回答一覧 - 治療とつきあう・カウンセリング・その他 No.6 -
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:7回 人工授精:1回 体外受精:0回
 こんにちは。現在通院している不妊専門クリニックでフェマーラという薬を処方されましたが、新しい薬ということで不安を感じています。
 昨年秋から薬を服用しないタイミング療法を始めて、今年に入ってからクロミッドを1日1錠服用して、タイミング療法を行いました。頸官粘液が非常に少ないということで、5月には人工授精(AIH)を行いましたが、妊娠には至りませんでした。3月までは高温期が9日以内と短かったのですが、4月と5月は14日間ありました。安心したのも束の間、6月に少し治療をお休みしてクロミッドも服用しなかったら、また9日に戻ってしまいました。7月は内膜も非常に薄いとのことで、今月生理がきたら、フェマーラを飲むことになりました。
 フェルマーらは、乳癌用に開発されたお薬ということと、保険がきかない新しいお薬だということで、不安があります。いつごろから、またどのくらいの人が服用しているものなのでしょうか。よろしくお願いします。

 フェルマーラは卵巣の中で男性ホルモンを卵胞ホルモンにする酵素を阻害します。その刺激により、脳下垂体からFSHを分泌させるという働きがあります。本来は、乳がんの治療・手術後に再発防止のためのお薬として、長期間使われておりますので、その安全性については問題ありません。最近、その効果が、排卵誘発にも効果があるということで、処方されております。クロミッドがあまり効果的でない場合は、フェルマーラを試してみる価値は十分あると言われておりますよ。1日1錠5日だと、短期間で少量ですから、体にはまず影響はないと思います。当院では1年以上前から使っております。[2007年8月2日]
(院長:田中温)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:4回 体外受精:0回
 私は左卵管の通りが悪く、他院で2回、セントマザーで2回の人工授精(AIH)をしましたが結果はでていません。今周期で体外受精(IVF)を希望したのですが、先生から言われたわけでもなく、自分たちの意向で体外受精に進む場合には、助成金は申請できないのですか?

 卵管通過障害および人工授精(AIH)で妊娠しない難治性不妊症という診断になります。体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)をされる方は助成金の対象となりますので、ご自身で希望された場合でも申請は可能です。申請の基準として、所得制限をクリアする必要があります。提出期限などは、自治体によって異なりますので、詳しくは、お住まいの自治体にお問い合わせ下さい。[2007年7月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:30 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 10年前に妊娠に気が付かないまま、子宮外妊娠をしました。痛みに耐えつつ、ほぼ気絶した状態で救急病院に行ったのを覚えています。一方の卵管はなくなり、もう片方の卵管は癒着しており、赤ちゃんはいなくなりました。お腹にいたなんて・・・。その後9年間、パニック症候群と鬱病の薬を毎日飲んでいます。
 悩みは、不妊治療はどうしたらよいのかということです。病院によって、体外受精(IVF)が良いという所もあったり、癒着を取る治療が先だというところもあります。また、毎日の薬を飲まないと、パニックと鬱になるので、お薬を手放せません。やはり、お薬をやめないと子供は作れないのでしょうか。精神的な病気が治らなければ駄目でしょうか。

 大変お気の毒ですが、片方の卵管を切除し、片方の卵管が癒着していれば、不妊治療としては体外受精(IVF)しか道はないと思います。しかし、卵巣があり子宮もあるのですから、体外受精を行えば、妊娠の可能性は十分に残っていますから、希望を捨ててはいけません。
 子宮の状態が悪い方や卵巣の状態が不良で卵ができない方に比べると、卵管だけの問題であれば妊娠に関してまだまだ有利な状況だと考えられます。ただ、一側の卵管の癒着を取る治療を試みても、「自然妊娠」に関しては、効果は少ないように思われます。
 また、パニックとうつに関してですが、薬を止めなければ子供は作れないということはありません。ただし、妊娠した場合には止めるべきでしょう。精神的な病気があることと妊娠することは別問題ですが、妊娠に備えて、良い精神状態であるように、ご家族をはじめとして、主治医の先生やまわりの人々の助けを受けて、少しでもよくなるようにされるとよいでしょう。[2007年6月16日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:5回 体外受精:0回
 5年近く不妊治療中です。次回、人工授精(AIH)が失敗したら、体外受精(IVF)に進む予定です。高プロラクチン血症気味で薬を服用している事以外は、はっきりとした原因がないと言われています。
 実は、主人の父が子供の頃に広島で被爆しており、被爆者手帳を持っています。主人は、二世手帳は未取得です。主人が被爆二世であるという事と、私達夫婦が不妊であると言う事は関連があるのでしょうか?
