普段の生活を十分気をつけるようにしていますし、1回の結果がすべてではないのかもしれませんがどうしていいかとても不安です。年齢も35歳なので、このまま卵巣機能が衰えて妊娠できなくなる予兆なのかと不安です。
 近々人工授精(AIH)を検討していますが、見込みはあるでしょうか?それとも、今の不安定な状態では妊娠は難しいでしょうか?

 FSHやLHが低値なので、閉経の状態とは異なります。そのような心配はいりません。閉経は卵巣自体の機能の衰えによって起こります。また余談ですが、40歳よりも若い年齢でこのような閉経状態になった場合には、早発閉経と言います。
 視床下部から下垂体前葉に刺激が送られ、さらにそこから卵巣に対して、排卵させるメカニズムがコントロールされます。今は、その命令系統の一番トップの部分がうまく動いていないのでしょう。注射は下垂体から分泌されるホルモンやその類似の作用を持つ、FSHやHMG、HCGだと思います。それぞれの患者さんで治療に対する反応は様々ですが、主治医の先生の指示に従って、治療を受けて、その反応を慎重に観察し、対応していかれてはいかがでしょうか。妊娠を諦めるのは早すぎると思います。[2010年6月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:回 体外受精:回
 初めまして。2人目がほしくて今年に入ってから病院に通い始めました。男の子希望ということを伝え、内診とエコーによるタイミングと、リンカルを処方され飲んでいます。
今月は生理が遅れていたため受診したところ、高温期8日目だったので、着床と妊娠がうまくいくようにとデュファストンを7日分処方され、今日のお昼の分でちょうど飲み終わりました。副作用か、服用している間は気持ち悪く、胃の痛みや腰痛などがありました。でも体温もまだ高温期のままです。妊娠していない場合は、服用をやめてから2〜3日で生理が来ると聞いたのですが、基礎体温も下がるのでしょうか?飲み終えても生理がこない場合は、妊娠していると考えてもよいのでしょうか?デュファストンは、体内でどのような作用がおきるので、何のために服用するお薬なのか、よくわからずに服用しています。詳しくおしえてください。

 通常の女性の月経周期において、月経開始から徐々に卵巣内の卵胞が発育し、「エストラジオール」という卵胞ホルモンが上昇します(低温相)。排卵時に最も高い値まで到達し、その後もある程度の値が保たれます(高温相)。それと同時に排卵頃からは黄体ホルモンであるプロゲステロンの値が急上昇します。プロゲステロンは排卵後の卵巣の『黄体』から分泌されます。約10〜12日間の後エストラジオールとプロゲステロン値は低下して月経が開始します。「デュファストン」は合成黄体ホルモンの一種であり、自ら体内から分泌されるプロゲステロンを補う目的で処方されます。子宮内膜の作用や高温相の期間を長くさせることによって着床を促す事を期待します。[2010年6月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:1回 体外受精:回
 以前の質問に30mm以上の卵子で人工授精をしても大丈夫かどうかという質問に対し、ご回答がありましたが、排卵後の人工授精は効果がないのでしょうか?
 前回、12日目の卵胞チェックで卵が小さく、15日目で15mm、18日目に26mmでLH濃度が反応しなかったため、注射を打って排卵を促し、翌日に人工授精をすることになりました。その夜11時過ぎに腹痛があり、次の日の午前中に卵胞をみていただいたところ、排卵した後でした。
 「昨日卵があったのなら大丈夫」と説明を受け人工授精をしましたが、卵の寿命は、6〜24時間と聞いたことがあります。今回の人工授精には意味がなかったのではと思うとやりきれません。そのような治療はありますか?

 超音波で検査をしながら人工授精(AIH)を行っているなら、時間的なずれは大きいものではありません。例えば、超音波をしていて、2日以上の時間のずれがあれば妊娠率は落ちますが、今回の場合、翌日に診ての状態ですので、時間のずれはほとんどなく、妊娠率に差はありませんから、心配はいりません。[2010年5月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:28 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:2回 体外受精:0回
 不妊治療2年目で、1年前からセントマザーに通っています。ウジウジ悩むなら、結論として早く方向性を決めたが良いと思って、先月、ラパロを受けました。結果、右側卵管閉塞、左は辛うじて通っているが、体外受精(IVF)が良いだろうと言われました。なるべく自然妊娠を希望しているので、ショックではありました。
もう少し、タイミングで頑張ってみても無理でしょうか?どうしても、子供を授かりたいという願いはありますが、まだ体外受精の決心がつきません。前回、通水治療で両卵管が通ったのですが、もう一度通水治療しても無理でしょうか?

 前回通水治療をされたのはいつ頃でしょうか、最近ですか。もしも時間が経っているなら、再度通水治療をされた方がいいと思います。今回は段階を上げて人工授精(AIH)を数回してみてはどうでしょう。それで結果が出ないならステップアップして体外受精(IVF)を考えてみてはどうでしょうか。
 早い時期の体外受精が望ましいと思いますが、あなたは年齢もまだ若いですから、今回も通水うまくならば人工授精にトライすることを考えてもいいと思います。 [2010年2月3日]
(産婦人科医:永吉基)
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