 精液検査の結果は、やや緩慢ではあるものの、数・運動率は問題ないというお話でした。
 もし仮に二世であるという事が、原因かも知れないのであれば、IVFに進んでも結果が出ないのでは…という不安があります。遺伝子検査を受けると原因が分かるかもしれない、と聞いたのですが、IVFに進む前に検査を受けた方が良いでしょうか?また、何という検査を受ければよいでしょうか?

 御主人が「被爆二世」であることが、不妊症の原因となっている可能性はかなり少ないと思います(ただ、それを証明することはできません)。
 男性不妊に関係する責任遺伝子(AZF・DAZなど)については、現在も研究が進められていますが、まだまだわかっていない部分がかなり多い分野ですし、「精液所見がほぼ正常」という状態において、しかも体外受精(IVF)をまったく行っていない段階で、そのような検査を行なうことは、コストがかさむ割に得られる情報のメリットはかなり少ないと思います。また、その結果が、今後の治療を判断できる材料とはなり得ないと思います。
 精液検査上、ほぼ正常に近い御主人の精子を使った体外受精や顕微授精(ICSI)において、妊娠の可能性は十分期待できるように思います。逆にこのような高度生殖医療による治療では、女性の方の問題(女性の年齢・卵子の数や質・子宮内膜の状態など)が妊娠の可否に大きなウエイトを占めることが多いと言われています。
 また、精液所見がほぼ正常であるにも関わらず、タイミングや人工授精(AIH)で結果がでないご夫婦の場合には、「卵管への卵子取り込み障害(ピックアップ障害)」や「卵子が原因の受精障害」「子宮内膜症」などが原因となっている場合もあります。
 被爆二世である御主人が日常生活においてまったく支障がないのであれば、生まれてくるお子様もそれが原因で障害が出る可能性もほとんどないのではないかと考えています。[2007年6月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:30 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:10回 人工授精:0回 体外受精:0回
 1人目は自然妊娠、出産して10ヶ月後には、生理が再開しました。再開した生理は不正出血で、10日〜2週間時持続しました。内服にて治療しましたが、月経周期は規則的にはなりませんでした。その後、2人目を希望し、1人目出産後2年目から治療を開始して、排卵誘発剤の注射を使って妊娠して、7月に出産予定です。
  すぐにでも3人目がほしいと思っていますが、前回のように10ヶ月も生理を待ってからでなければ治療ができないのか、それとも、もっと早くから治療できるものなのかを教えて下さい。

 出産後は乳汁分泌ホルモン、プロラクチンなどのホルモンが出て、妊娠するためとは反対のホルモン状態を作り出しています。そうすることで、出産後の子宮・卵巣の機能に休息を与えているのです。それを人工的に、妊娠させるような状態に作ると、体のホルモン状態のバランスを崩すことになります。そうすることで、体調や育児に影響を及ぼす可能性は高くなります。断乳が終わって、体のバランスが元の状態に戻れば治療は可能です。[2007年5月15日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:31 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 2人目妊娠希望です。今週が排卵予定日なのですが、風邪をひいて、風邪薬を5日間服用しています。主人は、耳鼻科に通院中で、抗生物質を服用しています。もしこの状態で自然妊娠した場合、これらの薬の服用によっての胎児への影響はありますか?妊娠中に服用しなければ大丈夫でしょうか?

 一般的に市販されている風邪薬の胎児への影響はほとんど心配ないと思います。抗生剤も、大半のものは大丈夫です。しかし、一部の種類で胎児へ影響する可能性のあるものもありますので、薬剤名を確認してください。
   新しいお薬の場合には、まだ十分なデータがないために、慎重な対応が望まれるとのコメントがしばしばあります。[2007年5月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
 年齢:26 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:0回 体外受精:0回
 初めて、ご質問させて頂きます。先月から、治療を始めました26才です。妊娠をとても望んでいるのですが、ひとつ気掛かりなことがあります。主人の父は、目がまったく見えない盲目の人なのです。ご両親が血縁同士で結婚したため、主人の父の兄弟は皆、目が見えません。子供の頃は見えていたということですが、中学生ころから盲目になったそうです。主人は色弱です。
  結婚する時は深く考えなかったのですが、今考えると、私たちの子供に遺伝するのではないかと心配しています。盲目の義父の遺伝はどのくらいの確率で発生するものでしょうか?

 盲目の原因には色々な要素があります。遺伝について、ご心配であれば、ご主人方の家系図を描き、お義父様の盲目の生理学的な原因は何なのかを詳しく調べてもらう必要があると思います。疾患によっては遺伝性のはっきりしているものもありますし、そうでないものもあります。盲目と色弱とは、直接的な因果関係はないと思いますよ。[2007年5月15日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 過去に国際結婚して子供を生んで離婚しました。現在、日本に好きな人がいて結婚を考えており、その男性の子供を欲しいと思っています。しかし、その男性と出会う前に、悪い人と付き合っていて「悪魔の白い粉」を使用してしまいました。今の私は、更生して、生活も普通にしています。
 今後、好きな人と結婚・妊娠・出産しても、子供は普通に生まれてくるのでしょうか?それとも、異常児が生まれてくる可能性が高いのでしょうか?何か検査方法があるのならば教えてください。誰にも相談できず、悩んでいます。よろしくお願いします。

 妊娠中の使用は論外ですが、ドラックをやめてからかなり期間が終えているのであれば、大丈夫ではないでしょうか。
 全く問題ないといわれる若いカップルが妊娠しても、そのうちの10%以上が流産・死産となり、新生児の数%に先天的な異常が見つかるといわれています。以前使用したドラッグの妊娠・出産への影響を調べる方法はないと思います。妊娠後の胎児検査についてですが、大きな形態異常を調べるには超音波検査が有効ですし、染色体異常を調べる方法としては、羊水検査などがあります。 [2007年5月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 一昨年11月、昨年5月と両方とも妊娠8週で流産し、掻爬(そうは)手術をしました。2回目は、出血して入院後、やっと心拍確認ができた後の流産でした。流産を2回繰り返すことは少ないと聞いていたため、2回目の妊娠については、前向きに臨めましたが、残念な結果となり、精神的にかなり落ち込みました。 昨年6月に大学病院で検査した結果、第十二凝固因子が少ないことが分かり、低用量のアスピリンを2ヶ月分いただきました。しかし、すぐに3回目の妊娠を望む気持ちにはなれず、しばらく経過してから、服用を開始することに決めました。
 そろそろ流産後1年が経過しますが、また流産を繰り返すのではと思うと、怖くて前向きになれません。しかし、年齢のことや周囲の期待を考え、毎日悩んでいます。恥ずかしい話ですが、未だに一人で泣いたりすることも多く、精神的に立ち直ったとは言えない状況です。
 このサイトを熱心に読ませていただき、とても力づけられていますが、先生方の回答に、「精神面と生殖機能(卵子の状態)には関係があり、精神的に安定していることが大事」とあります。今の精神状態のまま服薬や治療を開始するのは避けたほうがいいのでしょうか。かといって、いつになれば、立ち直れるのか自信がありませんが・・・。
 流産を体験した女性のつらい気持ちを、第三者や男性が理解、あるいは共有することには限界があると思います。「男女が結婚して、子供が生まれ、幸福な家庭をつくる」ということは、確かに「幸せ」の一つの形かもしれませんが、「どうしてもそこへたどり着かなければいけない、たどり着きたい」と自らを追い詰めてしまうことはいかがなものでしょうか。価値観、人生観を別の視点から見直してみると、肩の力が抜けるのではないでしょうか。そうすれば、もっと抵抗感なく、治療を再開できるようになるかもしれません。たとえ、最終的に子供が得られなかったとしても、あなたにとって貴重な「人生」であることに変わりはありません。[2007年4月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:43 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:1回 体外受精:0回
 41歳で、人工授精(AIH)により妊娠し、出産しました。現在、子供は1歳と2ヶ月です。年齢が気になり、第2子に向けて、治療に通おうとしたところ、「プロラクチンが多く分泌されていてはよい卵子が望めないので、断乳してから3ヶ月経ってから来てください」と言われました。授乳は母乳とミルクとの混合で、現在は夜中心に母乳をあげています。ほとんどおしゃぶり代わりで量はあまり出ていないと思うのですが、オッパイが大好きなので、断乳に困難さを感じています。実は生理は産後2ヶ月目に始まり、量や規則性ともに妊娠前と同じになっています。断乳も徐々にやっていきたいと思っていますが、生理が再開していてもプロラクチンは多く分泌されているのでしょうか。
 人間の授乳行動はプロラクチンという乳汁分泌ホルモンの支配を受けていますから、授乳行動を行っているとプロラクチンが分泌されています。
 プロラクチンは、乳汁の分泌を助ける作用ばかりではなく、排卵を抑制し、月経がおきることを防ぎます。これは、母乳による子育ての期間は、母親が育児に専念できるように、また、次の妊娠に備えて体力を回復する期間を十分にとるためです。
 母乳育児を行っていて、産後早くに月経が回復していても、排卵は不完全であるかもしれません。そのような状態では、卵の質もよいものとはなりません。断乳されて、プロラクチンが正常になって、排卵が正常に起こっていることを確認できれば、治療を再開されてもよいと思います。[2007年4月15日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:20回 人工授精:0回 体外受精:1回
 セントマザーでの凍結胚移植にて妊娠し、現在妊娠10週目を迎えます。少し心配な情報を耳にして、質問をさせていただくことにいたしました。
 あるサイトで「黄体ホルモンが及ぼす子どもへの影響」のことが取り上げられておりました。これは、アメリカや欧州においては周知のことで、アメリカの研究者が、「胎児期に合成黄体ホルモンに曝された子どもの攻撃性が、そうでない子の倍以上に増大している」という学説を発表したそうです。これによると、強盗殺人を犯した少年が、胎児期に(母親が)黄体ホルモンや甲状腺ホルモン製剤の投与を受けており、これが犯罪をおこしたことと関連があると考えたと述べられているようです。
 私は妊娠が判明してから心拍確認ができた7週2Dまで、プレマリン5錠とヒスロン6錠を毎日服用しておりましたが、大丈夫でしょうか?
 妊娠中のホルモン剤の投与が、子供の性格に影響するということは間違いだと思います。体外受精(IVF)で使う黄体ホルモンの量は、通常、体内で分泌される量に比べると微量であり、かつ短期間です。このようなお薬で、胎児に影響が出るということは、私の経験上まったくございませんので、ご安心下さい。[2007年4月15日]
(院長:田中温)
年齢:39 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 20歳と21歳の時に、2回の中絶経験があります。
 2回目の手術後、生理が3日で終わるようになりました。その後、しばらく3日間しか生理がなかったのですが、30歳を過ぎたころから、だんだんと期間が短くなり、量も減り、現在では1日で終わってしまうようになりました。治療法はないのでしょうか?もう妊娠はできないのでしょうか・・・
 中絶したからといって、生理が変わってくるということはありませんし、妊娠ができなくなることはありません。あなたが過去のあやまちに対して、深く心に傷を負ったために、生理が短くなったことをそこに結び付けてしまうのではないでしょうか。中絶と生理期間や量の状態とはまったく無関係ですし、妊娠に関しては、調べてみないとわからないことですので、あれこれと悩むよりも、専門医を受診され、きちんとした検査を受けて、必要であれば治療を行われた方が良いと思います。[2007年4月15日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:29 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 幼少の頃より毎日アレルギー(アトピー)の薬を服用していますが、妊娠に影響をしますか?健康な子供を作るために、子作りや妊娠中の期間はお薬を飲まないなど、気をつけなければいけないことはありますか?
 アトピーのお薬にも様々な種類があります。お薬を処方してもらっている主治医とご相談されるのが一番でしょう。[2007年4月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:19 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 以前、アフターピル後の出血が、生理か初期流産のどちらかと質問したものです。 アフターピルの処方理由は、中絶ではなく、コンドームで避妊をしましたが、どうしても心配になったので処方してもらいました。望まない妊娠をしないために、ちゃんと避妊をしたかったからです。
 しかし、出血が流産による出血だった場合、これから先、妊娠した場合に、また流産をしないかなと不安になりました。また、自分のせいで流産してしまったのかもしれないと思うと、心が痛みます。
 12月1日と12月12日に性行為をして、12月14日と15日にアフターピルを飲んで、12月19日に出血があったということは、やはり生理なのでしょうか・・・?終わってしまったことでいつまでも悩んでいても仕方ないし、今更、生理か流産かということは分からないかもしれないのですが、もしも流産だった場合は、どのような流産なのでしょうか?生理の可能性と流産の可能性はそれぞれどのくらいなのかを聞きたかったのです。教えて下さい。

 
 コンドームをしていたのであれば、一般的に、妊娠した可能性は低いと思います。排卵の時期と性交の時期も重要な要素です。また、前回の月経開始日、月経周期(何日型か)、基礎体温表、排卵痛や排卵時出血、子宮頚管粘液の増加、などが排卵を特定できる要素となります。
 12月19日から出血があった場合、12月1日の性交による妊娠であれば、妊娠4週での流産となりますが、今回の場合、「アフターピルによる流産」の可能性は、かなり低いと思います。12月12日に性交して、12月13日〜14日に排卵、アフターピルによって、いつもより早め(12月19日)に月経が始まったという可能性もあります。
 ここからは、このQ&Aをご覧になっている妊娠を望まない方々へのアドバイスです。
 まず、「アフターピルを飲む」という行為自体が、避妊ではなく、「一度受精した卵(胚)を中絶する」という意味をもつことをご理解ください。「アフターピル」の中絶に対する効果はさほど高いものではありません。排卵後に使用を開始する時期によっても大きな差があると思います。ご本人が「効果があった」と思っているケースでも、実際には妊娠が成立していなかった場合がかなり多く含まれていると思います。ほとんどの方は、流産や中絶を心痛く思うことでしょう。厳しい言い方になりますが、妊娠を望まないのであれば、事前にピルを内服し、コンドームと併用をしてしっかりとした避妊を行い、アフターピルに頼るような状況が起こらないようにすべきです。今後のことをよく考えて、相手の方と一緒にしっかりと避妊方法を考えていただきたいと思います。[2007年4月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:40 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 現在、マーベロンを服用して良い卵を作ることから始めていますが、お酒は控えたほうがよいのかなと不安に思っています。また、今後は、排卵誘発剤を使用することになると思いますが、誘発剤使用時や採卵前も、お酒は控えた方が良い卵が取れて妊娠しやすくなるのかなとも考えていますが、いかがでしょうか?また、不妊治療をする上で注意する点があれば教えてください。
 また、現在はマーベロンを生理初日から服用しています。基礎体温をつけていますが、初日から少しだけ高温なのですが、薬を服用している間は体温が違うのでしょうか?
 飲酒の量や頻度はどのくらいでしょうか。治療中は、通常よりも頻度や量を減らし、体調を整えた方がよいでしょう。
 マーベロンは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤で、黄体ホルモンは体温を上昇させる効果があり、基礎体温がやや上昇することがありますので、体調が悪くなければ問題はないと思います。[2007年3月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:4回 体外受精:2回
 現在32歳で近畿地方在住です。治療を始めて2年になります。卵管造影検査と腹腔鏡検査を受けた結果、左側卵管に癒着があって剥離しました。右の卵管采はこん棒状でしたが、通っていたため、人工授精(AIH)をしました。2回目にHCG反応が出たため、検査しましたが、どこに妊娠細胞があるか分らないので抗がん剤の投与で治療しました。4回目は左卵管の子宮外妊娠で卵管を切除しました。その後、体外受精(IVF)に進みました。初めての採卵で9個とれましたが、受精は1個だけで、グレードは2(G2)でした。受精障害の要素が大きいので、2回目は顕微授精(ICSI)をしましたが、4個しか採卵できませんでした。ICSIで3個が受精し、2個は分割が進み、3日目にG1の8分割と5分割を戻しました。
 最初は、ピックアップ障害だと思っていたのですが、治療を進める度に、色々な問題が出てきて、次回は胚盤胞移植か二段階移植か・・・などと悩んでいます。その反面、もう諦めた方がいいかもしれないとも考えてしまいます。専門の先生から見て、私のような場合でも、まだ希望はあるでしょうか。排卵誘発法は、AIH・IVFともに、ロング法のスプレキュア+HMGです。移植後は、プロゲステロン膣錠とプラノバールと黄体ホルモン注射とHCGです。最初の病院で、他の患者さんの前で、傷つくあだ名で呼ばれて、知識がないと勉強不足だと怒られ、専門的な質問をすれば「素人が」と言われていました。転院をしてからも、後遺症からか質問しようとすると、緊張して上手く悩み事が話せません。今後どのような治療がよいでしょうか。希望をもってよいでしょうか。
 これまでのご苦労、心よりお察しいたします。あなたと同じような辛い思いをされた方はたくさんいらっしゃいます。前向きになって、がんばってください。
 治療としては、体外受精(IVF)が唯一の治療法だと思います。顕微授精(ICSI)で妊娠するためには、まず良質の卵子がある程度の数(多すぎるのはよくありません)必要になります。数が少ない場合の妊娠率は、どうしても低くなります。
 次に、着床の問題があります。排卵誘発のために、GnRHアゴニストやGnRHアンタゴニストなどの強いお薬を使わざるを得ませんので、どうしても卵巣や子宮内膜へ悪影響を及ぼす場合もあります。可能であれば、採卵周期には全胚凍結をして、自然周期に戻す方が妊娠率は少し高くなると思います。但し、凍結の技術が完成していないと、却って卵の質が落ちてしまうことがありますので、一概には言えませんが、担当の先生にご相談されてみてはいかがでしょうか。
 不妊治療は、担当医と患者様の心が十分に通じ合うことが必要です。ご自身の考えを遠慮なく担当医に申し出て、もしも受け入れてもらえないようであれば、施設を変えるのもひとつの方法かもしれませんね。辛いでしょうが、必ずいい結果が出ると信じてがんばってください。[2007年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:1回 人工授精:0回 体外受精:0回
 半年前から降圧剤(朝:カルブロック・カルデナリン・テノーミンを1錠ずつ、夜:カルデナリン1錠)服用しています。昨年9月に妊娠した時にアルドメットを服用していましたが、流産した時に血圧がかなり上がったため、今回は使わないと思います。
 妊娠を希望していますが、これらの薬の影響がとても気になります。テノーミンについて自分で調べると、危険性があると表記されていましたが、内科の先生は影響は無いとおっしゃいます。どう判断すればよいのでしょうか。
 内服中のお薬についてのご心配ということですが、高血圧症があること自体が妊娠においてハイリスクであることを認識する必要があります。特に、肥満体型であった場合は、リスクは更に高くなります。妊娠により、腎臓に負担がかかる事などが考えられますので、ハイリスク妊娠のグループに入ることになりますから、高次医療施設での妊婦管理が望ましいでしょう。
 アルメットやアプレゾリンは、妊婦に対してもしばしば使用するお薬です。他の薬の可否は、必要に応じて主治医が判断することになります。妊娠を希望していて、従来の方法で血圧がコントロール困難な状態であるようであれば、主治医の意見に従う必要があると思います。
 血圧コントロール不可能などのリスクがあって、母体の安全を考え、妊娠を中断せざると得ない危険な状態になることもあります。妊娠前に、まず、妊娠してもよいかどうかについて、主治医とよく話し合って下さい。[2007年3月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:23 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 20歳の時に、生理が2ヶ月続いたり、生理が2ヶ月なかったりと、不規則で、初めて産婦人科に行きました。そこで、女性ホルモンが少なすぎるといわれました。仕事が忙しく、病院にはなかなか通えませんが、結婚して2ヶ月、早く子供が欲しいです。
 私は、AB型Rhマイナスなので、障害者が生まれると聞きました。元気に生まれても、生まれた直後に、血液を全て交換しなければいけないという話も聞きました。障害をもって生まれても愛情は変わりませんが、障害をもって生まれてくることがわかっているのなら、生まない方が子供のためなのではないかという葛藤もあります。元気に生まれる可能性はないのでしょうか?また、AB型Rhマイナスの場合、気をつけなければならないことはありませんか?
 まず、月経不順については、血液型はほとんど関係がないと考えています。「Rhマイナス」は日本人には少ないのですが、米国などでは比較的多くいます。「障害児が生まれる」というのは間違いです。
 ただ、多少のリスクはありますので、知っておいてください。
 「Rhマイナス」は、常染色体劣性遺伝なので、パートナーが「Rhプラス」の場合には、胎児も「Rhプラス」になる確率が高くなります。通常、母親と胎児の血液が混ざり合うことがありませんが、流産や妊娠・出産時など何らかの理由で「Rhプラス」の血液が「Rhマイナス」の人の中に入ると、「Rhマイナス」の人の体内で「抗D抗体」が作られ始めます。以前に流産や出産した時の対応が充分でなかったために、抗D抗体ができてしまうことも多いようです。
 抗D抗体ができても、母体には影響はありませんが、抗体は、「Rhプラス」の人の赤血球を破壊してしまいます。赤血球が破壊されると、妊娠中期に子宮の中で「Rhプラス」の胎児が重症の溶血性貧血になることがあり、緊急で帝王切開が必要になりますし、輸血などの治療も必要です。その場合は、かなりの早期産になりますので、障害が残る可能性があります。
 「Rhマイナス」の妊婦さんに対しては、妊娠初期と出産前に間接クームスと不規則性抗体の検査をします。結果が陰性なら、妊娠28週頃と出産直後に予防的に「抗Dグロブリン」の筋肉注射をします。流産した場合にも、母体に「抗D抗体」ができないように、予防的に抗Dグロブリンを投与します。もし抗体ができてしまった場合には、それ以降の妊娠に対しては、妊娠中期での溶血性貧血の発生の有無について、厳重な管理が必要です。その場合は、NICU(未熟児医療センター)のある大きな病院でみてもらうことになるでしょう。[2007年3月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:4回 体外受精:1回
 治療を始めて1年半が経ちました。タイミング法によって妊娠しましたが、7週で流産を1回経験しています。その後、まったく妊娠にいたりません。
 主人は、妊娠しない原因の1つが「仰向けに寝ないこと」だというのです。「卵は重力によって動く」というのを本で読んだらしく、横を向いて寝ると卵が横によってしまって着床しないのではないかと言っています。私は、仰向けで寝ることが苦手で、横を向くか、うつぶせで寝ています。また、1日数時間パソコンをすることが日課です。このように座ったままの姿勢も良くないから、とにかく横になっていなさいと言われます。私自身、体がだるかったり、お腹の痛みがあった場合には、妊娠の可能性を考えて安静に過ごすように心がけています。
 就寝時の体勢や、長時間座ったままの姿勢が、着床に影響を与える可能性はあるのでしょうか?
 当院では、就寝時の大勢や、長時間の座位は、着床に影響しないと考えています。
 妊娠についてのご心配はないと思いますが、長時間パソコンをされることは、眼精疲労や肩こりの原因にもなりますので、ストレッチなどを取り入れ、ストレスにならないようにしてください。[2007年3月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:不明 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:0回 体外受精:0回
 初めまして。
 私は、毎回生理が始まる前に顎のしたと右の乳房に必ず眉毛位の太さの毛が生えてきます。これは何かの異常なのでしょうか?それとも男性ホルモンが多いのでしょうか・・・。体毛も女性の割には量もあり濃いのですが、それとも関係あるのでしょうか?
 毛の生え方には個人差がありますので、気にされなくてよいと思います。
 男性ホルモンが過剰になる病気もありますので、もしも、男性なみの体毛であれば一度専門医に相談をする必要があるかもしれません。しかし、日本人ではそのような病気は少なく、多少体毛が濃い程度では、病気ではなく、個人の素質の差ということがほとんどですから、気にされる必要はありません。
 将来妊娠をして、出産という女性しかできない経験を通して、十分な女性ホルモンが出現し、自然に改善されていくと思います。[2007年3月1日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
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